時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

次々と発覚する食品偽装、企業犯罪

2008年06月28日 | 社会問題
中国産ウナギを国産と偽ったとして、ウナギ販売業「魚秀」(大阪市)とマルハ子会社の水産物卸売業「神港魚類」(神戸市)に改善指導が行われた。しかも、「魚秀」から「神港魚類」に1000万円もの口止め料が支払われていたという。消費者には不良品を売りつけて、儲けた金を賄賂として使っていたわけだから、これほど消費者をバカにした話はない。
また、食肉販売会社「丸明」(岐阜県養老町)が、ブランド和牛「飛騨牛」を偽装表示していたとされる問題で、同社が牛肉だけでなく、豚肉でも産地偽装をしていた疑いのあることが、元従業員らの証言で明らかになったという。
この間、賞味期限、消費期限の偽装、産地偽装、不当表示、使い回しなど、食の安全を無視した偽装が相次いだが、また、新たな偽装が発覚したわけである。
この種の偽装というのは、多かれ少なかれ、さまざまな業種で行われているのだろうが、食中毒などの問題でも起きない限り、闇から闇に葬り去られる性格のものかもしれない。
そのうち、「内部告発奨励」法でも作って、企業犯罪を内部告発したものには、情報の重要度に応じて一定額の報奨金を支払うような方法でも考えなければならなくなるだろう。
企業犯罪といえば、グッドウィルやNOVAはとうとう廃業の憂き目に遭ってしまった。こうなると、そこで働いていた労働者自体の生活も成り立たなくなる。
したがって、従業員も自らが働く企業が不正を行っていることを知った場合は、速やかにそれを是正する行動を取らなければ、最終的には自らの身に火の粉が降りかかってくるということだ。
NOVAの場合も、ワンマン社長の横暴を誰も止められなかった結果であるが、こういう例は、どこの企業にも存在するのではなかろうか。そのうち、読者諸兄の身にも降りかかる災難かもしれない。
先日も書いたことだが、「まじめに」生きることが難しい世の中で、正論を主張すること自体が難しいことも多いが、突破口はどこかに存在するものである。
日常生活にはびこるちょっとした「悪慣れ」を断ち切る日常不断の努力が必要なのだろう。

自民党が「ウソ」ポスターを作製

2008年06月26日 | 環境・食料問題
自民党が、福田首相が登場した新ポスター2種類を発表した。
7月の北海道洞爺湖サミットで主要議題となる環境がテーマ。流氷の上でホッキョクグマと並び、「世界の環境 みんなで守ろう」と呼びかけるポスターと「環境は日本がリードする」と大書されたポスターである。
しかし、日本が議長を務めた1997年の京都議定書の公約、すなわち2008年から2012年の期間に、1990年時点の温暖化ガス排泄量からさらに6%削減するという目標すら達成する見込みがない。現時点では、逆に1990年時点よりも6%以上も増やしているのが日本である。京都議定書から10年間、漫然と温室効果ガスを垂れ流してきたのが、この日本なのである。
ヨーロッパの先進国が、地球環境に危機感を持ち、太陽光発電や風力発電などを積極的に導入していることと比較すると、日本政府の取ってきた行動は余りに低レベルである。
電力会社は、二酸化炭素などを大量に排出する石炭の消費量を増やしているが、これに対する規制さえも行えないのが日本政府の実態である。
世界の環境を壊しているのは日本であり、その政治を主導しているのが自民党である。環境をリードするどころか、大量の温暖化ガスを排出しながら、ろくに対策も取らない鉄鋼や電力などの大企業の言い分をかしこまって聞いているのが自民党ではないか。
「世界の環境 みんなで守ろう」、「環境は日本がリードする」といったウソに塗り固められたポスターを臆面もなく張り出すこと自体が、国民を愚弄し、世界を欺くものである。
この2枚のポスターは、この政党の末路を象徴し、予感させるものに他ならない。

