グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

植物はヒトの都合に合わせて養分を吸うわけではない。

2021-03-07 15:52:57 | Weblog
植物はヒトの都合に合わせて養分を吸うわけではない。
栄養分をやり過ぎても、植物には支障がないのではないか」と
いう質問と、
作物が枯れないかぎりは、できた作物を食してもいいのではない
のか
」という質問をいただきました。
・・・が、そんなことはないんです。やはり植物にも、養分を取り
すぎて、生育がうまく行かない場合がある。そのような作物を食べ
続けることによってヒトに影響がでることもある。
そんなケースを説明してみました。よろしかったら、ご参考に。

 ↓


土に栄養が過ぎる状態が続く 〔土に養分が溜まりすぎる〕状態
が続く と・・・つぎのような作物の症状が 表れることがまま
あります。

 ● サトイモのイモがまったくなっていない
 ● ミカンを植えたが、実がならない
 ● サツマイモのつるだけがのびる
 ● イネがのびて、穂は遅れてでたが倒伏した
 ● お花の咲く時期に花がこない
 ● 大根などの根菜の根がねじ曲がる
 ● キュウリなどの果菜類の果実が変な形になる 
 
こういった状態の代表的な事象は「樹ボケ」や「ツルボケ」など
とよばれてきました。

 ● 養分があればあるほど、吸っちゃう
 ● 栄養成長へと偏る
 ● 吸われた養分の相性により微量要素欠乏が発現

といったような身体を大きくするだけの方向や、微量要素欠乏が
おこりうる状態へと生育が進んでしまう[こちら]わけです。

では、どうすればいいのでしょう。

最初に土の検査をやって、その作物にとって必要な養分を検査す
るという方法
があります。その後必要な養分しか やらない。

またこんな方法もあります。

生育にあわせて肥料を分けてやる。

 植付け前にある程度施して
 ↓
 樹ボケ、ツルボケにならない程度の生育をはかり
 ↓
 花芽がつきはじめた時点から
 ↓
 植物が利用できる程度に少しづつ
 ↓
 生育に合わせて肥料 をほどこしていく

と、いうやり方ですね。

というふうに、植物が利用できるくらいの適度の養分を やって
いく
ということが、 植物にとっても、ヒトにとっても、自然環
境的にも やさしい ということになります。

さて、そして・・・
「有機」なら話は別だろうと かんがえているあなた。

有機の元肥一発施肥が、樹ボケ、ツルボケをひきおこす危険性は
一番高い
んですよ。注意が必要です。たとえ実がならない植物
〔葉物のホウレンソウやコツナとか〕でも、硝酸が過剰になる場
合も
ありますから、気をつけてくださいね。
生ゴミリサイクル肥料をつくられている あなた。
こちらも、いっしょ
ですよ。
 → 生物の 食性・生態をもかえた例 は こちら

いじょう今回は「栄養分をやり過ぎたら、植物にも支障がでる」
し、「その支障がでた植物を食べ続けると、ヒトにもいずれ支障
がでる」というお話しでした〔これは放射性物質にもカドミウム
や水銀にも通じる話ですよね〕。


晴れ クリーニングクロップを植えるといったふうの作物栽培
  方法もあります。これは 土に溜まっている養分を
  作物を収穫することによって抜く という農法/農業
です。
 

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg本当は危ない有機野菜」「夢で終らせない農業起業