時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

「改革」という言葉にだまされるな

2007年09月30日 | 政治問題
大田弘子経済財政担当相は、26日に発足した福田内閣の初閣議後の会見で「改革路線はしっかり引き継いでいく」と述べ、小泉・安倍内閣で進めてきた構造改革の後退を否定したと伝えられている。また、財政健全化についても「このままでは市場の信認も得られない」と強い危機感を示したという。
大田氏は「決して改革路線を後退させてはいけない。高齢化とグローバル化を乗り切る日本経済を作るためには改革の停滞は許されない。改革路線はしっかり引き継いでいく」と述べ、「基本路線は変わらない」と繰り返した。
そして、痛みへの配慮と財政再建の両立でも「これまでは歳出削減をしようとすると、誰かの痛みだということで実現しない。では、増税するのかというと、歳出削減が先だという議論をずっとしてきた。その結果が累増した国債残高になった。こういう状態は許されない。既に人口は減少し始め、債務残高は積み上がってきている。このままでは、市場の信認も得られない」と、強い危機感を示したという。
「改革」は推し進めていかなければならない。しかし、問題はその中身だ。
「歳出削減をしようとすると、誰かの痛みということで実現しない」と言うが、痛みを押し付ける相手を間違えているからだ。
いま、財界、大企業はバブル期にもなし得なかったような空前の儲けを上げている。財務省が27日に発表した2006年度の法人企業統計調査でも、全産業(金融・保険業除く)の売上高は前年度比3.9%増の1566兆4329億円、経常利益は同5.2%増の54兆3786億円だった。売上高は4年連続、経常利益は5年連続の増加で前年度に続いて過去最高を更新している。日にもかかわらず、法人税の定率減税は、未だに継続しているのである。
その一方で、国民所得は低下し続け、景気回復などは到底実感できないにもかかわらず、たとえば、来年4月からは、後期高齢者医療制度の新設で、70-74歳では自己負担が現行の1割から2割に、75歳以上で現行の1.6倍もの保険料負担が生じる。母子家庭への自動不要手当ての削減、障害者への施設利用料の負担増大、サラリーマン世帯でもこの2年間で所得税、住民税の定率減税が完全廃止され、手取り額は減少している。
大田氏は、この現実をどのように見ているのだろうか。
大田氏が述べているように、財政再建は焦眉の急である。国家破綻さえ、話題になるような状態だ。
しかし、これも原因は明らかである。ボロもうけをしている財界、大企業が応分の負担をしていないために、税収不足が生じているのは明らかだ。
現在の政府の経済、財政政策の最大の問題は、財界、大企業の顔色を伺い、その利益を確保することを最大の目標にしながら運営されていることである。企業が潤えば、その利益が巡り巡って国民のふところを潤すという、実に空想的な発想で経済運営が行われているわけだ。もうけた利益は労働者にどんどん還元しましょう、などと言われて実行する経営者がどれほど存在するのか、ちょっと考えればわかるはずである。労働者には「生かさぬよう殺さぬよう」に分配されるだけである。
企業のボロもうけに対しては、政府の徴税権を駆使して、応分の税金を掛ければ済むことである。
今の日本の財政逼迫の根本は、財界、大企業と富裕層に対する徴税能力を完全に失っていることである。このような政府に、一体どのような「改革」が期待できるだろうか。
主権者である国民の負担を減らし、ふところを暖めることによって、消費が拡大し、景気回復が実現できるのである。その財源は、大企業が(時には、偽装請負、残業代の不払いなども行って、不法に)溜め込んだ利益を召し上げることである。
庶民の生活を支えることを最大の目標にした「改革」にこそ未来はある。そういう真の「改革」を切に望むものである。

団体献金を問う

2007年09月29日 | 政治問題
ちょうど良いニュースが飛び込んできたので、昨日に続いて、団体献金について述べておこう。
7月の参院選で初当選した元JA全中専務理事の山田俊男参院議員(自民、比例)を支援するため、JAグループの政治団体「全国農業者農政運動組織連盟」(全国農政連)が2006年9~12月に計18回の政治資金パーティーを開き、国から補助金を受けているJA全中とJA全農が計3300万円のパーティー券を購入していたことがわかった。政治資金規正法は補助金受給団体から政治団体への献金を禁じており、全国農政連の関係者は、献金ができないためパーティーで資金集めをしたことを認めている。
東京都選管が公表した2006年分の政治資金収支報告書によると、全国農政連は政治資金パーティーとして「農業政策研究会」を18回開き、JA全中やJA全農、JA共済連、農林中央金庫などから計1億980万円を集金。2006年12月、山田氏が代表を務める自民党東京都参院比例区第34支部に全額を寄付した。
農政連のパーティーのうち、JA全中は同法で定められた上限の150万円分を毎回購入し、計2700万円を支出。JA全農も150万円分を計4回支出していた。
18回のパーティーの開催費は計約50万円。うち14回は1回あたりの経費が2万円以下で、6千円余りというパーティーもあった。
関係者によると、パーティー券は1枚2万円で、昼食時に農政課題を担当職員らが講義する形式が中心。会場代は無料で、食事は「おにぎり2個」というケースもあったという。集まった人数も200人から10人程度とまちまちだったという。
政治資金規正法は、国の補助金を受けた企業・団体について、交付決定から1年間、政治活動に関する献金を禁じている。JA全中は2006年度に農水省から約9億円の補助金を受給、JA全農も同年度に1238億円の補助金を受けている。
パーティーでの資金集めについて、全国農政連の松岡公明幹事長代理は「規正法に質的制限はなく、開催回数も規制はない。補助金受給団体でもパーティー券を買うのは合法」と話す。一方で、「(山田氏は)全くの新人でそれなりの浄財が必要。全国で動くためには頻度を増やすしかなかった」とも述べた。当時の会計責任者も「全中は寄付できないからパーティー券を買うんですよ」と話したと報じられている。
昨日も指摘しておいたが、団体献金の弊害が如実に現れた事件だ。
政治団体というのなら、明確に後援会を名乗って行うのが筋であろう。こともあろうに、税金を投入されている団体を通じて、政治家に税金を還流するなどとんでもないことである。
ましてや、JA全中やJA全農、JA共済連、農林中央金庫などの職員や利用者のすべてが、山田氏や自民党の支持者ではない。さまざまな政党支持者によって構成されている団体が、特定の候補者や政党にカネを拠出することは、構成員の思想、信条を犯す行為である。ここに、団体献金の根本的な誤りがある。
特定の候補者や政党を支持したいのなら、各人が自分のお金で勝手にやればよいことである。
昨日の民主党の議員の例も全く同じであるが、両事案とも団体献金の弊害を告発する無いようになっていると思うのは、編集長ばかりではあるまい。
国民的な批判が巻き起こることを期待している。

