時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

見えない国会論戦

2007年11月29日 | 政治問題
会期が延長された国会だが、一体何をやっているのか、さっぱりわからない。
新テロ対策特別措置法が衆院で可決されたが、額賀元防衛相と軍需企業との癒着が問題となり、守屋事務次官の逮捕が騒がれているだけで、国会は開店休業の状態である。
舞台は参院に移っているが、大いに論戦をしてもらいたい。
自民党には政権を任せておけないという国民の審判を受けて、ねじれ国会と言われるような、ある意味では緊張感のある国会運営を期待していたのだが、野党第1党の民主党もその有利な状況を生かしきれていない。
国会では何が議論されているのか、国民にはまったくわからない。
年金問題はどのように進んでいるのだろうか。最近のガソリン、灯油高に政府はどのように対応するつもりなのだろうか。北朝鮮を含む外交問題も頓挫したままだ。政治とカネ問題も次々と噴出しており、解決する見通しもない。
参院選で問題になったこういう諸問題に関する議論や解決の方向は未だに見出せないままである。
こういう状況を招いた一因は民主党にある。
あの自民、民主の「大連立」構想以来、民主党はゴタゴタしたままだ。当の小沢代表は「間違っていなかった」と未だにまったく反省の様子はなく、その一方で、民主党の幹部は「連立などはとんでもない」と意気込んでいる。
この政党も、あと数年すれば、解体し、再編成され、その際には、多くの議員が自民党に合流し、自民党政治の延命のために利用されることになるのだろう。
参院選での民意を思い起こして、国会での真摯な議論を期待するものである。

JAL労働組合が会社に個人情報を提供

2007年11月28日 | 社会問題
日本航空インターナショナルの客室乗務員ら194人と労働組合「日本航空キャビンクルーユニオン」は26日、日航の最大労組「JAL労働組合」が乗務員の個人情報リストを無断で作成してプライバシーを侵害したとして、同労組と日航インターナショナルなどを相手取り、計約4800万円の賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
原告らは提訴後、東京都内で記者会見。女性乗務員は「勤務査定のための面接で上司に説明した内容がJAL労組作成の個人情報リストに記載されていた。自分の説明と異なる事実無根の記載もあった」という。
訴状によると、JAL労働組合は1996年以降、約9000人の乗務員について「シングルマザー」「バツイチ」など家族関係や離婚歴、思想・信条などを記載した個人情報リストを作成。会社側の管理職から情報入手していたという。乗務員らは慰謝料などとして1人当たり22万円を請求。同ユニオンは日航インターナショナルによる団結権の侵害があったとして、550万円を求めているという。
今回の事件は単なる情報漏えい事件ではない。
労働者の権利を守るべき労働組合がその張本人であることだ。JAL労組は、基本的には「労使協調路線」を採用しており、会社と一体の組合と言われている。「連合」に加盟しており、民主党一党支持の押し付けを行っていることも良く知られている。
このような「御用組合」のあり方に疑問を持つ労働者たちは、別に組合を作っている。その数は7つあると言われている。
7つの組合にどのような違いがあるのかはわからないが、少なくとも、労働者の個人情報を会社に提供するような異常な団体ではなさそうである。
「労使協調路線」を採る、いわゆる「御用組合」は圧倒的に連合傘下に多い。
民主党が自民党と大連立しようとしたのと同じように、連合系組合は、企業と一心同体の活動を行っている。
組合の専従を何年か務めれば、そのまま、労務担当の取締役になれるような組合に労働者の暮らしや権利を擁護できるわけがない。
今回の事件を通して、本来の労働組合のあり方や一般の団体の政党支持のあり方についても考えていただきたいと思っている。

