アグリコ日記

岩手の山里で自給自足的な暮らしをしています。

砂糖という薬物 3

2011-05-03 10:12:21 | 思い
 以上でわかるとおり、純度100%に近い高度精製糖はもちろんのこと、精製度の低い黒砂糖も含めて、砂糖は他の食品と比べて組成が著しく偏った「化学物質」なのである。自然界に焼酎やエタノールが存在しないのと同じように、「砂糖」という物質もまた存在しない。だからヒトは誕生以来およそ700万年の長きに亙ってこのようなモノを口にしてこなかった。よって我々の生体は、それを有益なものとして摂取する仕組みを持っていない。ただ摂取されずにそのまま排出されるならまだしも、これから述べるように砂糖はかえって「毒」として受容される。
 だがどういう自然界の気まぐれか不具合か、砂糖はその口当たりの良さとドーパミン作用によって、見かけ上逆に「快感」として自覚されてしまうのである。もし現代科学で解明されつつある砂糖についての恐るべき情報を持たないとしたら、甘いお菓子を頬張りとろけるような至福感に浸りながら、まさかこの甘さが肉体を蝕む毒であることに思いを致す人はまずいない。
 それでも多くの果糖やブドウ糖がそうであるように、その糖分が果物や芋類、穀粒の形の中に自然の状態で存在しているのならば、それはそれで非常に有益なものなのだが、しかし砂糖は人智の所産としてありえないほど純度を高め、かつ安価で日常身の周りにふんだんに存在するものとなった。ここに本来薬だった砂糖が毒物と化してしまった原因がある。世の幾多の科学技術、多くの化学物質もまた、まったく同じ図式でヒトや自然を害するものに堕してしまったことを忘れてはならない。ここでも我々人類は、欲を追求するあまり「やり過ぎて」しまったようなのだ。