政治資金規正法の不思議

2007年09月28日 | 政治問題
民主党の加藤公一衆院議員(比例東京ブロック)の政治団体が昨年2月、東京都港区内の会社役員から計3000万円の寄付を受けていたことがわかったと報じられている。
この会社役員が代表を務める有限会社からも同じ月に、750万円の寄付を受けていた。寄付は、加藤氏が代表を務める政党支部や政治団体に分散して行われ、団体ごとに定められている寄付の量的制限の上限いっぱいだった。総務省は「特定個人からの多額寄付を禁じた政治資金規正法の趣旨に反する」としている。
都選挙管理委員会が28日公表した政治資金収支報告書によると、加藤氏が代表を務める民主党東京都第20区総支部(東村山市)は昨年2月に、スーパー経営会社の元会長で、保険代理業などを目的とする港区内の有限会社の役員から2000万円の寄付を受けた。
また、別の資金管理団体が100万円、6つの政治団体がそれぞれ150万円ずつ、同じ2月6日に一斉に寄付を受けていた。6つの政治団体は2005年1月、東村山市の同じ場所に同時に設立され、うち5団体の昨年分の収入は会社役員の寄付だけだった。
同総支部は昨年2月20日、有限会社からも750万円の寄付を受けていた。この会社役員は昨年10月に、資金管理団体が主催する政治資金のパーティー券を150万円分購入しており、加藤氏の政治団体がこの会社役員側から受け取った総額は、昨年だけで3900万円に上る。加藤氏は2005年にも、同様の手法で、会社役員側から総額3500万円の寄付を受けていた。
政治資金規正法は、特定の個人との癒着を防ぐため、政治家への個人献金に上限を設けている。政党支部に対しては年2000万円以内、資金管理団体や政治団体へは、各150万円以内。また、資金管理団体や政治団体への寄付総額は、個人1人当たり年間1000万円以内とされている。
総務省政治資金課によると、こうした規制は、個人が寄付する場合、複数の政治家へ広く薄く支援することを想定している。同課は「直ちに違法とは言えないが、特定の個人から多額の寄付を受け取ることは、政治家との癒着を防ぐ法の趣旨に反する」としているそうだ。
だが、編集長はこの主張には賛成できない。
政治献金は個人に限るべきだ。個人が稼いだお金を、自らが支援する候補者や政党に寄付することは自由なはずだ。特定の個人や政党と結びついて何が問題なのだろうか。主権者として当然の行為ではなかろうか。無関心な方がよほど問題だ。
これに対して、企業や団体が、政治家個人や政党に献金することは許されない。企業や団体には、税金を納め、社会の規範を守って活動する義務はあるが、選挙権はない。しかも、個人と比べて格段に資金力がある。こういうことを考慮すると、献金は個人に限るべきである。
したがって、今回の加藤氏の場合は、この役員の会社から献金を受け取っていたことは、編集長としては認めがたい。しかし、個人からの献金はたとえ何億円であろうが、堂々と受け取れるよう、加藤議員は政治資金規正法を改正するよう国会で努力すべきであろう。
もっとも、民主党も自民党と同じように、経団連にノコノコと献金のお願いに出かけて行くような腐った政党であり、残念ながら、企業団体献金の禁止法案など提案できるわけがない。
国民は、自民党にも絶望しているが、2大政党の片割れの民主党もカネまみれであるところに、国民にとっての悲劇が存在するのである。

