時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

田中角栄の亡霊

2008年12月30日 | 政治問題
麻生太郎内閣の支持率低下が顕著になるなか、「平民宰相」「今太閤」の異名をとった田中角栄が、にわかにクローズアップされているという。
雑誌やテレビが相次いで田中元首相を取り上げ、存命ならどんな政策を打ち出すかと特集を組んだ。不況や雇用不安が続く現状を踏まえ、改めて田中角栄の手法に学ぶ視点だ。一方、清濁併せのんだ“昭和のカリスマ”の再評価を懸念する声もあるという。
「いまこそ田中角栄流」「角栄政治にヒントがあった」。最近の雑誌に、相次いでこんな見出しが躍った。「週刊ポスト」では田中元首相が蔵相時代の政策を例に挙げ、現在の不況対策としても通用すると提言。隔週誌「SAPIO」では計27ページを割いて特集、TBSでも情報番組で「静かなブーム」と題し、田中元首相を取り上げた。
定額給付金をめぐるバカ騒ぎで、経済政策として、より実効性のあるものを求める声が多く、インパクトのある政策をとった首相をさかのぼると、田中角栄が浮かんだということらしい。
しかし、同じ自民党という土俵上にいた人間が、果たして、現在の金融危機に対して有効な手段を講じることができるだろうか?
赤字国債を大増発して、高速道路や空港などをあちこちに作って、失業者を吸収するぐらいが関の山ではなかろうか?
その程度の経済対策しか考えられないのが、自公政権の頭脳の中身である。
しかし、彼らのその貧弱な頭脳でも、「定額給付金」の愚かさには気づいているようだ。気づいているからこそ、どうせ2兆円も使うのだったら、より有効な景気刺激策があるのではないか、と考え始めているのだろう。
同じ自民党型の政治、古い田中角栄の亡霊などを持ち出しても、この不況を解決することはできない。
自民党型でない思い切った政策転換、たとえば、米軍への思いやり予算を含む年間5兆円にも及ぶ軍事費の大幅削減、法人税率の引き上げなど、庶民の懐を温める政策を実現しないかぎり、この危機を乗り切ることはできないだろう。

久々にコインの話題

2008年12月29日 | コイン収集など
編集長は、外国の大型銀貨を収集しているが、いつも手に入るわけではないので、合い間に江戸時代の通貨を集めている。
最近は、金融危機による不況で消費を手控える人が多いと思われるが、円高が急激に進んでいるので、外国銀貨を収集している人には追い風である。
先日も、通信販売で某コイン商から銀貨をいくつか購入したが、以前の販売カタログよりも1割は安くなっている。コインを入れてあるケースには、消去された以前の価格が張られていて、軒並み価格は下がっている。消された価格シールが2枚も張られているものも少なくない。コレクターも少なくなり、売れないから値下げするということもあるだろうが、やはり円高の影響も無視できないだろう。
人がお金を使わず、物の価格が下がっている時に買うのが、お金の上手な使い方ではなかろうか。特に、外国コインの収集家にとっては、絶好のチャンスである。海外のコレクターが資金繰りに困ってコレクションを放出するということも起きるだろう。手元に多少の資金があれば、ここ1、2年が「買い」の時期であろう。
さて、サブコレクションの江戸通貨はオークションで入手することが多いが、この1年には思わぬ面白いものを入手できた、。一方、残念なこともいろいろあった。以下、感想を箇条書きに。
・安政手(劣位)一分銀が出品されていたので、入札したところ、そのうちの何枚かを開始価格で落札できた。送られてきた商品をよく見ると、そのうちの1枚が、「入手すると泉運に恵まれる」と言われている「六福円点」だった。まったくの拾い物だった。
・面白い色合いの天保通宝があったので、落札したところ、実物はまったく違った色でガッカリした。中には、全面に塗料が塗られているのもあった。いやはや。
・安政一分銀の細分類である安政細字一分銀は、一般的に知られていないのだろうか?細字は、一般の安政一分銀よりも残存数が少なく、価格も高いはずなのだが、オークションでは、一般の安政一分銀と同様に驚くほどの安値で落札されている。先日もからかい半分で入札しておいたら、驚くほどの安値で落札できて驚いた。予定外の出費になってしまって少々参ったが。
・何ヵ月もの間出品されていて、落札されていなかった安政一分銀の拡大写真をよく見ると、何と「ハナレ分」ではないか!しかも開始価格は安い。長くほったらかしだったので、開始価格で落札できるだろうとタカをくくっていたら、よそ見をしている間に、他の人にさらわれてしまった。痛恨の極みだ。ウーン、未だに悔やまれる。
・江戸時代の銭貨、分金、分銀類などは、骨董収集をしているような親父が、興味本位で入札することも多いようで、つまらない物が思わぬ高値まで競りあがることがある。ちょっと情報を入手して勉強すれば、むだ金を使わなくて済んだのに、と同情することもたびたびある。
・相変わらず、怪しいあるいは明らかな贋物を出品する輩がいる。画面で見てもこれはひどいと思うものも多い。また、開始価格そのものがいかにも高く、誰も入札がない商品もある。相場を学ぶべきではなかろうか。
・今年もずいぶんとコレクションが増えた。正月休みに少し整理を心がけることにしよう。

