時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

コンビニ、タクシー強盗急増!雇用悪化が引き金?

2009年01月29日 | 経済問題
コンビニやタクシーをねらった強盗の認知件数が景気悪化が顕著になった昨年9月以降、急増していることがわかったという。
少額の現金しかないコンビニやタクシーをねらった強盗は、「ハイリスク・ローリターンで、経済的に追いつめられた者による場当たり的犯行が目立つ窮乏型犯罪」とされ、警察庁は、雇用環境の悪化が引き金となった可能性もあるとして、雇用情勢と治安の関連などについて慎重に分析、研究を始めたと報じられている。
警察庁によると昨年、全国の警察が認知したコンビニ強盗は611件で、2007年(544件)を大きく上回った。コンビニ強盗の認知件数は平成16年が812件、17年が664件、18年が610件と減少が続いていた。
昨年は特に9月以降の増加が顕著で、1ヵ月当たりの平均認知件数では1~8月が46.3件だったのに対し、9月以降の4カ月は60.3件と3割増だった。
また、同期間のタクシー強盗の認知状況をみると、1~8月では1カ月平均の認知件数は14.4件だったのに対し、9~12月は20件と増加した。
コンビニ、タクシーに路上強盗なども含めた強盗全体の認知件数でも、1~8月の月平均が338.9件だったのに対し、9~12月の平均は392件だったという。
以前にも指摘しておいたが、景気悪化でこれだけ失業者が増えてくると、一般的に、犯罪件数は増え、治安の悪化につながる。
失業し、蓄えも底をついたら、人間はどうするだろうか?
先日、アパートの家賃を滞納した住人を訪問したら、冷蔵庫などにも何もなく、餓死していたというニュースに接したが、こういう道を選ぶ人は少ないだろう。
どうしても困ったときには、行政を含めて誰かを頼るか、もしくは、犯罪に走るしかない。
多くの人は、行政を含めて、さまざまな人たちに相談し、活路を見出すのだろうが、相談できる家族や友人がいなければ、残念なことであるが、万引き、窃盗、強盗などに走ることになる。
雇用情勢と治安の関連について分析、研究するとのことだが、研究などしなくても、関連は明らかであろう。
そんな研究に無駄な経費と時間を使うくらいなら、失業対策をもっと充実させるとともに、失業者が気軽に相談できるような窓口をいたるところに作ることが大切であろう。

スポーツっていったい?

2009年01月28日 | 社会問題
先日の日曜日は、大相撲の千秋楽であり、大阪国際女子マラソンが行われた日であった。
両方とも、(どういう結末が待っていたとしても)とても楽しみにしていたのだが、結果はとてもガッカリした。
結末にガッカリしたのではない。優勝者の品性のなさにガッカリしたのである。
女子マラソンでは、渋井陽子が優勝した。
30キロ過ぎにスパートし、独走態勢になってから、どうも嫌な予感がしたのだが、ゴール後に飛び跳ねる姿が、本当に「品格」がない。
来年の世界選手権に、日本代表として、恥ずかしくてとても送り出せない。
もともと、奔放な性格のためか、品のない言葉遣いや態度がたびたび報道されていたので、少し心配していたのだが、しばらく優勝から遠ざかっていたし、少しは謙虚な対応をするのかなと期待していたら、見事にその期待が裏切られた。
さて、大相撲の朝青龍については言わずもがなである。土俵上でのあのガッツポーズ、何とかならないのだろうか。品格の欠片もない。
もし優勝決定戦で破れて、最終的に優勝できなかったとしても、ケガを克服して、よく頑張ったと、賞賛の拍手が送られるところだろう。
ましてや、決定戦に勝っての優勝である。もっと賞賛を浴びたはずであろうが、如何せん、土俵上でのあの「ガッツポーズ」である。
スポーツを通じて、この連中は何を得ようとしているのだろうか。
強ければ、少々素行が悪くても許されると思っているのだろうか?
有名になれば、それで良いと思っているのだろうか?
少し立ち止まって、スポーツに取り組む意味を考えてもらいたい。

