大きな波乱が起きるとしたらそこしかないだろう、というところに、まさに波乱が起きたなぁ。組閣はしたけれど、本当の意味での政権交代は後から来た、ということになるだろうか。
去年の「選抜総選挙」について、私は終始距離を置いて見ていたのだけれど、後になって、結果的に良かったと思うことが一つだけあった。それまで3年半、「不本意ながら押し上げられているトップ」だった前田敦子さんが、総選挙後、初めてトップらしい顔つきと言動を見せるようになったことだった。あまりにも時間がかかったと言わざるを得ないし、それまでにずいぶん犠牲もはらわれただろう。消極的でリーダーシップを取らない不動のトップに心を傷めた人がたくさんいたはずだし、AKB48自体もずいぶん回り道をして来たように思う。しかしとにかく、AKB48がブレークするぎりぎりのタイミングで、前田敦子は「間に合った」のだと思う。
4月後半だったと思うが、チームA公演を見ていて、驚いたことがあった。確かその時は、高橋さんや小嶋さん、峯岸さん、篠田さんなどが休演という状況ではあったのだが、その公演に出ていた顔ぶれの中で、一番出来が良かった(と私が感じた)のが前田(敦)さんだったのだ。4年半もチームAを見続けて、そんな風に私が感じたことはただの一度もなかった。もちろんそれは、他のメンバーや研究生がいささか不甲斐ないという面もありはするのだが、それでもやはり、あっちゃん自身の覚醒がなければ起こり得ない。あくまでも結果論として、この点だけは昨年の「選抜総選挙」の功績だったと、私は思っていた。
他方の大島優子さんは、子役時代からの長いキャリアがありつつ、AKB48にいる限り「どんなに上がっても全体になったら2番手」というポジションを宿命づけられていた。上を狙う意識の高さと、何よりも自負心とプライドの高さがありつつも、その自負心やプライドゆえに過剰に挑戦的であったり、あるいは「2番手ポジション」にうんざりしたような投げやりな態度が垣間見えたりすることがあった。それがまた一部古参から見ると「やはり全体のトップは任せられない」という評価につながる要因でもあった。私などはひまわり組くらいまで、大島さんのステージングについて良い印象を持つことはごく少なかった。
しかし、梅田さんが戻り、秋元さんや宮澤さんがアイドルとして成長し、野呂さんや大堀さんが年長らしい存在感を増し、倉持さんが頭角を現すなどして、(旧)チームKが結束を固めていく中で、大島さんもだんだんジャイアンではなくなり、チームの一体感の中で重要な一角を占めるようになっていたように思う。彼女は演じることにかけては最初からチームK(というよりAKB48全体)における第一人者だったかも知れないが、その他の点では、彼女もまたチームKによって大きく育てられた一人なのだと思う。そして昨年の総選挙以降は、かつてのムラっ気は陰を潜め、無駄にギラギラするでもなく、その時その時の自身の立ち位置に対して求められる役割をきちんと担いつつ、安定して良いパフォーマンスを示して来たと思う。
こうした背景をつき合わせてみた時に、優子の長年の苦悩と努力が報われた今回の1位は、心から良かったなと思う。しかしまた、せっかく昨年の1位で目を覚まし、初めてトップとしての自覚を持って努力して来たあっちゃんが、その1年を経てトップの座から降りることになったのは、どうにも残念というか、気の毒な気がしてならない。ただ、頑張っても結果が出ず、報われない、というのは、いつどこで、誰にでも起こり得ることだ。そしてまた、他の多くのメンバーたちが、多かれ少なかれ味わって来た挫折感でもある。それでもみんな「自分はどんな努力が足りなかったのだろう」と自分を省みながら、次のステップを目指そうとするのだ。もしここで、あっちゃんがトップの責任という肩の荷を降ろしたことで「楽になって」しまったら、それはAKB48全体が下り坂に入ることを意味する。どうか来年はトップを奪い返すという気概で頑張ってもらいたい。
