そうこうしている間にも劇場ではいろいろなことが起きているが、とりあえず初日の話を、前のエントリに続いて書ききってしまうということで。
「雨の動物園」は以下のような配役 (敬称略)。順番に意味はない。
ゾウ : 渡辺(麻)、キリン : 片山、ライオン : 早乙女、ペンギン : 平嶋、
シマウマ : 菊地、チンパンジー : 多田、パンダ : 松岡、ラクダ : 野口
前任者えれぴょんのイメージがあまりにも強いゾウには、やはりコドモ好き系のファンが食いつきそうな ( と言うか、すでに食いついている ) 渡辺まゆゆ。個人的にはライオン早乙女さんの、チーム K の高田さんを思わせるような動き方がおもしろかった。また、松岡さんのパンダも見どころ。「こんなにパンダが似合う人はいない」と言われた ( らしい ) 前任者の野呂さん、青年館シャッフルで「こんなにパンダが似合う人がもう 1 人いたとは」と言われた ( らしい ) チーム A の成田さんに優るとも劣らない似合いぶり。
全員に言えることだが、この曲では着ぐるみに照れとか気恥ずかしさを感じていたら、すぐにフリが小さくなり、客にバレる。曲の内容は念願だった楽しいデートであり、衣装はそれを彩る動物たちなのだから、思い切り歌詞の世界に入り込んで気持ちを作り、大きく演じることが重要。何人か、この曲で特にフリが小さく見えた人がいたほか、ゲネと初日の両方で同じところを間違えていた人がいたので、頑張ってほしい。一方、曲の最後の決めポーズでなっちゃんが片足を上げているのだが、結構な時間にも関わらず、きちんと静止していた。見事。
MC は下手側からパンダの松岡さん、ラクダの野口さん、キリンの片山さん、ライオンの早乙女さん、チンパンジーの多田さん。多田さんはちょっと早口なので、はっきり大きな声で話すように心がけた方が良いと思う。
「ふしだらな夏」は私のメモによると浦野さん、井上さん、渡邊(志)さん、片山さん、平嶋さん、柏木さん、田名部さん、渡辺(麻)さん、菊地さんとなっているのだが、他の人のレポートと食い違っている。確かに、直前の MC に出ている片山さんがこの曲にいるわけはないので、たぶん私の間違い。メモは「かたはる」になっているので、「なかはる」と書くべきところを間違えたのかも。
「Don't disturb!」の英語の台詞は渡辺(麻)さんが担当。K-2nd 初日ではトラブルがあって台詞が飛んでしまったという逸話があるが、今回はゲネ・初日とも問題なく。この曲では、しなを作り過ぎの人、客席への目線送りがちょっと媚びた印象になってしまっている人などが気になった。誰とは書かないでおく。本人なりの努力の結果なのだろうとは思うけれど、ちょっと方向性が違うかなという印象。
「Virgin love」は冒頭、中央のどんでんから田名部さんを中心に 5 人が駆け出して来る。下手側から渡邊(志)さん、柏木さん、田名部さん、井上さん、米沢さんの順だが、ここの田名部さんがなかなか良い感じ。この曲では、渡邊(志)さんのフリの細部での決め方や、Cindy MIHO さん ( もはや本名のかけらも残っていないわけだが ) の表情などが良かった一方、新人の中にはフリに乗り切れず、大げさに言うと棒立ちのように見えた人がいた。シングルの c/w にもなっているという意味で、いわば AKB48 の代表曲の 1 つでもあるので、きっちりとマスターして欲しいところ。
「日付変更線」では、客席のフリ真似との一体感を楽しんでしまっているのか、ずっとニコニコして、また姿勢そのものが前のめりになってしまっている人がいた。確かにそこは楽しいポイントではあるのだが、歌詞の内容からすると、ただニコニコしていれば良いわけでもない。歌詞の内容を自分なりにイメージして、どう歌えば良いかということを考えてみると良いと思う。
MC は下手側から野口さん、柏木さん、多田さん、菊地さん、渡邊(志)さん、仲谷さん、早乙女さん、田名部さんの 8 人で。途中で浴衣の残り半数と入れ替わり。