中谷巌氏の「懺悔の書」

2009年01月27日 | 経済問題
三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長の中谷巌氏が、昨年末に「資本主義はなぜ自壊したのか」という著書を出版した。
中谷氏は、小泉「改革」のブレーンであり、日本において、新自由主義、市場万能主義を徹底的に推し進めてきた人物である。
その同氏が、この著書を出版した理由を以下のように述べている。
「その意図は、国の方向性は市場参加者の意図が反映される「市場メカニズム」に任せるべきだという「新自由主義」的な考え方で進んできた日本の「改革」路線では、日本社会の良いところが毀損していくのではないか、マーケットだけでは日本人は幸せになれないのではないかという疑問を率直に示すことにあった。」
そして、「「なんでも市場に任せるべき」「国がどうなるかは市場に聞いてくれ」という新自由主義的な発想に基づく「改革」は、無責任だし、危ないのではないかということを強調したかった」と述べ、「平等社会を誇っていた日本もいつの間にかアメリカに次ぐ世界第2位の「貧困大国」になってしまった。そのほかにも、医療難民の発生、異常犯罪の頻発、食品偽装など、日本の「安心・安全」が損なわれ、人の心も荒んできたように見える。これを放っておいてよいのかという問題意識である。」と述べている。
そして、「新自由主義的改革においては、「個人の自由」を「公共の利益」に優先させ、あとは小さな政府の下、「市場にお任せ」すれば経済活性化が可能になるという考え方をとるが、それが上記のようなさまざまな副作用を生んでしまった。したがって、「改革」は必要だが、それはなんでも市場に任せておけばうまくいくといった新自由主義的な発想に基づく「改革」ではなく、日本のよき文化的伝統や社会の温かさ、「安心・安全」社会を維持し、それらにさらに磨きをかけることができるような、日本人が「幸せ」になれる「改革」こそ必要であると考えたわけである。」と書いている。
なかなか立派な文章である。
同氏のように、積極的な「改革」推進者が、自らが推進した「改革」の誤りを率直に認め、自らが「懺悔の書」と呼ぶべき本を出版した意義は大きい。
100年に1度と言われるような金融危機に見舞われている時に、未だに「まだ改革が足りないからだ」といった主張をする恥知らずな元大臣、経済学者や評論家が多い中で、自らの主張の誤りを認めた態度はりっぱであろう。
そして、当面の取り組みとして、「とりあえずは、「貧困大国」の汚名を返上する改革が必要だろう。底辺を底上げし、貧困層が社会から脱落していくのを防ぐこと。このことが重要なのは、「日本の奇跡的成長の原動力であった中間層の活力を回復しないと日本の将来はない」と考えるからである。日本が富裕層と貧困層に2分されてしまえば、社会は荒み、日本の良さが失われるだろう。」と述べている。
編集長も中谷氏のこの提案に賛成である。
同氏が、小泉「改革」の推進者として単に「懺悔」に終わらせるのではなく、「改革」の犠牲者に芽を向けた積極的な提案を期待したい。

派遣から正社員の首切りに着手

2009年01月26日 | 経済問題
この1ヶ月くらいの間に希望退職やリストラを発表している企業だけで、みずほインベスターズ、近鉄百貨店、三洋電機、三井金属、ソニーなどが名を連ねている。
また、倒産によって、やむなく職場を追われる労働者も増えている。不動産、建設業界だけでなく、サービス業などにも広がっている。
その結果、派遣切り、期間雇用者の雇い止めだけでなく、正規雇用者にも雇用破壊が進んでいることを物語っている。
絶えず創意工夫を重ねることもなく、企業努力もせずに、ただ漫然と営業してきた企業は、市場から退場せざるを得ないわけだが、それは企業経営者の責任であり、労働者の責任ではない。
倒産した企業をみると、営業店舗を増やすための経費負担が企業の体力を奪い、多角経営の失敗など、いわゆる経営判断を誤ったというケースも多い。
一方で、まだ体力のある企業が、「未曾有の経済危機」、「派遣切り」などの風潮に便乗して、希望退職を募り、リストアを断行している感も否めない。
正社員の首切りは、それこそ、景気を落ち込ませることになる。
一企業としては、良かれと思って人件費削減を行うわけだが、日本を代表する企業が一斉にこれをやり始めれば、失業者があふれ、景気の底が抜けてしまうことになりかねない。そうなれば、企業業績はますます悪化し、悪循環に陥る。
アメリカ発の経済危機の中で、外需頼みの経済はダメだということが明らかになり、内需の拡大が声高に叫ばれているが、国内景気の浮揚に焦点を当てなければ、企業も存続できないことを自覚すべきであろう。
経済界としても、ここで踏みとどまらなければ、という気概を発揮すべき時だろう。
ただ、こういうことは、企業任せにしたのでは仕方がない。企業による安易な解雇を許さない規制が必要であろう。

