1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

岡本さんのコンサート

2010-09-26 11:33:26 | Weblog
10月20日東京国際フォーラムでのコンサート。
病院から東京国際フォーラムへの道のり。これをどうやってクリアするか?それが問題でした。最短時間で移動しなければなりません。
もちろん新幹線での移動ですが、新幹線に乗るまでの道のり。新幹線を下りてからの道のりが難しい。
病院の近くの駅から電車に乗るとすると、駅の改札からプラットホームへどうやって移動するかを考えなくてはなりません。駅のエレベーターって小さいんですよね。娘は水平に寝ているので車イスの持ち手から足先までの180㎝は、小さいエレベーターだと入らないんです。
大きな駅に行けば、エレベーターのサイズも大きいので、「やはり名古屋駅まで行くしかないだろう」という結論に。
「福祉の足」おじさんの介護車に乗り、約1時間かけて名古屋駅に到着。
駅の改札に着くと、駅員さんが(若い駅員さんではなく、きっと偉い役職と思われる年配の駅員さんでした)待っていてくれて、ホームまで案内してくれました。歩いている途中も「どこに行くの?」と話しかけながら、車イスを優しく押してくださっていました。
新幹線の多目的室(写真)は畳一畳くらいの広さで、水平に倒した車イスがギリギリ入る大きさです。扉も付いているので、インフルエンザの流行るこの季節、抵抗力の落ちている娘も安心して過ごせます。人目を気にすることなく、排尿排便も行えましたので本当に助かりました。
お弁当を食べて夕食を済ませた頃、東京駅到着。
着いたホームには、やはりJR職員(やはり年配の職員)が待っていて下さり、車イスを押して出口まで誘導して下さいました。
ホームから地下通路を京葉線に向かって10~15分くらい歩くと、国際フォーラムの地下コンコースに繋がっています。京葉地下丸ノ内口で駅員さんと別れ、エレベーターで地上に。このエレベーターが最後の難関。狭いので車イスが入るかどうか不安でしたが、何とか押し込み、会場に着く事ができました。
会場に入ると、スタッフの方が娘をみつけて近寄って来られました。
「こちらへ」と誘導され、一枚のドアの中へ。
本番前の大切な時間なのに、彼女が会いに来てくれました。
娘の目の高さまでかがんで「遠い所へよく来てくれたね。」と。
それから2時間楽しい時を過ごし、帰路へ着きました。
行きは、楽しいことが待っているので痛みも薄らいでいましたが、車イスに乗ってからすでに7時間余りが過ぎていたので、帰りは痛みとの闘いでした。
名古屋駅に着くと、年配の女性が運転される介護車が待っていました。いつものおじさんは、他の患者さんの予約が入っていたため、この女性を紹介してくれたのです。
この女性は、福祉関係の仕事を長年やって来られたのですが、患者さん達の需要から介護福祉車の運転を始められたそうです。福祉の足のおじさんの先輩であり、先生です。
おそらく60才は過ぎていらっしゃると思われます。その後しばらくして、その方は介護福祉車の運転から引退されました。
すでに11時が過ぎ、時間が遅いので、病院には戻れません。
1時間かけて家まで戻りました。
家のベッドに移り、ようやく痛みから解放されました。
楽しくて、幸せで、辛くて、大変な一日が終わりました。