グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

除染作業で取り除く土って、ほんとうに大量になります。

2011-09-12 18:04:04 | Weblog
除染作業で取り除く土って、ほんとうに大量になります。 すみ

8月29日分の再掲載です。

 ↓

『放射性物質:取り除くには…地道に土の表面はぐ』という ニュースを
みました。 こちら 。

このニュースを聞いて最初に頭に浮かんだのが、大量にでる土のイメージ
でした。

そうなんです、作物栽培指導という仕事がら一般的な農業における田畑の
土の入れ替えなどに立ち会うことも多いのですが・・・そのときに実感する
のが“土というものは、とにかく大量にでる”ということなんです。
 
たとえば、

深さを 1センチ と すると

● 1メートル × 1メートル の面積の土地の、土の量は 10キロ
● 1坪当たりの土の量は、33キロ

になります。

深さを 10センチ にすれば

● 1メートル × 1メートル の面積の土地の、土の量は 100キロ
● 1坪当たりの、土の量は 330キロ

に なります。

同じように、深さを15センチ にすれば

● 1メートル × 1メートル の面積の土地の、土の量は 150キロ
● 1坪当たりの、土の量は 495キロ

と、なります。

試しに、あなたのお宅の庭の面積や、家屋の坪数をかけてみてください。
土というものは、とにかく大量にでる”ということがわかります。

そのような現実の土の量を推測することで、確実にいえること。それは、

 まず 人力だけでは、とても無理だ

ということ。“土の入れ替え”には、当然のことながら〔ユンボや大型ダン
プといった〕重機がかかせない大掛かりな作業
になるということ。

そしてもうひとつ、

 とても時間がかかるだろう

ということです。


▼ 〔この土の量を考えれば〕放射能汚染の・放射線被曝の問題は、
  5年・10年、さらにその先へと続く、文字通り「長期戦」を覚悟して
  取り組むべき課題となりそうですね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」 「里地里山複合大汚染


◎ 『放射性物質:取り除くには…地道に土の表面はぐ』

たまった放射性物質を取り除く除染について、専門家は「短時間で完了す
る技術や機械は開発されていない」と指摘する。土壌表面をはぎ取ったり、
草を刈り取ったり、水でこすり落とすといった地道な作業を繰り返し、徐
々に放射線量を低減させるのが現状だ。

政府の基本方針では、年間20ミリシーベルト以下の地域では道路や屋根、
公園の遊具などは、水で洗い流す方法で除染可能だとしている。しかし、
土壌や川に汚染水が染み込めば放射性物質を周囲に広げる。チェルノブイ
リ原発事故(86年)では、建物に付着した放射性物質を水で洗った際、
洗浄水の流れ着いた先で線量が数倍に高まった。

放射性廃棄物の処分場の確保も課題だ。福島県伊達市が行った実証実験で
は住宅3軒の周囲の土を取り除いただけで35トンの汚染土が出た。セシ
ウム137の半減期は30年。長期間の徹底管理が求められる。

一方、20ミリシーベルトを上回る地域は国が直接除染するとした。東京
電力福島第1原発から3キロの大熊町小入野では、年間の累積線量が50
8・1ミリシーベルトと推計されている。除染活動を支援する日本原子力
研究開発機構の担当者は「作業員の確保すら難しい」と嘆く。政府が掲げ
た「2年で半減」の目標を達成しても帰宅の目安とされる20ミリシーベ
ルトにほど遠い。【久野華代、西川拓】

毎日新聞 2011年8月26日 20時57分(最終更新 8月26日 23時18分)