「僕の打ち上げ花火」では平嶋さんの力量が大幅に向上していることを実感した。例を挙げると「♪もっと もっと もっと 好きになった」の瞬間で、ちゃんと「その部分の歌詞に応じた」良い表情ができていた。楽曲に合わせて表情を変えていくこと自体は、元チーム A メンバーとしてはできて当然なんだが、さらに歌詞の部分部分に応じて表情を調整していくのは、より高い技術になる。なっちゃんがそこまでできる子だと思っていなかったので、ごく普通にそれができているのを見て、すごく驚くとともに、うれしかった。ついでに言うと、私はたまたまその瞬間に目が合ったもんだから、思わずホレそうになってしまった(^_^;)。変な釣りによってでなく、楽曲の中の表現でグラッと来るのは、見ている側としてもうれしい経験。いやほんと、この曲のなっちゃんはすばらしい。
なおこの曲では、新人メンバーについても、間奏部分ではそれなりに表情を工夫しようという努力は感じられた。ただ、歌が始まると、意識がそちらに集中してしまうのか、表情が追いつかなくなるといった印象だった。
で、「ありがとうございました」でハケて暗転。アンコール。チーム K 風に誰かが「アンコールいくぞー」と叫ぶスタイルだったが、これで定着するのかどうか。私はどちらかと言えば、決まった誰かでなく、誰ともなくアンコールを言い出すスタイルの方が好きだなあ。いつぞやのチーム A 公演のように、アンコールが起きなければ本当にやらない、みたいな方が、真剣味があるというか。浴衣からの着替えのせいか、やや長めだった気が。K-2nd の時どれくらいだったかまで憶えているわけじゃないんだけれど。
アンコール 1 曲め「約束よ」では、フォーメーションの最後列にいて自分が歌っていない時に、気が抜けている人が見受けられた。というか、だいぶ疲れているんだろうなという印象もあり。他方、渡辺(麻)さんの表情が、この初日の間にも、次第に良くなって来ていると感じた。まああれだけコールされれば気分も良くなるだろうなあ(^_^)。
そして「転がる石になれ」に。ゲネに続いて、客席からはほんのちょっとだけ嫌そうな声も聞こえたが、思わず出てしまった声という程度で、公演の邪魔をするような意図のものではなかったと思う。「♪We are the team B」のところが新ポーズになっているものの、基本的には最初の円陣なども含めてチーム K のスタイルを踏襲。しかしチーム K の喜びと気合に満ちた「転がる石になれ」とはやはり別物といった印象。それはまあ当然でもあり、仕方のないことなので、この先、チーム B なりの良さを出していけるように頑張ってほしい。
MC は仲谷さん主導で。息が切れつつも気後れせずにしゃべろうとしているのがおもしろい。並び順は下手側から片山さん、早乙女さん、米沢さん、野口さん、仲谷さん、井上さん、田名部さん、仲川さん、多田さん、菊地さん。「♪We are the team B」のポーズの解説など。言葉にすると難しいが、右手を開いたところから薬指と小指を曲げ、人差し指と中指を少し開いて、手のひら側を顔の方になるように近づけ、人差し指と中指で目を上下にはさむ位置に置く。その位置から、「♪We are the team ...」に続く「♪B~」に合わせて、手をまっすぐ前方に差し出していく。これは目からビームが出る様子を象徴しているとのこと。
着替えが済んだ 6 人に入れ替わり。下手側から浦野さん、渡邊(志)さん、柏木さん、井上さん、平嶋さん、渡辺(麻)さん。なぜかきれいに歳の順(笑)。最後の締めの挨拶は渡邊(志)さん。