物騒な世の中

2007年11月27日 | 社会問題
日本も物騒な世の中になったものだ。ネットで配信されている殺人、強盗などの記事をピックアップしただけで相当な数になる。
単に犯罪者の個人責任というにとどまらず、生活難や各種のストレスなど、犯罪を誘発する要因も増えているのだろう。
記事からいくつか拾って見よう。
1)香川県坂出市の女性(58歳)と、2人の孫(5歳と3歳)が行方不明になっている事件で、事件に複数の人物がかかわっている可能性もあるとみている。事件から10日が経ったが、目撃証言も少なく、捜査は難航しているようだ。一刻も早い解決を祈りたい。
2)佐賀県武雄市での入院患者射殺事件で逮捕状が出ていた暴力団組員が逮捕された。人違いか何か知らないが、簡単に人が殺せる神経はどうかしている。やや古い事件だが、犯人が逮捕されて本当によかった。暴力団の撲滅の重要性を再認識させてくれた事件だった。
3)栃木県芳賀町では23日夜に民家2棟が全焼し、主婦(53歳)の焼死体が見つかり、殺人と放火の疑いで、夫の1級建築士(53歳)を逮捕したという。男は容疑を認めており、「妻に不満があった」などと供述しているという。
4)26日午前3時ごろ、三重県菰野町宿野のファミリーレストランで、店長の女性(29歳)がカッターナイフのようなもので男に脅され、現金十数万円を奪われたと、警備会社を通じて県警に通報があった。
5)26日午前7時35分ごろ、北海道函館市北美原の住宅玄関先で、この住宅に住む会社員の女性(23歳)が突然現れた男に刃物で首や胸などを刺され、病院に運ばれたが間もなく死亡した。犯人の男(22歳)は大学時代の同級生だったという。
6)26日午前8時45分ごろ、兵庫県川西市で。「息子が暴れている」と110番通報があった。警察官が駆けつけたところ、妻(70歳)が包丁で首を刺されて倒れていた。次男(43歳)が刺したことを認めたため、殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。
7)26日午後0時20分ごろ、大阪市中央区南船場の大阪南船場一郵便局に男が押し入り、女性客の首に包丁を突き付け、人質に取って金を要求し、140万円を奪い、女性を解放し、自転車で逃走。同郵便局員1人が追跡、通行人ら2人も加わって追いかけ、約100メートル離れた路上でもみ合いになり、次々と刺された。男はさらに約100メートル逃走、市営地下鉄長堀橋駅構内に入り、電車に乗り込み、乗客を人質に取ろうとしたが、通報で駆けつけた警察官に取り押さえられ、強盗で現行犯逮捕された。
たった1日でこの始末である。
これ以外にも、レジの女性が見知らぬ若い女性に切りつけられた事件なども起きている。仕事でムシャクシャしていたことが犯行動機らしいが、こんな理由で刺されてはたまらない。
岩国では、イノシシに襲われて主婦がケガをしたというニュースがあったが、人間の愚かさに比べると、イノシシがかわいく思えるから不思議である。

日本のバレーボール、これでいいのか

2007年11月26日 | 社会問題
男子バレーボールのワールドカップが行われている。
女子の結果は6勝5敗で、まぁそんなものかと思ったが、男子も初戦のチュニジア戦をフルセットの末に落とし、現在は実力どおりの3勝3敗である。
さて、柳本ジャパンとか、植田ジャパンなどと騒がれているが、日本のバレーボールの実力と言うのはどの程度なのだろうか?
最近の世界ランクによると、女子は7位、男子は10位というが、試合内容をみていると、どうもそれほどのレベルではない。もっと低いのではなかろうか。
とてもオリンピックでメダルを狙えるようなレベルではない。
にもかかわらず、ワールドカップで3位以内の入賞を目指して、いかにもオリンピックの出場権を得て、オリンピックでもメダルの期待がかけられているのは、マスコミの過剰報道以外の何物でもない。
試合開始前のセレモニーでは、ジャニーズのわけのわからない歌とダンスが披露され、1人1人の選手にも、聞いているほうが赤面してしまうようなニックネームが付けられている。選手にもいい迷惑ではなかろうか。
フジテレビが報道してくれるお陰で、バレーボールの試合をテレビで見られるということは良いことであるが、あのお祭騒ぎはいただけない。
選手たちも、特に女子選手はマスコミ(フジテレビだけだが、)のバラエティ番組にまで出演し大はしゃぎで、とてもオリンピック出場をかけてたたかおうという気迫や気概は感じられない。
また、野球やサッカーなどでは、1、2年で結果が出せないと、監督の進退が問題になるが、柳本、植田両監督も、どういうわけか何年も居座ったままだ。監督としての指導力や采配がそろそろ問われても良い時期ではなかろうか。
どのスポーツもそうであるが、試合には流れが存在する。バレーボールでは、たとえば、3点くらい連取されるとタイムを要求することが多い。しかし、3点連取されてタイムを取ることくらい、ズブの素人にでもできる。監督に求められるのは、3点連取されそうだという悪い流れをいち早く読み取り、その前にタイムを要求し、悪い流れを早めに断ち切ることだ。
そういう観点で試合を見ていると、どうも両監督とも素人の域を出ていないと思われる。
男子のチュニジア戦だったと記憶しているが、5セット目に日本に流れが傾き始めた時に、チュニジアの監督がすばやくタイムを取り、再開後に日本が1点を取ると、すかさず2回目のタイムを要求し、悪い流れを立て続けのタイムで断ち切り、5セット目を奪取した。見事な采配だと感心した。個々の選手やチームの実力が接近している場合、勝敗のカギは、監督の采配にかかってくる。
さて、ワールドカップに参加している選手たちは、いずれも優秀なアスリートたちばかりであろう。普段は企業で働きながら、地道に練習を重ねて来たわけで、心から敬意を表したい。
だからこそ、マスコミもバカ騒ぎではなく、選手の置かれた境遇に焦点を当てて、真摯な態度で精神的にも財政的にも応援ができるような環境作りに取り組むべきではないかと思っている。
少なくともフジテレビのバカ騒ぎだけはいただけない。

