1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

応援歌

2008-04-29 09:22:00 | Weblog
一周忌が終わってから今日まで、月日の経つのが早いこと。
あっという間に3ヶ月が過ぎようとしています。
先日、古くからの友人が「ブログ読んだよ。なんだかあなたじゃない気がする。
いつもヘラヘラとバカなことを言ってバカなことをやっているあなたとは別人だよ。」
このブログを続けることで心のバランスをとっていました。
「後に続く子供たちとその家族の心の支えになれれば」と書き綴ってきました。
でも、日々進歩する医学に自分の力不足を感じ始めた頃に、ミクシィを知り、現在進行形で交わされる会話に触れました。
そこには今現在、病気と闘っている子供やその家族の不安が語られていました。でも数分後には「大丈夫ですよ。私もそうでした。」と同じ病気と闘った人たちの言葉が綴られています。
治療を終えて日常の生活に戻る時の不安。それを拭ってくれるのも、かつて同じ病気と闘った人たちの言葉です。

最高の応援歌です。

コロッケのこと

2008-04-23 13:01:04 | Weblog
仕事でよく通る道の脇に小さなお肉やさんがある。
商店街の中のお肉やさんはよく見かけるが、このお店は道路わきにポツンとある。
改装してお店は綺麗だけれど、「きっと老舗なんだろうな。」と思いながらいつも通り過ぎていた。
今日そこを通ったのはお昼時。仕事の合間にうちに帰ってお昼ごはんを食べようとしていた。「コロッケ」の文字が目に飛び込んできた。一度通り過ぎたのにUターンしてしまった。
「コロッケ8個ください。」お店の人がコロッケを大きなフライヤーに投げ込む。
待っている間にお客さんが入れ替り立ち替りやってくる。
お客さんのほとんどが年配の女性。きっとご近所さんで昔からのお得意さんだろう。
1個62円安いな~。
車に乗ってコロッケにかぶりつく。「おいしい。」
そういえば小学生の頃、土曜日のお昼はいつも「コロッケ」。学校から帰るとお金をもらってお肉やさんに一っ走り。
揚げたてのアツアツが美味い!
そのあと1時から吉本新喜劇を見るのが定番だったな。

今日の晩御飯のおかずは、もちろんコロッケ。
でも息子や主人が食べる頃には、このコロッケは普通のコロッケになっている。

いちどお試しください。



子育てのこと

2008-04-21 12:22:38 | Weblog
亡くなった娘は第二子ですが正確に言うと第三子になります。
一人目は結婚してすぐに出来たのですが、2ヶ月で流産してしまいました。この時期の流産は珍しいことではなく、10人に1.5人の割合でおきるそうです。
卵子が受精して、子宮にたどり着き着床はしたのですが、遺伝子的な要因かなにかでそれ以上育つ事ができずに「胎のう」が空っぽになってしまいます。
「ちょっとキツい生理痛」くらいに思って、流産に気付かないこともあるらしいのです。
その流産の影響かどうかは分かりませんが、その後まったく妊娠できなくなりました。6年間不妊治療のハシゴをしましたが妊娠の兆候なし。

不妊の治療を続けていると治療が胎児に与える影響のことや、高齢出産の弊害・ダウン症のことが気になります。
「もし我が子が障害を持って生まれたらちゃんと育てる事ができるだろうか」そんなことを考えるようになりました。それから沢山の本を読みました。
ダウン症等障害を持った子供は生まれた直後からの治療と訓練で障害の度合いを軽く、あるいは発症を遅らせることが出来るそうです。実践している医者や親の著書も沢山ありました。そういう著書の中に理学療法士・言語療法士という言葉がよく出てきました。
最後に読んだ本はヘレン・ケラーの先生であるアン・サリバンの著書です。
そして「子供はあきらめよう。その代わりに何か出来る事があるはず。」と言語療法士の道を目指そうと決意しました。
10年も前に卒業した学校から推薦状をもらい、願書もそろえて後は受験するだけになっていました。
しかし不思議なもので、この頃、私は第一子を妊娠していたのです。
流産の経験があるので、絶対安静です。願書と推薦状は机の奥にしまわれました。

ここからが私の子育ての始まりです。

長距離歩行のこと

2008-04-11 21:09:19 | Weblog
娘が通っていた中学校では、2年生になると長距離歩行に挑戦します。
車で学校から42km離れた山中に運ばれます。夜中の3時に出発し、歩いて中学校まで帰ります。
先日その話題が続けて出ました。そういえば、もうすぐなんですね。

娘はその頃はもう車椅子でしたが、長距離歩行には参加するつもりでした。
一生に一度の経験です。
「じゃあ母さんが車椅子を押そうか?」と言うと「友達に押してもらうからいい。お母さんは他のお母さんと歩いて。」と言います。
車椅子でしかも床ずれもあるので、舗装された道でないと進めません。
先生にコースを教えてもらって、前日、下見をするつもりにしていました。
娘は本当に楽しみにしていたんです。

でも数日前の抗がん剤治療で白血球の数が激減していて病院の外に出ることはできません。
「今年の長距離歩行はあきらめよう。治ったら来年挑戦しよう。きっと同級生たちが一緒に歩いてくれるよ。」

結局、娘は参加する事が出来ませんでした。
その日は長距離歩行始まって以来の悪天候だったそうです。

3年後、弟が中学2年生になります。
3人で一緒に歩こうね。




桜の季節

2008-04-03 12:22:09 | Weblog
今年も桜の季節がやってきました。
そういえば去年は桜を見上げることもなかった。

この春、娘の同級生たちは高校生になります。
高校生になった娘、どうやっても想像できません。
中学生の間は制服姿を追いかける事が出来たのですが...。
ジグソーパズルの様に近所の高校の制服にあの子の顔を重ね合わせてみるのですが
しっくりきません。
きっと二十歳になって成人式を迎えても、14歳のあの子のままなんですね。

去年、桜の季節が終わる頃。
久しぶりに会った友達が言ってくれました。
「あかねちゃんのことは絶対に忘れないからね。」

ありがとう。