グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

イネには「三黄」がある。

2020-06-05 06:21:16 | Weblog
イネには「三黄」がある。

ある程度大きくなるまで作物を育て、花が咲く時期の一歩手前
で肥料を切って花芽をつけ、花芽が確実についた時点で、今度
は肥料を効かせて着いた実を大きく太らす・・・それが農業の
技術というの話[こちら]の続きです。その具体例、イネの場合
の一例となります。よろしかったら。



『イネには「三黄」がある。』

そんな話となります。イネ作りにまつわる昔からの言葉で、 
イネには三黄がある」 という言葉があります。これは、

 イネを栽培するあいだにおいて
 3度、葉の色を薄く〔栄養を落とす〕したほうが良い時期がある


という意味です。また

 この3つの生育時に、葉の色が濃すぎている〔栄養が効きすぎ〕と、
 その後の生育がうまくいかなくなってくる


という イネ栽培の様子をあらわしている言葉 にもなります。

つまりイネの三黄色とは・・・

いつもいつも肥料を効かせておけば良いという考えや、肥料はやらなく
ていいという考え
とは、対極にある〔昔からの〕考え方となります。

実際の栽培においては・・・

元肥/植え付け前の肥料をいっきにドカンとやる方法では、いつまでたっ
ても肝心なときに葉の色が抜けず、低温とか日照不足などの異常気象が
襲ってきたときに思わぬ障害〔病害虫〕に侵されやすいこととなりがち
となります。

反対に肥料が足らなくては、日照りの年では、絶対的な収穫量が不足し
たり、収穫時期がそろわなくなる場合が多くなりがちになります。

その対策として、『イネの三黄』の時期を頭において、作業管理を行う
わけですね。

具体的には、田んぼの水管理を考えたり、 田の中に酸素を入れたり、
あるいは生育を調整するためにカリの多い肥料を与えたり、リンサン
とマグネシウムの割合の多い肥料を与えたりといった管理となります。

そして、その葉の色を落とす時期ですが、具体的に落とす時期となる
のは、

 ● 田植えの時期
 ● 穂がでる25日前くらいの栄養生長期から生殖生長期への転換期  
   そして
 ● 穂が出た後の収穫期

の3回となります。

このように変化する気象や作物の成長に伴う生理にあわせて、あるとき
は適応する栽培管理を行う
、そして またあるときは足らない成分をい
れ多すぎる成分を抜いたりする
・・・・これが作物栽培と収穫の原則で
あり、それこそが『栽培』なのだと思わずにはおられません。

以上、今回は 作物には肥料を控える時期と効かす時期があるという
おはなしを、『イネの三黄』をご紹介することでご説明してみました。


晴れ  もちろん肥料を控える時期と効かす時期があるのはイネだけとは
  限りません。ほかのいろいろな作物にも、共通することなん
  ですよ。
  そういった意味で、イネつくりは栽培の基本を学ぶのに最適で
  あるともいえそうです。水稲は水害にもとても強い[日本向きの]
  作物でもありますし、ねっ。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜



ムカデも自主避難。

2020-06-04 18:40:15 | Weblog
ムカデも自主避難。
本日は 6月4日の 虫の日・・・・ということで 
馴れるというか、慣れるというか。台風時などに、
なにかというと、事務所に避難してくる ムカデの
おはなしです。 過去分ですが、よろしかったら。

 ↓

台風が接近しその激しい風水害によって身の危険が予想される場合に、
安全だと思われる場所に自主的に避難することは、たいへんりっぱな
心がけとはおもうのですが・・・

事務所のキッチンにおいている のののの 来客4
地主神さま用のお供えとして栽培している水栽培のサカキ のうえで

ののの来客のののの来客3

 ドドーーンと、堂々と爆睡する のは できればやめてほしい/笑。

ののののの来客2


刺しさえしなければそのまま寝かせておくのですが、たとえば停電に
なったときなどにかってに部屋のなかを動きだされても困っちゃので、

ののの来客1

登ってこられないはずの]プラスティックの大きなバケツに鉢ごと
移動ねがって翌日の台風通過後に 安全になった屋外へと放しましが
いまおもっても、 ほんとうにとてもきれいな個体 でした。


晴れ  ひょっとすると・・・地主神さまの御使いか、それとも 
  あの落ち着きぶりは 地主神さま・ご本体だったり?

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染





栄養をとりすぎると、作物に支障が出る場合もある。

2020-06-01 15:36:22 | Weblog
栄養をとりすぎると、作物に支障が出る場合もある。K
ある程度大きくなるまで作物を育て、花が咲く時期の一歩手前
で肥料を切って花芽をつけ、花芽が確実についた時点で、今度
は肥料を効かせて着いた実を大きく太らす・・・それが農業の
技術。そんな話となります。

 ↓

土に栄養が過ぎる状態が続く 〔土に養分が溜まりすぎる〕状態
が続く と・・・つぎのような作物の症状が表れることが まま
あります。

 ● サトイモのイモがまったくなっていない
 ● ミカンを植えたが、実がならない
 ● サツマイモのつるだけがのびる
 ● イネがのびて、穂は遅れてでたが倒伏した
 ● お花の咲く時期に花がこない

こういった状態は「樹ボケ」や「ツルボケ」とよばれてきました。

養分があればあるほど、吸っちゃう。
身体を大きくする方向へばかりに生育がすすむ。

これでは実を収穫するために作物を育てる意味がなくなってしま
うわけです。では、どうすればいいのでしょう。

最初に土の検査をやって、その作物にとって必要な養分を検査す
るという方法
があります。その後必要な養分しか与えない。という
のが、一般的な方法です。もちろん土壌検査なしでもできる方法も
ありますよ。

それが、 生育にあわせて肥料を分けてやる というやり方。

たとえば

 植付け前にある程度施して
 ↓
 樹ボケ、ツルボケにならない程度の生育をはかり
 ↓
 花芽がつきはじめた時点から
 ↓
 植物が利用できる程度に少しづつ
 ↓
 生育に合わせて肥料 を、追肥として ほどこしていく

という具合です。

ということで今回は、「栄養分をやり過ぎたら、植物にも支障がで
る」ことになるし、「その支障がでた植物を食べ続けるとヒトにも
いずれなんらかの支障がでるであろう」というお話しと、その対処
法に関するおはなしでした。

付け加えまして「有機」なら話は別だろうとかんがえているあなた。

じつは 有機の元肥一発施肥が、樹ボケ、ツルボケをひきおこす危
険性は一番高いといえるので注意が必要です。たとえ実がならない
植物〔葉物のホウレンソウやコツナとか〕であっても、硝酸が過剰
になる場合
もありますから注意されてくださいね。もちろん生ゴミ
リサイクル肥料の考え方も同様です。


晴れ  土のなかに家畜ふん尿由来の塩分やチッソやカリが多過ぎるよう
  になってくると、微量要素欠乏がおこるようになってきますし、ね。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