グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

栄養分のやり過ぎでは植物にも支障がでる。

2023-12-05 23:13:56 | Weblog
栄養分のやり過ぎでは植物にも支障がでる。
12月05日の本日が国連の定めた「土の日/世界土壌デイ」とい
うことで、たとえば新聞の論説が一斉に ●土が痩せる ●土壌の
3割が劣化 ●土が化学物質で充満 などという、通り一遍的な
論調で満ち溢れているようですが・・・そんな土ばかりではない、
まずは土づくりという国を挙げたスローガンのもと、長年にわたっ
て 抗生物質や成長ホルモンのはいった大量飼育された家畜ふんを
多量に施用された国があり、土が痩せるどころか肥満し、作物
の生育に支障がでている場合もある
のですよ、さらには施された
抗生物質の影響で耐性を持ったウイルスまででてきている[​こちら​]
そして井戸水だってのめなくなるケースまででている[こちら]ので
す・・・という例を、できるだけわかりやすくとりあげてみました。
やはり植物にも、養分を取りすぎて、生育がうまく行かない場合
がある。そのような作物を食べ続けることによってヒトに影響が
でることもあるというはなしですので、よろしかったら、ご参考に。

 ↓

土に栄養が過ぎる状態が続く 〔土に養分が溜まりすぎる〕状態
が続く と・・・つぎのような作物の症状が 表れることがまま
あります。

 ● サトイモのイモがまったくなっていない
 ● ミカンを植えたが、実がならない
 ● サツマイモのつるだけがのびる
 ● イネがのびて、穂は遅れてでたが倒伏した
 ● お花の咲く時期に花がこない
 ● 大根などの根菜の根がねじ曲がる
 ● キュウリなどの果菜類の果実が変な形になる 
 
こういった状態の代表的な事象は「樹ボケ」や「ツルボケ」など
とよばれてきました。

 ● 養分があればあるほど、吸っちゃう
 ● 栄養成長へと偏る
 ● 吸われた養分の相性により微量要素欠乏が発現

といったような身体を大きくするだけの方向や、微量要素欠乏が
おこりうる状態へと生育が進んでしまうわけです。

 →ミネラル不足の野菜のできる理由は こちら

では、どうすればいいのでしょう。

最初に土の検査をやって、その作物にとって必要な養分を検査す
るという方法があります。その後、検査で必要とされた養分しか
やらない。

また、土壌の検査に頼らない、耕種的な こんな方法もあります。
それは 生育にあわせて肥料を分けてやる。こと。

 植付け前にある程度施して
 ↓
 樹ボケ、ツルボケにならない程度の生育をはかり
 ↓
 花芽がつきはじめた時点から
 ↓
 植物が利用できる程度に少しづつ
 ↓
 生育に合わせて肥料 をほどこしていく

と、いうやり方ですね。

というふうに、植物が利用できるくらいの適度の養分を やって
いくということが、 植物にとっても、ヒトにとっても、自然環
境的にとっても やさしい
[​こちら​]ということになります。

さて、そして・・・
「有機」なら話は別だろうと かんがえているあなた。

有機の元肥一発施肥が、樹ボケやツルボケをひきおこす危険性は
一番高いんですよ。注意が必要です。たとえ実がならない植物
葉物のホウレンソウやコツナとか〕でも、硝酸が過剰になる場
合が多々ありますから、気をつけてくださいね。そして 生ゴミ
リサイクル肥料をつくられている あなた。この場合も同じです。

 → 家畜ふんの連年大量施用による過剰カリや塩分対策は​こちら​。
 → 牛ふんたい肥から除草剤成分の回は こちら
 → 生物の 食性・生態をもかえた例 は こちら

いじょう今回は「栄養分をやり過ぎたら、植物にも支障がでる」
し、「その支障がでた植物を食べ続けると、ヒトにもいずれ支障
がでる」というお話しでした〔これは放射性物質にもカドミウム
や水銀にも通じる話ですよね〕。


晴れ クリーニングクロップを植えるといったふうの作物栽培
  方法もあります。これは 土に溜まっている養分を
  作物を収穫することによって抜く という農法/農業です。
 