イタリアの大聖堂に落書き

2008年06月25日 | 社会問題
岐阜市立女子短大の学生6人が、世界遺産登録されているイタリア・フィレンツェ歴史地区のサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂に落書きをしたとして、大学から厳重注意処分を受けた。見晴らし台にある大理石の壁に、黒油性ペンで全員の名前と日付、ハートマーク、大学の略称「岐女短」と書き添えていたことで発覚したと大学側が24日に発表した。
人は2月、学生36人でイタリアに研修旅行をした際に大聖堂を訪問。3月に現地を訪れた日本人がA4判ほどの広さに書かれた落書きを写真に撮り、大学側に送ったという。
大学側によると、大聖堂には各国の言葉で多くの落書きがあり、6人は「高揚してしまった」と反省しているという。大聖堂側に英語で書いた謝罪文を送って許しを請い、大学も謝罪したところ、「修復の費用負担は不要」との返事があったという。
日本人のモラルの低下は目を覆うばかりである。
自分の物ではない公共物、他人の物に落書きをするという行為を簡単に犯せる神経は異常というほかはない。
若者ばかりではない。
先日も救急車をタクシー代わりに利用するような行為が広がっていることが読売新聞で報じられていたが、救急出動の約半分が軽症者による利用や不適正な利用だったという。
モンスターペアレント、モンスターハズバンド、モンスターペイシャントなど、あらゆる場所で、モンスターが出現する時代である。
若者だけでなく、中高年者の中にもこういう行為が広がっているということだ。
日本人の美徳であったモラルが融けてゆくような現象の広がりにはただ驚くばかりである。
まじめに生きることを否定するような風潮の広がりに懸念を覚えざるを得ない。

対北朝鮮外交をめぐる争い

2008年06月23日 | 政治問題
対北朝鮮外交をめぐり、強硬派で知られる安倍前首相と対話重視派で超党派の日朝国交正常化推進議員連盟会長を務める自民党の山崎拓氏の批判合戦がやまない。
山崎氏らの活動は二元外交に当たるとして、安倍氏は「百害あって利権あり」と批判。これに対し山崎氏は、「私は利権政治家ではない。誹謗中傷する政治家の人格を疑いたい」とやり返し、舌戦が熱を帯びている。
口火を切ったのは安倍氏で、内外ニュースの講演で「百害あって一利なし」と指摘。即座に山崎氏が「制裁一辺倒では前進がなかった。(安倍氏は)幼稚だ」と応戦。これを知った安倍氏が別の講演で「政府以外の人が甘いことを言って交渉するのは百害あって利権ありと言いたくなる」とたたみかけた。
ただ、「利権」とまで言われたことに、山崎派会合では所属議員からも「名誉棄損だ」との批判が噴出。山崎氏は「取り消しと謝罪を求める」として、申入書を安倍氏あてに送付したと報じられている。
国民世論から言えば、「北朝鮮など潰してしまえ」といった意見が多く、安倍氏に賛同する人が多いのではないかと思われるが、制裁、制裁では、北朝鮮側もますます態度を硬化させるだけだろう。
北朝鮮が言うように、もし、拉致問題で再調査を行い、日本側の納得がいく結果が出れば、経済制裁を解くことが望ましいのではないかと思う。
まず、日本として、独自の外交ルートを確立し、可能な限り話し合いによって問題を解決するという方向をめざさないと、それこそ泥沼になり、解決はますます遠のくことになるだろう。
安倍氏の主張は、一見威勢が良く、家族会のメンバーや世論の賛同を得るかもしれないが、結局は、家族会の意向に反して、拉致問題をますます彼方に追いやってしまうだろう。制裁を続ければ続けるほど、北朝鮮側の反発を招くことは火をみるよりも明らかである。この数年間、まったく事態の進展を見なかったことが何よりの証左であろう。
同時に、山崎氏の動きは、政府の正式ルートとは別のルートで交渉を行っており、交渉相手の北朝鮮側だけでなく、日本国内でもわかりにくいものになっているが、同時に、北朝鮮側でもそのように受け止められているのではなかろうか。
山崎氏の行動は、この問題に対する政府の基本方針が座っていないことの反映であるが、とにかく、時間がかかっても、正規の外交ルートを確立して、話し合いのレールに乗せることが最も早い解決の道であることは間違いない。

政府が、最低賃金の755円への引き上げを提案?

