モンシロチョウが飛んでいた。
ひらひらと明滅して飛ぶ姿に、しばし苗床の手を止める。
もうこんな季節になったんだね。早いものだ。これからは野菜を調理する時には、気をつけないといけないな。虫たちのいない季節には、わが家では土でも付いてない限り野菜は洗わずに調理してしまう。アブラナなんて野原から採ってきたてのものを、ブチッ、ブチッと適当に手で千切って、そのまま鍋に入れたり炒めたり・・・だから春先は気楽 . . . 本文を読む
猫どもがあんまし言い寄るんでなあ
今日は仕事をやめて、あいつらにつき合うことにした。
ほんに、春真っ盛りのいい天気
こんなとき、ほてった肩にゃあ、かえって日陰の方がいい。
どぶろく出して、ぐいっっ・と空けた。
風がふわっと吹いて
酒の香りが春と一緒んなって
はらわたへ透みてく。
ジャガイモと椎茸も焼いたよ。醤油つけてな。
一匹、また一匹と
猫が足元にだらんと丸くなる。
春の風に、酔っ払っちまったか . . . 本文を読む
軒下の陽だまりにぽこぽこと顔を覗かせたふきのとう。
我が家の春だ。久しぶりの土の感触。もう雪じゃなくて、雨が降る季節になったんだね。
両手いっぱいに採ったふきのとう。青い草の香り。ほろ苦さに春一番を感じる。
冬の間の4ヶ月、我が家に野菜といえば青菜の漬物とたくあんしかない。それとカボチャやジャガイモという芋類。トウガラシやニンニクといった保存性の高い香辛料。
それに加えて今年は時々ニンジンを買っ . . . 本文を読む
2006年2月20日、本日をもって私の住む町「江刺市」は近隣4市町村と合併し、新たに「奥州市」として生まれ変わった。ここ数年全国的に推し進められている地方自治体の統廃合の一環である。
新市の人口は昨年9月時点で130,162人で世帯数は41,484。同時期の江刺市が32,553人だったことと比べると、人口は一挙に4倍になりしかも人口動態は微増の状態になるそうだ。面積も広大で総計993.35k㎡と . . . 本文を読む
焼酎を牛乳で割ろうと思って鍋に入れてストーブで温めた。
さてカップに注いだら、鍋の底に牛乳が少し固まって残っている。粘性の強い液体だし、温めると特にタンパク質が凝固してこびり付きやすくなる。
もったいないな、と思ってたらいいことを思いついた。
そうだ!どうせ焼酎で割るんだから、その焼酎を鍋に入れて牛乳を洗い落とそう。
そこで焼酎をタプタプ揺らしながら底に残った牛乳を溶かし込んだのだったが・・・
今 . . . 本文を読む
今年せっかくの正月にどぶろくが切れてしまったので思い切って日本酒を買うことにした。
考えてみたら日本酒を買うなんて数年ぶりである。我が家では日本酒、ビール、ワインは自家製なので、たまに買う酒といえば焼酎やウイスキー、ウオッカなどの蒸留酒になる。それらの酒は特殊な装置が必要になるので作るのが面倒くさいということもあるし、また私が濃い酒を好まないというのも理由のひとつに挙げられる。子どもの頃からどう . . . 本文を読む
我が家の物置の軒下には大きな丸い巣があった。
スズメバチの巣だ。去年の秋、ハチに刺されたその現場である。実は刺されたあの後ハチ退治用のジェットスプレーを何本か購入して駆除しようとしたのだったが・・・
まだ気温の上がらない早朝に一度かけたところ、かなりハチの勢力は弱まった。殺虫スプレーの効果はどれだけ近くで噴霧できるかによるのだが、怖くてとても近くまで寄れない。せいぜい巣まで3mの距離が限度だった . . . 本文を読む
水野南北が生涯麦飯を食べたということを読んで、そういえば麦飯って、食べたことないなと思った。我が家でも小麦は栽培しているけれど、臼で挽いてパンを焼くばかりで今まで炊いて食べたことはない。