バカ殿様の失敗

2007年09月26日 | 政治問題
Sankei Web Newsに「【私の失敗】元首相・細川護煕」という一文が連載されているので、チラッと見てみた。
細川が意識的に進めた行動として、まずは「料亭政治の廃止」。密室のイメージを避け、会合はホテルなどを利用した。
これに対して、料亭の業界団体からの苦情があり、続いて女将の“伝言”があちこちから託された。「料亭というのは悪いところじゃございませんからね。細川さんによくおっしゃっておいて下さい」と。
さらに「国会の外では議員バッジを外す」と宣言し、議員バッジを「国会議員の特権の象徴」と断じたことに対しては、バッジ業界から反発があったという。「特定の業界の存在意義を否定するかのごとき発言は許されない」と抗議が寄せられたという。
細川は「料亭政治の廃止も、議員バッジという権威をひけらかさないことも、いまなお正しいと思っている。でも、この経験で、総理の地位、あるいは政治そのものが、いかに国民の無数の利害の網の目に乗っているのかを自覚できた。」、「やはり、政治家の言葉には細心の注意が必要ですね。」という記事である。
まぁ、料亭もバッジ業界も、こんな発言に対して目くじらを立てるのはどうかしているが、細川も、こういう瑣末なことしか自らの失敗として自覚していないことに驚かざるを得ない。
細川内閣は、長期にわたって続いた自民党政権への国民の批判を受けて発足したわけだが、結局、「非自民」、すなわち、政権を担っているのは「自民党ではない」が、やることは「自民党と同じ」と言うところに細川の失敗があったわけである。彼は、「非自民」ではなく、「反自民」の政策を遂行すべきであったが、結局それが打ち出せなかった。
それどころか、戦後の鳩山内閣、田中内閣など、歴代の自民党内閣が導入を画策しながらも遂に果たせなかった「小選挙区制」をいとも簡単に通してしまった。これがこの内閣の失敗の第1である。
小選挙区制は、原則として、どの選挙区も定数が1であるため、死票が大量に出ることになる。その結果、得票率と議席数に大幅な矛盾が生じることになる。得票数(民意)が議席数に比例しない民主主義破壊の欠陥だらけの制度である。
そして、第2の失敗が「政党交付金(助成金)」の導入である。なぜ、私的な政治結社である「政党」に国民の税金をつぎ込まなければならないのだろうか?国会議員に、その活動を支援するために税金を使って「助成金」を支払うことは問題ないだろう。しかし、「政党」に支払うことは憲法上も問題がある。
政党助成金が導入されて以来、各党は「活動資金を作る」努力を怠り、助成金頼みの財政になっている。しかも、赤の他人の国民の税金だと思えば、惜しくも何ともない。自宅の水光熱費から事務所費まで使い放題の風潮を生んできた。
こういう大きな失敗に口をつぐみ、料亭とバッジ業界を怒らせたことを自らの失敗だと公言する細川のバカ殿様ぶりに呆れるばかりである。

貧しいことは罪ではないが、・・・

2007年09月25日 | 政治問題
いよいよ、福田首相が誕生した。今回の自民党の総裁選にあたっては、マスコミもいろいろと書きたてたが、不毛の選択だ。どちらが首相になろうが、あまり関係はない。
杉村太蔵などは、最近の自民党には「古い風が吹いている」などとやけに文学的なことを言っているが、昔から自民党の本質は何も変わっていない。
内政では、献金を受けている財界、大企業の意向を受けて、着々と施策を実行しているだけである。そして、外交では、アメリカの言いなりに、米軍への思いやり予算を支出し、米軍の後方支援にまい進しているだけである。そのどこにも、国民の生活を擁護するという姿勢は感じられない。庶民は、「生かさぬよう殺さぬよう」に、時には、この間の参院選のように反抗する時もあるので、時々は顔色を伺いながら、増税や福祉切捨てを行うのがこの政党の本質なのである。
さて、昨年9月に、野村総研が金融資産に関する以下のような推計資料を発表している。ここでいう金融資産とは、居住用の土地、建物を除く、預貯金、株式、投資信託、債券、保険などである。ただし、借金も含まれての額である。
・5億円以上:5.2万世帯(総額46兆円)
・1億円以上:81.3万世帯(総額167兆円)
・5000万円以上:280.4万世帯(総額182兆円)
・3000万円以上:701.9万世帯(総額246兆円)
・3000万円未満:3831.5万世帯(総額512兆円)
3000万円以上の約2割の世帯が、全ての金融資産の55%を占めている。ちなみに、この調査では、5億円以上を超富裕層、1億円以上を富裕層と呼んでいる。
4900万世帯のうちの約8割を占める3000万円未満の世帯では、金融不安(夕張のような自治体の財政破綻や円の暴落など)や大規模な自然災害(地震や水害など)に見舞われれば、途端に生活が破綻する世帯だろう。ワンランク上の5000万円未満の世帯は退職金などを溜め込んだ中高年が多いと思われるので、もしこういう災難に見舞われると、生活の再建は困難になるだろう。
話が少し逸れてしまったが、いまの政府、与党は、財界、大企業、富裕層に目を向けた施策を次々と打ち出しており、今後もこの傾向に変化はないであろう。
3000万円未満の世帯の中には、預貯金などがまったくない世帯(全世帯の20%以上と言われている)も含まれており、約1000万世帯は金融資産がまったくないことになる。
金融資産を有さない、わずかしかないこと、貧乏なことはけっして罪ではない。
しかし、こういう階層の多くが、いまの自公政権を支持し、投票していることは大変残念である。福田首相の出身地の群馬でのテレビインタビューでは、多くの県民が期待の声を寄せていた。
群馬だけでなく、どの地方でも地元の町会長や自治会長、商店会長、老人会長などから一声掛けられれば、それがそのまま自民党の票になってゆく。宗教団体から、「福祉の党だから」と騙されて投票してしまうのである。
こういう行為は、自らの首を絞める行為に過ぎないのだが、多くの国民はこのことに気付いていない。残念ながら、こういう行為は、社会に対する「罪」であろう。
かといって、民主党に期待することも、結局は自民党型の政治を延命させるだけの結果に終わるだろう。
自らの置かれた立場、境遇を冷静に見極め、自民・公明の与党が自らの階層の生活をけっして守ってくれることはないことに早く気づくべきであろう。