そして「シンデレラは騙されない」では、曲の冒頭でなっちゃんがど真ん中にいる。見ている側もうれしいけれど、それ以上になっちゃんがうれしそうなのが見どころ(^_^)。実に生き生きと歌って踊っているものだから、5 割増しくらいにかわいく見えて、またホレそうになる(笑)。渡邊(志)さんも長身で背筋のシャンとしたフリのきれいさで見映えがするし、そして何よりもシンデレラと言えば浦野シンディである。冗談で「♪見かけより長く生きてる」ってみほさんのことかなあ、などと言っていたことはあったのだが、本当に浦野さんがレギュラー公演でこれを歌うようになるとは(笑)。冗談はともかく、年長だけあって、歌詞の内容の駆け引き的な部分を、よく表情で示せていると感じた。
私の場合はどうしても思い入れもあり、移籍組 3 人ばかり見てしまう傾向があるのは事実なのだが、しかし、こういうガチンコ勝負のところでこそ、新メンバーにも頑張ってもらいたい。たとえば、柏木さんはソツなく歌い踊れている感じなのだが、今一つおもしろみがない。歌詞の内容の「本当は誘って欲しい」という甘えた気持ち、ないし期待感を表情に出して行けると良いのではないか。一方の井上さんは逆に、「どう誘ってくれるの?」と試すいたずらっぽさや、「騙されない」というしたたかさなどを出せると良さそうな気がする。同じ曲を歌い踊るにしても、それぞれの人によって、どう歌詞を解釈し、どう演じるかは違って来るはず。そしてまた、それぞれの個性に応じて、見映えのする演じ方というものはあると思うのだ。歌詞を読み込み、登場人物の気持ちになって歌う、ということを心がけてみて欲しい。
横 1 列で手をつなぎ、下がって、「せーの」で前に戻って挨拶。終演。
その後、いったん出始めた…と言うより、8 割がたカフェまで出ていた客の大半をいったん劇場内に戻して、握手会発動。この段取りを見ると、本当に突発のような、文字通りサプライズという印象。写真の廊下にカフェ側から井上さん、浦野さんから渡邊(志)さん、渡辺(麻)さんへ、という五十音順に並び、全員と握手。高速でもないけど、一応軽く流しが入っていて「初日おめでとうございました」に付け加えて「頑張ってくださいね」と言える程度。いつもは上り側のエスカレーターを止めてあり、歩いて降りる形。
移籍組 3 人はやっぱり、私のことを見ると「ああ、A を見に来ていた人だ」くらいは分かってくれるようで ( …ということにしておく )、にこにこと応対してくれて、ちょっとうれしかったり(^_^)。「おめでとう…と言って良いんだよね?」みたいな微妙な挨拶をしてしまって申し訳ない。新人 13 人のうち、一番ガシッと手を握って来たのは松岡さん。憶えてくださいとか応援してくださいとか、そういった感じのことを付け加えていたように思う。多田愛佳さんも、何か一言付け加えていたのは良かったと思うんだけれど、緊張からか早口になっていて、声もまだ小さくて、聞き取れなかった(^_^;)のが、ちょっともったいなかったかな。
全体として。ステージの上も客席も、雰囲気はゲネとおおよそ同じといった感じだった。オーディションから 4 箇月も過ぎて、やっと始まった劇場公演ということになるが、メンバーが感激で涙、涙…というようなことはなかった。もちろん泣けば良いというものではなく、むしろ泣かない方が良いのだが、ただ新メンバーについて言えば、感激や喜びよりは、戸惑いばかりが目についたというのが正直な感想。緊張というのは個々人が口にしていたが、その割に客席の「恐さ」はまだ分かっていないのかな…という気がした。私がそういう「気がした」だけで、本当のところは分からないけれども。
個々人についても書こうかと思ったのだが、今の段階で書くと厳しい話が多くなってしまいそうなので、やめておいた。各曲の話に、名前を書いたり書かなかったりしながらだいぶ混ぜ込んだので、実際の公演を見れば「ああ、この人のことを言っているのだな」ということは分かってもらえると思う。