とうとうトップを張ることになった優子については、あまり心配はしなくて良いと思うけれども、ただ自負心とプライドが空回りしないようにだけは気をつけて欲しい。先頭でみんなを引っ張る意識が強く出過ぎて、気がついたら自分の後ろについて来ている人がいなくなっていた、ということのないように配慮する必要がある。「上」として想定できる目標がなくなると、自分自身の向上心だけを原動力として、自らペースを作っていかなければならなくなる。それはたぶん、予想以上の重荷として両肩にのしかかって来るだろう。それこそは、あなたが望み続けてきたトップの重みというものなのだ。
昔、このブログで「現状でトップランナーになっている人、そしてまた、これからなるであろう人について述べているつもり」で書いた以下のエントリを、今や名実ともにトップランナーになった大島優子さんへのはなむけとしたい。
トップランナーの孤独・その1
http://blog.goo.ne.jp/akb48fan/e/622c0e5b43db5276a21d1a973b2fd6b7
トップランナーの孤独・その2
http://blog.goo.ne.jp/akb48fan/e/7ff41a6fe3b81198a48500dd204995cc
去年の「選抜総選挙」について、私は終始距離を置いて見ていたのだけれど、後になって、結果的に良かったと思うことが一つだけあった。それまで3年半、「不本意ながら押し上げられているトップ」だった前田敦子さんが、総選挙後、初めてトップらしい顔つきと言動を見せるようになったことだった。あまりにも時間がかかったと言わざるを得ないし、それまでにずいぶん犠牲もはらわれただろう。消極的でリーダーシップを取らない不動のトップに心を傷めた人がたくさんいたはずだし、AKB48自体もずいぶん回り道をして来たように思う。しかしとにかく、AKB48がブレークするぎりぎりのタイミングで、前田敦子は「間に合った」のだと思う。
4月後半だったと思うが、チームA公演を見ていて、驚いたことがあった。確かその時は、高橋さんや小嶋さん、峯岸さん、篠田さんなどが休演という状況ではあったのだが、その公演に出ていた顔ぶれの中で、一番出来が良かった(と私が感じた)のが前田(敦)さんだったのだ。4年半もチームAを見続けて、そんな風に私が感じたことはただの一度もなかった。もちろんそれは、他のメンバーや研究生がいささか不甲斐ないという面もありはするのだが、それでもやはり、あっちゃん自身の覚醒がなければ起こり得ない。あくまでも結果論として、この点だけは昨年の「選抜総選挙」の功績だったと、私は思っていた。
他方の大島優子さんは、子役時代からの長いキャリアがありつつ、AKB48にいる限り「どんなに上がっても全体になったら2番手」というポジションを宿命づけられていた。上を狙う意識の高さと、何よりも自負心とプライドの高さがありつつも、その自負心やプライドゆえに過剰に挑戦的であったり、あるいは「2番手ポジション」にうんざりしたような投げやりな態度が垣間見えたりすることがあった。それがまた一部古参から見ると「やはり全体のトップは任せられない」という評価につながる要因でもあった。私などはひまわり組くらいまで、大島さんのステージングについて良い印象を持つことはごく少なかった。
しかし、梅田さんが戻り、秋元さんや宮澤さんがアイドルとして成長し、野呂さんや大堀さんが年長らしい存在感を増し、倉持さんが頭角を現すなどして、(旧)チームKが結束を固めていく中で、大島さんもだんだんジャイアンではなくなり、チームの一体感の中で重要な一角を占めるようになっていたように思う。彼女は演じることにかけては最初からチームK(というよりAKB48全体)における第一人者だったかも知れないが、その他の点では、彼女もまたチームKによって大きく育てられた一人なのだと思う。そして昨年の総選挙以降は、かつてのムラっ気は陰を潜め、無駄にギラギラするでもなく、その時その時の自身の立ち位置に対して求められる役割をきちんと担いつつ、安定して良いパフォーマンスを示して来たと思う。