「働き方の多様化」という言葉の欺瞞

2009年01月25日 | 社会問題
派遣切り、期間労働者の雇い止めの記事が、新聞の紙面を賑わしているが、この中によく「働き方の多様化」という言葉が出てくる。
窮屈な正社員ではなく、働きたい時に働きたい、短時間だけ働きたい、といった要望があることは事実だろう。
しかし、労働者の3人に1人、若年労働者の場合は2人に1人が派遣労働者という事態は、けっして労働者側の希望ではあるまい。
正社員の募集を極端に減らし、派遣労働者、期間労働者、業務請負で埋め合わせをしてきた企業側に大きな問題があることは明らかではなかろうか。
その背景には、労働者派遣法の「改正」によって、企業に嵌められていた雇用義務のタガがはずされたことに問題があるが、それを最大限に活用して、人件費削減による貪欲なまでの収益確保を図ってきた企業にも大いに責任がある。
職を求める労働者に対して、十分な数の正規社員の椅子を用意せず、そこにあるのは、派遣社員、期間労働者、請負業務の椅子しか用意されていないのが実態だったのではなかろうか。
「働き方の多様化」ではなく、労働者に対する「働かせ方の多様化」というべきであろう。しかもこの「多様化」の中には、「正社員」という椅子は用意されていなかったということだ。
このような働かせ方は、日本の衰退を加速させることになるに違いない。

日銀が2009年の成長率を修正

2009年01月24日 | 経済問題
日銀は、昨年10月末に示した2010年度までの「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の中間評価を公表した。その結果、経済成長率は、2008年度がマイナス1.8%(従来予想プラス0.1%)、2009年度がマイナス2.0%(同プラス0.6%)に大幅に下方修正した。いずれも過去最悪となった1998年度(マイナス1.5%)を下回るマイナス幅となる。
消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く)も2009年度がマイナス1.1%(同0.0%)、10年度がマイナス0.4%(同0.3%)を見込んでおり、日本経済はデフレ的状況に陥る可能性が高まってきた。
白川総裁は、「10月末以降、新興国を含めた海外経済が大幅に減速し、日本経済を取り巻く情勢に大きな変化があった」と、前回予想から3カ月足らずで大幅な下方修正に至った理由を説明したという。
振り返って見ると、バブル期には多くの国民が高価な物に群がり、消費に狂った。バブル崩壊後は、物価は安くなったが、国民は極端に消費を控えた。
こう見てくると、世間の動きと反対に行動していると、「うまい汁」が吸えるのかもしれないという気がしてきた。
物価が高騰していたバブルの頃にはあまり消費をせず、しっかりお金を溜め込んでおき、バブル崩壊で価格が暴落した土地や美術品などを買い込んでおけばよかったのかもしれない。
ここ数年間ブームになった外貨購入、為替投資も無視して、今の円高の時を待って購入すれば良かったのかもしれない。
世間がこぞって、貯蓄をしている今こそ、安くなった物を買い、投資を行うのがよさそうである。外貨を買うのも今だ。
日銀の予測によれば、これから物価は下がるという。とするならば、確実に収入のある人は、いままで欲しくても高くて買えなかった物などをこの機会に入手しておくのがよいだろう。
人が消費を控えている今こそ、消費に走るのがこの時期に取るべき行動であろう。
そうは言っても、これから収入が減るかもしれない、リストラに会うかもしれないといった漠然とした不安があって、消費に走れないのが実情だろう。
しかし、生活に困らないほどの大金を持っている人たちにとっては絶好の大量消費のチャンスであることは間違いない。日本の景気の牽引車として、しっかり消費して欲しいと思っている。
さて、読者の皆さんは、これからどう行動されますか?