 いよいよ、砂糖の人体への害に話を進めよう。
 砂糖を相応量摂取した場合、体内の代謝の過程で乳酸となり、血中に放出されて血液を酸性化しようとする。その際にそれを阻止すべく、急遽骨中に存在しているカルシウム(ヒドロキシアパタイト)が動員されることを見てきた。さて、問題はそれからである。
 既に述べたとおりこのヒドロキシアパタイトは、一端放出されると再び骨中に吸収されることはない。血液pHの一時的な中和という本来の目的を遂げると、尿中に排泄されるか、あるいはそれと同時に骨から溶出していたコラーゲンや多糖体と結合して、血管や脳や筋肉などの体細胞内に入り込み凝固しようとする。
 あくまでも血液中のpHは7.4に保たれなければならないのだ。例え一時的に人体に貢献したといえども、用済みとなった骨中カルシウムをそのまま残していたのでは、今度はpHがアルカリ性に傾いてしまう。そのため血中の乳酸が代謝されると同時に、ヒドロキシアパタイトも血液中から姿を消してもらわないといけない。
 そのために、余分のカルシウム分は血管内に沈着したり、析出して結石となったりする。また本来入る必要のない細胞や脳に進入して留まる。すべては人体が、血中カルシウムを一定値に戻そうとする営みである。
 ところで正常な体細胞では、骨や歯を除いては、細胞の中にカルシウム分はほとんどなく、細胞外の体液にその大部分が含まれている。カルシウムの細胞内と細胞外の存在比率は1:10000で、この値は通常ほぼ変わることがない(この比率を維持する仕組みを「カルシウム・チャンネル」と「カルシウム・ポンプ」という)。
 カルシウムは、人体内の全ての細胞に出入りしながら情報伝達を行っている。この細胞内外の存在比の大きな差と、カルシウム・チャンネル、カルシウム・ポンプという出入りの仕組みを利用して、カルシウムは情報伝達媒体としての使命を果たしているのだ。
 それが骨中由来のヒドロキシアパタイトによって乱されたらどうなるだろうか。情報伝達の使命は果たせず、脳と言わず血管と言わず、カルシウムを過剰に抱えた細胞は一転して機能不全に陥り、健康体を維持するどころか逆にさまざまな障害や病気を引き起こすようになる。
 尿道結石だけではない。高血圧や動脈硬化、心臓病、頭痛や肩こり、老人性痴呆、糖尿病、免疫異常、悪性腫瘍などみな体内のカルシウム状態との因果関係が示されている。更にこのような生活習慣を続けていれば、加齢に伴いそれらの症状は一層顕著になるとともに、続発性副甲状腺機能亢進症など新たな病気も誘引する。また一方カルシウムを溶かし出された骨の方はスカスカとなり、腰痛や関節痛、骨粗鬆症などの症状が出る。まさに細胞内カルシウムの増加は万病に繋がっていると言っても過言ではない。
 これが砂糖によって骨中カルシウムが流出されたことによる、最も恐ろしい結果である。因みに口から摂取したカルシウムは、どんなに多く食べても細胞内蓄積には繋がらないことがわかっている。過剰な分はただ速やかに排泄されるだけなのだ。元々人類は、カルシウムが常に豊富に供給される体内環境に適応し進化してきたということがその理由である。
 「摂取するカルシウムの不足(または砂糖などの過剰摂取)⇒骨中カルシウムの放出⇒一転して血中カルシウムの過多⇒余剰カルシウムの体内蓄積」という現象は、藤田拓男・神戸大学名誉教授によって「カルシウム・パラドックス」と名付けられている。この図式は、単なる虫歯だけではなく、まさに万病を引き起こす重要因子となっている。例えば火葬場などで、焼かれた後の遺灰に残る骨を箸でつまもうとすればぐずぐずに砕けてしまうことがあるが、そのような場合の故人の食生活、特に甘いものをよく食べていたかどうかなどを調査すれば、もしかしたら面白い実態が掴めるかもしれない。
 また、心臓の拍動や胃腸の蠕動運動など筋肉運動にも、やはりカルシウムが欠かせない。筋肉の収縮作用はカルシウムイオンが筋肉組織の細胞内へ出たり入ったりすることで起きている。だからカルシウムが不足すると、全体として筋肉の機能が低下するので心臓や胃腸の働きが悪くなり、その結果不整脈や心不全、胃腸の不具合や便秘などを引き起こす。ここにも意外な「カルシウム欠乏状態」が原因として潜んでいるのである。この場合もヒドロキシアパタイトの細胞内沈着は、決してカルシウム不足を解消とする手段とはなりえない。一旦骨や歯から遊離したヒドロキシアパタイトは、体にとって有害以外のなにものでもない。
 ヒドロキシアパタイトは、リンパ球などの免疫細胞にも入り込み凝縮する。すると体全体の免疫力が衰えるので、アトピーや花粉症、ガンを含めた病気全般に弱くなってしまう。実際にガン患者の血中カルシウム濃度は異常に高い数値を示すと言う。
 また、副甲状腺機能亢進症(副甲状腺がホルモンを異常分泌することによって、骨からどんどんカルシウムを溶かし出し、血中のカルシウムが高くなる病気)の患者はそうでない人に比べて、甲状腺や乳房、胃など全身にできるガンの割合が明らかに高いそうだ。つまり、骨中カルシウムが放出されればされるほど、免疫力を失くしてガンに罹りやすい体質になると言える。
 ここまで述べた、砂糖摂取とカルシウムとの関係をわかりやすく図式化すると次のとおり。
 砂糖を食べる
   ↓
①血糖値急上昇⇒インスリン分泌。血糖値アップダウン
   ↓
②血中に乳酸溢れ、血液を酸性化⇒骨中カルシウム放出
   ↓
③骨中カルシウムの体内沈着⇒細胞・器官の機能不全。免疫力低下