最近の経済ニュースから

2007年11月22日 | 経済問題
原油価格が、1バーレル当り99ドルまで上昇したと報じられている。
アメリカでは、住宅バブルが崩壊し、サブプライムローン問題が噴出している。日本でも話題になったREITも打撃を受け、日本の銀行、証券会社、保険会社などの機関投資家も大きな損害を被っている。(被害の全てを公表しているとはとても思えないが・・・。)
今度は投資資金が、原油やGoldに流れ込んでいるということなのだろうか。
とすれば、しばらくすればこの原油バブル(?)、Goldのバブルも崩壊し、サブプライムと同様のことが起きるのかもしれない。
投資というのは、機関投資家がまず目を付けて買い上げ、「値上がりしていますよ」などと言葉巧みに庶民のカネを巻き上げ、最後には庶民が逃げ遅れるというのが一般のパターンである。(サブプライム問題では、日本の金融機関も逃げ遅れたわけだが。)
したがって、人が見向きもしない時期に安値で購入してじっと我慢して持ち続けていれば、結構儲かるのかもしれないが、次に何が投資対象になるかがわからなければ意味はない。また、所詮は、庶民の持っている金額程度では大した儲けにはならないだろう。
今回の原油の買い上げでもっとも被害を受けるのは、一般庶民であり、ガソリンや灯油価格の上昇にとどまらず、製造原価の上昇によってありとあらゆる物が上昇に転じている。
「マネーゲームのツケは庶民に」、これが資本主義の原理原則なのだから、まぁこんなものかと、納得せざるを得ないのかもしれない。
さて、このような中で、今年の冬のボーナスの話題が記事になっていた。
それによると、今冬のボーナス支給額は4年ぶりに昨冬より1%前後減る見通しだという。好業績が続く大手企業の支給額は増える見込みだが、原材料の値上がりなどで経営が厳しい中小企業が落ち込むらしい。今年の夏のボーナスも3年ぶりに1.1%減っており、景気回復下で続いた増加傾向が頭打ちになりつつあるとのことだ。
今までの記事の中で何度も取り上げてきたが、大企業は史上空前の利潤を上げているにもかかわらず、中小、下請け企業の単価を切り下げ、非正規雇用の促進で人件費を抑制し続けている。
経済成長、物価上昇に見合う下請け単価の引き上げ、賃金の引き上げを行うべきであろう。
また、政府の財政改革研究会が、2015年度をメドに消費税を10%に増税する方向を打ち出したが、税金を取るところを間違えていることは明瞭だ。消費税増税は、底辺の景気をますます落ち込ませることになるのは目に見えている。
法人税の定率減税の即時廃止、法人税率や所得税の最高税率の引き上げ、贈与税や相続税率の引き上げなど、企業や富裕層が溜め込んだおカネを庶民に回すことこそが求められているのである。

