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農業の現場の おはなしなどなど。

カミキリといえばイヌマキも被害に。

2020-05-04 11:30:22 | Weblog
カミキリといえばイヌマキも被害に。

ルリカマキリ​ついでに、イヌマキにつくケブカトラカミキリの
はなし再掲載です。2014年分。よろしかったら。


『カミキリといえばイヌマキも被害に。』

ここ数年にわたってこのブログでもお伝えしていた、宮崎県内各地でのキオビエ
ダシャクによるイヌマキの被害。このイヌマキを枯らす大害虫が、今年にはいっ
て見かけなくなった
ことに胸をなでおろしていた関係者も多かったはずのです。

が、しかし。

なんと本年の6月後半、またまたイヌマキの被害がめだつ地区が報告される事態
となってしまいました。

そして、案の定というか・やっぱりというか、このイヌマキの被害のはなしを聞
かされた瞬間に、

 キオビエダシャクの生き残りがいたのか・復活なのかっ

と考えた人がたくさんいた[わたくしもそうでした]はずなのです。しかし今回
の、このイヌマキ被害はキオビエダシャクがおこしたものではありませんでした。

今回の原因は、なんとカミキリムシ

ケブカトラカミキリという名前の、これまで宮崎では確認されていなかったはず
のカミキリムシが原因だったのです。

この体長が1センチ前後という小型のカミキリムシは、被害にあった樹木から4
月ころから脱出し・交尾後の6月~7月にふたたびイヌマキなどのマキ科の植物
に産卵します。その卵はおよそ1週間で孵化し、その後イヌマキの幹の樹皮の直
下を食い荒らす
という生活史を持つ[へたすると枯死]ことが知られていますよ。

いまのところ、宮崎市の南西部や南部などの比較的緑の多い地域でのイヌマキの
成木170本での被害が確認[6月下旬時点]されていますが、もちろん他の地
区であっても心当たりのイヌマキ被害を確認された方がいらっしゃる場合は、市
町村の役場やまたは県の緑化推進機構のほうへ、とにもかくにもご一報を。

そして千葉県です。

最近では千葉県でもこの九州産であるはずのカミキリムシ被害が確認されたとの
ことですので、関東地方であって要注意です。なんといっても樹木内の幼虫には
有効な防除対策がなかなかとれない
という現実があるのですから。

ちなみに ケブカトラカミキリ。

その名前の由来は “毛深い・虎のような模様をもったカミキリムシ” である
ようです[・・・余談ですが、さいしょに字ズラをみたときには、ケプカトラ
という恐竜の名前なのかと思ってしまいました/笑
]。


晴れ ケブカトラカミキリによるイヌマキ被害がこのまま全国に拡大して
  いくのか、あるいは一時的・局所的なものにとどまるのか。樹木を
  育てて販売している農家や林家にとっては、とても気になるはなし
  といえます。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業「 本当は危ない有機野菜