中学生による2つの暴行事件

2009年01月23日 | 社会問題
見ず知らずの同年代の少女らへ暴行を繰り返したとして、傷害容疑で八王子市立中学3年の女子生徒2人が逮捕された。さらに、同容疑で同市立中学の1~2年の女子生徒3人も児童相談所へ送致、通告するという。
記事によると、リーダー格の女子生徒(14歳)は「両親が離婚して私は不幸。金持ちはむかつく。かわいい服や私立中の制服を着た幸せなやつは許せなかった」「八王子駅周辺で、1年間に10人ぐらいボコボコにした」と話しているという。5人は遊び仲間で、うち3人は両親が離婚しているという。
また、こういう記事もあった。
「面打ち」と称して通行人を傘で殴ったとして、埼玉県川口市の市立中学3年の男子生徒8人(14~15歳)を傷害と暴行の疑いで逮捕したと発表した。
この記事によると、生徒らは2008年12月23日夜、同市の市道などで、自転車に2人乗りして通行人に近づき、通行人の男女5人(26~55歳)の頭や顔を傘で殴った疑い。4人が首やあごなどに軽傷を負った。
8人は遊び仲間で、2008年8月頃から同様の犯行を繰り返し、「被害者のリアクションが面白かった」などと供述しているという。

他人への暴行という行為を、この中学生たちはどのように感じているのだろうか。
おそらく、何も感じないで、感情のおもむくままに犯罪を続けてきたのだろう。暗澹たる思いがする。
前者の記事では、両親の離婚とそれに伴う貧困などが、思春期の少女に相応の影響を与えたと考えられるが、そのような不幸の上に、さらに暴行、逮捕という不幸が付け加わったことをこの少女たちは、はたして今どのように感じているだろうか。
後者の記事では、愉快犯と言ってもいいかもしれないが、まったくふざけた連中である。
ただ、両者とも、自分たちよりも弱い立場の人間を選んでこういう行為を繰り返していたと思われる。その点も情けない限りである。
親の世代が、子供に目をかける、手をかける時間が失われていることにも問題があるのだろうが、仲間の中で、馬鹿げたことは止めようという者は一人もいなかったのだろうか。
社会に背を向けて生きていると、いつかは社会から疎外されることを自覚しておくべきであろう。
世界的な不況の中で、親の世代も生きていくのが精一杯になっていくことだろう。こういう類の犯罪が今後、社会の中で増えていくことを危惧するものである。

消費税据え置きなら、基礎的財政収支今後10年赤字?

2009年01月22日 | 政治問題
内閣府は自民党の政調全体会議で、今後10年間の国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の見通しについて新たな試算を盛り込んだ「経済財政の中長期方針と10年展望」を示し、了承された。
政府の財政再建目標である基礎的財政収支の黒字化について、世界経済が今後順調に回復し、消費税率を10%に引き上げた場合は2018年度に達成できるが、消費税率を現行の5%のまま据え置いた場合は2018年度も7兆円の赤字で、今後10年間は目標を達成できないとの試算を示した。
「10年展望」は当初、基礎的財政収支について、2011年度から5年間、毎年1%ずつ消費税率を引き上げることを前提とした試算だけを示していたが、自民党内から「消費税を引き上げる想定での試算だけを示すのは適当ではない」との批判が相次いだため、消費税を上げない場合の試算も示すことにしたという。
しかし、未だにこんな議論しかできないのか、とあきれてしまった。
「消費税を引き上げる想定での試算だけを示すのは適当ではない」と思っているのなら、それ以外の税金を含めて、幅広く試算するのが当然ではないか。
以前から、たびたび指摘しているが、消費税は、低所得者に負担の重い最悪の税金だ。所得のない子供にまで税金をかける点を見ても、この点は明らかである。
税金は、お金のあるところから取り、お金のない所に使うことが大原則である。税金による所得の再配分機能である。
とすれば、高額所得者への所得税の課税強化、大企業などへの法人税の課税強化を真っ先に行うべきである。また、贈与税や相続税の課税強化も当然である。
また、年内には政権の座から滑り落ちることがほぼ確実な現在の内閣と政権与党が、「10年後の展望」を語る資格があるだろうか?
国民に日本社会の明るい「展望」を語れないからこそ、政権から滑り落ちようとしているということに、未だに気づいていない、救いようのない自民党、公明党の姿をこのニュースに感じたのは編集長ばかりではあるまい。