こうした背景をつき合わせてみた時に、優子の長年の苦悩と努力が報われた今回の1位は、心から良かったなと思う。しかしまた、せっかく昨年の1位で目を覚まし、初めてトップとしての自覚を持って努力して来たあっちゃんが、その1年を経てトップの座から降りることになったのは、どうにも残念というか、気の毒な気がしてならない。ただ、頑張っても結果が出ず、報われない、というのは、いつどこで、誰にでも起こり得ることだ。そしてまた、他の多くのメンバーたちが、多かれ少なかれ味わって来た挫折感でもある。それでもみんな「自分はどんな努力が足りなかったのだろう」と自分を省みながら、次のステップを目指そうとするのだ。もしここで、あっちゃんがトップの責任という肩の荷を降ろしたことで「楽になって」しまったら、それはAKB48全体が下り坂に入ることを意味する。どうか来年はトップを奪い返すという気概で頑張ってもらいたい。
とうとうトップを張ることになった優子については、あまり心配はしなくて良いと思うけれども、ただ自負心とプライドが空回りしないようにだけは気をつけて欲しい。先頭でみんなを引っ張る意識が強く出過ぎて、気がついたら自分の後ろについて来ている人がいなくなっていた、ということのないように配慮する必要がある。「上」として想定できる目標がなくなると、自分自身の向上心だけを原動力として、自らペースを作っていかなければならなくなる。それはたぶん、予想以上の重荷として両肩にのしかかって来るだろう。それこそは、あなたが望み続けてきたトップの重みというものなのだ。
昔、このブログで「現状でトップランナーになっている人、そしてまた、これからなるであろう人について述べているつもり」で書いた以下のエントリを、今や名実ともにトップランナーになった大島優子さんへのはなむけとしたい。
トップランナーの孤独・その1
http://blog.goo.ne.jp/akb48fan/e/622c0e5b43db5276a21d1a973b2fd6b7
トップランナーの孤独・その2
http://blog.goo.ne.jp/akb48fan/e/7ff41a6fe3b81198a48500dd204995cc
「万年2位」と称されていた大島さんのトップ奪取。その壮挙には、幼少期に人質となり、長じても信長、秀吉に辞をひくくし、じっと機会を
待って天下平定の覇を成し遂げた家康をなぞらえてしまいました。
心よりの祝意を送りたいです。
対して、前田さん。「地位が人をつくる」さながらに、最近はトップに相応しい堂々とした貫禄を、私も感じていました。押しなべて、ハーフメイドな経験者達の集まる昨今の研究生を見るにつけ、凡庸な中学生少女「ダメダメあっちゃん」のここまでのサクセスストーリーには改めて「奇跡」を感じさせられます。
AKB48プロジェクトに於ける「成長過程を見守る」が誇るべき独創のコンセプトであるならば、前田敦子さんという存在は、その「結晶」であり「精華」なのではないでしょうか。
「正直悔しいです」の思いをバネに「捲土重来」を期して、更なる高みを目指していただきたいものです。
プロ棋士谷川浩司氏のお言葉です
「負けましたとはっきり言える人は強くなる。
これをいいかげんにしている人は上には行けない」
絶え間ない努力こそ大切なのか
失敗が無い人生は真の成功は無いと思うので現状肯定主義にメンバーが陥らなければ…
グループの成長はある
昨日は映画館で見ていましたが、終わった後に「AKBの終わりが早まったかもしれない」と言っている観客がいたことが印象的でした。
その懸念は杞憂に終わるかもしれないし、逆にその可能性もなきにしもあらず、という気もしないでもない。
それぞれのポジションで頑張ることの意味を自覚し始めていた2人が、今度は全く違うポジションでの役割を求められる。1位とそれ以外の差は、とてつもなく距離があるし、そのことをお互いに認識しているからこそ、乗り越えて欲しいと思います。
順位についてしか目が行かなくなりますよね。
実際、AKBについて総選挙のことしか知らない私の周りの知り合いは、
彼女たちの間に「女の確執」があることを当然のように語ります。(正直それを聞くと、内心穏やかではありません)
しかし事実、彼女達はかれこれ4年以上もの長い付き合いがあり、
その中で私達が思うより深い絆がそれぞれの間に生まれているのだと信じます。
だからあっちゃんと優子には外部とかけ離れた環境でしっかりコミュニケーションを取って、
それぞれの立場の役割、存在意義などを話し合って欲しいものです。