KY麻生の読み違い一覧

2008年12月28日 | 社会問題
ネットを見ていると、最近では麻生首相の読み違い一覧まで紹介されている。
面白いので、載せておこう。

踏襲:ふしゅう
頻繁:はんざつ
破綻:はじょう
順風満帆:じゅんぷうまんぽ
低迷:ていまい
詳細:ようさい
未曽有:みぞうゆう
実体経済:じつぶつけいざい
焦眉:しゅうび
物見遊山:ものみゆうざん
有無:ゆうむ
思惑:しわく
措置:しょち
前場:まえば
詰めて:つめめて
怪我:かいが

編集長も知らなかったのが掲載されている。どんどん増えてますね。
う~ん、これを見ただけで、とてもじゃないが、麻生には日本の将来は任せられないということに確信を持った。

いすゞ、期間従業員550人の契約打ち切り撤回:派遣は対象外に

2008年12月27日 | 政治問題
年内に期間従業員と派遣労働者計約1400人を削減する方針を示していたいすゞ自動車は、期間従業員について契約打ち切りを撤回することを決めた。
景気悪化の影響で再就職が厳しくなっていることに加え、国からも雇用を確保するよう要請が相次いだことを受けたもので、対象者は約550人に上る。年内で仕事を失う労働者の急増が社会問題化する中、同社の判断は同業者にも影響を与えそうだ。
同社広報部によると、同社は、期間従業員約580人と派遣労働者約820人の計約1400人を12月中に削減する方針を決め、11月中旬から通告を開始、すでに全員に通告していた。
このうち、すでに退職した約30人を除く期間従業員約550人について、削減対象からいったん外したうえで、退職金上積みなどの条件に応じた人のみを退職させることにし、対象者に連絡を始めているという。
1400人の人員削減について、マスコミなどが何も騒がなかったら、きっと1400人は黙って首を切られていたに違いない。
マスコミを通じての社会的な批判や機関労働者による労働組合の結成、団体交渉などがあったからこそ、いすゞは期間労働者については、とりあえず解雇を撤回した。派遣労働者については解決していないが、これについても、企業としての社会的な責任を果たすべきであろう。
大量解雇を予定しているのは、いすゞだけではない。
トヨタ、日産など自動車業界だけでなく、電気など、日本の輸出産業全般で派遣切りが予定されているが、今回のいすゞの行動を見習って欲しいと思っている。
いすゞに比べてはるかに体力があり、実際に13兆円もの内部留保を抱え込んでいるトヨタが首切りを行うことは到底許されない。しかも、赤字になりながらも、下期も配当を継続するというのだから飛んでもない話である。
赤字になれば、株主が損を被るのは当然ではないか。配当の1-2割を回すだけで雇用は確保できる。トヨタなどは、自動車業界のリーディングカンパニーとして、率先してその責任を果たすべきであろう。
同時に、労働者は組合に入って団結して企業とたたかう以外に、自らの雇用や生活を守るすべがないことは明らかだ。勇気を持って企業とのたたかいの道を歩んでもらいたいと思っている。

