稲が黄色く色づいた。夏の青も清々しくてきれいだけれど、刈り入れ少し前の黄色もいい。この色を目の前にすると、未だ夏の余韻から覚めやらぬ心にも、やはり「秋が来た」と実感させられる。稲の黄色は日本の秋の色。この色は後1週間もすれば黄金色に変わり、刈り入れの時を迎える。
昨日も私は田の中を歩いてヒエ抜きをした。今年は6月から収穫寸前まで繰り返し繰り返し田の草取りをすることになった。この年までヒエという草 . . . 本文を読む
先日保健所から封筒が届いた。
何の話だろう。うちで飼っている鶏に関係することだろうか。つい最近も鳥インフルエンザが茨城県かどこかで発生したと聞いている。我が家の放し飼いの鶏にも、もしかしたらお上の締め付けの手がが伸びて来たのだろうか。
少し不安に思いながら開けてみると、こんな内容だった。
ある薬剤師の方から当保健所に問い合わせあり。先日薬局に見えられた、市内で鶏を飼い、野犬駆除の柵罠(さくわな) . . . 本文を読む
ナデシコって、いうんだね。青い海に泳ぐように咲く
ナデシコって、いうんだね。息の詰まりそうな草いきれ
お前のピンクが夏にも優しさがあるってことを思い出させる
足元危うい広い土手。そこにちっぽけな、でも
凛として花びら広げる
変わらぬ優しさ、譲らぬ主張
今掴んでいるものにいったい何の意味があるんだろう
そんな時をじっと待っていたかのように
ナデシコの花、初めて見たよ
これがあの花、ヤマトナデ . . . 本文を読む
今日大根と白菜の種を蒔いた。
もう時期遅れになりかけていた秋野菜たち。これらのほとんどは雪の降る前に、漬物となって冬の大切な食べものとなる。これから3ヶ月の間に彼らは精一杯地面からミネラルを、エネルギーを吸い取り増幅して、それを私に引き継いでくれる。百姓というのはいながらにして自然の恵みを受けられるのだからありがたい。仮に私が酒を飲んで酔っ払っていても、炬燵で居眠りをしていても、彼らは間断無く太陽 . . . 本文を読む
頼まれ仕事で草刈をした。
葛と笹の原である。農家を相手にして仕事を頼まれるのは、ほとんどこんな仕事だ。当の農家がやりたくない仕事ばかり。
でもこんなことにはもう慣れっこになった。ひと頃、たった二年だけれど「草刈請負業」で生計を立てて来た私には、もう怖るるに足る草など無い。
刈払機のエンジンをかける。シュウイィーーーーン・・・ダイヤモンドカッターの刃が回りだす。
草刈という作業は、農家ならば避けて . . . 本文を読む
「大型で勢力の強い」台風11号は遠ざかった。幸いながらこの辺りは雨も風も大したことなく、被害と言えるほどの被害も出ずに済んだようだ。ひとまず胸を撫で下ろす。そういえば今年に入って初めての台風の来襲だった。なんだか今年は不思議なほど天候に恵まれている。
雨が少なく高温の日が続いたお陰で稲も野菜も生育がいい。今のところいもち病などの病気の心配も無い。稲の刈り取りまで後1ヶ月、この分だと今年は豊作なん . . . 本文を読む
先夜、真夜中に目が醒めた。電話のベルが鳴っている。
まだ少し頭に昨夜の酒が残っていた。体がだるい。できればこのまま寝ていたいと思った。
でもベルはいつまでも鳴り続ける。もしかしたら緊急の電話かもしれない。いや、こんな時間に鳴るということは、きっとそうなのだ!
