グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

庭木がでかくなるとおおごと、その2。

2022-03-14 11:16:30 | Weblog
庭木がでかくなるとおおごと、その2。
2021年分ですが、こちらも前回[こちら]に引き続いて次回の
資料編としてよろしかったら。


草木がいっせいに芽吹く春。そんな心弾むはずの 緑あふれる
季節だというのに、道を挟んだご近所さんのご主人には心配の
種がひとつ。

それは・・・・

             

昨秋に塗り替えリフォームの終わったご自宅の背後に見え隠れ
している


  


そう隣地である賃貸住宅の敷地にある、巨大になってしまった
このクスの樹の存在です。

このロケーションからいえば・・・
台風の常襲地である南九州でありますから、とくに吹き返しの
北西からの強風のばあいに、このクスの折れた枝が家の方向に
飛んでくるばかりか、場合によっては樹全体が倒れ掛かってく
るケースも容易に想像できますものね。

とくにこのクスの場合は、丸形の樹形からあたかも二段構えの
ように立ち上がっている立ち枝の部分。
10年ほど前にいちど途中から伐採されたあと、その後に徒長
したかたちの この立ち枝の部分の倒壊には注意が必要です。
相当な重量がありますからね、これほどの長さになると。


           

実際に記憶を思い起こせば、ここ数年の台風シーズンにおける
この立ち枝部分の揺さぶられるさまは、しょうじきいって恐怖
を感じずにはおられません。並みの揺れ方じゃないんですもの。

そして この道を挟んだご近所さんのご主人の家と併せてとい
うか、もっともっと 危険と隣り合わせとなっているのが


  

そう、このクスの根元の部分の、平屋の貸住宅におられる店子
のみなさん。

            

車の大きさや平屋の住宅の屋根の高さからも推しはかれるよう
うに、この大木が倒れたら車も家屋も[場合によっては人命も]
無事ではいられないような気がします。

そこで対策ですが・・・

こうなってしまった樹木を安全に撤去するには、現時点ではそ
れ相当の費用がかかり 地主さんが費用の捻出に苦労されてい
るのはわかるのですが、逡巡[決断がつかずぐずぐすする様]し
つづけていればいるほど、日毎に数センチ・日毎に数キロづつ
危険がましていっているのは 火を見るよりも明らか。
いちにちでも早い伐採がなにより最良の対応策であると思われ
ます。

ということで今回は、たとえば鳥の運んだ種から発芽した雑木
などであっても、油断しているうちにいつのまにやら大木巨木
に育てあげてしまう南九州の風土についてのおはなしでした。
ちなみにスケールはまるで小さいのですが、一昨年にカシの樹
の立ち枝を切おろしたら、ほんの数mの長さの枝でも60キロ以
上もあってたいへんに苦労したという回は ​こちら​。


晴れ  数日前、今や巨木となってしまったこのクスの樹のある
  貸家に20年前までおられた一人であるNさんと話す機会
  があったのですが、そのNさん曰く “この平屋をでると
  きに、このクスの樹の幹の直経はせいぜい15センチく
  らい、両の手のひらで回るくらいであった”という証言。。
  どんだけ樹木を大きくするのか、この南九州の温暖で湿
  潤な気候は・・とこの話をきいて驚愕してしまいました。
  このまま温暖化が進行していけば、いずれ西日本全体も
  南九州化していくかもかも。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業「 本当は危ない有機野菜 



庭木がでかくなるとおおごと!

2022-03-12 15:39:45 | Weblog
庭木がでかくなるとおおごと!
2020年5月分ですが、次回の資料編としてよろしかったら。
 ⇩

10年ほどのあいだ 剪定することをサボっていたために、家屋
の高さをはるかにしのぐ高さにまで徒長させてしまった樫/カシ
の樹。

       

風が吹かなければ心配することもないのだが、用心しなければ
なのは台風襲来時の暴風。なにせ台風常襲地の宮崎。しかもこ
このところの台風の大型化を考えた場合には強風対策を考えて
おかねばならない。

なにせ昨年には 徒長枝の1本が台風の強風にあおられ折られて
地上に落下したばかり。

 昨年に折れた枝は、家屋やヒトにあたらず良かった

と思いつつ、しかし同時に・・・台風の強い風の影響を受け、
もしこの徒長枝が 家屋のある方向に向かって倒壊していたと
したら、勢いがついた枝は 建物の屋根の瓦を打ち砕いて屋根
を突き破ったり、建物に引きこまれている電線を切ったり、サ
ッシの窓を叩き割ったりしたにちがいないと、思いかえすたび
に冷や汗をかく思い。

ざっと数えて10本強ある徒長枝ズの冬の間の[台風がこない間
の]対応策は緊急の課題であったのです。そこで必要に迫られる
形で始めたのが 伐採です。

4メートルほどの高さのカシの樹の最上部に陣取って、チェー
ンソーを使い、10本ほどもある立ち枝ズを順番に調子よく 
切断・伐採していったのですが、最後に残ったのがこの大枝


     

家屋の屋根の上に張りだし、さらには引きこみの電線の真上
にあるという厄介な代物。しかも林立していた枝の中ではい
ちばんでかい/苦笑。。

とはいったものの写真でみるかぎり、さほど大きくは見えま
せんでしょう?地表からみるかぎりせいぜい2メートルくら
いの長さで、重さもせいぜい10キロ程度にみえてたんです。

ということで、くだんの枝を 実際に樹上で切断し、折っ
て 無事に地上に降ろした写真が こちら。


 

