粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

武田教授の抵抗

2013-04-15 12:41:02 | 煽りの達人

武田教授の暴走がとまらない。武田邦彦中部大学教授ブログ「子どもの被曝 専門家は科学的では無くアウシュビッツ現象」(4月14日)。100ミリシーベルト以下の被曝は健康被害に確たる有意性がみられないと主張する多くの学者を攻撃している

1学年200人、小学校全体で1200人のお子さんがいるときに、もし50人も健康障害が起こったら大変です。それでも24人に一人ですから、他の23人は被曝しているのに、病気にならないのです。

「24人のうち1人被害が出てもたいしたことはない」などと、教授の攻撃対象の学者が考えているだろうか。教授の言っている意味がわからない。教授は多くの学者の言説を曲解して言いがかりをつけているとしか思えない。(100ミリシーベルト以下の被曝では、ガンの多くの原因のなかに隠れて影響を算定できないというのが多くの学者の見解である。喫煙、ストレス、肥満、塩分のとり過ぎなど生活習慣の改善の方が先決だというのが彼らの共通した考え方だ。)

1200人で50人というと、交通事故でケガをしたり死んだりする人が500万人という数ですから、日本社会では容認されない災害です。つまり1年100ミリまで良いというっている「良い」は「日本が野蛮な国で危険が一杯なら他の危険と同じ」と言っていることなのです。

ここから、こうした普通の学者の主張は「アウシュビッツ現象」につながると教授得意の「煽り言語」で決め付けている。こんなホラー映画並みの教授の物言いは、もはや主張にもならない。言説などおこがましい限りだ。一方で教授自身の立場はこうだ。

私は「わからないから、しばらくは子どもに被曝させないように全力を尽くす」ということが正しいと思われるからです。

500万人といった数字を出しながら「わからないから」などというのはもはや学者の言葉ではない。ワイドショーででてくる芸能人のコメントそのままといえる。しかし、「アウシュビッツ」とはよく言ったものだ。それこそホラー映画のコピーライターに転職した方がいいだろう。

4月11日の記事でもある大学教授らを攻撃している。東大の早野龍五教授らが福島県民を中心とした3万人以上を対象にWBCによる内部被曝の検査を実施した。一番新しいデータでは99%がセシウム137の被曝が不検出であった。しかも子供の場合は全て検出者は出なかったという話題を取り上げていた。

国のお金をもらっている東大が誠意のない測定をしていると私は判断しています。今回の場合、どのような裏取引が行われたかはわかりませんが、このような時、先輩後輩で電話が来て「反対派が福島の被曝を騒いでいるので、ちょっと測定してくれないか。金は出すから」ということになり、それを東大の先生が請け負うという関係です。税金ということは忘れています。

早野教授らの言説にまともに反論できず、教授間の人間関係を憶測から論じている。東大なら国からたくさんお金がはいるなど、教授のひがみにしか思えない。

一方でその記事では民間の放射能研究所を大いに持ち上げる。ただ、該当の会社のホームページをみると、ここは産地直売など一般ルートに出回らない食材や家庭菜園の野菜、さらには野生の動物、魚などを有料で検査する会社のようだ。これをもとに「かなり危険」として教授が挙げているものに「野生キノコ、原木シイタケ、イノシシ肉、クマ肉、海底のサカナ(ヒラメなど)、川魚(アユなど)、栗、ユズ、コゴミ、タケノコ、干し柿、切り干しダイコン」などがある。イノシシ肉、クマ肉、海底のサカナといった食材が一般住民にそう簡単に手に入るはずもない。

武田教授は早野教授が出した「内部被曝の不安は極めて低いと」いう発表を否定したいばかりに、こんな民間のデータを取り上げているが全く土俵が違う。早野教授の研究からは、普通の市場に出ている食材ならば問題は極めて少ないことは歴然としている。武田教授の抵抗も、次々出てくる実証的な検査、研究の前では崩落寸前、いや無駄の対抗か。



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