「シャトル」空白期5年に、後継機初飛行は2015年

2007年11月21日 | 社会問題
米航空宇宙局(NASA)のグリフィン長官は、スペースシャトルの後継となる有人宇宙機の初飛行が2015年3月になると議会で証言した、と報じられている。
シャトルの退役後、5年近い空白が生じるため、「その間、国際宇宙ステーション(ISS)へ人間を送れるのはロシアの宇宙船だけ。月には中国が先に到達する」と、危機感をあらわにした。
長官は「技術的には13年9月でも可能だが、予算が足りない」と説明。後継機関連の開発費は現在、年間30億ドル台で推移しているが、同席したNASA幹部は「(完成を)13年に前倒しするには、2009~2010会計年度に計20億ドルの追加が必要」と語った。
一方、シャトルの今後の飛行回数は従来、「最低11回、必要があればさらに2回」とされていたが、長官は「追加の2回も必要。最終飛行は2010年4月になる」と語った。3機のうち、来年に引退予定だったアトランティスを使い続ける方針という。
宇宙への夢は、子供ばかりでなく、われわれ大人にとっても日常の瑣末な出来事を忘れさせてくれるものである。
「予算がない」という言葉は、日本などでもよく耳にする言葉だが、要は、さまざまな政策の中で、どの項目を優先するかという問題にすぎない。
よその国の予算に口を挟むべきではないかもしれないが、イラクやアフガニスタンをはじめ、地球上のありとあらゆる所に強大な軍隊を派遣する余裕があるのならば、せめて、宇宙開発、しかも宇宙の平和利用のためにもっとお金をつぎ込むべきではないのか。
日本もそうだ。海外に自衛隊を送ることには国民の多くが反対しているが、日本人宇宙飛行士が乗り込むスペースシャトルの開発に日本として予算をつぎ込むことには、反対する国民はほとんどいないだろう。
お金の問題ではないのだ。
それぞれの国や世界が、どのような未来図を描いて、何にお金を使うのか、そのことが問われているのである。ないのはお金ではなく、夢を実現する心ではなかろうか。
シャトルの記事に接して、そのことを痛感した。

みずほFG、住友信託銀など、サブプライム損失が拡大

2007年11月20日 | 経済問題
報道は以下のとおりである。
みずほフィナンシャルグループは、傘下のみずほ証券が、米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」関連の投資で損失が拡大するとして、2008年3月期の通期業績予想を下方修正する方針を固めた。連結税引き後利益は、当初予想の7500億円から1000億円前後減少する見通しだ。
一方、みずほ証券と新光証券は、来年1月1日に予定している合併について、合併比率の算定に支障が出るとして、当面延期する方針だ。
みずほ証券は併せて、サブプライム関連の損失処理を進めるとともに、財務体質を強化するため、親会社のみずほコーポレート銀に資本増強の協力を要請することも検討する。みずほ証券は、2007年9月中間決算でサブプライム関連の評価損約260億円を計上した。ただ、10月以降も金融市場の混乱が続いており、サブプライム関連の損失は拡大したとみられている。
また、住友信託銀行は2007年9月中間連結決算で、米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」関連損失が90億円にのぼり、2008年3月期通期では190億円に達するとの見通しを明らかにした。
インターネット専業銀行、イーバンク銀行も2007年9月中間期に18億円のサブプライム関連損失を計上し、税引き後利益が52億円の赤字になった。
サブプライム関連損失の拡大によって、住友信託の2007年9月中間期の税引き後利益は前年同期比41.0%減の377億円と大幅な減益となった。2008年3月期の税引き後利益も5月時点で予想した1200億円から900億円に引き下げた。
マネーゲームに明け暮れた挙句の損失の拡大である。
アメリカの住宅バブルの崩壊は、数年前から囁かれていたわけだから、結局のところ、逃げ遅れたということだろう。
さて、発表された損失額を見ると、「たったそれだけ?」という印象であり、来年にかけても新たな損失を小出しにしながら発表する可能性が高いだろう。証券化された商品の中には、すでに紙切れに過ぎないものも少なくない。
銀行の投資の失敗は、単純に銀行の責任であるが、記者会見した頭取などは、別に給料が減るわけでもなく、まるで能天気な態度だった。
結局そのツケは、預金利率の据え置きあるいは低下、ATM利用制限、利用料の値上げなどサービスの低下となって預金者、利用者に跳ね返ってくるだけである。
経営判断の誤りのツケはすべて国民、利用者に、こういう対応が、資本主義社会の常であり、国民がもっとも嫌悪すべきことであろう。

