粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

橋下市長は「市政」に専念を

2012-04-20 09:17:22 | 国内政治

橋下大阪市長の暴走が止まらない。産経ウェブに「値上げなら『切り込む』橋下市長、関電を挑発」とある。大飯原発を再稼働しないと化石燃料の燃料費がふくらむ。そこで関西電力が値上げに踏み切る可能性への反撃だ。具体的対応はまだ明らかにしていないが、市長のことだ、その過激さが想像される。橋下市長は関電を「殿様商売」と挑発しているが、その性格は多少あるものの公共性が極めて高い企業である。普通の民間企業のように赤字部門を簡単に切って採算中心主義で合理化できない。原発が稼働できなれば値上げに踏みきらずを得ないのは子供でも分かる。それを「企業努力で何とかしろ」というのは電力会社いじめでしかないと思う。現に今東京電力が今批判の嵐に晒されている。

橋下市長は「大阪再生」を掲げて大阪府知事を4年間務め、そして今年から市長として「府市統合」を目指して深化を進めようとしている。府知事時代はそれなりの実績を挙げたが、最近市長として話題になるのは関電や政府を挑発する言動ばかりだ。

市長になった直後に「府市統合」の交渉相手である堺市が統合反対を表明したのが、ケチのつき始めだ。市労組を切り込む姿勢は評価するが、そのやり方がちょっと陰湿でフライングも目立つ。今はほとんど「府市統合」の動きが見えて来ない。全然やっていないのではないだろうが、何かその勢いが感じられない。

「府市統合」には確かに一地方だけで解決できる問題ではない。国の基本にも関わってくるので、橋下市長が国政に並々ならぬ関心を持つ気持ちはわかる。しかし今の橋下市長をみると、市政そっちのけで国政に前のめりしている印象がある。

と同時に彼が当初からスローガンにしていた「大阪再生」の観点からすると、最近の関電攻撃は再生に逆行する動きにしか思えない。また再稼働反対に固執すれば、当然電力供給に無理がおこり節電に進まざるを得ない。市長の顧問をしている飯田哲也氏などは、潜在する電力が充分あり電力不足はないと豪語している。しかし最近の和歌山の火力発電の運転停止などをみれば、付け焼き刃で火力発電を無理矢理操業させることの危うさは大きい。

そして節電になれば、関西の多くの企業の活動を苦しめる事になる。大阪再生がさらに遠ざかっていく。橋下市長は、いまこそ「市政」に専念し活気ある大阪を目指して欲しい。そのためには、派手なアドバルーンなど必要ない。地道な行政活動があるだけである。

彼の友だちである宮崎前知事は、故郷の県政に飽きて、国政に色気をだして自滅してしまった。今全くといいほど、メディアには注目されず「世捨て人」状態だ。身の程を知らない元知事の悲しい末路なんていったら失礼だろうか。橋下市長は、まさかそんな旧友の轍を踏むほど愚かとは思わないが、最近の言動を見るにつけ不安を増すばかりだ。