自公の連立政権合意文書の中身

2007年09月25日 | 政治問題
福田内閣が誕生し、自民、公明両党が25日にまとめた連立政権合意の要旨は次のように報道されているので、個々に検討しておこう。
【経済財政運営】財政再建に向けた方針を着実に進める。というが、富裕層向けの減税、法人税の定率減税はそのままにして、財界の要求に応じてさらに法人税率の引き下げを目論んでいるような政権に、財政再建ができるだろうか。しかも官僚機構や大企業への補助金などには手がつけられないではないか。また、米軍への思いやり予算、基地移転経費の負担など米軍への大盤振る舞いは直ちに止めるべきだ。
【地域再生】地方自治体間の財政力格差是正に向け早急に対応する。というが、財界の要求に従って、規制緩和と称して働くルールをないがしろにして、大量の非正規雇用を作りだしてきたのが自公政権である。
【年金】2009年度までに基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げ。というが、そもそも以前は国庫負担が2分の1だったではないか。それを自民党がドサクサ紛れに3分の1 に減らしたものだ。今度は、それを元に戻すのに、消費税増税が必要というのは間尺にあわない話である。
【医療】来年4月実施予定の70歳から74歳までの窓口負担引き上げおよび75歳以上の新たな保険料徴収の凍結について早急に結論を得て措置する。というが、野党や医療関係者など多くの国民の反対を押し切って、昨年6月に決めた制度ではないか。凍結するくらいなら、なぜこんな悪法を決めたのか、説明してもらいたいものである。
【少子化対策・子育て支援】2008年度実施予定の母子家庭に対する児童扶養手当の一部削減の凍結について、早急に結論を得て措置する。というが、これを決めたのも自公政権である。子育てを応援するというのなら、そもそも児童扶養手当の一部を削減するなどということはあり得ない話である。
【障害者施策】障害者自立支援法の抜本的見直しを検討。この「自立支援」法も自公が決めた悪法の1つである。「自立」とは名ばかりで、作業所などでの賃金よりも施設利用料が高くなり、障害者が施設に通えない事例が増えている。見直しは当然だろう。
【雇用】雇用形態による処遇の格差是正を図る。というが、経団連の御手洗会長には理解してもらえるのだろうか。まさか「雇用形態による処遇の格差是正」というのは、正社員も健康保険や厚生年金に入らなくても良い、などということを考えているわけではあるまいな?
【環境】京都議定書の6%削減約束達成のための温暖化対策を抜本的に強化する。などというが、札束を積んで、他国の排出権を買い取っているだけで、産業界からの反対に沈黙し、何らまともな対策が打てていないのが現状である。
【外交・安全保障】積極的な「アジア重視の外交」を展開する。というが、戦前の侵略行為への反省もなく、アジア諸国と対等に付き合えると思っているところが情けない。アジア重視というが、これはあくまでもアメリカのアジア戦略の中での対応に過ぎないところが、自公政権の限界である。
【拉致問題】一日も早い解決をめざす。とあるだけで具体的な方法はない。そもそも6ヵ国のうちで独自の外交ルートを持たないのは日本だけだ。話し合いなどできるわけがない。かといって、強行に経済制裁を行えば、北朝鮮の態度を硬化させるだけだ。外交ルートの確立にまず取り組むべきだ。
【政治資金】1円以上のすべての支出に領収書添付を義務付け、公開のあり方については独立した第三者機関の設置など具体的な成案を得るべく政党間において協議し、今国会で成案を得ることをめざす。というが、参院選後にも自民党内でそういう議論があったが、立ち消えになったばかりではないか。やる気がないことだけは立証済みである。
こうして見てくると、自公政権と言うのはもうどうしようもない政権である。新しい政治のあり方について、国民の中に議論が巻き起こることを期待するものである。

高齢者医療の負担増を凍結、与党が法案提出?

2007年09月23日 | 政治問題
政府・与党は20日、2008年4月から予定していた高齢者医療費の窓口負担の1割から2割への引き上げなど、国民の負担増や給付削減につながる医療・福祉政策を凍結する方針を固めた、と報じられている。
経緯はともかく、この措置については歓迎する。
来年4月から実施予定の高齢者医療制度の内容は本当にひどいものだ。
75歳以上の高齢者は「後期高齢者」と名づけて、別の医療制度に移行する。家族の扶養になっていて、保険料を納めていない人たちにも新たな保険証が交付され、年金から保険料が徴収されるようになる。その金額は、現在の国民年金の1.3~2倍程度になる見込みだ。もし、この保険料を滞納すれば、保険証の取り上げも可能になる。現在は、65歳以上のいわゆる高齢者からは、いかなる理由があろうと保険証を取り上げることは許されていない。これは憲法で保障された生存権を守る措置だ。ところが。今後はこの精神すら踏みにじられようとしている。
また、70~74歳の高齢者は、医療費の窓口負担が、現行の1割から2割になる(高所得者は現在も2割負担)。こういう高齢者いじめの制度である。
若者や中高年には関係ないと思ってはいけない。自分もやがてこの制度のお世話になる時が来る。将来の禍根は、今の時点で断ち切っておかなくてはならない。また、高齢者を抱えている世帯では、結局、家族がその負担増を支払うことになる。世代間で、いがみ合っている場合ではないのだ。
この制度をとりあえず凍結することは、全国の高齢者とその家族にとって大変喜ばしいことである。
自民党や公明党は、昨年6月にこういう制度を自分たちで導入しておきながら、次の衆院選をにらんでの「党利党略」で凍結を主張しているわけであり、こういう下劣な下心は徹底的に批判しつつも、もし、この制度が凍結されるのなら、心から歓迎するものである。
また、今回の措置(まだ決まったわけではないが)に対して、「ばらまき型政治の復活」との批判が出始めているようである。しかし、この制度の凍結による政府の支出などは、イラクへの自衛隊の派兵、インド洋での給油支援などこ「そばらまき」にであり、これらに比べれば、微々たる金額ではないか。
そもそも、政治の本来の役割は、国民が安心して医療や福祉を受けながら暮らせることにある。テロ対策などといって、インド洋で給油活動をすることが、国民の安全を守ることに本当につながっているだろうか。使いもしない大量の戦車や戦艦が、国民の安全を守ってくれているだろうか。どれだけミサイルを配備すれば、日本の安全が守れるのだろうか。キリがないではないか。
そんなことに無駄な金を使うのではなく、教育、医療、福祉などの国民生活に密着したところに予算をつぎ込むべきだろう。また、多発している水害、地震など自然災害への備えにこそ予算を使い、国民の安全を図るべきである。
参院選において、国民は自民、公明の与党が進めてきた政治の方向に「ノー」の審判を下したわけだが、今回の高齢者医療の問題にとどまらず、予算を国民の立場で使うような抜本的な転換がいま求められていると思われる。
国民も、こういう方向に政治を動かすよう引き続き監視を強めていかなければならない。