10億円の寄附

2007年11月19日 | 社会問題
「ふるさとにどーんとビッグな恩返し」という見出しで、神奈川県大磯町の女性(88歳)が米寿の誕生日を迎えた16日に、「教育やスポーツ振興に役立ててほしい」と生まれ育った同県南足柄市に10億円を現金で寄付、市役所で贈呈式が行われた、という記事が話題になっていた。
一般庶民からすれば、それだけのお金があれば、自分ならどのように使うだろうかとか、どうして自分の好きなように使わないのかとか、自治体ではなくお金に困っている団体などに直接寄附した方がよかったのではないかとか、さまざまな気持ちを抱いたことだろう。
10億円という金額は、南足柄市の年間予算の6.7%に相当するというから大変な金額であり、市としても相当立派な施策ができることだろう。
お金を溜め込んで、挙句の果てには、溜めこむことそのものに生きがいを見出すような風潮の中で、なかなかできることではない。世の金持ち連中にも少しは見習ってもらいたいと思うほどである。
夫婦で事業を起こして作ったお金を社会のために使って欲しいという気持ちは大変立派であり、心から敬意を表したい。
しかし、一方でインターネットに載っていた写真を見て、少し幻滅を感じたのも事実である。
10億円を贈呈するのに、なぜ目録のみを贈呈し、銀行振り込みにしないのだろうか。
なぜ、テーブルの上に、これ見よがしに1000万円の束が100個、重さは約100キロにもなるという10億円の現金をピラミッド状に積み上げなければならなかったのだろうか。
これだけの1万円札の「新券」を準備し、何人もの銀行員を使って(おそらく警備員も同行しただろう)トランクに詰めて市役所まで運ばせてテーブルの上に並べるという馬鹿馬鹿しい行為をなぜ敢えて行う必要があったのだろうか。
所詮は、虚栄心を満たすだけの行為だったのではないかと勘繰るのは、貧乏な編集長のひがみなのだろうか。
率直に言って、興ざめする写真だったと申し上げておこう。

来春からの児童手当削減を凍結?

2007年11月18日 | 政治問題
来年4月に予定されている母子家庭を対象にした児童扶養手当の削減について、公明党は、削減の対象者を「健康なのに就労せず、働く意欲もない母親」に限定する方針を固めた。こうした母親は極めて少ないとみられ、事実上の完全凍結に近い内容だ。自民党と最終調整し、今月中に与党案を決めるという
児童扶養手当は、所得に応じて月額9850~4万1720円(児童1人の場合)が支給されているが、2002年度の児童扶養手当法改正で、受給後5年を超える場合、2008年4月から手当を最大半分まで減らすことが、自民、公明両党の提案によって決まった。
母子家庭では、一般家庭の3割台の収入しかないのが現状である。
こういう実態には目をつぶり、手当ての削減を決定しておきながら、参院選で国民の支持がないことに気付くと、掌を返したように、削減凍結を言い出すというのも、まったく節操のない話である。国民の批判があるのがわかっていても、国会で圧倒的多数を握っていることに慢心し、やりたいことをやってきたが、いざ、ねじれ国会になり、次の衆院選でも大幅な議席減が予想されるというので、突然、削減の凍結を言い出したわけである。
このような政党に、日本の進路、未来を任せておけるわけがない。
自民党の場合は、財界、大企業に尻尾を振り、アメリカを最大の同盟国として仰ぎ見るという点で、国民には極めてわかりやすい政党である。一方、公明党は、庶民の味方などと言う一方で、こっそりと児童手当削減を国会で押し通し、旗色が悪くなると撤回するような、猫の目政策しか提案できない政党であり、この意味では自民党よりも悪質な政党である。
国民の多くも、自民、公明両党の本性に気づき始めたことだろう。こういう、人気取りの「児童手当削減」凍結に惑わされないで、次の総選挙では、両党に厳しい審判が下されることを期待している。

来春大卒予定者の就職内定率は69.2%

2007年11月17日 | 社会問題
来春、卒業予定の大学生の就職内定率は、10月1日現在、前年同期を1.1ポイント上回る69.2%となり、4年連続で前年同期を上回っていることが、厚生労働省と文部科学省の調査でわかった。
高校生の就職内定率も9月末現在49.7%と、前年同期より1.3ポイント上昇。厚労省は「景気回復と団塊の世代の大量退職が影響した」と見ているそうだ。
大学生については、全国62大学を対象に調査し、内定者数などを推計した。男子の内定率は70.1%(前年同期比0.5ポイント増)、女子は68.2%(同1.9ポイント増)。地域別では、近畿の75.0%が最も高く、関東(71.0%)、中国・四国(66.4%)が続いた。
高校生は、男子は55.7%(前年同期比0.5ポイント増)、女子が42.1%(同2.0ポイント増)。求人数が前年同期比7.0%増と好調で、求人倍率は1.57倍(同0.13ポイント増)だった、と報じられている。
しかし、この時期に内定がなければ就職するのは容易ではなかろう。
まだ、7割しか内定していないということは、残る3割の学生は、どうするのだろうか。また、その内容も明確ではない。
内定者も必ずしも希望していた職種や会社に決まったわけではなかろう。
なかには、契約社員や非正規雇用者も含まれているのではなかろうか。
4年連続で就職率は上昇しているというが、微々たるものだ。バブル崩壊後の10年、定職につけない若者が急増してきたが、景気が回復してきたという現在でも、大学、高校の卒業者3割が就職できない事態は異常である。
この背景には、企業が一方では多額のもうけを溜め込みながら、他方では徹底した人件費の削減(偽装請負、サービス残業などの違法行為も含む)を行い、新規採用を抑制していることだ。
また、この10年間の労働分野の規制緩和によって、非正規雇用者が大量に生み出されていることに原因がある。いまや、全就業者の3割が非正規雇用であり、若年層では、さらにその比率は高い。世帯主が非正規雇用の世帯は、300万世帯に及んでいる。
これが、多くの国民が熱狂した「構造改革」の結末である。
最近になって、小泉前首相がまたぞろマスコミに登場するようになり、「構造改革」を徹底的に進めよとの主張を繰り返しているが、もう国民はだまされてはならないだろう。
読者の家族や親戚、親しい友人の中にも、就職が決まらない、アルバイトなどの非正規の職場しか働く所がない、生活に困って犯罪に手を染めた、・・・こういう事例にすぐに遭遇できることだろう。これらは、本人の努力だけでは解決できない、日本の「構造」的な問題に起因しているのである。
小泉流、自民党流の「構造改革」ではなく、雇用のルール、働くルールを作る「改革」が求められていると思われる。