2008年06月22日 | 政治問題
政府は労使代表と構成する「成長力底上げ戦略推進円卓会議」に、これまで生活保護費を基準に設定してきた最低賃金を、今後5年間で高卒初任給の最低水準まで引き上げるよう提案する方針を固めた。2007年の水準に当てはめると、全国平均の687円(1時間当たり)を755円に引き上げる必要がある。20日の円卓会議に提案するが、使用者側は経済状況を理由に難色を示す可能性がある。
最低賃金は、中央最低賃金審議会が目安を設定し、各地方の審議会が具体的な額を決める。円卓会議の議論はこの流れに大きな影響を与える。
政府案は、中長期的な最低賃金の引き上げについて、これまでの生活保護基準との整合性に加え、高卒初任給の水準を目指す方向を示した。そのうえで今後5年間の対応について(1)高卒初任給のうち最も低位の分類に相当する水準に引き上げる(2)2009年度末に、中小企業の生産性向上の状況や最低賃金と高卒初任給の格差を踏まえ、再検討する(3)地域の実情を踏まえ決定する--などを打ち出したと報じられている。
さて、この議論の中で決定的に欠けていることがある。
給料というのは、労働者とその家族が、文化的な生活を営むことができるだけの給料が保証されるのかどうかという視点である。
時給800円といえば、高校生のコンビニでのバイト料と同じである。
1日に8時間、月に22日間働いたとしても、総額は約14万円である。ここから、税金や社会保険料を支払えば、一体いくら残るというのだろうか?
この金額では、労働者1人が文化的な生活を営むにも足りないではないか。
ましてや、家族がある者では、実質的に生活そのものが不可能であろう。
労働者が普通に生活でき、労働の再生産ができるような賃金体系を保証するのが、政府としての最低限度の責任ではなかろうか。

小泉元首相が、財界に期待表明

2008年06月20日 | 政治問題
日本経団連・企業人政治フォーラム(会長・大橋光夫昭和電工会長)の総会が、東京・大手町の経団連会館で開かれた。この中で講演した小泉元首相は「経団連は力を持っているが、それを生かしきれていない。宝の持ち腐れだ」とした上で、「経団連は政治にもっと影響力を持っていい。経済界の協力なくして政治の安定はない」と、次期衆院選を念頭に自民党に対する経団連や傘下企業の協力を強く求めたという。
この一事を見ただけで、自民党の政治が、一体どこを向いているのかが容易に理解できるではないか?
多くの国民が熱狂したあの小泉元首相さえ、「改革」、「改革」と叫びながら、結局は財界や大企業の方を見ながら政治をしていたという証左ではないか。
彼が行った「改革」も所詮は、大企業を肥え太らせ、国民の中にかつてない格差を生み出すだけの「改革」だったということである。
さらにこの講演の中で、小泉氏は「衆院の300小選挙区の議員は大企業よりも地元の中小企業を大切にしているが、大企業と中小企業が力を合わせれば政治に影響力を持てる」と述べたという。
しかし、これはまやかしだ。
小泉氏も、自民党政権も、地方の中小企業に対してこれを応援するポーズは取っているが、実際には中小企業のことなどはこれっぽっちも考えてはいない。大企業による下請け単価の切り下げなどで、地元の中小企業は疲弊している。
小泉「改革」で、国民に「痛み」を押し付けながら、国民の間に格差を広げてきた現状に頬かむりして、財界、大企業に更なる影響力の発揮を期待する小泉氏の発想に、国民もそろそろ気づくべきではなかろうか。

国交省局長ら、官製談合の疑いで強制捜査へ

2008年06月19日 | 政治問題
国土交通省北海道開発局が2005年に発注した河川改修事業を巡り官製談合が行われていた疑いが強まり、札幌地検特別刑事部は15日、同事業の発注にかかわっていたとして、品川守・同省北海道局長(58)ら当時の道開発局幹部らの一斉聴取に乗り出すことを決めたという。
同地検では、すでに入札参加業者らの任意の事情聴取を行っており、品川局長らについて近く同容疑で強制捜査に乗り出す。
道開発局を巡っては、農業水産部発注事業で官製談合が発覚しており、一連の捜査から、河川部門でも官製談合疑惑が浮上した。同地検では、入札参加業者の供述などから、河川事業についても、道開発局が受注調整に関与していたとの見方を強めている。
検察関係者によると、官製談合が行われたとみられるのは、道開発局が2005年秋に発注した、数億円規模の河川水路工事など。参加業者のうち、道内大手の建設会社が90%超の落札率で受注していたとされる。
同地検では、複数の入札参加業者が、道開発局側から受注調整を指示されたとする趣旨の供述をしていることから、道開発局建設部長などを歴任し、事業の発注に関与した品川局長が、官製談合を了承していたとの見方を強めていると報じられている。
今回の件が悪質なのは、入札に参加する企業が談合をして、落札していたということではなく、開発局がそのお膳立てをしていた、いわゆる「官製」談合であることだ。
そもそも、予定価格の98%、99%などの価格で落札される工事が、まともな入札による結果とは到底思われない。これを業者側ではなく、発注者である公的機関が先導していただけに、その行為は極めて悪質である。北海道開発局では、4割以上が予定落札価格の95%異常の価格で落札されていたという。
これらの工事は、当然「税金」で賄われ、発注額のうちの何割かが、官僚や政治家に還流されていることは容易に想像がつく。
予定価格の90%以上の落札は、すべて無効にするなどの措置を取らなければ、こういう談合を撲滅することはできないだろう。
徹底的にメスを入れて欲しいと思っている。

