グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

気温の上昇がコメの品質に与える影響は。

2018-08-24 15:28:20 | Weblog
「気温の上昇」がコメ栽培に与える影響は。
​​これから5年後にはどうなっているのでしょう・・・と書いて5年目。
現在はその5年後、2018年になりました。あなたの本年産のおコメに
乳白米」と「斑点米」は、でていませんか?。
ということで2013年分の再掲載です。 ご参考までによろかったら。

 ↓


『 気温の上昇がコメの品質に与える影響は。』

現在の日本各地のコメ産地の生産現場では、コメ価格を下げる原因とも
なるコメの品質の低下が問題となっています。

品質を下げる原因となる障害は、「乳白米」と「斑点米」。

「乳白米」は、コメの粒が全体に不透明で乳白色に見えてしまう状態とな
ること。いっぽう「斑点米」は、米粒に黒や茶色のシミが付いたものをいい、
このふたつの障害のそれぞれの原因は次のとおりとなります。

  乳白米・・・おもに 穂が出たあとの高温条件
  斑点米・・・カメムシが、口(口針)で玄米から栄養を摂る時
          にできる食害

とされています。

そうなんです、どちらも昨今の日本列島の気温の上昇が関係している。

乳白米は穂が出たあとの高温が主原因ですし、斑点米被害は本来は冬に
死ぬべきカメムシが死なずに越冬できる地域が多くなった〔数が増える
ことに由来しています。
ということで、どちらの場合も“夏場と冬場の気温の上昇が影響している
ということになるわけです。

さらに、この二つの障害を懸念さなければならない事実があります。

それは、この二つのコメの障害の発生する地域が次第に北上していること、
そして 北上に伴って被害面積が年ごとに広がり続けている こと。

この件に関する2008年に農水省から発表された〔当時はオーバーす
ぎると思った
〕長期予報のなかには

「二酸化炭素(CO2)濃度が約二倍に高まり気温が上昇すれば、コメ
 の収穫量は、北日本の一部で増える地域もあるが、中部日本や西日本
 を中心に、将来的には最大4割減る都道府県が出る」


というものがありましたが、5年たったいまになってこれまでの気象を
振り返って考えてみれば、この〔上質米の減収に関する〕予想はけっこ
う的を得ていた
 と思わずにはいられない次第です。

いじょう、いわゆる「温暖化」がコメ栽培に与える影響は、これからも
拡大していきそうだというおはなしでした。


晴れ  関東に台風が頻繁に接近したり・でかい竜巻被害が頻発したり
  というのはもとより、気温の上昇が生物相にも大きな影響を及ぼ
  していることも明らかになってました。5年前には考えられもし
  なかったことですが、はたして これから5年後にはどうなって
  いる
 のでしょう。

 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染