鉄筋不足マンション 施工ミス伝えず販売 野村不動産など「必要なしと判断」

2007年11月16日 | 社会問題
千葉県市川市に建設中の45階建てマンションの鉄筋が不足していた問題で、同マンションを販売する野村不動産と三井不動産レジデンシャルが、施工ミスを認識した後も販売契約を結んでいたことがわかったと報じられている。
野村は「補修工事をするので品質上の問題はない。引き渡し時期も遅れないので顧客に説明する必要はないと判断した」としているが、宅地建物取引業法では、購入予定者に対し、建物の構造など重要事項の説明を義務付けている。
清水建設など5社のJV(共同企業体)が30階まで建設したところで、住宅性能表示制度に基づく評価機関の検査で先月、鉄筋128本が不足していたことが判明した。清水建設は施工ミスを認めている。
売り主は野村、三井と清水建設で、販売は野村と三井が行っている。野村によると、10月12日に清水から鉄筋不足の連絡があり、その時点でマンションは、全573戸のうち地権者住宅を除く407戸が完売していたが、契約手続きが終わっていない物件があった。しかし、ミスが発覚した13日以降にも66戸分の契約をしたが、その際、購入者に施工ミスを説明していなかったという。
もし、自分が購入者であれば、鉄筋が100本以上も不足している高層マンションに入居するだろうか。仮に補強工事をしたとしても、不安に違いない。
賞味期限の偽装など、企業による「犯罪」が多発しているが、今回の事件などは、あの耐震偽装事件と同根の事件である。事の重大性は、販売会社も十分に認識できたはずである。にもかかわらず、ミスの発覚後も知らぬ顔の半兵衛を決め込んで、売りつけていたというのだから悪質極まりない。
耐震偽装を知りながら、販売を続けたあのヒューザーの社長と同様に、社会的、法的責任を受けるべきであると思われる。

