AKB48をめぐる妄想

AKB48にハマった私「カギ」が、好き勝手なことを述べるブログです。

衝撃の一夜が明けて~もしくは、実力主義の集団におけるリーダー論

2007-01-20 12:59:07 | Weblog
 1/19(金)夜公演で、折井あゆみさんが、1/25 の A-3rd 千秋楽を以って卒業すると発表した。その際の発言は公式ブログに掲載 http://ameblo.jp/akihabara48/entry-10023789493.html されている。私も現場で聞いていたが、ほぼ正確に言葉通り再現されていると思う。

 いつかはみんな、ここから卒業していく。それは分かっている。公式ブログでもコメントされているし、このブログでも以前から書いて来た http://blog.goo.ne.jp/akb48fan/e/4f086e0892af2d57210357b9972ea357 けれど、AKB48 はもともと、それぞれの夢に近付くための場所であり、通過点ではあってもゴールではない、はずだ。だから別れを悲しまずに、折井さんが自分で選んだ道へ、新しい一歩を踏み出すことを、笑顔で祝福してあげたいと思う。

 …とは思うけれど、正直に言って、やっぱりショックは大きい。悲しい気持ちも少しあるけれど、それだけじゃない。失うことになると分かった時に、改めて気付く存在感の大きさ、といったようなものだろうか。念のために書いておくけれど、以下の話はあくまでも「私が」こう思った、という妄想話ということで。

 AKB48 はもともと、メンバーはお互いにライバルでもあるはずだ。それにも関わらず、折井さんが「みんなのお姉さん」として、チーム A メンバー全員の精神的な支柱になって来たことは、チーム A のファンなら誰もが知っている。いや、メンバーだけではなく、私たちファンにとってすら、どこか「みんなのお姉さん」的な安心感を与えてくれる存在だった。もしメンバーの誰かが ( 特に自分の一推しの子が ) 何かで困ったり悩んだりすることがあったとしても、きっとあゆ姉がフォローしてくれる、あゆ姉なら何とかしてくれる、といったような勝手な期待を寄せていた部分があった。

 一方で、そういうチームリーダーとしての貢献に対して、公演でのポジションや CD への選抜などで報いられることはなかった、ように見える。それ自体は、全国区アイドルを目指すという、エンターテインメントビジネスとしてのシビアな目標のもとでは仕方のないことだと「私は」思う。ただ、周囲からリーダーとしての役割を期待され、おそらくご本人もその自覚を持っていた折井さんにとっては、かなり苦しい立場になって行ったのではないかとも思うのだ。

 以下は一般論、または私の過去の経験に基づく話だが、実力主義の集団の中でリーダーであり続けるためには、オンリーワンのトップではなくとも、しかし少なくとも全体の中でトップクラスには位置し続ける必要がある。リーダーには、いざという時に他の構成員に言うことを聞かせられるだけの威光ないし威厳が必要で、最低限そのポジションを維持していないと、リーダーをなめてかかり、統率に従わない人間が出て来るからだ。加えて言うと、リーダーは中立かつ公正で、言動も模範的でなければならないため、わがままなど到底言えないし、弱音も毒もうかつに吐けない。さらに、他の構成員と同じだけの負荷に加えて、リーダーとしての心労まで追加されるのに、それを理解し共有してくれる人はほとんどいない状況に陥り、愚痴すらなかなか言えなくなる。こんな風に、実力主義の集団でリーダーであり続けるというのは、ものすごく大変なことなのだ。

 私事に話がそれて申し訳ないけれど、そういうのって本当に辛くて大変なことなんだよ。私は 20 代はじめから 10 年くらい、同世代の仲間を引っ張って仕事していたけれど、大の男が何度も布団かぶって大泣きしたものだった。30 代になって、別件 ( こっちは仕事じゃないが ) で同様の立場になった時は、さすがにその歳だし、経験もあるしで、自分のメンタル面は何とかやり繰りできたけれど、ただその時には若い人たちに負けずに、何年間もトップクラスの実力を維持することがとってもとっても大変だった。

 話を AKB48 に戻すが、折井さんがリーダーとして頼られる一方で、それに見合うポジションを獲得できていなかったことは、たぶん二重に苦しかったと思う。それでもファンに対してはそういう陰を全く見せず、日々の公演を明るく、一生懸命に務め、そして良くメンバーを支えてくれたと思う。本当に素晴らしいリーダーだった。心からありがとうと言いたい。その折井さんを失うことがどれほど大きいことか、私たちはこれから痛切に知ることになるのだと思う。だが折井さんには、チーム A のリーダーという重荷を下ろして、どうか軽やかに、自分の新しい可能性へと駆け出して行って欲しい。