国民は新党づくりに飽きている

2008年12月25日 | 政治問題
自民党の小池百合子元防衛相が、民放のCS番組で、麻生太郎首相の政権運営について「自民党は小泉政権のときにあれだけの大きな変革を遂げ、続けようとしていたが、後戻りしている」と批判したという。
小泉が行った「変革」、「改革」とは何だっただろうか?
郵政の民営化、後期高齢者医療制度、福祉予算の自然増を毎年2200億円削減など、小泉がいなくなってから、国民がその悪政に気づき、怒りの声を上げたために、政府、自公両党も見直しなどを口にせざるを得なかったものばかりである。
もちろん、当時、こういう「改革」という言葉に騙された国民にも責任はあるが、やはり、騙されるよりだます方が悪いに違いない。
小池氏なども、小泉の尻馬に乗って「改革」のスピーカーになった人物である。いま、当時の「改革」をどのように反省しているのだろうか。
また、内閣支持率が低下し、党内の若手やベテランの間で不満の声が上がっていることから「来年あたり新党がポコポコできるかもしれない」と指摘したという。ただ自身については「もう、新党作りは疲れている」と述べるにとどめた。
それはそうだろう。小池氏自身が、細川護煕人気に便乗して、日本新党から国会議員に出たのは良いが、結局は自民党に入り、総裁選にまで出馬したのだから、国民の期待を裏切った張本人である。今さら、また新党など結成できるわけがない。
今までに新党が結成された時期のことを思い浮かべてもらいたい。
いずれの時期も、自民党が政権の座から滑り落ちるという時に、「新党」は生まれている。
そして、その後、離合集散を繰り返し、しばらくして気が付いて見ると、やっぱり、自民党が政権を担当していることに気づくだろう。
新党の乱立は、自民党の悪政から国民の目をそらさせ、自民党政治を延命させるだけの役割しか果たしていない。
国民の中には、未だに「新党」というと、しっかり騙される人もいるが、そろそろこのことに気づき始めた国民も多いのではなかろうか。
これ以上の新党を作らなくても、自民党が政権から陥落する日が近くなるような国民世論の高揚が必要である。

来年度、赤字国債が33兆円に

2008年12月23日 | 国家破綻
来年度予算案の政府原案では、赤字国債が33兆円と久しぶりに30兆円を超えることになった。
もっとも、30兆円以内なら問題ないということではまったくない。
プライマリーバランスの均衡という最小限度の目標さえも、達成できそうにない。
新聞にも、「破産」の見出しが出るようになった。
これだけの借金を続けてきた政府、自民党の無策ぶりには呆れるほかはない。
利益誘導、すなわちカネをばらまき続けて、政権を維持してきたということである。あのバブルの時にさえ、財政を黒字にできなかったくらいだから、この不況期に、財政再建の能力などあろうはずがない。完全に徴税能力を失っている。
税金というのは、お金のある所(大企業や資産家など)から取って、少ない所に回すのが基本であるが、この基本が理解できておらず、実行する意思もないのが現在の政権である。
国は絶対に破産しないという論陣を張る人もいるが、こういう借金をずっと続ければ、そのうちに破綻するに違いない。これは間違いない。
量的な変化が極限に達すると、やがては質的な変化を引き起こすことになる。
編集長は、「円」をそれほど信用していないため、外貨や現物資産(金貨や銀貨など)をコツコツと積みあげている。円が暴落すると、当然のことながら商品価格は暴騰するため、外貨や現物資産などがその防衛に多少は役立つだろう。趣味として金貨や銀貨を収集し、コレクションを楽しんだ後で、国家破産の際の助けになればと思っている。
2003年国家破産などという本も出ていたが、これが過ぎれば今度は、2007年、2008年などと次々と破産予測が先送りされているが、編集長は早々に国が破綻するとは思っていない。国民が「円」を信用している限りは、まだ大丈夫だろう。財務省も、20年、30年といった長期国債の比重を高めて、問題を先送りし、真実を国民の目から遠ざけるだろう。だから、多くの国民は、国が破産するなどとはこれっぽっちも考えてはいない。その証拠に、未だに多くの国民は、自民党あるいは自民党型の政治への期待を抱いている。あの麻生内閣への支持率は、何とまだ20%もある。これを見ている限りは、国の破産はまだまだ先のことだろう。
慌てずに、コツコツと準備されることをお勧めする。
それにしても、徴税能力を失い、しかもそのわずかな税金を浪費し続けて、これだけの借金を積み上げた政権を国民はよく支持し続けていると驚くばかりである。
予算案などは自分には関係ないと思ってはいけない。
主権者として、意思表示を行うことが大変重要な時期に差しかかっていると思われる。