派遣切り失業者の再就職:求人とのミスマッチも

2009年01月21日 | 経済問題
「派遣切り」や「雇い止め」に遭った人たちの再就職先がなかなか決まらないらしい。
年齢や資格が壁となっている事例も報道されている。
「経験不問」の職場に電話したこともあるが、まず聞かれたのが年齢で、「43歳」と告げたとたんに断られたそうだ。
慣れ親しんだ職種への「こだわり」や、新しい職種への「とまどい」もあるようだ。3月までに職を失うと見込まれる派遣社員や期間従業員らは(少なく見積もっても)約8万5千人。求職と求人のミスマッチ克服が課題となっている。
求人を見ると、資格や経験が重視されるIT技術関連、介護関連などは3倍以上となっているそうだが、今回、首切りの対象になっているのは、こういう職種ではなく、製造現場での派遣、期間労働者である。
機械を相手に、黙々と作業をしてきた労働者に、突然、人間を相手にする接客や営業、介護、特殊な技能を有するIT技術関連などの職種に就けと言っても、かなり難しいのではなかろうか。
人見知りするタイプで、コミュニケーションが苦手な労働者もいることだろう。これといった資格がない労働者も多いだろう。
体力の有無により、肉体労働が苦手、あるいは肉体労働であれば、という労働者もいるだろう。
こういう労働者に対して、「贅沢を言っている場合ではない」、「こだわっている場合ではない」などと責め立てても、問題はけっして解決しない。
人それぞれ、得手不得手もあり、おいそれと職場を決めることもできないだろう。
また、再び、派遣や期間が限定された職に就くことに抵抗を感じる労働者もいるに違いない。
求人と求職のミスマッチという事態に対して、政府や自治体も職業訓練、農林業などの新しい分野の紹介などさまざまな対応が必要ではなかろうか。

「定額給付金撤回を」財政審が異例の反対意見

2009年01月20日 | 政治問題
財務相の諮問機関である財政制度等審議会は、2008年度第2次補正予算案に盛り込んだ2兆円規模の定額給付金について、支給を取りやめ、予算を他の使い道に回すよう検討すべきだとする意見で一致した。
政府の審議会が国会に提出済みの予算案の内容に反対を表明するのは極めて異例で、今後の国会審議にも影響を与えそうだ。
この日の財政審では、定額給付金について「景気刺激効果はほとんど期待できない」「こうしたバラマキをしていては財政が持たない」といった声が相次いであがり、政府に見直しを求める意見が大勢を占めた。
終了後に記者会見した西室泰三会長は「定額給付金の2兆円の使途について、ぜひとも考え直してもらいたいという意見でほぼ合意した」としたうえで、「与野党でよく話し合い、できれば(使い道の)代案を考えてもらいたい」と述べたという。
政府の審議会でさえもサジを投げるような「定額給付金」に対して、今後、政府や自民・公明はどのように対応するのだろうか。
最初にこれを提案した公明党などは、面目が丸つぶれであるが(もともと面目も何もない無能政党であるが、)、それでもまだ、この愚策にしがみつくつもりだろうか?
編集長を含めて、多くの国民も「くれるならもらっておこう給付金」といった程度で、別に受け取りは拒否しないが、4人家族で4~5万円の給付では、生活支援にもならないだろう。住むところもなく、今日、明日の食事の心配をしなければならないような人たちには、給付金は届かず、仮に届いたとしても、この金額ではアパートも借りられず、食費に充てたとしても1万円あまりでは1週間分にもならない。
景気刺激にもならないことも明瞭である。
もともとは国民から巻き上げたお金を多少戻すだけのことである。
こういう一時しのぎの政策ではなく、最初の一撃が次の動きを刺激するようなお金の使い方をしなければ、景気対策にはならないだろう。
2兆円のほんの一部で、「派遣村」を全国各地に作り、失業者の生活の立ち直りを助け、立ち直った人たちが継続して、多額の消費を生むだろう。なぜそういう所に、国民の税金を有効に使わないのだろうか。
政府、自民・公明がいかに国民の意識からかけ離れ、ただ単に、自己満足、自己陶酔によって政治が翻弄されていることを物語る出来事である。
麻生内閣も、「自民党最後の内閣」として、恥ずかしくない政策を実行してもらいたいものである。

