1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

ES細胞

2009-06-12 21:43:56 | Weblog
昨日の新聞の記事に目が止まった。
「岐阜大にiPS細胞研究施設」
iPS細胞の研究の先駆者は京大の山中教授。

山中教授が作り上げたのは、大人の皮膚細胞に4種類の遺伝子を導入することで、ほぼ無限に増殖し、神経や筋肉、骨などのあらゆる細胞に変わる胚性幹(ES)細胞(万能細胞)に似た「人工多能性幹(iPS)細胞」である。
これまで、ES細胞は卵子や猿などの動物の胚などを利用するしか作る方法がなかった。女性から卵子を取り出すのは危険であり、また生命(もしくは、これから生命となる物)を扱う事に対して倫理的にも問題があったため、研究は進まなかった。しかし、山中教授達が開発したこの方法では、人間の皮膚から作られるので、危険性、倫理的な問題などを回避する事が出来るようになる。そのため、論争に関わりなく研究が進められる。

この研究が進めば、自分の皮膚から作られた骨や内臓を移植できるので拒絶反応もない。臓器移植と脳死判定の問題も解決されるだろう。
1か月くらい前の記事に「亡くなった息子が生前に希望していたとおり臓器提供を申し出た両親に対して誹謗中傷が殺到した」とあった。
心ない人たちの言葉は、刃となって両親の心を切り裂いた。

娘のガン細胞は生き続けている。娘を殺したガン細胞だけど娘の体の一部に違いない。それだけでも私は嬉しく思っている。
ましてや、自分の子供の心臓や角膜が誰かの体の中で生き続けているとしたら、どれほど慰められることか。