ユニット曲については、「ふしだらな夏」も含めて考えれば、全員に一通りチャンスが配分されていると言えそう。全員曲でのポジションなども合わせて考えると、移籍組 3 人に手厚くなるのは経緯から言っても実力から言っても当然として、新人については、事務所は現時点では井上さん、柏木さん、渡辺(麻)さんを中核にしていきたい意図があるように思われる。だが、最初の思惑通りにならないのが AKB48 劇場のおもしろい、または恐いところ。実際に公演を重ねていけば、誰が何をきっかけにどう伸びるか分からない。なので、良いポジションをもらった人は油断せず、そうでない人はよりいっそう頑張って欲しい。
これだけ暖かい雰囲気で初日を迎えられた要因…については、また別に書くけれども、基本的に言えば、かなり幸運な巡り合わせでそうなっていると思った方が良い。実際にお客さんの前に立って、親切に「盛り上げて」くれる人たち、そして早くも熱心に個人名などをコールしてくれる人たちを見て、そこで思い上がってしまうのか、それとも、そういう人たちにもっと良いステージを見せたいと考えられるのか。メンバー個々人の、そしてチームとしての受け取り方や、今後の公演への心構えなどが、力量を伸ばしていけるかどうかの試金石になるのではないか。
移籍組 3 人については、当たり前ではあるのだが、格の違いが歴然としていた。単に劇場に慣れているとか、コンサートも経験しているとかいったことだけでなく、それらを通じて、楽曲を歌い踊り、演じるとはどういうことか、その中で自分を表現するというのがどういうことかについて、さすがに 1 年半近い経験の中で理解できているということなのだと思う。
3 人だけチームを移って、後輩たちと新たにやっていくことには、いろいろな大変さもあることと思う。なぜ自分たちだけが、という思いも残るだろう。しかし、逆に考えれば、すでに役割のほとんど固定してしまっているチーム A を出たからこそ、全体曲でのセンターポジションをもらうことができたとも言える。悔しさや不満を抱えたまま行くよりは、これをチャンスにするつもりで気持ちを切り替えて欲しいと思うし、実際に 3 人を見た限りでは、すでにそうなっているのかなと感じた。
とりあえず初日の感想はこんなところで。
「雨の動物園」は以下のような配役 (敬称略)。順番に意味はない。
ゾウ : 渡辺(麻)、キリン : 片山、ライオン : 早乙女、ペンギン : 平嶋、
シマウマ : 菊地、チンパンジー : 多田、パンダ : 松岡、ラクダ : 野口
前任者えれぴょんのイメージがあまりにも強いゾウには、やはりコドモ好き系のファンが食いつきそうな ( と言うか、すでに食いついている ) 渡辺まゆゆ。個人的にはライオン早乙女さんの、チーム K の高田さんを思わせるような動き方がおもしろかった。また、松岡さんのパンダも見どころ。「こんなにパンダが似合う人はいない」と言われた ( らしい ) 前任者の野呂さん、青年館シャッフルで「こんなにパンダが似合う人がもう 1 人いたとは」と言われた ( らしい ) チーム A の成田さんに優るとも劣らない似合いぶり。
全員に言えることだが、この曲では着ぐるみに照れとか気恥ずかしさを感じていたら、すぐにフリが小さくなり、客にバレる。曲の内容は念願だった楽しいデートであり、衣装はそれを彩る動物たちなのだから、思い切り歌詞の世界に入り込んで気持ちを作り、大きく演じることが重要。何人か、この曲で特にフリが小さく見えた人がいたほか、ゲネと初日の両方で同じところを間違えていた人がいたので、頑張ってほしい。一方、曲の最後の決めポーズでなっちゃんが片足を上げているのだが、結構な時間にも関わらず、きちんと静止していた。見事。
MC は下手側からパンダの松岡さん、ラクダの野口さん、キリンの片山さん、ライオンの早乙女さん、チンパンジーの多田さん。多田さんはちょっと早口なので、はっきり大きな声で話すように心がけた方が良いと思う。