岩手・宮城内陸地震から何を学ぶか

2008年06月18日 | 社会問題
震度6強を記録した岩手・宮城内陸地震で、死者は9人になった。行方不明者は13人、重軽傷者は250人を超えたという。
また、テレビなどでは、幸いにケガなどはなくとも、自宅が損壊したり、家具などが散乱し、足の踏み場もないような映像も流れている。
被害者の方々に心からお見舞いを申し上げたい。
今回の地震は、マグニチュード7.2という、阪神大震災の7.3にも匹敵する大地震であり、震源の深さが浅かったため、がけ崩れあるいは山崩れとでも言うべき甚大な被害を与えた。
しかし、地震の規模の割には、死傷者が少なくて済んだのは幸いであった。
もし、この規模の地震が東京の直下で発生していたらと思うと、背筋が寒くなるばかりである。
さて、今回の地震からわれわれは何を学ぶべきであろうか。
まず、この地方は比較的大きな地震が起こりにくいと言われていた場所だったようだ。にもかかわらず、これだけの規模の地震が発生したということは、日本全国どこも安全とは言えないということだろう。東海大地震などの発生が危惧されているが、自分の住む所は、発生の確率が低いとか、大きな地震は少ないなどという予断を抱くことの危険性を改めて認識させてくれた。
次に、被災者に対する救済、救援活動を見てみると、わずか20名余の死者、行方不明者を捜索するのに、まだ手をこまねいているという現状についてである。確かに、山崩れなどによる大量の土砂のため、道路が寸断され、現地に到達すること自体が困難であり、重機を運べないため、救援も人手に頼らざるを得ないという実情はあるものの、公的な救援は思ったほど進んでいない。
もし同様の規模の地震が東京で起きた場合、ビルや家屋の倒壊、火災、ガス漏れなどで、はるかに大量の死者、行方不明者が出るだろう。電信柱が街路灯、街路樹などが倒れ、道路も各所で寸断され、救急車両は到底到達できないだろう。警察や消防などからの救援は即座には期待できない。頼りになるのは、常日頃から地震に備えて、各家庭で家具の転倒防止や避難用具の準備などを整えておくことだ。少々の怪我などは、自宅あるいは地域で対応できるように準備しなければなるまい。食料なども同様である。
災害後に、公的な支援が届くようになるのは、災害発生から数日を経た後である。
そういう視点で、いま一度、各家庭での安全対策をチェックし、いざと言う時にも、公的な支援に頼らなくても数日をすごせるような対策を講じておくべきであろう。