きかんしゃトーマス運転会のお知らせ

2007年09月22日 | ミニSL
以下のおまつりで運転することになりましたので、お知らせ致します。

★下千葉けんこうまつり
とき:2007年10月14日(日)、午前10時~午後1時
ところ:青葉公園(葛飾区堀切7丁目16番地)
(まつりへの参加券:大人300円、子供100円が必要とのことです。乗車は無料)

★新田住区まつり
とき:2007年10月28日(日)、12時~午後2時
ところ:順天高校グラウンド(足立区新田2丁目9番地)
(乗車無料)

当日は、トーマスのほか、デュークと我が家のオリジナル機関車「ベル」が走る予定です。

支離滅裂の公明党

2007年09月21日 | 政治問題
公明党が、総裁選翌日に自民党と行う政権協議で、プライマリーバランス(基礎的財政収支)を平成23年度までに黒字化することなどを盛り込んだ財政再建目標の延期を求める方針を固めたと報じられている。
高齢者の医療費自己負担増を凍結するなど、社会保障政策の見直しも求める方針だという。安倍晋三首相の辞任表明に伴う自民党内の混乱に乗じて国の財布の口を緩め、弱者に優しいという党のイメージを鮮明にしたい狙いがあると言われている。
しかし、これは単にイメージだけの問題ではない。
公明党は、政権与党として、自民党単独ではできないことまで積極果敢に取り組んできた。
住民税の定率減税廃止を真っ先に提案したのは、他ならぬ公明党である。
また、今回、凍結を求めるという高齢者の医療費自己負担増も、自民党単独ではできなかった悪政の1つである。また、教育基本法の「改悪」や憲法改定に道を開く投票法案、防衛省格上げ法案の強行採決にも積極的に協力してきたのが、この政党である。
したがって、単にイメージが悪くなっているというような単純な話ではなく、平和の看板を投げ捨て、国民に負担を押し付ける先頭に立ってきたにもかかわらず、平和の党、福祉の党などといって、支持者や国民をだまし続けてきたというのがこの党の実態なのである。
しかも、今回の提案もどうしようもない。
いま、長期、短期の国の借金は、約800兆円、対GDP費で160%にもなっている。地方の自治体の借金を含めれば、1000兆円を超えると言われている。財政破綻に直面する地方自治体も多いと言われているが、それを援助する余裕は国にもない。要するに、日本の財政再建は焦眉の急であり、これ以上の先送りは、財政破綻を引き起こすことは確実だ。
要するに、財政政策を大本から転換し、無駄を徹底的に省き、同時に、GDPの約6割を占める国民消費を応援する、国民生活を下支えすることによって景気の回復を図ることこそが求められている。景気回復などと言っても、大企業しか恩恵を受けられないような景気浮揚策は無策の極みである。
財政再建か景気回復か、財政再建の先延ばしか国民福祉の充実か、といった諸々の二者択一の政策では、結局、日本経済を再生することはできず、財政規律も正常化できないのは明らかである。
無駄な大型公共事業を直ちにやめ、軍事費の大幅削減、史上空前の大もうけをしている大企業、富裕層への増税、法人税への定率減税の廃止など、すぐにでもできることは多い。政党交付金を返納することなど、政党として直ちにできることもある。
このように、新たな財源の確保、不要不急の支出の中止などを大規模に進めるとともに、来年4月からの後期高齢者医療制度の延期、子供の医療費の無料化、所得税、住民税の定率減税の復活など、国民のふところを直接暖めることによって、景気の浮揚を図ることだ。
今回の公明党の提案は、党のイメージの回復を狙うだけの愚策であり、到底受け入れられないものである。
政権与党として、もう少しまともな提案ができるよう、日本の財政の現状や経済運営について勉強してはどうだろうか。お題目を唱えていても、けっしてまともな政策は浮かばないのである。

