良し悪しは別にして状況は変わりつつある

　握手会があった土曜の夜公演、MC などで握手会をネタにする傾向があったんだが、ちょっと微妙かなあ。いや、私自身は土曜日には握手会行ってないんで、考え過ぎなのかも知れないけど、行った友人に聞いたところでは、だいぶ流しが高速だった様子。ファンはそれでも、というか、それだからこそ、必死にループ ( 繰り返し何度も参加すること ) しているのだ。アイドルとしては「こんなに何度もありがとうございます」とか、せいぜい「頑張ってくれてうれしいです」くらいのことを言っておけば良いと思うのだ。ファンの必死さを、アイドル側からネタにするのは、そろそろまずくないか。

　確かに「これまでの」AKB48 では、そこで「××さんまた来たんですか、必死ですね」とか「もっとお金を大事にした方が良いんじゃないですか」とか、「○○ちゃんに行ってたのは何なんですかっ!(怒)」とか、それに弁解しようとすると取り合わずに「もう 1 回来てください」とか、およそアイドルから客に向けるとは思えない(^_^;)言葉が飛び交っていたようで ( いずれも私が言われたわけではなく、聞いた話 ) 、それはそれで「ふつーのアイドルじゃ絶対あり得ない」おもしろさだったと思う(笑)。ただそれは、AKB48 がまだメジャーになりきれず、流されるファン以上にメンバーの方が握った手を放さないくらい、強固な連帯意識で結ばれていた時期だから成り立った話だとも思うのだ。

　けれども、さすがにそろそろ、そういう時期は過ぎつつある、ように思うのだ。新しいファンの中には、かつてメンバーとファンの間で共有していた、ある種の仲間意識、ノリといったものが通じない人がたくさんいる。そういう人がカチンと来て、ネット掲示板あたりでもっともらしい正論を振り回し始めると、非常に厄介なことになりかねない。マス ( たくさんの人、くらいの意味 ) を相手にするというのは、それなりの難しさが伴うのだ。

　たとえば、先日のテレビ番組でのまいまい発言だって、馴染みの客にとっては「おー、まいまいさん相変わらず強気だねえ」とか「そんなこと言ったらスカひら何十回も見てる俺たちはどーなるんだよっ(^_^;)」程度の笑い話でしかないものを、言葉の表面だけ捉えて、良く知りもしないのにわざわざバッシングだけしに来るやつらがいくらでもいるのだ。良くも悪くも、今の AKB48 は、そういうことに気をつけなければならない「メジャー」の域に足を踏み入れつつある。

　まあ、だからと言って、ごく無難な発言しかしなくなってしまったら、それはそれで　AKB48 らしくない気もするんだけれど、まあせめて劇場の中だけにしておくとか、さらには劇場の中でも「ここに来てくれているのは私たちのこと良く分かってくれている人たちだと思うんで」みたいな予防線を張っておくとか、そのくらいの配慮はしておく方が良いような気もする。