いま国民は困っている。各政党は助成金を返上せよ。

2008年12月22日 | 政治問題
派遣切り、期間労働者の契約解除、内定取り消し、若年ホームレスの増加など、雇用情勢はますます深刻さを増している。中小企業も銀行による貸し渋り、化し剥がしなどで、苦境に陥っている。
こういう中で、各政党やソ族議員は何をやってきたのだろうか?
もちろん、国会の中で、国民諸君のためにいろいろと議論を重ねておられたに違いあるまい。
しかし、国民がこれだけ苦境に立たされているのだから、政党や議員自身ももっと身を切る努力をすべきである。
最もわかりやすいのが、政党助成金の廃止である。
これだけで年間約300億円ある。
この12年間で政党(共産党は受け取り拒否)が受け取った合計額は、3700億円くらいになるはずである。
少なくとも、今年と来年の分くらいは、自主的に返上してはどうだろうか。
そもそも、政党という、結社に対して国が税金でその活動を賄うというのはおかしなことである。
たとえば、各党とも、来るべき総選挙の候補者にこの助成金を当てている。落選するかもしれない(小選挙区では、半分以上は落選するわけだが)候補者の活動費用をなぜ税金で支えなければならないのだろうか?
こういう点からみると、明らかに違法なお金である。
直ちに、止めるべきであるが、とりあえずは、今年と来年くらいは、各党とも受け取りを自粛してはどうだろうか。
のうのうと、国民の税金を分け取りしている自民、民主、公明、社民、国民新党の各位の意見を是非聞かせてもらいたいものだ。

連合:このお粗末なナショナルセンター

2008年12月21日 | 政治問題
2009年春闘をめぐり、年明け以降に本格化する労使交渉は難航が必至だと言われている。
連合は8年ぶりのベースアップ要求を掲げるが、今秋以降、世界的な景気後退が急速に進み、企業は生き残りを懸けたリストラを進めている。労働者は賃上げどころか雇用自体が失われかねない厳しい状況に追い込まれている。労組側は生活防衛を掲げ、業界間の連携も強めつつ賃上げ獲得を目指す戦略だが、守勢に回る局面が増えそうだ、と報じられている。
しかし、本当にそうだろうか?
大企業が、バブル期を上回るほどの利益を上げてきたこの7、8年間、ベースアップをまったく要求してこずに、今頃になって、ベースアップを要求する連合のバカさ加減に驚くほかはない。
もちろん、輸出大企業は、内部留保をしっかり溜め込んでいる。自動車10社だけで23兆円もの内部留保があるので、今後10年間くらい毎年ベースアップをしても大丈夫なくらいの体力は十分にある。
しかし、この8年間、ベースアップを要求してこなかったという理由はいったい何なのだろう?まったく理解できない。
以前にも書いたが、この10年くらいの好景気は「リストラ景気」とも呼ばれているほどで、正社員の給与の据え置き、正社員のリストラ、正社員の非正社員への置き換えなどによって、人件費を徹底的に削って、企業はバブル期以上の利益を溜め込んできた。
こういう状況をみると、主に大企業の組合が加盟する連合が、ベースアップをせずに、企業に利益を保証してきた、内部留保の溜め込みを助けてきたという構図が浮かんでくる。
まったく、これでも「労働組合」なのかと疑いたくなる。
たたかう前から、「雇用か賃金かの二者択一を経営側に迫られると、賃上げ要求がしづらくなる」という幹部の声もあるという。
経営側は、「雇用の安定に努力」し、「賃上げは困難」などと主張しているが、とんでもないことだ。非正規雇用者を契約解除や雇い止めにしておいて、これほど大問題になっているではないか?これに加えて、賃上げさえも拒否しているのが経営者側の態度である。
こういう経営者に対して、「雇用も賃上げも」責任を持って行えと、切り返せばよいだけのことだ。
労働者の血肉を絞ってこの10年間溜め込んだ内部留保を吐き出せ、という要求は人間として当たり前の要求ではないか。
雇用と賃上げの両方を保証してこそ、国民の購買力を向上させ、それが結果的に、企業業績にも反映するという当たり前のことを堂々と主張すればよいではないか。経済学的にも、極めて筋の通った主張である。
それとも、2つのことを要求してはいけないという規則でもあるのだろうか?何か不都合なことでもあるのだろうか?
図体だけがでかくて、役立たずのナショナルセンター、哀れというほかはない。

