時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

大きすぎると潰せない

2008年12月15日 | 政治問題
何でもそうなのかもしれないが、大きすぎるとつぶせない。
たとえば、空き缶を例にとると、ビールやジュースの空き缶のように小さいとすぐに潰せるが、ドラム缶などは簡単には潰せないために、場所を取るばかりでその処理に困ってしまう。
いま、アメリカで起きているビッグ3(GM、クライスラー、フォード)の救済も同じである。
ビッグ3の下請企業などは、融資も受けられないまま、ジュースの空き缶のように簡単に潰されているが、ビッグ3ほどの巨大企業になると、そう簡単には潰せなくなる。
したがって、巨大企業になると、税金もジャブジャブつぎ込んで、結局そのツケは国民に押し付けることになる。
さて、潰せないのは国も同じだ。
アジアやアフリカの小国などは、財政破綻になればIMF、世界銀行などが乗り込んで、結構乱暴な経済、金融政策を押し付けて、「救済」することになる。それらの国の国民は、塗炭の苦しみを味わう結果となる。実質的には、国が潰れているようなものである。
さて、大国アメリカはどうだろうか。
米財務省の発表によると2009年会計年度(2008年10月~2009年9月)の財政赤字が、最初の2カ月だけで約4016億ドル(約37兆円)に上ったと発表した。
景気後退を受けた税収の落ち込みや金融危機対策による公的資金の注入で急速に膨らんだという。
すでに年間で過去最高だった前年度1年間の財政赤字(約4548億ドル)に迫る規模に達している。1月に就任するオバマ次期大統領は大型の景気対策を検討しており、今年度の財政赤字は1兆ドルを突破するとの予想もある。
アメリカの財政赤字は、結局は日本などによる「アメリカ国債」の買い支えによって、少なくとも今のところは、売れ残るようなことはないようだ。日本や中国、ヨーロッパ諸国などが大量の米国債を持っているわけだが、これほど米国債を持っていると、アメリカという国そのものが潰れてしまうと国債が紙切れになってしまうので、結局、米国債をさらに買い続けてアメリカを支えなければならないという悪循環に陥っている。
「大きすぎて潰せない」などと言いながら、こういうことを繰り返していると、結局、最後にはどうしようもなくなってしまうだろう。
一体、この結末はどうなるのだろうか。
少なくとも、編集長が生きている間は、アメリカの国家破綻は起きないと思っているが、子供が生きているうちには、破綻に直面することになるのではなかろうか。
その時の世界の金融と経済の混乱は、今回の金融危機どころの騒ぎではすまないだろう。
「大きすぎてつぶせない」、はてさて、厄介なものである。