郵政民営化から2年

2007年09月20日 | 政治問題
2005年10月に郵政民営化法案が可決されてから、ほぼ2年が経った。
その後、郵便局のサービスは全国でどのようになってきただろうか。
以前にも本紙の中で報道してきたが、既に、全国で1000以上の集配局が廃止され、配達、集配業務の縮小が図られ、一部の地域では、郵便物の遅配や誤配も起きている。
東京に住んでいると、別に郵便局がなくなったからといって不便を感じることはない。100m以内に特定郵便局があるが利用することはほとんどない。郵便局の数よりも、コンビニの数がはるかに多く、キャッシュコーナーもあるのでお金の出し入れにはまったく不自由しないし、普通切手なら購入できる。宅配のメール便もコンビニで利用できる。ましてや、ネットバンクに口座を持っているので、自宅のパソコンから送金も可能な時代である。地域の郵便局の1つや2つなくなったところで何の問題もない。
しかし、お年寄りなどにとっては、地域の特定郵便局がなくなるのは非常に不安だろう。コンビニに行ってもキャッシュディスペンサーの操作がわからないとか、メール便もシステムもわからない。これに対して、郵便局なら窓口で親切に案内をしてくれるし、わからないこともいろいろと教えてもらえる。高齢化が進む中、これほど心強い味方はない。
また、地方に行くと、郵便局の統廃合は、地域住民にとって非常に深刻だ。郵便局以外に金融機関が1軒もないという町村もかなりあるに違いない。地方のこのような事情は察するに余りある。
最近、埼玉県の入間市のことが話題になっていたから紹介しておこう。
入間市は、人口15万人の都市である。地方の県庁所在地くらいの規模がある。
ここにあった集配局が廃止され、郵便ポストからの郵便物の回収が減り、結果的に集配が遅くなったり、隣の狭山市の集配局が配達を担当するようになって、郵便物の誤配が増えたりしているという。地元の慣れた配達員は転勤させられ、不慣れな配達員が担当するのだから当たり前のことだ。こういう形で、住民へのサービスは確実に切り捨てられている。15万都市に集配局がないという事態はどう考えても異常ではないか。
入間市の市議会では、集配局を元に戻せと言う意見書を採択し、市長もこれを要求しているという。
さて、こうなると、編集長も、東京に住んでいるから近所に郵便局がなくても困らないなどと、言っていられなくなる。地方の友人や知人に出す手紙が、相手に届かないとか、向こうからくる郵便物も1日遅れで届くようなことになってしまうではないか。
郵政民営化法案が提案された時から、こうなることは十分に予想されたことであった。
入間市議会にも、郵政民営化を主張し、推進した自民党や公明党の議員がいるだろう。2年前の衆議院選挙では、口を醜く歪めて、郵政民営化に反対するのは国賊だ、と言わんばかりに絶叫した自公の候補者を熱心に応援したこういう連中も、やっと事の重大さに気づき、議会で意見書を採択せざるを得なくなっているのである。まったく愚かというほかはない。
入間市をはじめ、集配局の廃止は1000局以上にのぼっている。これらの地域では、同様の事態になっているだろう。
人間の未来の行動は、過去の行動を反省するところから始まるものである。郵政民営化に熱狂した多くの人たちが、自らの愚かな行為を真摯に反省し、民営化後のサービス切捨てを許さない行動に立ち上がることを期待している。

とんでもない財界の要求

2007年09月19日 | 政治問題
日本経団連が18日に、年末の税制改正に向けた提言を正式に発表した。
少子高齢化に伴って増える社会保障費の財源を安定的に賄うため「徹底した歳出削減を前提として、消費税率を引き上げ、役割を拡大していく必要がある」として、事実上、消費税の社会保障目的税化を打ち出した。
提言では「低所得者層へ配慮しつつ、各種控除の整理を進める必要がある」と、課税対象者を広げる必要性を指摘している。
所得税の課税最低限(サラリーマンの夫と専業主婦の妻、子2人の4人家族のモデルケースで325万円)を下回る課税所得の世帯では、税控除の恩恵を受けられないため、控除分を給付金として別途、支払う制度も併せて検討すべきだとしている。ただ、控除の対象となる低所得者の水準や控除額、財源などについては明言を避けた。
しかし、一方で法人税の実効税率を30%にするよう求めるなど、財界、大企業には都合のよい政策を打ち出しており、厚顔無恥な姿を浮き彫りにしている。
本紙の中で何度も指摘してきたが、消費税ほど不平等な税金はない。
低所得者ほど負担が大きく、納税義務のない子供や無収入の高齢者にも税負担を強いる最悪の税金である。子供が税金を納めなければならない国が先進国と呼べるだろうか?
消費税率を議論する時に、自民党の議員などはヨーロッパの税率を持ち出すが、ヨーロッパでは、食料品、生活必需品は無税になっているなど、低所得者に配慮された仕組みになっていることには口をつぐんでいる。
財界、大企業は、税制について口を開けば、法人税減税と消費税増税を主張するが、税制の基本は、所得の再配分機能である。
何も、企業に対してもうけをすべて吐き出せというつもりはないが、この不況の時期に、バブル期にさえ達成できなかったほどのボロもうけを続けているのが今の大企業の実態である。役員報酬もバブル期を上回る額になっている。一方でこの日本には、住む家がなく、その日の食事にさえ困窮している人たちが存在する。ボロもうけの「ボロ」くらいは吐き出して生活困窮者の救済に当てるべきではないか。
編集長は、大企業の経営者に人間らしさやヒューマニズムを求めるつもりはまったくない。彼らの頭の中には、「金もうけ」しかない。
しかし、多くの国民には、この実態をしっかりと認識して、消費税や庶民への増税ではなく、大企業、大資産家への増税を、の声をあげて欲しいと思っている。そして、少子高齢化社会の中で、「消費税の増税は止むを得ない」と思っている人たちには、今の不平等な税制でよいのか、ということを立ち止まって考えてもらいたいと思っている。