民主党などが、公明党と創価学会の関係を聴取

2008年06月14日 | 政治問題
民主党の菅代表代行や社民、国民新党など野党の有志議員が6月13日に国会内で元公明党委員長で政治評論家の「矢野絢也さんより話を聞く会」を開き、公明党と支持母体の創価学会との関係などについて説明を求めたという。「聞く会」の呼びかけ人は民主党の菅氏のほか、石井一副代表、社民党の渕上貞雄氏ら。民主党の輿石東参院議院会長、鳩山由紀夫幹事長も出席した。
矢野氏は「創価学会から平成17年から機関紙などで中傷されたり、言論活動の中止や莫大な寄付を強要されたりした。身元不詳の人物から尾行監視も受けた」などと説明したという。矢野氏は評論活動をやめるよう強要されたなどとして、今年5月に創価学会に対する損害賠償請求訴訟を起こしており、公明党や創価学会と対立している。
さらに、「学会の会館は非課税で建てている。選挙時に使用したが、私の(委員長在任中の)頃には対価を払ったことはない。政教一致かどうかは議論すべきだ」と指摘した。
また、矢野氏は国会での参考人や証人としての招致について「呼ばれるなら喜んでいく」と述べた。
これに対し、公明党の太田昭宏代表は13日の記者会見で、矢野氏の会合出席を「情けないし、許せない」と非難したという。
政治と宗教の関係については、以前にも記事を書いたことがあるが、個々人が特定の宗教を信じるかどうかは本人の自由であり、またどの政党を支持するかも自由である。
しかし、一宗教者ではなく、宗教団体が特定の政党を支持することは、憲法の保障する思想、信条の自由に反する行為である。なぜなら、すべての宗教団体の規約や規定には、「○○党を支持する団体である」とは明記されていないからだ。
政治と宗教との関係を、国家の保護を受けているかどうかという意味のみに限定して、論じる論者があるが、これは誤りである。
確かに、国や地方自治体が、特定の宗教行為に財政から支出することは、明確な憲法違反である。
同時に、特定の宗教団体が、その構成員に特定の政党支持を押し付けることも違法な行為である。なぜなら、その宗教団体はあくまでもその宗教を信じる人間の集まりであって、その団体の教義に、「○○党を応援する」とは絶対に明記されていないからである。もし、明記されていれば、明らかに「政教一致」の批判を免れないであろう。
宗教団体は、特定の宗教、教義を信じる人たちの集まりであり、政党ではない。
したがって、非課税の特典を有する宗教施設を特定の政党のために無料で使用することは明白な憲法違反の行為である。
選挙になれば、創価学会の施設が公明党の集会に無料で使用されることは周知の事実であり、これは明確な憲法違反の行為である。
創価学会員が全員、公明党の支持者であっても何の問題もない。個々の学会員が公明党を支持することは自由である。だからと言って、税金などの優遇措置を受けている創価学会の会館を公明党の選挙や集会に「無料で」利用することは憲法違反の行為であることは間違いない。
宗教団体の施設をどのように利用するかは、その宗教団体の定めた規約(利用料などの規定)に基づいて行われれば自由である。適正な利用料さえ支払えば、創価会館で民主党の演説会を行おうが、共産党の集会を行おうが自由である。しかし、学会の規定に、「公明党には無料で貸し出す」などと記載されていないことは明白ではないか。
お寺や神社を利用料を支払って借り受け、政党の演説会を行うことは別に違法でも何でもない。
しかし、公明党は、無料で宗教団体である創価学会の施設を利用しているという。これも周知の事実ではあるが、こうなると、憲法違反は明らかである。
今回の民主党などによる「聞く会」の開催は、公明党に揺さぶりをかけようという党略的なにおいの濃いものではあるが、宗教と政党との関係を正常化するうえで、一つの問題提起になったことは事実であろう。
なお、「尾行を受けた」という証言もあったようだが、創価学会による電話盗聴や出版妨害事件などもよく知られている通りである。この団体がまともな宗教者の団体でないことは言うまでもないことである。

ヤミ金融からの借金は、1円も返さなくてもよい!

2008年06月13日 | 社会問題
山口組系・旧五菱会のヤミ金融事件の統括者に対して愛媛県内の借り手11人が損害賠償を求めた訴訟の判決で、最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は10日、「著しく高い金利で違法な貸し付けをした業者からは、利息だけでなく元金も含めて借り手が支払った全額を損害として取り戻せる」との初めての判断を示した。 画期的な判決である。
そのうえで、「借り手がヤミ金に支払った総額から、元金分を差し引いた金額」しか損害として認めなかった二審・高松高裁の判決を破棄し、損害額を確定させるため、審理を高裁に差し戻した。
判決に従えば、今後はヤミ金から法外に高い金利で借金した債務者は返済する必要がないということである。返済したとしても取り戻せることになる。
また、投資詐欺などでも、被害者が配当金を受け取った場合に「一部の返済を受けた」とはみなされず、出資した全額を損害として投資先に要求できる可能性が出てきた。
要するに、違法な貸付や詐欺などは、そもそも「犯罪行為」であるので、そのものが無効だということだ。妥当な判断である、
したがって、これからは、ヤミ金からどんどんお金を借りても、1円も返さなくても良いということになる。もちろん、現在ヤミ金からお金を借りている人も、まったく返さなくて良いどころか、今まで返済したお金も取り返せることになる。
しかし、返さなくて良くなったからと言っても、今からわざわざヤミ金から借金をして踏み倒してやろうなどと考えるのはやめた方が良い。確かに、元金を含めて返さなくても良いかもしれないが、暴力沙汰などのトラブルに巻き込まれる可能性は極めて高い。君子危うきに近寄らずだ。