せいぜい2メートルくらいの長さで、重さもせいぜい10キロ
なんて、まったくの見当違い。でかすぎ[カシですが/笑]。

   
   

長さが4メートル、重さも60キロを超えてました。

 こちらが枝の切断面 →  

とにもかくにも台風がやってくる季節になるまえに、事故
なく切断できて ほっとしています。


        

それにしてもの樹木です。 切断前には 1本30キロから
60キロの立ち枝が10本ちかくあったわけですから、ざっと
考えて500キロちかい重量の枝が樹上にあったわけですよ。

ということで、こんなに伸びる前に毎年きちんと普段から
管理しておかないと、いざというときにたいへんなことに
なるなって、改めて思いました[かりに隣家などの方向に枝
が伸びたりしていたらそれは心配ですよ]。


晴れ 建設業などの2倍近くの事故率がある農業。その
  農業における事故よりも、さらに多くの事故の事
  例を見聞きすることの多い林業。その林業の事故
  の多さは、取り扱う樹木の大きさ・重さ&作業時
  の高さや足場の悪さに影響されているのでしょう
  ね。今回はしみじみそう思わされました。
  
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」




作物の葉を丈夫にして根を張らすには。

2022-03-08 16:19:08 | Weblog
作物の葉を丈夫にして根を張らすには。

3月末からはじまる田植えをひかえた宮崎県海岸部地方。この時期
に よく質問を受けるのが、

 苗箱のイネの根をもっと丈夫に張らしたい

というご質問です。そんなときにおすすめしているのが マグホス
細粒の追肥。こんなかんじでミスト機で散布してもらっています。

  ← 回転をさげ・上向き

ということで、今回は、そんな リンサン×苦土 の効果の説明と
なります。

 ↓

『作物の葉を丈夫にして根を張らすには。』

お日さまの光の恵みを受け止め 光合成を盛んにしてエネルギーを
作り出すためには、しっかりとした葉が必要になります。

そのために 現場でおすすめしているのがMg/マグネシウムの補給
です。

その理由が この図。

 葉緑素 →     


この図が葉緑素の構造なのですが、中心にしっかりと Mg/苦土が
あることからもわかりますよね。

ということで 作物の状態が

 ● 葉が薄い
 ● 葉がうすいがゆえに、葉色が淡い
 ● 窒素を追肥しても、葉が薄く広がって垂れてしまう
 ● 日照不足で軟弱に育っている

というときには、苦土[マグネシウム]と、苦土分の働きを助ける
リンサン分の補給を おすすめしています。

ちなみに日照不足時だけではなく、たとえばピーマンなどの果実の
緑色がでないときや、お茶の葉の色が淡くてこまっているとき、
それがために地下部も弱ってしまっているときなどには施用効果大
ですよ。

具体的には、おすすめしているのは マグホスや マグショットと
いう商品になりますが、心当たりのせつには、ぜひいちどお試しを。


晴れ ちなみに、ヘモグロビンです。動物の血液中にあり
  酸素を運ぶ大切な要素でありますが、その構造式は
  葉緑素の中心部にある  Mg/苦土を Fe/鉄に
  おきかえたならば瓜二つ
! っていうのもおもしろすぎ。
  
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜



活着の良い苗をつくる[早期水稲の苗編]。

2022-03-03 14:46:26 | Weblog
活着の良い苗をつくる[早期水稲の苗編]。
一般的な田植えの最盛期は沿岸部で例年並みの3月下旬になると
おもいますが、そんな早期水稲の苗管理の参考として毎年2月下旬
に開催している早期水稲の栽培研修会 の研修要旨となります。ご参
考までに[コロナ下ということでここ2年の集会は中止してます]。

 ↓

さて、本日の勉強会は 水稲育苗のはなしが中心であったのですが、
なかでも田植え後のスタートダッシュでつまづかないように「活着
のよい苗をつくる」という点を中心に 話をしますと・・・

そのような苗をつくるポイントとして大事なことが3つあります。

1. 苗を徒長させない
 2. 苗に肥料切れをおこさない
 3. 苗の根の張りを良くする

といったことが挙げられます。そこでそれぞれの注意点について
の説明にかかりますと・・・

1番の徒長に関しては

 ■  播種量を多くしない
 ■  発芽が1cmになるまでに、シルバーをはがす
 ■  播種量を多くしすぎない
 ■  徒長気味の場合はアクセル2号の300倍を散布する

という点が大事になります。そのうえで、水のやり方と温度の温
度管理を的確にすることで苗の徒長を防ぎましょう。具体的には
緑化以後の昼間には、ハウスの肩をあけて通期を良くすることが
大切になります。

2番の肥料切れに関しては、本場が黄色くなる前の予防的な有機
液肥3号の追肥施用をおすすめします。

3番の苗の根の張りを良くするには、

 ■ シルバーを剥がした際には、かん水を1日だけ我慢する
  ■ 「マグホス細粒」の箱当たり30-40gの追肥

などをが効果的です。もちろん苗床の土にすでにマグホスをいれ
られている方も多いとは思いますが、そのような場合はアクセル
2号のかん水施用もおすすめです。

以上の3点の改善点を守られて、本年もがっしりとしたじょうぶ
な苗ができることを期待いたしております。


晴れ 早期米の田植えは3月中。田植え後に ときには田に
  氷が張ることもある
という無茶な/笑 コメづくりの
  作型についての おはなしは こちら 。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