デリバティブで154億損失の駒澤大、理事長を解任

2008年12月20日 | 政治問題
以前の記事でも書いておいたが、大学の金融取引で損失を出したところが少なからずある。
そのうちの1つ、駒澤大学(東京都世田谷区)がデリバティブ(金融派生商品)取引で154億円の損失を出した問題を巡り、駒大の理事会が開かれ、理事長を解任することが決まったそうだ。
駒大は外資系証券会社3社とデリバティブ契約を結んだが、世界的な金融危機の影響で今年3月末に53億円の含み損を抱えた。
好転の見通しもないため、10月下旬、すべての契約を解除し、154億円の損失が確定。清算のためキャンパスやグラウンドなどを担保に都銀から110億円の融資を受ける事態となった。
金融商品という物について、読者の皆さん考えたことがあるだろうか?
たとえば、皆さんがXという商品に投資すればもうかりますよ、という勧誘を受けるとする。
Xは、何でもよい。貴金属や美術品、土地などの不動産、化石燃料や穀物でもよい。形のないサービスやこれから立ち上げられる会社などでもよい。
値上がりするものもあるだろうし、値下がりするものもあるだろう。
しかし、さまざまな投資をトータルでみると、結果的には必ず実際の経済成長率程度の儲けしか得られないことがわかるだろう。
誰かが得をすれば、誰かが損をする仕組みになっている。
さまざまな投資話や売買にはいつか終わりがあるが、現時点では何らかの投資話が進行しており、すべての投資話をある時点で清算して結果をみることはできないため、含み損があってもいつかは解消できるかもしれないし、逆に、現時点では含み益があって儲かっているように見えても、売却する時には原価を割り込んでいるかもしれない。それが見えないのが投資話なのだが、特定の期限(1年とか、5年とか)の間に清算された投資話の結果をまとめて俯瞰してみると、そこで得られた利益は、その間の経済成長の程度に等しいことは当然である。
だから、本当に、人類が豊かになりたいと願うのであれば、くだらない投資話に現(うつつ)をぬかすのではなく、実体経済にいかに有効にお金を回すようにするかを考えなければならないだろう。
大学という最高学府の経営陣であれば、自らの大学の研究室で生み出されたさまざまな研究成果(発見や発明に留まらず、人の精神生活を豊かにするものであっても良い)を社会に還元する形で、投資を行う(お金を生み出す)べきではないだろうか?
そういう努力、お金の使い道をせずに、大学経営者が投資に手を出し、しかも154億円もの損失を出した、その姿勢を笑わずにはおられない。
これだけのお金が失われたことで、大学施設や環境の整備に遅れを生じ、教職員や学生にさまざまな形で不利益となって跳ね返ってくるであろう。
教育の原資で、危険なデリバティブ取引を行うような愚は避けるべきであろう。

民主党が強行採決

2008年12月19日 | 政治問題
民主党など野党3党が提出した「派遣切り」防止策などを盛り込んだ雇用関連4法案は19日午前の参院本会議で民主、社民、国民新の野党などの賛成多数で可決した。
自民、公明両党は、同法案の内容は政府が年明けの通常国会に提出する平成20年度第2次補正予算案で対応できるとして反発し、法案採決を棄権した。
野党3党は会期内成立を目指して速やかに衆院に送付し審議、採決することを求めているが、自民、公明両党は反対姿勢のため、衆院での可決、成立は困難な情勢だ。
野党3党が提出した雇用4法案は▽採用内定取り消しの規制▽雇用調整助成金の対象拡大▽雇い止めや解雇で住居を失った派遣労働者への住宅貸与▽雇用保険制度の拡充-が柱となっている。
また、本会議では同案を審議した参院厚生労働委員会の運営が強権的だったとして、与党が提出した厚労委の岩本司委員長(民主党)の解任決議案を採決、野党の反対多数で否決された。
一方、自民党の村田吉隆国対筆頭副委員長は、雇用関係4法案について「審議に値しない」と述べ、衆院では次期通常国会へ継続審議扱いとせず、廃案とする意向を示したという。
この法案の内容そのものは、現在のいわゆる「派遣切り」への対応も含んでおり、それなりの効果を有する内容を持っている。
とすれば、民主党は、自民党との間で、なぜ堂々と時間をかけて議論し、どちらが国民の目線に立った」主張をしているかを国民の前に明らかにすべきであろう。また、妥協できる点については、できる限り妥協点を探って歩み寄るのが民主主義の基本であろう。
自民党も、現在の雇用情勢を考慮すれば、民主党の提案した法案を「審議に値しない」とは言い切れまい。
一方の民主党も、ろくに審議もせずに、強行採決というやり方は、いままで、自民・公明両党が散々行ってきたのとまったく変わらないやり方だ。
民主党が政権を取ったらこうなりますよ、という見本のような国会運営ではないか。国民はこのような「自民党型」の国会運営にももうウンザリしている。
民主も自民も、法案そのものを政争の具にするもので、どっちもどっちという感じだ。
国民のかゆい所に手が届くような政治を期待したいものである。