キヤノンが自民に4000万円を献金

2007年09月18日 | 政治問題
経団連の会長企業であるキヤノンが2006年に、自民党に4000万円の政治献金を行っていたことが明らかになった。
キヤノンは、外資の出資比率が51.01%と50%を超えているため、従来の政治資金規正法では、政治献金を拠出することはできなかったが、経団連の会長として政治献金を斡旋する立場にありながら、自らの企業は献金ができないという矛盾を解消するため、自民、公明、民主などに圧力をかけ、2006年の12月に政治資金規正法を「改悪」し、外国人や外資の所有する資本比率が50%を超えていても、政治献金ができるようになったことを受けての献金である。
この新しい政治資金規正法には、自民、公明の与党ばかりでなく、民主党、国民新党も賛成している。こういう政党が、主権者である国民ではなく、財界の方を向いて政治を動かしていることを如実に物語っている出来事ではないか。
しかも、キヤノンは、2006年12月25日に成立したこの新しい政治資金規正法の施行から、この年の政治献金の締切日までの同年12月31までのわずか1週間の間に、同年分として4000万円を駆け込み献金していたというから驚くほかはない。
外国人や外資の所有する資本比率が50%を超えている企業が、日本の政党に活動資金を提供することは、日本の政治や選挙が外国勢力の影響を与える恐れがあるため、これを防ぐ目的で旧政治資金規正法で規制されていたものである。これを、経団連の会長企業として不都合という理由で、各政党に圧力をかけて、法律まで変えさせてしまう強引さに呆れるばかりである。
キヤノンだけでなく、外資比率が50.29%のソニーも自民党に2500万円を献金したことが判明している。
編集長は、そもそも選挙権のない企業や団体が、政党に資金を提供し、政治を陰から支配するやり方には断固反対である。政治資金はあくまでも主権者である国民一人一人の意思を反映したものであるべきだ。御手洗会長が自分の都合のいいように政治を動かしたいと思うのであれば、個人の資産を使って献金すればよいことである。個人の財産を1億でも2億でも自由に献金すればよい。政治への参加は、主権者たる一人一人の国民の意思で行うべきである。
企業からの献金は、所詮は企業の利益の中から吐き出すものだ。とすれば、株主からみれば、そんな無駄遣いをせずに配当に回せという意見もあるだろう。株主からみれば、政党への無駄金以外の何物でもない。
また、今回の事例を見ればわかるように、一国の法律が、財界の思惑によって動かされているという現実を国民は直視すべきである。
キヤノンは、以前に「偽装請負」で世間の批判を浴びたが、派遣社員の直接雇用の義務化までの期間は、以前は6ヶ月だったが、その後1年になり、今年の4月からは3年となっている。3年間派遣社員を続けなければ、企業に正規雇用の義務が生じなくなった。このように、労働法制に対しても、財界はさまざまな横槍を入れて、自らに都合の良いように、政治を動かしてきた。
もう一つの問題は、こういう政治資金規正法の緩和に、自民、公明の与党ばかりでなく、野党第一党の民主党までが賛成し、財界からの献金を平気で受けていることだ。これで、本当に自民党政治を変えることができるだろうか。
ちなみに、2006年には、自民党は29億7000万円、民主党は8170万円、公明文化協会は2億3000万円の企業献金を受けている。
いま、自民党の総裁選びがにぎやかだが、福田がなろうが、麻生がなろうが、財界の顔色を伺いながら政治が進められることは火を見るより明らかではないか。
多くの国民には、この点を真剣に考えてもらいたいと思っている。

世界の穀物在庫、最低水準に

2007年09月17日 | 環境・食料問題
農水省がまとめた世界の穀物の需給動向によると、2007年度から2008年度の世界の穀物の期末在庫率は前年度の15.2%から3.8ポイント低下して15.2%と過去最低になるとの見通しを示した。
その結果、在庫量は、世界の人が必要とする両のわずか55日分で、食料危機が騒がれた1972年~1973年度を下回ることがわかったという。
穀物生産量そのものは増加傾向にあるが、人口増加に伴う需要の増加、家畜の飼料用やバイオエタノール生産用の利用が、生産量を大幅に上回ることによるものである。
需給動向は、国際的には食料価格の上昇を招き、輸入に頼る発展途上国の食料事情を悪化させ、8億人を越える飢餓を更に深刻にする可能性がある。
また、日本の食料自給率は、現在40%を割り、60%を海外に依存しているが、日本での食料価格の高騰も心配される。
正解人口のわずか2%しかない日本が世界の食料の10%を消費しているという実態にも目を向け、食料を大切にする文化の醸成に取り組むとともに、自国で消費する食料は自国でまかなう体制を築くことが急務である。
現在、世界的には食料主権を求める動きが主要な流れとなっているが、食料を無駄に消費している日本の責任は、この点からも重要であることは言うまでもない。
いま、自民党の総裁選びが行われているが、2人の候補者は、日本の食糧自給をどのように改善しようとしているのだろうか。この点も、是非政策を明らかにすべきと思われる。
世界の食料事情を改善するために、日本が果たすべき役割は大きいものがある。必要なものは海外から調達すればよいという、目先の安易な対策ではなく、国家百年の計に立って、自給率の向上に取り組んで欲しいと思っている。

