1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

徒然に

2014-04-03 06:46:55 | Weblog

3回目の手術が決まった時、主治医から話があった。

「今回は仙骨をとるので、まっすぐ立って歩くことができなくなります。

ヒョコヒョコと足を引きずるようにしか歩けなくなります。」

自称モデル志望のあかねは、手術が全部終わったら、リハビリをがんばって、1人で歩けるようになることが目標でしたから、

先生の話を伝えることはできませんでした。

その時点で、「もし・・・」の選択はありませんでした。

病状は深刻で、まずは生き残ることが先決でした。

私たち家族は、生き残ることを優先して答えを出しましたが、正しい選択はどれだったのでしょうか?

あかねはどれをえらんだでしょうか?

生死がかかっているときは、おそらく生を最優先するでしょう。

でもその後、はどうでしょう?

人間は欲張りです。

「生きてさえいれば・・・」と思っていたのに・・・。

あかねは生還することができなかったので、「もし・・・」のあとがありません。

もし、生きていれば、あの子はいまどんな生き方をしているでしょう?

桜を見ながら、徒然に・・・


旅立ちの春

2014-04-01 10:19:31 | Weblog

住んでいるマンションの桜です。

30年以上も前から途絶えることなく、毎年、咲いています。

枝も短く、細い木でしたが、今では、手をいっぱいに広げ、通る人を包み込んでくれます。

あと数日すると、見事な桜吹雪が見られます。

子供の手を引いて、毎日、この木の下に出かけました。

子供が一人増え、二人増え、そして三人に。

それも、この木たちは見ていました。

一番上の娘が、嫁ぐことになりました。先日、入籍しました。

もう、うちの戸籍には、娘がいなくなりました。息子が一人です。

あかねの同級生も、5月に結婚します。

「早いな~」と思ったけれど、もう22歳なんですね。

どうも、二十歳くらいから、あの子の成長についていけません。

もう、その年のあかねを想像することができなくなりました。「14歳のあかね」は、いつまでたっても14歳なんですね。

お姉ちゃんが、あかねが、息子が、ひとひらの桜を追いかけて、走り回る姿が、いま、そこにいる女の子に重なります。。

この桜たちは、何人の子供の成長を見守ってきたんだろう。

たくさんの子供たちの成長を心待ちにしているんだろうな。