民主党が戦っているのは、東京の永田町ではありません!

2008年12月18日 | 政治問題
民主党のテレビコマーシャルで、表題のような一節がナレーションで流される。
まったくそのとおりである。
民主党は、永田町の国会の中では、「自民党との大連立」、自民党から離党した一部の議員との「野合」を画策しており、けっして自民党と「戦って」などいません。
また、自民党型の政治とけっして対決もしていません。
いま、派遣社員や期間社員の契約打ち切り、首切りなどの雇用問題が話題になっているが、そもそも、1999年の労働者派遣法の「改正」によって、派遣労働者がこれほどまでに増えてきたわけである。
この問題に、民主党はどういう態度を取っただろうか?自民党、公明党などの与党とともに諸手を上げて賛成したではないか!その後の製造業への派遣容認にも賛成している。
こういう法「改正」に賛成したばかりでなく、自民党以上に「規制緩和」を声高に叫んだのが民主党である。
ついでに言えば、後期高齢者の医療制度に道を開く医療制度の「改正」にも大賛成している。今さら「反対」を声高に叫んでも、説得力はまったくない。
これらの点について、何か反省の弁はないのだろうか?(余談だが、この点は社民党も同様である。非正規雇用者や後期高齢者に顔向けができるのだろうか?)
雇用問題に対する民主党支持労組である「連合」の動きが鈍いのも、このような民主党の態度と符合している。
連合は、けっして組合員ではない非正規雇用者、期間雇用者の雇用確保に熱心ではなく、春闘では組合員である「正規社員のベースアップ」のことばかり主張している。ベースアップを要求することを編集長は否定しない。大いにやるべきだろう。特に、大企業の金庫にはまだまだお金がうなっている。
しかし、緊急の課題である非正規雇用者の雇用確保に、民主党も連合ももう少し真剣に取り組むべきではなかろうか。
雇用契約を平気で踏みにじる突然の契約解除、解雇が横行している。就業規則にも(期間労働者については、契約期間中であっても)「契約を解除できる」というそもそも違法な条項が書かれているという。
いま、戦うべきは、大企業に社会的な責任を負わせることであり、最低限の社会的な常識や法律を守らせることである。
民主党には、ここでおおいに戦ってもらいたいと思っている。

唯一の経済対策は、株価つり上げのみ

2008年12月17日 | 経済問題
世間では、次々と景気悪化を伝えるニュースや新聞記事が出ている。
そんな中で、株価だけはどうにか平静を保ってきたように思えるのだが、素人目に見ても、これは腑に落ちない。
企業業績も次々と悪い予想が明らかにされ、中には倒産が頻発している業界もあるにもかかわらずである。
アメリカ発の新たな金融スキャンダルも報じられていて、日本の金融機関もこれに巻き込まれていると報じられている。
このような中で、株価だけが比較的に落ち着いているのが不思議である。
要するに、株価だけはつり上げておかなければならないという政治的な圧力によって、年金資金などが、必死で買い支えているというのが実情なのであろう。
年金資金の買いが入れば数100円単位で値上がりし、利食い売りが入ると値下がりする。これを繰り返しているのが、昨今の株式市場ではなかろうか。
その結果、年金資金は、紙切れになるかもしれない株を抱えて、運用成績として「評価損」を計上する、というお決まりの結果になるのであろう。
もし仮に、「評価益」が出たとしよう。
しかし、それは帳簿上のことだ。実際に年金の支払いのために、それを現金に変える時には、大量の株を売りに出すため、結局は、値下がりするのは目に見えている。
あの「カジノ資本主義」の元祖であるアメリカでさえ、年金資金は元本保証の運用が義務付けられている。
株価などは、実体経済に付いてくるものである。
政府が行っているような「株価操作」、「株価のつり上げ」は、直ちに慎むべきであろう。