私は諦めて立ち上がった。
アタゴの婆さんが行方不明だどっしゃ。
宵の口から帰ってないんだど。
今すぐ行ってけねが。・・・
時計を見たら3 . . . 本文を読む
草刈をしていたら急に大粒の雨。
俄かに雷も鳴り出した。絵に描いたような夕立だ。こんな時に生憎帽子も被っていない。仕方ない、今日はこれで店仕舞いにしよう。
ずぶ濡れになって家に戻って来たら、猫たちが玄関で雨宿りしていた。私の顔を見てニャアニャアと鳴く。今日は雨だからいつもより早く餌をくれ、とのことらしい。
餃子を焼いてビールを飲む。ビールはどぶろく。あまり買い物はしない我が家にあっても調味料や牛乳 . . . 本文を読む
その時私は草を刈っていた。
最初は飛行機かと思った。何かの気象条件の関係で、頭上を通る飛行機の音が驚くほど間近に聞こえる時がある。ちらと空を見上げたけれど、すぐにその可能性を打ち消した。これは音ではない。山がゴーと鳴っている。
重量車両が地を揺るがせて走っているのか。いや、そんな車の通れる道は山際のここには無い。
異様だ。急いで刈払い機のエンジンを止める。
山が唸っている。足元の地面が波打っ . . . 本文を読む
このところ私のBLOGにマルダヌキがよく登場するようになったけれど、
ふっ! アタシの魅力がようやく知れ渡ってきたようネ・・・
こ、こら、いきなり出てくるな! かえってそれによって読者は離れてるのかもしれないのだぞ!
あ、もとい。私のBLOGにマルダヌキがよく登場するのだけれど、
実際のタヌキには、毎年今の時期、実は少々てこずっている。
というの . . . 本文を読む
半月前に「思い出と血」で書いたように左指を切ってしまったのだけれど、
今日に至るまでなんとか快方に向かってくれたようだ。まだ左手人差し指は通常の半分しかそれぞれの関節が曲がらないとはいえ、やっとこの頃水仕事もできるようになった。
今更ながら言うけれど、かなり深い傷だった。もし神経がやられていたら即病院に行こうと思っていた。そうでなくても病院に行った方がいいのはわかっていたけれど、縫ったり抜糸したり . . . 本文を読む
今朝も天気がいい。草刈から帰って来てさて、と朝ごはん何を食べようか。・・・
そばがいいかな。冷たいそば。ちょうど昨日の汁もある。
茹で上がったそばを冷たい汁の丼に入れ、さあ、食べるぞと箸でひと掬い。
見たら、麺の間に虫がいた。
丸くて小さい昆虫。ハムシだろうか。多分コンフリーの葉の陰に隠れてるうちに一緒に野菜鍋で茹でられたんだろう。お腹が異様に膨れているから、ちょうど産卵するところだったのかもしれ . . . 本文を読む
とうとう我が家の田で出穂が始まった。
気の早い読者の一部はここですかさず心のこもった「おめでとう」のひと言を贈ってくれるかもしれないし、またこの分野の事情に少し明るい方々は「岩手の山間部にしては随分早いな。本当か?」と多少の疑問を持たれるかもしれない。
しかしその疑問はもっともでありまた遠くネットを通じて祝辞を述べてくださった方たちの好意を無にして申し訳なく思うのだけれど、
出穂は今日、私が確か . . . 本文を読む
このところ、田んぼでよくトンボが羽化しているところに出会う。
こんな小さな殻からよく・・・と思われるほど抜け出たトンボの体は大きい。羽は白く小さいのだけれど、多分これから大きく広がっていくのだろう。自身の抜け殻に掴まりながらトンボはじっと変身の完成を待つ。この瞬間は動けないだろうしとても弱い姿なのだろうけれど、まるで世界中が自分の味方であることを知っているみたいに、じっと状況に身を委ねる。
私もこ . . . 本文を読む
昼近く、隣りのジッちゃんがバイクに乗ってやって来た。
「おう! 何してだれ?」
その時私はちょうど朝ごはんが済んだところだった。猫家は家族全員一日二食である。人間としての私の朝ごはんはいつも9時から11時までの間だ。
「今しがたほれ、あの北上の安売りの店に行って来てな、カッツォ(カツオ)安かったから、オメの分も買ってきたぞ。」
差し出された袋にはカツオの半身がアイスパックと一緒に入っていた。
「こ . . . 本文を読む