名古屋市の支援施設、「派遣切り」失業者らで満員に

2009年01月16日 | 経済問題
名古屋市で、「派遣切り」などで住まいを失った多数の失業者らが区役所を訪れて市の受け入れ施設への入居を希望、市の用意した一時保護所や民間宿泊施設など約820人の定員が満員になった。失業者を支援する市民団体は区役所の講堂開放などを求めているが、市側は難色を示している。同市の中村区役所には失業者らが次々と相談に訪れ、正午前には施設の満員を伝える紙が張り出されたという。
しかし、首を切ってこれだけの(氷山の一角であるが、)失業者を生み出したトヨタの幹部は、この記事をどのような気持ちで見ているのだろうか。
派遣社員をこき使って溜め込んだ17兆円にも及ぶと言われる内部留保にはいっさい手を付けず、配当を削ることもせず、派遣労働者を住まわせていた寮を解放するなど、最小限度の責任を果たす意思もないようだ。
こういう行為を平気で行える神経は、もはや人間のそれではない。
トヨタの経営者の連中は、鏡に自らの顔を映して見るが良い。今では醜い化け物になっていることだろう。

トヨタ:経営陣もどうしようもないが・・・。

2009年01月15日 | 経済問題
トヨタ自動車は、2~3月に国内全12工場で操業停止する計11日間のうち、2日間を「休業」とし、この日の賃金を2割カットし、残りの9日間は、出勤して別の作業をする「非稼働出勤日」もしくは、「有給休暇」として扱い、賃金を全額支払うという。対象は期間従業員を含む約3万5千人だそうだ。
この会社側の提案に対して、組合側もすでに大筋で同意しており、来週初めにも正式に受け入れを決める見通しだという。
おかしな話ではないだろうか。
組合側は、今年の春闘で、4000円のベースアップを求めている。にもかかわらず、休業した2日分の賃金の2割削減に応じるというのはどういうことだろうか。
今後数年間、自動車業界の売上げが落ち込むことは目に見えている。にも関わらず労組が賃上げを求めているのは、今までの溜め込んだお金、内部留保を期待してのことだったのではないのだろうか。もしそうだとしたら、2日程度の休業補償くらい、会社の責任で支払えと要求するのは不当な要求だろうか。極めて正当な要求であろう。
そもそも、経営者として、経済の先行きや自動車の売上げ予測さえまともにできなかったことを真っ先に反省すべきではないのか。これを怠った上に、真っ先に労働者にしわ寄せするというのはとんでもないことである。
トヨタの部長級の幹部2200人が、トヨタの自動車を購入することを自主的に決め、社員にも呼びかけているという。驚いたことに、労働組合もこの取り組みに賛同しているというからあきれるほかはない。
中には、バカな話に付き合わされてウンザリしている人も相当いるに違いない。
そんなことよりも、トヨタで働く期間労働者、派遣労働者にも、トヨタの車が買えるように、首切りをやめ、正社員化し、適切な給料を支払うことがよほど重要だ。
そうすれば、もっと売上げに貢献するだろう。輸出頼み、外需頼みが、今回の日本の経済危機の最大の原因である。内需の拡大のために、まず「世界のトヨタ」が、内部留保を取り崩し、配当を減らして、これによって得た原資を用いて、首切りを撤回し、労働者の賃金を増やすなどの模範を示すべきである。
トヨタの一連の動きを見ていると、経営陣のお粗末さもさることながら、幹部社員や労働組合もどうしようもない連中ぞろいという気がした。