 このように砂糖の摂取は①血糖調整ホルモン分泌機能の攪乱、②骨中カルシウムの喪失、③ヒドロキシアパタイトの体内沈着に由来する機能不全という、3段階に分かれたいずれも重篤な障害を身体に与えている。
 もちろん、これらの障害は砂糖を摂取するすべての人に一律同じように現れるわけではない。摂取する量、摂取頻度、他の食べものも含めたその時の食べ方、他の食品を含めた全体的食習慣、過去の習慣を含めた食歴、体質など、人さまざまな要素が関係するので、ある人のケースと別の人のそれとは異なる場合が多い。
 一気に饅頭を1箱食べても平気な人もいれば、たった1個で症状が顕れる人もいる。その差の形成に最も大きく影響を及ぼすのは、「それまでにどのような食生活をしてきたか」に尽きるだろう。常日頃から甘いものに常習的に浸っている人は体全体がそれなりに弱っているので、たまたまその時だけお菓子を食べた人と同じ反応で済むはずがない。コップ一杯のお酒が、飲酒習慣のある人と無い人とに与える影響がまったく同じでないのと同様の理屈だ。
 また、この病理的過程の発端となるのは必ずしも「砂糖の摂取」だけではない。カルシウムや野菜の不足した食生活、肉や脂肪などに偏った食習慣、リン酸塩など食品添加物を多量に含んだジャンクフードの日常的多食、その他なんらかの疾病由来のカルシウム欠乏症状は、血糖値の一時的上昇は伴わないが、どれも骨中カルシウムの流出を促すのでみな同じような症状をもたらす。またある場合には砂糖でなく他の「精製した炭水化物」の過剰摂取が同じ経路を生じさせることもある。
 さてここで、要は砂糖が骨中カルシウムを流出させることが大きな問題なのだから、ではカルシウムの補給を徹底して行っていれば、ある程度甘いものを食べても平気なんじゃないか、と考える人がいるかと思う。その推理は確かにある程度は当たっている。しかし、実はそのような理論に基づいて実際にやってみた人が既にいるのだ。今まで何百、何千人という難病やガン患者を治してきた、甲田光雄医師その人である。
 若かりし甲田青年のその過激なる奮闘記は、彼の著作「白砂糖の害は恐ろしい」(1972年、人間医学社刊)に収められている。「甘いもの中毒」に罹ってしまった彼は、甘いものを断つ代わりに、カルシウム摂取を始め一日24時間ありとあらゆる健康法を実践して健康を回復しようと努めるのだが、結論を言えば悉く「敗れ」続ける。それらの激烈かつ悲惨な経歴が、その後の彼の光り輝く業績の礎となるのだが、興味ある方はこの本をぜひ読まれるといい。得るもの多い内容の書である。