恥を知れ、キヤノン

2008年12月16日 | 経済問題
キヤノンの大分県内のカメラ製造子会社・大分キヤノン(国東市)と関連会社の大分キヤノンマテリアル(杵築市)の非正規労働者約1200人が、雇用契約を段階的に解除されている問題で、両社従業員の多くが在住する杵築市が、失業者を臨時職員として直接雇用する方針を決めたという。
希望者を最長で1か月間、交代で来年3月まで雇う考えで、16日から申し込みを受け付け、面接を経て随時決めるという。失業者の支援策を打ち出す自治体が相次いでいるが、厚生労働省は「自治体が直接雇用するケースは聞いたことがない」としている。
市役所にある全25課が1~2人ずつ確保することを目標に現在、人員を調整している。相談者の中には実家に帰る交通費さえないという人もおり、市は1か月間の雇用でも生活支援につながると考えている。市内在住であれば、住民票を移していなくても応募できるそうだ。
臨時職員となった場合の住居は、市が民間のアパートを借り上げるか、市営の宿泊施設を提供する。家賃は未定だが、一部を市が負担する方針という。
こういう記事が報道されて、キヤノンは恥ずかしいと思わないのだろうか?
今後景気が後退し、業績の悪化が予測されるとは言っても、キヤノンにはまだまだ体力がある。にもかかわらず、契約期間を無視して、多くの期間労働者を放り出しておいて、自治体が税金を使ってその尻拭いをする。どう考えてもおかしいではないか。
しかも業績悪化を理由に、法人税額が減り、場合によっては、地方自治体から法人税の還付まで受ける可能性もある。
儲かる時には期間労働者を絞り上げて散々儲けておいて、不景気になれば、ボロ雑巾のように捨てて、自治体に面倒を見させる。これが、「一流」と言われる企業のやることだろうか?
少しは胸の痛みを感じないのだろうか?
地域住民に尻拭いをさせて、恥ずかしいと思わないのだろうか?
内部留保をほんのわずか取り崩すだけで、契約期間満了まで雇用できるはずだ。せっせと溜め込んだお金を1円たりとも吐き出したくないというのなら、経営陣のボーナスや報酬を削減し、株主配当をほんの5%でも削れば捻出できる金額ではないか。
(汚い話で大変恐縮だが、)出す物は、ゲロや痰でも絶対に出さない「経団連、御手洗会長」のあの醜い面構えが浮かんでくるようだ。

大きすぎると潰せない

2008年12月15日 | 政治問題
何でもそうなのかもしれないが、大きすぎるとつぶせない。
たとえば、空き缶を例にとると、ビールやジュースの空き缶のように小さいとすぐに潰せるが、ドラム缶などは簡単には潰せないために、場所を取るばかりでその処理に困ってしまう。
いま、アメリカで起きているビッグ3(GM、クライスラー、フォード)の救済も同じである。
ビッグ3の下請企業などは、融資も受けられないまま、ジュースの空き缶のように簡単に潰されているが、ビッグ3ほどの巨大企業になると、そう簡単には潰せなくなる。
したがって、巨大企業になると、税金もジャブジャブつぎ込んで、結局そのツケは国民に押し付けることになる。
さて、潰せないのは国も同じだ。
アジアやアフリカの小国などは、財政破綻になればIMF、世界銀行などが乗り込んで、結構乱暴な経済、金融政策を押し付けて、「救済」することになる。それらの国の国民は、塗炭の苦しみを味わう結果となる。実質的には、国が潰れているようなものである。
さて、大国アメリカはどうだろうか。
米財務省の発表によると2009年会計年度(2008年10月~2009年9月)の財政赤字が、最初の2カ月だけで約4016億ドル(約37兆円)に上ったと発表した。
景気後退を受けた税収の落ち込みや金融危機対策による公的資金の注入で急速に膨らんだという。
すでに年間で過去最高だった前年度1年間の財政赤字(約4548億ドル)に迫る規模に達している。1月に就任するオバマ次期大統領は大型の景気対策を検討しており、今年度の財政赤字は1兆ドルを突破するとの予想もある。
アメリカの財政赤字は、結局は日本などによる「アメリカ国債」の買い支えによって、少なくとも今のところは、売れ残るようなことはないようだ。日本や中国、ヨーロッパ諸国などが大量の米国債を持っているわけだが、これほど米国債を持っていると、アメリカという国そのものが潰れてしまうと国債が紙切れになってしまうので、結局、米国債をさらに買い続けてアメリカを支えなければならないという悪循環に陥っている。
「大きすぎて潰せない」などと言いながら、こういうことを繰り返していると、結局、最後にはどうしようもなくなってしまうだろう。
一体、この結末はどうなるのだろうか。
少なくとも、編集長が生きている間は、アメリカの国家破綻は起きないと思っているが、子供が生きているうちには、破綻に直面することになるのではなかろうか。
その時の世界の金融と経済の混乱は、今回の金融危機どころの騒ぎではすまないだろう。
「大きすぎてつぶせない」、はてさて、厄介なものである。