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のの

栄養成長に走りがちな植物[お花]対策は。

2023-12-05 14:14:22 | Weblog
栄養成長に走りがちな植物[お花]対策は。
たとえばエメラルドセージです。 南九州などの気温の高い地方では
とかく栄養成長に走りがちで

  大きくなりすぎて咲いても倒れてしまう
  切り花にしても 水が上がりにくい
  お花が ぽろぽろ落ちてしまう 

といった、このエメラルドセージなのですが、

   


  夏場に、いちど半分ほどの大きさに刈りこみ、そのあとに
  リンサンと苦土[マグネシウム]分の多い肥料を使う

などの対処法で、ほどよい長さの・花持ちのよいお花ができます。

そして・・・そんなエメラルドセージの活用法です。上の写真か
ら1週間ほどたって花が盛りになってきたら

のののセージ6 セージ4
のののセージ3 セージ2

農産物宣伝の一助的な活用法として、切り花にしてバシバシ利用
します。ということで車に積んで、飾っていただけるところへゴー


ののの エメラルドセージ



晴れ ちなみにここ10年ほどのあいだ すっかり生息数が
  減少して、心配していた あの ホバリングの名手の、
  スカシバたち[こちら]なのですが、昨年くらいからじ
  ょじょにふえてきたかんじで、このセージにも今年は
  よくきてくれていました。それとあわせるかのように
  シジミチョウも、その姿をみかけるようになってきま
  した♬
  
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暑かったり寒かったりの11月だったから。

2023-12-03 19:06:00 | Weblog
暑かったり寒かったりの11月だったから。
11月上旬には日本各地で最高気温25℃以上の夏日続出。記録的な
暑さとなったかと思えば、そのあと気温急低下して師走もかくやとい
う気温になるという地域も多く、まるでジェットコースターに乗って
いるかのような気候であった日本列島。

ここ九州も例外ではなく、同じ週のあいだにTシャツ一枚でも過ごせ
るほどの夏日や トレーナーにジャンパーをひっかけるほどの初冬の
寒さの日も混在するという、ある意味無茶すぎる天候が続きました。

そんな寒暖差の大きい気候が続いたためか、11月はじめに悩まされ
たのが、こちら↓。

  

アリガタハネカクシです。

せいぜい2ミリの体長ですから、網戸はフリーパス。明かりを点けた
夕食時に家屋内に大挙して浸入し、食卓のライトに群がり、 そして
ごはんを盛ったお茶碗やスープや湯呑みのなかに落下してくる。それ
だけでもいやなのに、さらにはTシャツの胸元などから侵入し、ヒト
を刺してくるのですから始末に悪い。
ちなみに落ちてきた個体は、放っておくとまた飛び立って、同じ所業
を際限なく繰り返すのですから、言語道断な輩なのです。

対策は、夕方になったら、明るいうちに窓を閉め切ること。 あとは
対処療法になりますが、粘着テープで捕獲していくこと。です。

発生していることに気づけず、家屋内に大挙浸入されてしまった初日
には↑の左写真の5センチほどの長さのテープで10枚ほどですから
約40匹×10枚ということで、400匹ほどのアリガタハネカクシ
を捕獲したことになります[夕食食べた気にならないほどの大騒動で
した泣]。


  

そして 季節外れの蚊。

とくに寒い日がつづいたあとの温かい日に、家屋に浸入していた個体
ズに悩まされました。寒さで弱っているところに温かさが来ると、
けいに張り切っちゃうんでしょうねえ。

そしてお庭では こちら↓。

  

雨が少なかったということもあってか、まだ夏が続くと勘違いしたら
しい尺取り虫やイモムシの卵から幼虫が孵化したり、 漢字で書くと
瑠璃鐫花娘子[読み方と正体は→​こちら​]がいつまでたっても発生し
つづけたりと ほんとにちょっとした騒動がつづいた11月でした。


晴れ いちにちのうちでの気温差もありましたよね。15度以上
  の気温さもあって、体温調整にひと苦労、いや大苦労の11
  月でした。

  