 上のグラフは兵庫県川西市の「八木歯科」のHPに掲載されていたものだが、砂糖摂取の場合とご飯を食べた場合の血糖値の推移について、とてもわかりやすく描かれていたので借用させていただく。赤い線とそれに続く緑の線が砂糖摂取時、そして青い線がご飯を食べた場合である。
 ご覧のように、ご飯の場合は血糖値が穏やかに上昇し、下降している。描かれるグラフは緩やかな丘のようである。ピーク時に投入されるインスリンも少ない量で済んでいる。
 それに対して、砂糖摂取時は血糖値が急激に上がり急激に下降する。最高点も非常に高く、またその直後には反動で低血糖領域にまで落ち込んでいる。ピークには大量のインスリンが投入され、かつ低血糖時には血糖増加のためにアドレナリンまでが動員されている。
 このグラフになぞらえて、更に血中カルシウムの動きを見てみようか。まず砂糖の場合を見ると、血液中に乳酸が放出されるのは、血糖値のピークから低血糖のボトムの間までである。この間にインスリンの働きで、体内では大急ぎでグルコースが分解され、クエン酸回路で処理しきれない分が乳酸として排出されている。これを中和するために大量のカルシウム分が要るので、体はそれを骨から溶かしだすのである。
 一方ご飯の場合はどうかというと、血糖値の山が低く、下降もなだらかでしかも時間がかかっているので、解糖系から出されたピルビン酸は全量クエン酸回路に回収可能であり、おそらく血中に乳酸は出ていない。したがって骨のカルシウムが使われることもない。
 砂糖はこのように、その「化学物質性」により、体内では食品としてよりか「薬品的に」作用し、著しく体を損耗させてしまう。「甘いお菓子には毒がある」である。これと同じような作用を示すのに、「特に精製度の高い炭水化物の過食」である。白米や小麦粉製品を過剰に食べた場合、カロリーが高い分だけ当然グラフの山も高くなるのだが、図の「ご飯の場合」を単純に上に平行移動した形にはならない。ピーク時に砂糖の場合と同様大量のインスリンが投入されるので、下降線はより急傾斜となる。またその際に今度は大量の「処理不能の乳酸」が血中に放出されるので、それに応じた骨中カルシウムの動員は避けられない。
 これでわかるとおり、砂糖で摂取したカロリー、また過食によって取り入れたカロリーは、すべてが栄養分として有効に使われるわけではない。例えばご飯を適量食べた場合は、その糖質すべてが解糖系・クエン酸回路・電子伝達系を経由してATPに、熱産生にと変化する。しかし砂糖や過食の場合は、処理不能の乳酸のうち一部が尿として体外に排出されてしまう。加えてカルシウム収奪とヒドロキシアパタイトの害は計り知れない。つまり摂取したカロリーが、自分自身を滅ぼす毒となってしまうのである。
 このことを見ると、少食がいかに大切か、また少食にしても必ずしも栄養不足にならないことがわかるだろう。今まで大食だった人は少食にすると、とかく以前と同じ栄養分を摂らないで大丈夫かと心配になる。三食食べていた人が一日二食に変えた時に、ともすれば残りの食事で今までと同じ分量を食べようとする心理と同じである。
 しかしやってみればわかるのだが、実態はまったく異なっている。今までの過食分は、実は体を壊すことに使われていたのだ。しかもそれを修復するために、本来使う必要のない相当量の栄養素が消費されている。少食にするとそれらが無くなる分だけ、体が要求する栄養分は少なくなる。しかもそれ以前よりずっと健康になるというおまけ付きで。これが、二倍食べる人が必ずしも二番育っていない理由である。その意味で過食は、愚かにも身体の修復力の限界に挑む行為であるとも言える。やがて衰え修復が追いつかなくなった時に、「病気」として顕れる身体の虐待行為である。
 そもそも骨中カルシウムを流出させること自体が、体にとって「異常な」状態なのである。ヒト本来の健全な食生活に、そのような「有事」を招くことが含まれているはずがない。そのように見れば、ヒドロキシアパタイトの有効な処理機能を人体が持っていないという不可思議も容易に理解できる。まずは砂糖食も過食も、どちらも人間の欲の産物であり、飽食で精神が弱められた現代だからこそ現れた問題であるということ、そしてこれらの欲を制御し自己管理を全うすること以外に、私たちに心身の健康を取り戻す道は開けないことを自覚する必要がある。

 さてカルシウムに関連して、ここでカルシウム不足が精神面に及ぼす影響についても簡単に見ておきたい。
 カルシウムは神経の情報伝達に重要な役目を果たしている。よってカルシウムが足りないと怒りやすくなる、キレやすくなる、感情の起伏が激しくなる、といった話を聞いた人は多いと思う。確かにカルシウムが不足すると、神経が異常に興奮しやすくなり、イライラしたり、痛みを感じやすくなったり、攻撃的になったりするのは事実のようだ。アメリカで犯罪者を対象にした調査でもそれは裏づけられている。またカルシウム不足は老人ボケの要因になるとの話も、「神経の情報伝達」という観点から頷けるところがある。
 それと似たようなことが、同じく砂糖摂取によって失われるビタミンやミネラルの不足からも生じる。砂糖はクエン酸回路でビタミンB類やCを消費することは既に述べた。だからもしそれらの消耗分を補う食事をしなければ、砂糖の摂取の度合いに応じて体内のビタミンは確実に欠乏状態となり、これがまたカルシウム不足と同じような症状を招いてしまう。更に同じことがマグネシウムにも言える。マグネシウムはうつや多動症との関連が深いミネラルと言われている。
 つまり我々は、子どもに甘いものを食べさせたり飲ませたりすることによって、その子の精神状態にも作用していることになる。キレやすい子、キレやすい大人、昔では考えられなかった凶悪犯罪、虐待、蔓延するうつ病や精神病、自殺の増加などは、戦後から今日までの食生活の変化と密接に関係している。中でも大きな要因の一つに「砂糖摂取量の急増」がある、というのもあながち的を外れた観測ではない。オハイオ州・キュヤホガ裁判所の保護観察官のリード女史は、106人の犯罪者を観察した上でこう語っている。
 アルコールや薬物の問題のある人たちが、一貫して私に話したことは、十、十一、十二歳という少年少女期の食事に、砂糖、清涼飲料などの摂取が多かったことです。彼らに守るよう励ましたのは、砂糖なし、低でんぷん、すべてのジャンクフードをやめることでした。そしてその後、人格の変化が早く、劇的であることがしばしばでした。栄養のよい食事を続けた人で、裁判所に戻ってきた人はいませんでした。
(岩手大学名誉教授・大沢博著「食事で治す心の病気」より抜粋)