6割が「再編」か「大連立」が望む

2008年12月14日 | 政治問題
表題のような記事が、読売オンラインに報じられていた。
政権発足からわずか2か月余で“麻生人気”が大きく失墜したことを示す世論調査の結果から、最も注目されるのは「衆院選後の政権」として6割近くの有権者が「政界再編による新しい枠組み」(33%)か「自民党と民主党による大連立」(25%)を望んでいるという。
当初は期待を抱かせた麻生首相への失望は、有権者の「自民党離れ」を決定的にしただけではない。民主党も含めた今の政治全体への不満を拡大させたことを示している。
麻生首相が「ポスト福田」の自民党総裁に選ばれたのは、その国民的人気の高さが“選挙の顔”として期待されたからだ。
ところが、首相の度重なる失言や前言撤回、金融危機・景気対策のもたつきにあることは調査結果でも明確だ。とは言え、麻生内閣が臨時国会の会期を延長しながら、第2次補正予算案提出を年明けに先送りした背景に「衆参ねじれ」による国会運営行き詰まりへの懸念があることも否定できないとしている。
次期衆院選をにらみ、2大政党が政策より政局を優先しているように映る今の政治そのものに、国民は厳しい視線を注いでいる。自民支持層のうちで「自民党中心の政権」を望んでいるのは34%、民主支持層でも「民主党中心の政権」を望んでいるのは50%に過ぎず、政治の大きな変化を求める声は高まっている、とこの記事は結んでいる
しかし、「再編」や「大連立」で大きな変化が期待できるだろうか。
福田首相と小沢代表の密室での「大連立」構想については、国民からはもとより、両党の内部からも、激しい批判が起きた。
そもそも、戦後からずっと自民党による、あるいは自民党型の政権が続いてきた。
その結果が、この間の年金の不始末、医療制度の崩壊、自給率の低下に伴う農業の崩壊、非正規雇用などの雇用環境の悪化と格差の拡大、さまざまな難民の出現など、どの問題も自民党あるいは自民党型の政権下で生み出されてきた問題である。
「大きな変化」を期待するのに、なぜ、その悪政を進めてきた自民党を含む政権が望まれるのだろうか。この点がよくわからない。
自民党の中にもいろいろの集団がある。マスコミなどでは、これを面白おかしく、タカ派とハト派とか、改革派と造反組など、道路族、年金族など、さまざまな族議員同士の対立なども作り上げてきた。しかし、法案がいったん委員会や本会議に上程されるや否や、ほとんどの法案に対して、見事なまでに「統一」した行動が取られ、さっさと法律や予算が決まっていく。自民党内で採決の際に大規模な「造反」があったのは、数回しかない。
要するに、国民の支持を崩れかかった自民党に繋ぎとめるための「見せかけの対立」に過ぎないことがわかる。
だから、「再編」や「大連立」ではなく、自民党型の政治を一掃しない限り、国民が望む「大きな変化」はまったく期待できないのである。
国民も、そろそろこの実態に気づくべき時ではあるまいか。