あの時にこうしていたら、・・・

2007年09月15日 | 社会問題
先日、社会面のニュースを見ていてつくづく考えたことがある。
人生というのは、本当に後悔の連続だ。

<その1>
11日午後、墨田区のカードショップで、本を万引したことを注意された近くに住む30歳前後の男が逃げようと店内で暴れた。店側は110番通報し、男性店員が男を床に倒して押さえつけ、取り押さえた。男はさらに抵抗したが、すぐにぐったりと動かなくなり、病院に搬送されたが意識不明の重体。警視庁本所署は傷害の疑いもあるとみて、店員らから詳しい経緯を聴いている。
責任はもちろん犯人にあるが、この犯人も愚かな行為をしたと悔やんでいるだろうか。そして、取り押さえた店員の心にも大きな傷を残すことになった残念な事件である。

<その2>
名古屋大の学生が鳥取市の国立公園・鳥取砂丘に、足で砂を掘り返して「HUCK」と文字を刻んでいたことが11日にわかった。「落書き」は横約50メートル、縦約15メートルに及び、自然公園法違反の疑いもあるとして環境省が調査を始めた。
同大によると、砂丘に文字を刻んだのは、野外活動サークル「ハックルベリー・フィン」に所属していた男子学生7人。今月1日から1週間かけ、兵庫県たつの市から鳥取砂丘まで徒歩旅行をし、8日朝、砂丘に到着し「ゴールの記念」に、サークルの呼称である「HUCK」と刻んだという。
落書きそのものは、風雨に曝されているうちに元に戻るのでそれほど騒ぐことではないように思うが、こんな大きな落書きを見せられた観光客はさぞ興ざめしたことだろう。「つい軽い気持ち」というのが、人生に大きな禍根を残すことになるのだろう。

<その3>
11日午後、3階建て住宅の敷地内で女児が倒れていた。女児は病院に運ばれたが、頭などを強く打っており間もなく死亡した。同署はこの住宅の3階の窓から転落したとみて調べている。
調べでは、女児は近くに住む40歳代の会社員男性の3女で小学5年生(11歳)。友だち宅に遊びに来ていたといい、女児は友だち2人と鬼ごっこなどをしていたらしい。
鬼ごっこに夢中になって、窓から転落してしまったのだろう。転落した少女は気の毒だし、一緒に遊んでいた2人の友人も悲しい思い出を抱きながらこれからの人生を送ることになるのだろう。

人生の中で、あの時にこうしていたら、あんなことをしていなければと思うことは多い。そのことによって、それこそ生き方が180度変わってしまった人も多いに違いない。
逆に、何かのきっかけで、思わず人生が切り開けた人も多いだろう。
過去を変えることはできないし、忘れ去ることもできない。
これからの人生を悔いのないように生きていくしか仕方がないのだが、過去の教訓を思い起こしながら生きることの大切さを痛感している今日この頃である。

安倍後継内閣に期待できるのか?

2007年09月14日 | 政治問題
突然、政権を投げ出した安倍前首相であるが、国民の関心は、退場した前首相にはない。
もう話題は、後継首相選びに移っている。
しかし、テレビの街頭インタビューや新聞の3面記事などで、国民の声を拾ってみると、相変わらず、訳のわからない声が多い。
麻生はパワーがありそう、桝添だと何かやってくれそう、福田なら国民受けするかも、小沢にやらせてみたい、とか、もうメチャメチャである。
今回の参院選で争点になったことを国民には、よく思い出してもらいたい。
年金不信についてはどうだろうか?今回は問題がたまたま表面化しただけだが、国民年金制度ができて以降、自民党政権がずっと続いてくる中で起きた事件である。何も、参院選前に突然発生したわけではない。この時期に「ばれた」だけだ。しかも、知っていてずっと隠していたわけだから、歴代自民党政権の責任は重大だ。
閣僚の相次ぐ暴言も思い出してもらいたい。「産む機械」、「原爆投下はしょうがない」、「アルツハイマーでもわかる」等々、こういう失言は昔から自民党の専売特許だ。心の中で思っていることがポロリと口をついて出るだけであり、言い間違えたわけではないのだ。
今でこそ、偉そうに立ち回っている森喜郎なども首相在任時に「神の国」発言で、愚かさを露呈している。
「政治とカネ」の問題はどうだろうか?次々と明るみに出る事務所問題なども、入念な身体検査をしても続々と出てくる始末だ。これらも、個々の議員や閣僚の問題ではなく、自民党の体質なのである。
したがって、国民は、首相の顔が変わるからといって、けっして騙されてはならない。
自民党政治そのものに終止符を打たない限り、年金も暴言もカネの問題もけっして解決しないのである。
もっとも重要なことは、自民党がアメリカに追随し、海外でアメリカと肩を並べて戦闘行為ができるような体制を準備しようとしていることであり、また、内政では相変わらずの財界、大企業を応援する政治を続けていることだ。そのことに、国民は早く気づくべきだろう。
資本主義社会という経済体制の下でも、企業に対する行政指導や法的な規制を強化し、財政赤字の解消のために大企業や富裕層に思い切った増税を行うことだ。また、米軍への思いやり予算をやめ、防衛予算を削減するだけで、年金や医療費の財源は簡単に確保でき、財政収支の均衡も図れるはずだ。
今の自民党や公明党に、こういう政治の舵取りができるだろうか。否である。
では、野党第1党の民主党には、どのくらい期待ができるのだろうか?
企業献金の斡旋を経団連に依頼し、憲法も変える、海外派兵も辞さない、消費税増税はこういう政党が政権の座についても、結局政治が変わることはないだろう。閣僚の暴言・失言などは少しは減るかもしれないが、それだけのことである。地方議会を見てみるとよい。県議会、市議会などのほとんどの議会で、民主党は、自民党、公明党とともに与党を構成し、悪政にアクセルを踏み続けている。政策上の差異はまったく存在しないことに多くの国民も気づくべきである。