「ふしだらな夏」は私のメモによると浦野さん、井上さん、渡邊(志)さん、片山さん、平嶋さん、柏木さん、田名部さん、渡辺(麻)さん、菊地さんとなっているのだが、他の人のレポートと食い違っている。確かに、直前の MC に出ている片山さんがこの曲にいるわけはないので、たぶん私の間違い。メモは「かたはる」になっているので、「なかはる」と書くべきところを間違えたのかも。
「Don't disturb!」の英語の台詞は渡辺(麻)さんが担当。K-2nd 初日ではトラブルがあって台詞が飛んでしまったという逸話があるが、今回はゲネ・初日とも問題なく。この曲では、しなを作り過ぎの人、客席への目線送りがちょっと媚びた印象になってしまっている人などが気になった。誰とは書かないでおく。本人なりの努力の結果なのだろうとは思うけれど、ちょっと方向性が違うかなという印象。
「Virgin love」は冒頭、中央のどんでんから田名部さんを中心に 5 人が駆け出して来る。下手側から渡邊(志)さん、柏木さん、田名部さん、井上さん、米沢さんの順だが、ここの田名部さんがなかなか良い感じ。この曲では、渡邊(志)さんのフリの細部での決め方や、Cindy MIHO さん ( もはや本名のかけらも残っていないわけだが ) の表情などが良かった一方、新人の中にはフリに乗り切れず、大げさに言うと棒立ちのように見えた人がいた。シングルの c/w にもなっているという意味で、いわば AKB48 の代表曲の 1 つでもあるので、きっちりとマスターして欲しいところ。
「日付変更線」では、客席のフリ真似との一体感を楽しんでしまっているのか、ずっとニコニコして、また姿勢そのものが前のめりになってしまっている人がいた。確かにそこは楽しいポイントではあるのだが、歌詞の内容からすると、ただニコニコしていれば良いわけでもない。歌詞の内容を自分なりにイメージして、どう歌えば良いかということを考えてみると良いと思う。
MC は下手側から野口さん、柏木さん、多田さん、菊地さん、渡邊(志)さん、仲谷さん、早乙女さん、田名部さんの 8 人で。途中で浴衣の残り半数と入れ替わり。
「僕の打ち上げ花火」では平嶋さんの力量が大幅に向上していることを実感した。例を挙げると「♪もっと もっと もっと 好きになった」の瞬間で、ちゃんと「その部分の歌詞に応じた」良い表情ができていた。楽曲に合わせて表情を変えていくこと自体は、元チーム A メンバーとしてはできて当然なんだが、さらに歌詞の部分部分に応じて表情を調整していくのは、より高い技術になる。なっちゃんがそこまでできる子だと思っていなかったので、ごく普通にそれができているのを見て、すごく驚くとともに、うれしかった。ついでに言うと、私はたまたまその瞬間に目が合ったもんだから、思わずホレそうになってしまった(^_^;)。変な釣りによってでなく、楽曲の中の表現でグラッと来るのは、見ている側としてもうれしい経験。いやほんと、この曲のなっちゃんはすばらしい。
なおこの曲では、新人メンバーについても、間奏部分ではそれなりに表情を工夫しようという努力は感じられた。ただ、歌が始まると、意識がそちらに集中してしまうのか、表情が追いつかなくなるといった印象だった。
で、「ありがとうございました」でハケて暗転。アンコール。チーム K 風に誰かが「アンコールいくぞー」と叫ぶスタイルだったが、これで定着するのかどうか。私はどちらかと言えば、決まった誰かでなく、誰ともなくアンコールを言い出すスタイルの方が好きだなあ。いつぞやのチーム A 公演のように、アンコールが起きなければ本当にやらない、みたいな方が、真剣味があるというか。浴衣からの着替えのせいか、やや長めだった気が。K-2nd の時どれくらいだったかまで憶えているわけじゃないんだけれど。
アンコール 1 曲め「約束よ」では、フォーメーションの最後列にいて自分が歌っていない時に、気が抜けている人が見受けられた。というか、だいぶ疲れているんだろうなという印象もあり。他方、渡辺(麻)さんの表情が、この初日の間にも、次第に良くなって来ていると感じた。まああれだけコールされれば気分も良くなるだろうなあ(^_^)。