吉兆の賞味・消費期限の偽装、取締役が指示

2007年11月15日 | 社会問題
船場「吉兆」(大阪市中央区)が菓子や総菜の賞味・消費期限を偽装していた問題で、同社が福岡市の百貨店、岩田屋に出店していた「吉兆天神フードパーク」のパート女性4名らが、同市内で記者会見し、期限が迫った商品について、船場吉兆の湯木尚治取締役から「日持ちするから延ばしていい」などと偽装を指示されたと証言した。
船場吉兆は「偽装はパートの独断」として本社の関与を否定してきたが、パートらは「社員も期限シールの張り替えをしていた」とも証言した。
女性らは会見で「期限シールの張り替えは仕事の一部だった」と証言。パートの1人は「現場責任者が期限まで14~15日となったちりめんの扱いを湯木取締役に電話で尋ねた際、受話器越しに『そんなん、日持ちするんやで。1ヵ月くらい延ばせ』と大きな声で言うのが聞こえた」と話した。
2006年2月には近くの別の百貨店での催事で売れ残ったプリンを、湯木取締役らがフードパークに持ち込み、「売ってくれ」と指示。売れ残りのうち約100個はこの日が期限だったが、湯木取締役の目の前で期限シールをはがし、冷蔵庫に保管、期限を延ばしたシールに翌日張り直し販売したという。
また、別のパート女性は「(期限シールの)張り替えは社員も一緒にしたことがあった」と証言した。
一方、現場責任者の女性によると、10月31日と11月1日の夜、船場吉兆が同市博多区に開いている日本料理店「吉兆博多店」で、湯木取締役らから、「商品管理をしていたのは現場責任者」という内容の「事故報告書」に署名を要求されるなどしたことを明らかにした。両日とも2時間程度、深夜まで説得されたが、署名などを拒否したという。
「拒否すると、『やったのはあんたやないか』などと怒鳴られた。トイレにもなかなか行かせてもらえず、恐怖を感じた」と語った。
湯木取締役はこれまで「偽装には本社はまったく関与していない」と繰り返してきたが、パート女性たちは、「私たちの見解は変わらない」と話したと報じられている。
賞味期限のシールをパート社員の一存で張替え、再出荷することなどできるわけがない。当然、社員や管理職も了承していたと考えるべきだ。そういう点から考えると、今回の会見の内容にはリアリティがあり、パート女性の証言も信憑性がある。
偽装が会社側の指示によって行われ、しかも、パート従業員に自分の一存でやった旨の誓約書を書かせようとする行為まで行っている。
経営者として極めて無責任であるとともに、人間としても到底許されない行為である。
こういう場合、いつも立場の弱い従業員や中間管理職に責任が転嫁され、経営者の責任が追及されないが、今回のケースでは、食品衛生法違反、詐欺罪なども視野に、経営者への厳しい処罰を行うべきである。
今までの記事でも述べてきたが、日本は企業の犯罪に対して極めて処罰が軽い国である。今日のニュースでも、「白い恋人」が販売を再開したらしいが、経営者は罰せられることはなかった。
吉兆の事件でもこれだけの証言があれば、直ちに経営者の身柄を確保し、厳しい取調べを行うべきであると思われる。

経団連が自民、民主に通信簿

2007年11月14日 | 政治問題
日本経団連が、会員企業・団体が自民、民主両党に政治献金する際の目安になる2007年の政策評価を正式発表した。自民党には、最高の「A」を昨年と同じく9ヵ所つけ、改革路線を高く評価した。一方、民主党は、下から2番目の「D」を昨年の2ヵ所から4ヵ所に増やした。
経団連の御手洗冨士夫会長は記者会見で、「自民支持」を鮮明にした理由について、「自民党の政策は経団連と総じて方向性が一致しているが、民主党は相反する分野がある」と述べた。経団連が今年8月下旬に開いた政治対策委員会では、参院第1党となった民主党の存在感が高まったことから、「民主党の政策を見極める必要がある」との声が出ていた。
しかし、臨時国会で与党との対決姿勢を崩さず、経団連は「中長期的にみて、(民主党の政策は)日本の発展、成長にプラスにならない」(大橋光夫政治対策委員長)と判断。ただ、経団連が、自民党が野党に転落した1993年、会員企業に対する自民党への献金のあっせんを中止し、自民党との関係が一時冷え込んだことも無関係ではない。今回、民主党に「辛口評価」したのは、「自民党からのしっぺ返しが怖いからだ」(産業界関係者)と見る向きもある。
経団連の会員企業・団体は2006年の献金額は、自民党向けの25億3000万円に対し、民主党向けは8000万円にとどまっていた。ただ、政策評価では、民主党に対し、自民党と政策協議して改革を進めるよう期待感も示したと報じられている。
さて、この通信簿であるが、経団連が両党の評価を勝手につけているわけではない。自民、民主両党から「頼まれて」つけているものだということを読者には理解してもらいたい。
経団連は、政治献金を斡旋して欲しい政党と「政策懇談会」を開いている。この懇談会への出席を名乗り出ているのは、自民党と民主党の2大政党しかないのである。毎年、経団連もうでをして、財界のお気に入りの政策をいかに作りあげるのか、汲々としているわけである。
以前から本紙で指摘しているように、これが2大政党の実態なのである。
経団連にすれば、財界、大企業に都合の良い政策を打ち出してくれるのであれば、献金先は自民党でなくともまったく問題はない。
むしろ、自民党が国民の支持を失い、政権を維持できなくなった場合、次の政権与党と目される民主党に「政治献金」というエサを与えておいて、いざ民主党が政権に就いた時には、財界言いなりの政策を実行してもらえばそれでよいのである。これが、先般の「大連立」の背景である。
さて、財界の評価が悪くなった民主党は、これからどのような政策を打ち出すのだろうか。
また、進んで経団連もうでを行っていることを、国民にどのように説明するのだろうか。
民主党が自民党と本当に対決するというのであれば、財界の影響を完全に断ち切って、国民からの浄財で党を運営しようという気持ちがなければなるまい。
民主党がいつまで自民党との対決姿勢を保ち続け、(一応)国民の味方のような顔をし続けるのか、その対応を注視したい。