未成年者の犯罪に思うこと

2008年06月12日 | 社会問題
1)同学年の女子中学生を縛り、現金を奪ったなどとして、新潟県警村上署は6月9日、強盗と傷害の疑いで、同県村上市立中学2年の男子生徒(14歳)を逮捕した。「遊ぶ金に使った」と話し、容疑を認めているという。
調べでは、男子生徒は5月下旬の平日の午後2時頃、女子生徒(13歳)を校庭に呼び出し、全身を縄のようなもので縛り、頭部や背中を殴打した上、現金約3,000円を奪った疑い。女子生徒は打撲で10日間の軽傷。

2)後輩の中学1年の男子生徒(12歳)を呼び出し、殴ったり、ライター用オイルをかけて火をつけたりする暴行を加えたとして、大津署は6月10日、大津市内の14歳と15歳のいずれも中学3年の少年2人を傷害容疑で逮捕した。ともに容疑を認めているという。男子生徒は約1ヵ月の重傷を負った。
調べでは、少年2人は8日午後6時から7時ごろにかけて、大津市内の神社境内で、同じ中学に通う男子生徒を殴ったりけったりして全身打撲や左手の指の骨を折る重傷を負わせたほか、全身にライター用のオイルをかけて、髪の毛に火をつけた疑い。火は生徒の服に燃え広がったが、自分で服を脱ぎ捨てて消したという。2人は7日、被害生徒に「花火を買ってこい」と命じたが従わなかったため呼び出したという。

この2つの事件以外にも、水戸市で中学2年、3年の男子が白鳥を撲殺した事件も記憶に新しいが、こういう事件が起きるたびに、不思議に感じることがある。
1つは、親の存在である。未成年者の犯罪については、すべて親に責任がある。子供が犯した罪は、100%親の罪であり、責任である。マスコミの前に現れて、謝罪を行うべきではなかろうか。もっとも、子供がここまで荒んでいると、親も諦めてしまっているのかもしれないが、家族というのは最後の砦だろう。こういう事件を起こす前に、身を挺して予防すべきではなかったのか。未成年者の犯罪は、親自身の犯罪であることをよく認識すべきである。
もう1つは、犯罪の動機が余りに幼稚なことである。中学生ともなれば、善悪の判断がつくだろう。結果についても十分に予測することが可能だろう。にもかかわらず、なぜこのような犯罪に手を染めるのだろうか?
わびしい話だが、徹底的に取り締まり、検挙や逮捕を繰り返すしか方法はないのだろうか?
義務教育を終え、高校そして大学まで受験競争で追いまくられ、結果的には、サラリーマン、OL(賃金労働者)になるのがほとんどの人間の一生である。そういう人生を考えると、まじめに生きていくことがばかばかしくなる気持ちもわかるが、どうせ、こういうお決まりの生き方に反発するのなら、他人からみれば破天荒であっても、なぜ思い切って大きな夢を持って生きようとしないのだろうか?
そういう夢が描けないのが現在の日本という国であり、社会の現実なのかもしれないが。

移民1000万人を受け入れ?

2008年06月11日 | 社会問題
自民党の「外国人材交流推進議員連盟」(会長、中川秀直元幹事長)は6月10日、人口減少時代に日本の活力を維持するため、50年間で「総人口の10%」(約1000万人)の移民受け入れを目指すとの提言をまとめたという。
縦割り行政を排するため「移民庁」を設けて専任大臣を設置し、移民受け入れの基本方針を定めた「移民法」や「民族差別禁止法」の制定も盛り込んだ。12日の総会で正式決定し、福田康夫首相に提案するそうだ。
しかし、人が少なくなったら、他の国から連れてくれば良いという発想はいかがなものだろうか?少子高齢化社会が到来することは、歴代自民党政府にもわかっていたはずである。それに対して何十年もの間、何ら有効な手を打たず、年金や医療も破綻しかけており、少子化対策もまったく進んでいない。こういう政策を続けてきた自らの政策的な誤りについて、何ら反省もせずに、1000万人の移民を受け入れれば解決するだろうという発想しかないのだろうか?
提言では、「人口減少時代に日本の活力を維持するため」と述べているようだが、なぜ、日本の活力を維持し続けなければならないのだろうか?いつまでも経済大国である必要はない。
国民の活力にふさわしい国力があればそれでよいではないか。
高齢者が多くなれば、消費は減退するだろう。しかし、働く人たちが減るのだから、当然企業の数も減り、日本全体の生産量も減るだから、ちょうど良いのではないだろうか?
また、依然として失業者も多いが、労働力不足になれば、失業者もいなくなるだろう。わざわざ、外国人を雇って、日本人の失業者をそのまま放置しておくことはない。
そういう社会で何が問題なのだろうか?
人間というものは、衣食住が満たされ、たまの休日に家族と遊んだり、自分の好きな趣味などを楽しめればそれで十分なのではないのだろうか?
別に、必要以上のお金をもうけて、海外で総スカンを食いながら、土地やビルを買い占めたり、地元の労働者を搾取して嫌われたりすることに喜びを感じるのだろうか。
政府は、これからの日本社会のあり方について、今までのように経済成長一本やりではなく、環境立国、観光立国、ロハスな日本、衣食住に満たされた日本、世界一治安の良い日本、老人が安心して暮らせる日本など、もっと視野を転じて、日本の今後のあるべき姿、ビジョンを示すべきであろう。
なお、蛇足ながら付け加えておこう。
日本に来る移民も、根本的には「故郷」で暮らすことを最大の願望としていることは疑いない。誰も、わざわざ生まれた国を出て、よその国で一生を過ごそうなどとは思わないのが普通だろう。
言葉も、習慣も制度も違う国で過ごすことは、それだけで大変なストレスである。それを考えれば、移民それ自体が、けっして好ましいものでないことは明らかである。