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もらって食べたパパイヤは。

2023-11-30 18:55:50 | Weblog
もらって食べたパパイヤは。
11月の第一週の時期に宮崎県の西都市の直売所の前で、いただいた
緑色をしたボール状の物体。

    

青パパイヤです。

  

大きさは ホッチキスと比較して こんなかんじ↓ 。


     

料理のレシピと パパイヤ坊やのキャラ付きで こんな具合に

  

道行く人たちに、配布されていました。

     

南九州では熟れた果実をハウス栽培する農家さんもおられるので、
フルーツとして食する機会も多く、
しょうじきなところ「う~ん、野菜としての青パパイヤ、ねえ」
と、なんとなく乗り気ではなかったのですが・・・

  

レシピにある ナムルとか、ツクネに利用するとか、から揚げに
するとかで食してみた のですが・・・ これが おいしかった!

来年からは お店で みかけたら買うぞと、おもっております笑。。

ということで今回は、農産物販売には やっぱりレシピは大切だな
あと 思わされたというおはなしでした。


晴れ 寒い時期にハウスで苗を仕立て、霜の心配がなくなったら
  露地へ定植。9月に青い未熟果を収穫する青パパイヤ栽培。
  ところどころで栽培されているところを見てはいましたが、
  なかなかおもしろい野菜だなあと実感です。
  


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“ど根性アガヴェ”に会いにいってみたら。

2023-11-16 14:26:25 | Weblog
“ど根性アガヴェ”に会いにいってみたら。

どこまでも澄み切った秋の青空をみているときに、ふっと思い立っ
て、3年ぶり・・・いやもっとか、5年ぶりくらいに 高所の崖から
無茶すぎる生えかた[​こちら​]をしている、あの日南海岸ど根性アガ
ヴェ”に会いに行こうと思い立ち、南に向かって2時間ほど車をはし
らせたのはよいのですが・・・

あの見上げる崖に到達する以前に、あの場所に至るはずの海岸線を
走る道路自体が交通止めとなっていました。

いまはいって見ることができない光景がこちら。

      この崖のこの部分にアガヴェ
     景観.jpg

以前に撮ったこの写真でみる風景のなかにある、岬のほうからこ
ちらのほうに走ってくる道路全体が。車もそして人さえも通行止
めとなっているのです。

その原因は一昨年と昨年に南九州に襲来した大型巨大台風の影響
です。地元の方にお話しをうかがったところ・・・なんでも台風
による暴風のために左側の山手のほうの崖が崩壊し、崩壊に伴う
崖崩れで出た土砂が道路を飲み込んでいる状態、だから復旧工事
中なので道路が通行止めなのだ、とのおはなしでした。

となれば。

現場を見れたわけではないのでわからないのですが、崖の上部に
居たあのアガヴェは大量の土砂とともに崖下に崩れ落ちてしまっ
た・・とみるべきなのでしょう、きっと。後悔先に立たずとはい
いますが、もっともっ見ておきときたかったと、そのときは思う
ばかりでした。

そんなときです。

どこまでも続く青い空とエメラルドグリーンの穏やかな海という
明るすぎる風景とはうらはらに、悲しい気持ちで通行止めの扉の
手前に停めた車のほうに歩いていたその時。

歩道なのに靴にひっかかるものってなに⁇

   

とおもって歩道の地面に視線を落とせば

     

ああああアガヴェだあぁぁぁぁぁ

   

なんと歩道のガードレールの外側に植えられていたアガヴェの
新芽だったのです。


     

交通止めとなって、人の行き来がなくなったとたんに、歩道の
隙間どころか、アスファルトを突破ってのびているアガヴェ
もちろんくだんの崖のうえの個体とは別物ではあるのですが、
アガヴエという植物の、その生命力には驚嘆です。

ど根性いただきました。

復旧工事中だという道路が開通したあかつきには、 もちろん
崖上にあったアガヴェの確認にいくつもりなのですが、なんか
大丈夫そうな気もしてしまいましたよ。いじょう、“ど根性ア
ガヴェ”の回の 現場からのレポートでした。


晴れ このアガヴェでテキーラを造ったら・・・。
  そのテキーラもスーパーなものになりそうな気がします。
  そんなカラスのマークのテキーラの話は こちら

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