あなたが亡くなってから、しばらくして、主治医のW先生は、大学病院をおやめになり、開業医になられました。
その理由が、やっとわかりました。
先生は、あなたに家で最期を迎えさせてあげられなかったことが心残りだったそうです。
今、あなたのような子がいたら、最期まで家庭で、自分が面倒をみたいと思われています。
現在も、診察の合間をぬって在宅の終末期患者さんのお世話をされている。
あなたは、先生が力を振り絞った最初で最後の患者だと、
いまも悲しみは残っているけど、やり尽くした気持ちもあると先生は言われました。
うれしいね。
先生の声が聞こえてきました。
「そうか!じゃあ、部活を何とか続けられる方法を考えて行こう。」
どんな理由かわからないけど、何かがあって、今!今日!はきっと部活を休んで、病院に来たんだろう。
でも、きっとこの子は、部活を休んでいても、くじけないで復帰できる日まで頑張れるだろうな。とわけもなく思い、もう少しで涙が出てしまうところだった。
あかねもこんな声掛けをたくさんしてもらっていたんだろうなと思った。
先生、本当にありがとう。