消費税増税論議のデタラメ

2008年06月09日 | 政治問題
「もうこれ以上社会保障費を削るのは限界」、「責任ある問題提起(消費税増税)をしないといけない」(谷垣財務相)、「社会保障費が毎年増え続けており、(消費税率が)10%で収まるとは思わない」(御手洗経団連会長)など、政府、財界からは、消費税増税を求める発言が絶えない。
しかし、消費税率を上げれば、年金や医療、介護の問題などがすっかり片付くのだろうか?
編集長にはとてもそうは思えない。
1989年に消費税が導入された時は「少子高齢化の社会保障財源」、「福祉に使う」というのがその触れ込みだった。しかし、この時は、法人税が42%から40%に引き下げられ、翌年にはさらに37.5%に引き下げられた。
1997年に消費税率が5%に引き上げられた時にも、翌年には法人税率が34.5%に引き下げられている。
消費税は、「福祉のため」ではなく、「大企業の減税のため」だったことは明瞭ではなかろうか。
現在、経団連などは、消費税率の引き上げと同時に、法人税の実効税率の引き下げを要求している。
もし、年金の財源を消費税でまかなえば、保険料は安くなるだろう。サラリーマンと経営者が負担している年金保険料も当然安くなる。しかし、サラリーマンは保険料の減額異常の消費税を負担しなければならないのに対して、経営者は消費税を負担せずに(消費税は最終的な消費者にかかるので)保険料負担分が安くなる仕組みになっている。
したがって、経団連の言うように、もし消費税率を上げ、年金保険料を安くすれば、それだけで企業負担は安くなることになる。それに加えて、法人税の実効税率をさらに引き下げろと要求しているのだから、とんでもない要求というほかはない。
いま求められているのは、労働分配率を上げ、給料を増やし、下請けの単価を切り上げて、庶民の暮らしを支えることだ。
にもかかわらず、財界のお先棒を担いで、財務大臣までが消費税増税論議を行うところに、この国の政治の異常さが現れている。
3年前、小泉首相が「郵政を民営化すればほとんどの問題が解決する」と豪語してゴリ押しした郵政民営化で、いったい何が変わっただろうか?
道路、年金、高齢者医療など、隠されていた問題が次々と噴出しただけではないか。
福祉や医療、年金のためという「消費税増税」発言には、国民は絶対にだまされてはならない。