二次補正案、衆院で強行採決

2009年01月14日 | 政治問題
与党は、衆議院で第2次補正予算案を強行採決した。
与党には、数を頼んでの強行採決以外に、打つべき手が残されていないのは確かだが、あまりにも横暴である。
新聞各社の世論調査によると、麻生内閣の支持率は昨年12月からさらに低下し18~20%となり、逆に、不支持率は大幅に増えて、70-75%となった。歴代の内閣支持率と見比べて見ても、「歴史的な数字」であることは間違いない。
また、補正予算の目玉である総額2兆円の定額給付金についても、「支給を取りやめて、雇用や社会保障など、ほかの目的に使うべきだ」との意見に賛成と答えた人は約80%に達しており、支給に賛成する意見は20%足らずに過ぎない。
にもかかわらず、第二次補正予算を強行採決したというのは、信じがたいことである。
数さえあれば、どんな横暴なことでも許されるということであろうか。
内閣あるいは政策に対する支持率が低いということは、国民から支持されていないことの反映である。国民の意思を無視して、支持されてもいない政策を強引に推し進めようとするのは、この内閣が民主主義の基本さえ理解していない証左というべきであろう。
行き着くところまで行って、解散総選挙をせざるを得ないところまで追い詰められるのだろうが、自民党最後の政権としてあまりに惨めな姿ではなかろうか。
ところで、渡辺氏の離党に続き、予算案採決時の松浪政務官の造反がマスコミで取りざたされているが、こういうのは、単なる人気取り、地元の有権者に対するポーズでしかない。どのように行動すれば、自らの保身が図れるのか、それを考えての行動にすぎない。惨めとしか言いようがない。

経団連会長のワークシェアリングに要注意

2009年01月13日 | 経済問題
経団連の御手洗会長が、最近しきりに「ワークシェアリング」が必要などと言い出した。
派遣社員や期間雇用者の首切りなどで非難を浴びている時期なので、御手洗会長も少しは反省して、雇用の創出を考えているのかなと思うと大きな間違いである。
経団連のいう「ワークシェアリング」とは、人件費の総額はそのままにして、正規雇用者の賃金を引き下げて、それをヒ正規雇用者の待遇改善に当てようとするものである。
要するに、役員給与や配当、内部留保にはまったく手を付けずに、正規と非正規のそれぞれの労働者の人件費の差をなくそうとする企みである。
大企業の経営者としてあまりにもお粗末ではなかろうか。
最近の雇用問題の中で、一部の論者から、正規労働者が高給を得ているので非正規労働者の待遇が改善されない、といった意見も出ているが、こういう論議は、結局のところ、正規と非正規の労働者を対立させ、非正規雇用者の大量解雇を行っている本当の「極悪人」である企業の責任をアイマイにしてしまう議論である。
政府、自民党は、今までにも、女性差別の問題では男性と女性の対立を利用し、高齢者の介護、医療費を巡って若者と老人の対立を煽ってきた。都市と地方の対立、教師と父母の対立など、場面、場面でさまざまな対立を作り出して、事態の本質を国民の目から覆い隠そうとしてきたが、今回ばかりは、騙されてはなるまい。
大企業が、その社会的責任を果たして、必要な経費、人件費を負担するように、法律あるいは行政指導により、さらには、国民世論の高揚によって、実行させていくことが必要であろう。

派遣法改正「止められず申し訳なかった」広島労働局長が謝罪

2009年01月08日 | 政治問題
厚生労働省広島労働局の局長が、広島市で開かれた連合広島の旗開きであいさつし、製造現場への労働者派遣が解禁された2004年の労働者派遣法の改正について、「改正を止められず申し訳なかった」と謝罪したそうだ。
この局長は「もともと問題があると思っていた。市場原理主義が前面に出ていたあの時期に、誰かが職を辞してでも止められなかったということは、謝りたいと思っている」と述べたという。
1999年の「改正」から2004年の「改正」まで、与党だけでなく、民主党や社民党も双手を上げて賛成してきた。もちろん、連合も「働き方の多様化に応えるもの」と絶賛して賛成してきた。
国会ではわずか数%の議席しかない共産党が反対しただけだった。
小泉「改革」という名の市場原理主義の乱暴な導入に多くの国民が騙されつつ踊った時期でもある。
いま、厚生労働省の地方幹部が、そのことについて反省の弁を述べた意義は大きい。
労働者派遣法を、1999年以前に戻すことこそ国民の願いであり、正論であろう。