1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

病院のこと その後

2007-11-23 02:44:49 | Weblog
先日、二人のお医者様にお話を伺う事ができました。
一人は公立の大学病院の先生、もう一人は私立の大学病院の先生。
それぞれの病院の治療方針、年間の症例数、看護体制、終末ケアの有無、院内学級の有無、漢方薬や免疫療法などとの併用は可能か等の質問をさせていただきました。
どちらの病院も院内学級がありました。大部屋での家族の付き添いも可能です。
抗がん剤治療と手術を中心として、一方の病院では温熱療法、放射線治療が、もう一方は免疫療法の一貫として、活性型リンパ球を用いた先進治療が行われているそうです。
その私立の病院はDPC制度(入院医療の標準化と効率化を目指す制度)を導入していて、化学療法-手術-化学療法と長期の入院は病院が大赤字になってしまうこともあり、化学療法の切れ目で退院し再入院治療を行うという方法をとっているようです。家庭の事情で、それができない患者さんには「愛知がんセンター」の様にDPC制度に入っていない従来の長期入院治療が可能な施設を紹介されています。
一方、公立の先生のお話では「新しい薬や治療法を導入するとき、病院の委員会に諮らなければなりません。公立の病院はお役所仕事と同じで物事の決定に時間がかかる。一つの薬の承認を得るのに長い時間がかかります。保険が利かない治療は混合診療となり患者さんの負担は大きくなります。その点、私立の病院は対応が早いです。」混合診療のことは「免疫療法のこと」でお話しましたね。保険の利かない治療を併用すると、それまで保険が利いていた治療まで保険が利かなくなり、治療費の全額を患者が負担することになるのです。
どちらの病院にも、それぞれ長所・短所がありました。きっとどの病院も同じだと思います。
骨粗しょう症の薬でビスホスフォネートという薬があります。これ自体に腫瘍を壊滅させる力はありませんが骨破壊を抑える、痛みの緩和という効果があるそうです。先ほどの公立の大学病院の先生はビスホスフォネートの効果は認めておられましたが病院の承認が下りないため使えないと話されていました。
娘は入院当初からビスホスフォーネートを抗がん剤と併用して使っていました。これは私立の病院であるため比較的自由な治療法が選択できるからでしょう。
しかし、病院の経営方針のため退院を余儀なくされたこともあります。先生も病院の方針に逆らうことができません。
看護婦さんの数も公立に比べれば少ないと思います。一人ひとりの看護婦さんは高い志を持っていても、手が足りないため患者さんに不自由を感じさせることは否めません。
このようにどこの病院も長所短所を持ち合わせています。だからと言って改善されることは難しいでしょう。
そこで考えていただきたいのが、病院同士の連携です。
通常の治療は1つの病院で行い、別の治療が必要だと考えられる場合にその治療が受けられる病院に一時的に移ります。その治療が終われば元の病院に戻るのです。
それが可能になれば、「もっとたくさんの子供たちが救われるのでは?」