1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

痛い!

2013-11-21 08:08:46 | Weblog

「痛い!」

あかねの体は、満身創痍、傷だらけだった。

うっかり、体に手があたろうものなら、ギロリと大きな目でにらんでくる。

「ごめん、ごめん」

看護士さんにも、よく怒っていた。

看護士さんの中にも、ドジな人がいて、緊張すると普段やらない失敗をやらかす。

あたっちゃいけないと思うと、ついあたってしまう。

私も似たようなタイプなので、その若い看護士さんが他人とは思えなかった。

今頃、どうしているだろう。ベテランの看護婦さんになっているかしら。

一年以上、お風呂にも入っていないし、体を抱きしめるどころか、触ることも出来なかった。

亡くなって、家に帰ってきたとき、私は彼女の体をさわりまくった。

皮膚はカサカサのはずなのに、体液が体中の細胞に充満してパンパンで皮膚はツルツル。

骨と皮だけになっていた足も、腫れ上がって丁度いい太さになっていた。

髪も少し短いけれど、ベリーショートと言えなくもない。

皆とお別れするときは、「元気な時の姿で」との意志が働いているみたいだった。

式の前に、口元が寂しいと、ご自分のルージュを娘に塗ってくれた友人。いま、そのルージュは仏壇に。

 

浴槽につかるとき、お湯の中から痛々しい手が出てくる。

その手をつかんでさすってやる。

妄想が始まる...

 


母の魂

2013-11-16 12:42:34 | Weblog

先日、テレビで癌がテーマの番組をやっていた。

その女性は、3歳の男の子をもつ母親。30代で乳がんを発症。

そして彼女の母は、やはり乳がんで、3歳の彼女を残して30代の若さで亡くなっている。

癌になりやすい体質は、遺伝する。

私の主人は、4歳で母親を乳がんで亡くしている。

そして、その当人も大腸がんを発症。

そして、娘を骨の癌、骨肉種で亡くした。

子供に先立たれる親の悲しみは大きいが、小さな子供を残して逝かなければならない母親の悲しみはどれほどのものだろう。

 

母の魂は、我が子から離れることはない

 


死後の世界

2013-11-08 01:18:57 | Weblog

前に進めずに、同じところをグルグル回っている。

ブログも同じことを繰り返している。

 

死後の世界は、存在するんだろうか?

存在するなら、娘との再会も夢ではないのかも...

そう信じることができれば、幸せだろうな。

 


いつか

2013-11-08 01:05:54 | Weblog

私の仕事は建築現場に行くことから始まる。

現場付近の地図一枚を頼りに、その場所を目指す。

移動時間が少ないときは、「すぐに見つかります様に」と、祈るような思いで走る。

十数年、県内を走り回った。

個人タクシーを始めたら、この経験がきっと役に立つと思っている。

今日も、知らない道を走っていたら、以前、走ったことのある道に出た。頭の中で道がつながった。

頭の片隅で、「いつかこの道をお客様を乗せて走るかも」と思っている。

無理をしないで、焦らないで、いつか道が開けるのを待とう。


違うかたち

2013-11-02 19:26:52 | Weblog

昨日、通院している友人を迎えに病院にいった。

この辺りでは、一番大きな総合病院である。

玄関で、友人を待っていると、次から次に、介護タクシーがやってくる。

どれも、ストレッチャーが載せられるタイプの大きな車である。立派な車ばかり。

そのほか、介護施設の車が、施設の利用者さんを運んでくる。

10分くらいの間に、7、8台やってきた。

市内に5社、周辺の市を合わせると16社。認定されている会社だけでもこんなにたくさんある。

娘が利用していたころと違い、タクシー会社が増えて、生き残るのが大変らしい。

知人が2年前から介護タクシーをやっているが、2年でやっと必要経費が払えるくらいだと言っていた。もう一人は個人タクシーをやめて、介護職に戻った。

ドライバーとして使ってもらっている会社の社長から、先日、施設を事務所として使っていい(お酒の席だったので信憑性はあるのかどうか不安ですが)と言われたのは嬉しかったが

一歩踏み出せない現実がある。

こんなに介護タクシーが充実しているのだから、サービスもきっと向上しているはず。私がやる必要ないのかも。。。

もっと違う形を考えても、いいのかな...