驚くべき大企業の経常利益

2008年06月08日 | 経済問題
財務省が発表した2007年度の法人企業統計によると、資本金10億円以上の大企業の経常利益が過去最高を更新した。
2007年度の経常利益は、合計で33兆3725億円となっており、バブル期の1990年度と比べると、額にして約14兆6000億円も高く、率にして180%、1.8倍にもなっている。日本の1年の税収が約50兆円であることを考えると、資本金10億円以上のほんの一部の大企業だけでこれだけの経常利益を上げているということは、とんでもないボロ儲けというほかはない。
庶民の生活が原油高や食料品の値上げで四苦八苦している時に、企業は人件費を極限にまで押さえ込みながら、自らの利益だけはチャッカリと確保してきた構図が伺える。
一方、帝国データバンクが発表した5月の景況感をみると、3ヶ月連続して悪化しているようだ。
確かに原油高や原材料費の高騰などの諸要因があり、経済の先行きは決して明るくはないが、先の利潤を見る限り、企業経営が立ち行かないといった状況ではない。
要するに、大企業は、口先では「景気の先行きが不安である」などと言いながら、他方では、しっかりと儲けているということである。
日本経済全体を俯瞰すると、大企業が人件費を削減しているため、国民の所得が増えず、国内の消費が冷え込んでおり、その結果、企業が将来の国内での売上げに不安を感じているということになるだろう。
とすれば、大企業がこの巨大な儲けの一部を賃金や下請け単価の増額として吐き出し、内需を拡大することによって、日本経済の将来は明るいものとなるだろう。
しかし、残念なことに、個々の企業にこれを期待しても仕方がない。国が法人税としてこれらの利益を召し上げて、国民生活を支える必要があるだろう。
法人税率は、バブル期(1989年)の42%から徐々に減税され、現在は34.5%まで引き下げられている。これを元に戻せば、財政再建なども簡単にできるではないか。
残念なことに、現在の政権は、財界の意向に沿って、この法人税をさらに引き下げることを画策している。
こういう政策が実行できる政権をつくる以外に解決の方向はないのかもしれない。

「和民」が217人に未払い賃金1200万円

2008年06月03日 | 社会問題
「ワタミ」(東京)のグループ会社で、居酒屋「和民」などを全国展開する外食大手「ワタミフードサービス」(同)がアルバイト店員の勤務時間を一部切り捨てていたとして北大阪労働基準監督署の是正勧告を受け、217人に計約1200万円の未払い賃金を支払った。一方で元店員の20代の男性が「内部告発への報復で解雇された」として、同社に慰謝料など約450万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こすという。
ワタミによると、ワタミフードサービスは大阪府北部2店でアルバイト店員の勤務時間を1分単位で記録せずに30分単位などで端数を切り捨て、賃金の一部が未払いだとして2006年秋に勧告を受けた。同労基署管内のほかの4店でも同様の事態が判明。同社は60人に計約400万円を支給した。
同社は昨年2月、全国400店余りのアルバイト店員約1万2千人を対象に内部調査。北海道・東北2店▽関東15店▽東海2店▽近畿20店▽中国2店の計41店で切り捨てが判明し、157人に計約800万円を支払った。ワタミの広報担当者は「労働時間の切り捨てはあってはならず、徹底できていない店があった。全国の店舗ですでに改めた」としている。
提訴を予定している元社員の男性によると、労基署への通報は2006年7月で、同9月に解雇された。ワタミフードサービスの社員から「労基署に行くような人は企業にとってリスク」と退職を迫られたと主張。これに対してワタミ側は「元店員の解雇理由は個人情報のため明らかにできないが、提訴されれば、訴状を見て対応を検討する」と話している。
賃金未払いという悪弊はつい最近に始まったわけではなく、創業以来の会社の一貫した方針であったことは明らかである。残業時間が30分刻みで報告され、端数がなければすぐにおかしいと気づくはずだ。したがって、創業以来ずっと行われており、会社もそれを黙認してきたということに他ならない。今回、支払われる未払い賃金も最近のものだけに限られている。
過去に遡って支給すべきものである。
また、労働基準監督署に通告した社員の首切りもとんでもないことである。会社は今回の賃金未払いを「あってはならないこと」と認めている。にもかかわらず、それを指摘した社員を解雇するという正当性はまったくない。この社員の行動は、自らの良心と法を守るという精神に立って、会社の悪弊を正すために行った勇気ある行動ではあっても、解雇に相当するものではない。
とんでもない逆恨みといわざるを得ない。
企業による違法行為を社員が黙認すれば、より大きな違法行為に手を染めるようになり、結果的に企業の存続そのものが危うくなる例は枚挙に暇がない。早い段階で、社員が声を上げることは、企業の側から見ても、あるいは社会的に見ても賞賛に値する行為である。
ところで、ワタミの社長といえば、中学、高校を経営し、その理事長を務めている人物である。マスコミなどでもこの学校のことが報じられたので、ご存知の読者もいるだろう。
このような順法精神のない会社の社長が理事長を務める学校で、まともな教育ができるのだろうか?甚だ疑問に感じざるを得ない。