 リード女史は犯罪者の多くが貧血、甲状腺障害、更年期障害をもっているという事実から、栄養と犯罪の関係を研究したのである。
 犯罪行動や異常行動、衝動行為などの問題は、このようなカルシウムを始めとしたミネラル不足はもちろんのこと、砂糖摂取が引き金となる「低血糖症」が関係している場合が多い。低血糖症とはその名のとおり、血糖値が正常な変動幅を超えて低く傾いた状態が常態となる症状である。脳は血液中のグリコーゲンを栄養源としてるので、血糖値が低くなりすぎることは即、脳神経に悪影響を及ぼすことになる。
 血糖値70以下になると感情的になる、注意力が低下するなどの症状が顕れ、低下するに従って倦怠感、無気力、冷や汗、顔面蒼白、頭痛、手の震え、混乱、異常行動へと発展し、40以下では意識障害、昏睡の危険性がある。
 身体はこういった危険を回避するため、血糖降下時には速やかにグルカゴンやアドレナリン、コルチゾール、ノルアドレナリンなどのホルモンを分泌する。これらのホルモンは交感神経を興奮させ血糖値を上げるのだが、同時に神経を刺激して興奮・緊張・怒り・攻撃・不安・過敏・感情を煽り立てるといった作用も持っている。
 例えばノルアドレナリンは神経を興奮させる神経伝達物質であり、生物の闘争あるいは逃避行動に密接に結びついたホルモンと言われている。意欲・不安・恐怖と深い関係があり、覚醒、集中、記憶、積極性、痛みをなくするなどの作用効果を持つ。元々は敵に出会った際に身を守るために、心拍数や血圧を上げ敵に対抗(または逃避)するための役割があるのではないかと推測されている。このホルモンは、ストレスを受けた時にも同じように分泌される。
 通常これらホルモンの分泌は精密にコントロールされているのだが、血糖値の急上昇や下降が幾度も繰り返され、ホルモン分泌の均衡が狂わされてしまうと、神経症やパニック障害、うつ病、月経前症候群、自律神経失調症、我慢できない異常な食欲などが引き起こされる。これが低血糖症が精神症状に繋がる構図である。現に犯罪や非行を犯した青少年のうち、少なくない割合の子どもらが低血糖症と診断されている。
 犯罪を犯した青少年の収容施設で、食事を変えることによって目に見えて彼らの性格が変わっていくという報告もなされている。キレやすい子、衝動的な子、暴力的な子のそれまでの食生活は、ほぼ一様にジャンクフードやお菓子、ジュース、肉類を中心とし、野菜や食物繊維の極端に少ない「非家庭的な」食事だったという。子どもは生まれながらに犯罪者ではなく、与えられる食事によって、犯罪者にもなれば健常者にもなる。その中で「砂糖」及び「カルシウム不足」は、おそらく重要なキーワードであるに違いない。


(つづく)
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