経団連、御手洗会長が「大連立」を歓迎

2007年11月13日 | 政治問題
日本経団連の御手洗冨士夫会長は、記者会見で、自民党と民主党の連立政権構想を巡る一連の動きについて「この2か月間、一本も法律が通っていない日本の政治を考え、小沢代表が政治家として責任を感じて解決策に乗り出したと高く評価している」と述べた。
自民、民主両党の大連立を含め、停滞した政治状況を打破する必要があるとの認識を示したものだ。
御手洗会長は「残念ながら大連立(の動き)は消えているが、政策協定(を模索しよう)という機運が出てきた」とも指摘し、与野党が重要法案を中心に政策協議を進めるよう強い期待感を示した。
理由として「外交や年金制度などの国家的問題は、与野党にかかわらず国民が納得する形で進めていくのが当然だ」と述べた。
また、政策論議が停滞している現状について「世界各国は競争力を磨くため(経済改革で)盛んに努力している。日本が少しずつ(世界の流れから)遅れているという焦燥感を感じている」と語ったと報道されている。
さて、この記者会見の内容は、財界としての本音を語ったものである。
今まで何度も指摘してきたことであるが、民主党という政党そのものが、国民の支持を失って低落傾向にある自民党の受け皿として、すなわち、自民党とは違う名前で、実質的には自民党の路線を受け継ぐ政党として、財界などに育成されてきた政党である。したがって、今回、御手洗会長から語られた「大連立待望」論は、まさしく、財界の望むところなのである。
このために財界は、自民党と民主党のマニフェストに点数をつけ、この点数に応じて、企業献金を斡旋して来たのである。その成果が、「大連立」として結実すれば、財界としてはこれほどうれしいことはない。御手洗氏の発言にはこういう思惑が隠されているのである。
もう一つ、この記者会見の抽象的な発言、たとえば「法律が通っていない」、「外交や年金」などと述べ、今の国会の空転が国民のためにならないようなポーズを取っているが、これもとんでもないことである。
御手洗氏が切望するものは、自衛隊の海外派兵であり、福祉切捨ての高齢者医療制度の実施、法人税の減税、消費税増税、偽装請負の許容、残業ゼロ法案の成立など国民、労働者をますます絞り上げることばかりであり、とても、一般庶民が希望しているものではない。
こういう法案は、1つとして通って欲しくないものである。
いずれにせよ、日本の政治に対する財界の発言力を封じることが、庶民の暮らしにとって重要なことは言うまでもないことである。

「黒ネコヤマト」が悪質な残業隠し

2007年11月12日 | 社会問題
宅配便最大手「ヤマト運輸」が宅配ドライバーらにサービス残業(賃金未払い残業)をさせていた問題で、ドライバーらが携帯する勤怠管理用のコンピューター端末が、関東の支店などで、1時間未満の休憩時間を入力できない設定になっていることがわかったと報じられている。
労働基準法では、8時間を超えて働く労働者には少なくとも1時間の休憩を与えるよう事業者に義務付けているが、新聞の取材に応じた20人以上の現・元ドライバーらは「配達に追われ、休憩を1時間取ることはほとんどない」と証言したという。
全国6087か所の集配拠点「宅急便センター」で勤務するドライバーらは、コンピューター端末を携帯。電源を入れて起動させた時刻が「出勤」、電源を切って終了させた時刻が「退勤」として記録される仕組みになっている。
極めて悪質なサービス残業である。
一般に、外回りの営業などでは、顧客が昼休みを取っている時間に訪問しても仕方がないので、それに合わせて昼食球形も取れるが、このような配送業者の場合、顧客の休憩時間などは関係ないだろう。
ましては、一人暮らしや共働き家庭のように、昼間は留守にしている家庭が増えているだろうから、宅配業者も夕方以降の配送も多いのではなかろうか。その結果、昼休みどころか、夜間も休みなく配送を続けなければならなくなる。
宅配業者も次々と参入し、競争が厳しくなっているが、結局、そのツケはそこで働く労働者の賃金の抑制、そして違法なサービス残業などが横行するようになる。
こういう違法な行為を法律で規制をするとともに、業界団体や企業の中で働くルールを確立することが重要である。