粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

風評被害の宝庫「武田ブログ」

2013-07-08 13:36:38 | 煽りの達人

くどいといわれるかもしれないが、また武田ネタである。武田邦彦中部大学教授ブログ(7月1日)「繰り返し子どもを被曝させようとする人たちの心?」

この教授、東北や関東になにか恨みがあるのかと思うほどに被災地を執拗に攻撃している。音声で話された内容で問題点を列挙しておこう。


1)読者からの情報のよると近郊の食材だといって子どもにすすめる。たとえば宮城の水揚げの魚、宮城の蔵王牛の肉を食べさせるということです。こういう自体が野蛮なんです

2)東京の小学校では5、6年になると群馬や栃木に泊まるという宿泊行事をわざとする。別にいかなくてもいいのに補助金をもらうとか校長先生がたっぷり見返りを貰うんでしょうね。

3)給食では椎茸とかタケノコとか汚染されている可能性のものがどんどん出され、三陸沖の鰹や北海道のいかとか福島産のきゅうりが出る。なんで出るからというと大人が買わないからですよ。

4)ベクレル基準値40ベクレル今の食品の安全委員会100ベクレルというのはインチキですからね。40ベクレルをはるかに超えるような食材がでている。

5)放射性物質で汚染された食材を子どもたちに食べさせるのは、目に見えないナイフを振り回しているのと一緒ですよ。なんで見えないですかね。

6)自分たちの子どもたちがかわいいければ宿泊行事は群馬や栃木に行かなければいいんですからね。別に。それと食べ物も関西のものを食べればいいですからね。…日本の子どもが宝なら宝なりのことをしなければならない。


まず教授がこの記事を展開する上で「読者の情報」をもとにしていることだ。もちろん教授自身が現地調査をして独自に「検証」しているわけではない。悪くいえば不確かな情報を鵜呑みにしている。おそらく、現地の読者が自分たち周辺の食材を民間の放射能測定所に持ち込んで調べたものであろう。

農家からのものを自治体、農協やスーパーが公式に大掛かりに検査するのとは違う。一部読者の偏った情報だけでその地域の産品を論ずるのは無理がある。三陸の魚、北海道のいか、宮城の蔵王牛、福島のきゅうりなど生産農家や漁業関係者は「エライ迷惑」だろう。大人が買わない?買わないように煽ったのは誰かと聞きたい。

群馬、栃木の観光地に対しても「子どもは行かなくてもいい」というのも「営業妨害」も甚だしい。なんの科学的な根拠なしにこうした観光地を攻撃するのは偏見以外何ものでもない。線量が子どもの健康被害を与えるほど高いという根拠をはっきり示すべきだ。現にここでずっと生活している人々に失礼極まる話である。

まして、校長先生が業者からお金をもらっているとか、官庁から脅しを掛けられているとか、勝手な憶測で学校を攻撃するのに及んでは呆然としてしまう。とても大学教授の言葉には思えない。

さらに教授は食品基準をキロ100ベクレルはインチキで40ベクレルが正しいと言い切っているが、その根拠はどこにあるのか。教授はいつ法案を通過させたのか、野田前首相、安倍首相はご存知ですか?武田基準を法令化させる実力が教授におありなら憲法改正も簡単かも?。

果ては「目に見えないナイフを振りかざす」と教授は正に恐怖を煽るお決まりのパターンだ。そこには「子どもの命」が錦の御旗のごとく振りかざされている。日本人の情緒に訴えるという展開はどこかのカルト的な市民活動家さえ思い起こしてしまう。風評被害の宝庫、まさにバイブルというべきものだ。


追記:原発事故以来、武田教授を正面切って批判的に論じたメディアはほとんどない。週刊新潮が唯一といってよいだろう。「おつる」さんという女性?のブログでその記事が全面掲載されているので、紹介させていただく。「放射能 ヒステリー」を煽る「武田邦彦」中部大学教授の正体「週刊新潮」2011年7月28日号


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