そして「転がる石になれ」に。ゲネに続いて、客席からはほんのちょっとだけ嫌そうな声も聞こえたが、思わず出てしまった声という程度で、公演の邪魔をするような意図のものではなかったと思う。「♪We are the team B」のところが新ポーズになっているものの、基本的には最初の円陣なども含めてチーム K のスタイルを踏襲。しかしチーム K の喜びと気合に満ちた「転がる石になれ」とはやはり別物といった印象。それはまあ当然でもあり、仕方のないことなので、この先、チーム B なりの良さを出していけるように頑張ってほしい。
MC は仲谷さん主導で。息が切れつつも気後れせずにしゃべろうとしているのがおもしろい。並び順は下手側から片山さん、早乙女さん、米沢さん、野口さん、仲谷さん、井上さん、田名部さん、仲川さん、多田さん、菊地さん。「♪We are the team B」のポーズの解説など。言葉にすると難しいが、右手を開いたところから薬指と小指を曲げ、人差し指と中指を少し開いて、手のひら側を顔の方になるように近づけ、人差し指と中指で目を上下にはさむ位置に置く。その位置から、「♪We are the team ...」に続く「♪B~」に合わせて、手をまっすぐ前方に差し出していく。これは目からビームが出る様子を象徴しているとのこと。
着替えが済んだ 6 人に入れ替わり。下手側から浦野さん、渡邊(志)さん、柏木さん、井上さん、平嶋さん、渡辺(麻)さん。なぜかきれいに歳の順(笑)。最後の締めの挨拶は渡邊(志)さん。
そして「シンデレラは騙されない」では、曲の冒頭でなっちゃんがど真ん中にいる。見ている側もうれしいけれど、それ以上になっちゃんがうれしそうなのが見どころ(^_^)。実に生き生きと歌って踊っているものだから、5 割増しくらいにかわいく見えて、またホレそうになる(笑)。渡邊(志)さんも長身で背筋のシャンとしたフリのきれいさで見映えがするし、そして何よりもシンデレラと言えば浦野シンディである。冗談で「♪見かけより長く生きてる」ってみほさんのことかなあ、などと言っていたことはあったのだが、本当に浦野さんがレギュラー公演でこれを歌うようになるとは(笑)。冗談はともかく、年長だけあって、歌詞の内容の駆け引き的な部分を、よく表情で示せていると感じた。
私の場合はどうしても思い入れもあり、移籍組 3 人ばかり見てしまう傾向があるのは事実なのだが、しかし、こういうガチンコ勝負のところでこそ、新メンバーにも頑張ってもらいたい。たとえば、柏木さんはソツなく歌い踊れている感じなのだが、今一つおもしろみがない。歌詞の内容の「本当は誘って欲しい」という甘えた気持ち、ないし期待感を表情に出して行けると良いのではないか。一方の井上さんは逆に、「どう誘ってくれるの?」と試すいたずらっぽさや、「騙されない」というしたたかさなどを出せると良さそうな気がする。同じ曲を歌い踊るにしても、それぞれの人によって、どう歌詞を解釈し、どう演じるかは違って来るはず。そしてまた、それぞれの個性に応じて、見映えのする演じ方というものはあると思うのだ。歌詞を読み込み、登場人物の気持ちになって歌う、ということを心がけてみて欲しい。
横 1 列で手をつなぎ、下がって、「せーの」で前に戻って挨拶。終演。
その後、いったん出始めた…と言うより、8 割がたカフェまで出ていた客の大半をいったん劇場内に戻して、握手会発動。この段取りを見ると、本当に突発のような、文字通りサプライズという印象。写真の廊下にカフェ側から井上さん、浦野さんから渡邊(志)さん、渡辺(麻)さんへ、という五十音順に並び、全員と握手。高速でもないけど、一応軽く流しが入っていて「初日おめでとうございました」に付け加えて「頑張ってくださいね」と言える程度。いつもは上り側のエスカレーターを止めてあり、歩いて降りる形。