そこで昨日初めて麦飯を炊いてみた。水を多めにして炊飯器に入れる。ふすま付きの「玄小麦」(玄米に対比させての造語)なので玄米を炊くのと同じ要領でやってみた。
さて、できたかなと蓋を開けてみるとおお!これはまさしく . . . 本文を読む
今朝はこの冬一番の冷え込みだった。
マイナス17度。近くの県道では零下19度を示したらしい。風呂もトイレも凍っていた。こんなに寒かったのは私がこの家に越して来て初めてのことだ。
朝6時半から部落総出で集会所の雪掻きをする。作業機を付けたトラクター3台と総勢30人の人手で繰り出したのだが、カチンカチンに凍った雪は氷河さながらにしてスコップの刃を寄せ付けない。それでも1時間ほどしてようやくに形が出来て . . . 本文を読む
玄関を開けると土間にいた猫たちが我先に外へと駆け出す。
このところ暖かい日が続いたとはいえ今朝も氷点下7度。それでも朝ごはんを終えた猫たちはある者はおしっこ、またある者は近所の見回りにとそれぞれに忙しいみたいだ。見送っていると真っ白い世界の所々に彼らの黒い影が溶け込んでいく。
さて、と振り向くとアポロが蹲っていた。梃子でも動かん!さながらに肩をピッタリと火鉢に押し付けている。でも落ちつかな気にキ . . . 本文を読む
ただ息をしているだけで気持ちよい。
横たわって呼吸をしていると体中の血管が拡張し光の塵のような粒を全身に漲らせてくれる。大きく吸って、吐く。その単純な行為が無限の快感を伴った生体活動に感じられ、同時に私の体は空気中に浮遊する微小体と不可分な位置関係にあることがわかる。
吸って、吐く。この動作には生き物が生きるその由縁が、もしくは原型があるのではなかろうか。
ただ寝ているだけで一時間、二時間が滂沱 . . . 本文を読む
足の裏がムズムズして落ち着かなかった。
寝ようとはするのだけどあっちにゴロリこっちにゴロリ、とても寝付けない。皮膚ではなくて足の内側骨の隙間に微細な虫がわさわさといるみたいだ。堪らなくて足を片方ずつ胸に引き寄せては指圧した。土踏まずから指の間・・・そうするうちにゲップが出てきた。次から次と留まることを知らない。腸もグルングルンと動き始める。何も食べてないのにどうしてこんなに動くのだろう。
しばら . . . 本文を読む
ウサギというものはとても食べる動物だと思う。雪の厚く積もったこの時期に草を確保するのはとても難しい。雪を掻き分けて凍った葉っぱや枯れ草を両手一杯に集めて与えても、彼らは瞬く間に食べ尽くす。さすが草食動物だ。草だけで体を維持するというのはこういうことなのだろう。
だからこの冬の私の懸案はウサギの餌の確保だった。もちろんカボチャやジャガイモはストックがあるし適度にやれば彼らも喜んで食べるのだが、やはり . . . 本文を読む
昨日までの寒さがやっと緩んで今日はとても暖かな日だった。
昼間厚く積もった雪が次々とトタン屋根を滑り落ちていく。つまり戸外も0度以上になっているということだ。大きな雪の塊が地響きとともにズシン!と軒下に落ちるので注意しないといけない。特に猫たちがあの雪の直撃を食らったらただでは済まないだろう。だからいいか、お前たち、注意しろよ、と時々言い聞かせている。
さて今日は断食を始めて3日目になる。
つい . . . 本文を読む
このところ気温が低い。
雨は夜半から雪に変わり今朝になっても降り続く。
今日は石臼を出して粉を挽いた。
冬になるとよくパンを焼く。朝方ストーブの側で温まりながら粉を練り生地を寝かせてオーブントースターかストーブの上で焼く。なぜ冬かというと、多分それ以外の季節では気持ちの余裕が無いからだと思う。パン焼きは単純なようでいて結構時間と落ち着きが要るものだ。焦っているとパンはうまく焼けない。
麦はそも . . . 本文を読む