移籍組 3 人はやっぱり、私のことを見ると「ああ、A を見に来ていた人だ」くらいは分かってくれるようで ( …ということにしておく )、にこにこと応対してくれて、ちょっとうれしかったり(^_^)。「おめでとう…と言って良いんだよね?」みたいな微妙な挨拶をしてしまって申し訳ない。新人 13 人のうち、一番ガシッと手を握って来たのは松岡さん。憶えてくださいとか応援してくださいとか、そういった感じのことを付け加えていたように思う。多田愛佳さんも、何か一言付け加えていたのは良かったと思うんだけれど、緊張からか早口になっていて、声もまだ小さくて、聞き取れなかった(^_^;)のが、ちょっともったいなかったかな。
全体として。ステージの上も客席も、雰囲気はゲネとおおよそ同じといった感じだった。オーディションから 4 箇月も過ぎて、やっと始まった劇場公演ということになるが、メンバーが感激で涙、涙…というようなことはなかった。もちろん泣けば良いというものではなく、むしろ泣かない方が良いのだが、ただ新メンバーについて言えば、感激や喜びよりは、戸惑いばかりが目についたというのが正直な感想。緊張というのは個々人が口にしていたが、その割に客席の「恐さ」はまだ分かっていないのかな…という気がした。私がそういう「気がした」だけで、本当のところは分からないけれども。
個々人についても書こうかと思ったのだが、今の段階で書くと厳しい話が多くなってしまいそうなので、やめておいた。各曲の話に、名前を書いたり書かなかったりしながらだいぶ混ぜ込んだので、実際の公演を見れば「ああ、この人のことを言っているのだな」ということは分かってもらえると思う。
ユニット曲については、「ふしだらな夏」も含めて考えれば、全員に一通りチャンスが配分されていると言えそう。全員曲でのポジションなども合わせて考えると、移籍組 3 人に手厚くなるのは経緯から言っても実力から言っても当然として、新人については、事務所は現時点では井上さん、柏木さん、渡辺(麻)さんを中核にしていきたい意図があるように思われる。だが、最初の思惑通りにならないのが AKB48 劇場のおもしろい、または恐いところ。実際に公演を重ねていけば、誰が何をきっかけにどう伸びるか分からない。なので、良いポジションをもらった人は油断せず、そうでない人はよりいっそう頑張って欲しい。
これだけ暖かい雰囲気で初日を迎えられた要因…については、また別に書くけれども、基本的に言えば、かなり幸運な巡り合わせでそうなっていると思った方が良い。実際にお客さんの前に立って、親切に「盛り上げて」くれる人たち、そして早くも熱心に個人名などをコールしてくれる人たちを見て、そこで思い上がってしまうのか、それとも、そういう人たちにもっと良いステージを見せたいと考えられるのか。メンバー個々人の、そしてチームとしての受け取り方や、今後の公演への心構えなどが、力量を伸ばしていけるかどうかの試金石になるのではないか。
移籍組 3 人については、当たり前ではあるのだが、格の違いが歴然としていた。単に劇場に慣れているとか、コンサートも経験しているとかいったことだけでなく、それらを通じて、楽曲を歌い踊り、演じるとはどういうことか、その中で自分を表現するというのがどういうことかについて、さすがに 1 年半近い経験の中で理解できているということなのだと思う。
3 人だけチームを移って、後輩たちと新たにやっていくことには、いろいろな大変さもあることと思う。なぜ自分たちだけが、という思いも残るだろう。しかし、逆に考えれば、すでに役割のほとんど固定してしまっているチーム A を出たからこそ、全体曲でのセンターポジションをもらうことができたとも言える。悔しさや不満を抱えたまま行くよりは、これをチャンスにするつもりで気持ちを切り替えて欲しいと思うし、実際に 3 人を見た限りでは、すでにそうなっているのかなと感じた。
とりあえず初日の感想はこんなところで。