時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

今年度下半期の非正規労働者、3万人が職失う

2008年11月28日 | 経済問題
景気悪化の影響で、10月~来年3月の半年間に、職を失ったか、失うことが決まっている非正規労働者は3万人に上ることが厚生労働省の調査で分かったという。
自動車メーカーなどで生産縮小の動きが顕著になる中、派遣社員らが雇用調整の対象になっている。厚労省は「景気回復の兆しは見えず、職を失う非正規労働者は今後も増えると想定される」と指摘している。
調査は、全国の労働局やハローワークが企業から聞き取るなどして実施したそうだ。
それによると、来春までの半年間に契約期間満了による「雇い止め」や中途解除となるのは、派遣労働者が1万9775人、期間工などの契約社員5787人、請負労働者3191人で、パートなども含めると計3万67人。派遣や請負といった間接雇用だけでなく、直接雇用の契約社員も対象となっている。
契約社員では雇い止めが約7割に上る。派遣や請負では雇い止めは約3割で、その分、中途解除などが多くなっている。
しかし、本当にこれだけで済むのだろうかということも大変疑問である。
非正規労働者だけでなく、正規労働者の中にもリストラの対象になる人もいるだろう。また、来年の新入社員の内定者に対する内定取り消しなども起きている。
また、現在も不動産や建設業界で、倒産が続いている。倒産によって、投げ出される労働者もあるだろう。
そのように考えると、この3万人という数は氷山の一角に過ぎないだろう。これだけの人間が路頭に迷うことになれば、大変なことである。
厚労省も職を失う人が「今後も増えると想定される」などと、ノンビリと分析している場合ではない。
不景気な中でも、まだ体力のある大企業は、内部留保を取り崩してでも、雇用を確保する義務と責任があるだろう。万一、継続した雇用が不可能な場合でも、非正規社員に対して、会社の寮の使用を継続して認めるとか、契約の解除に当たって向こう数ヶ月分の給与を前払いするとか、越年資金を提供するなどの対策を講じさせる必要がある。政治には、それを監視し、実行させる責任がある。
内容が伴わず、実効性に乏しい景気対策や政争に耽っている場合ではない。
厚労省も、各都道府県と連携して、首切りなどの不法な労働行為に対する監視を強め。企業に対する監督を強化すべきであろう。

生活できる賃金を

2008年11月27日 | 経済問題
労働者は、自らが持つ「労働力」という商品を一定の時間だけ資本家に売ることによって、資本家から「労働力」という商品の対価である「賃金」を受け取る。
「労働力」という特殊な商品は、その使用によって、その商品(労働力)の価値を上回る新しい価値を生み出す。マルクスは、この新しい価値を「剰余価値」と名づけた。
資本家は、労働者に「労働力」の対価、すなわち賃金を支払うわけだが、労働力の使用によって生み出された新しい価値、剰余価値はすべて自分のふところに入れてしまう。これが搾取の本質である。
さて、問題は、この「労働力」という商品の価値通りに賃金が支払われているのかどうかという問題である。
「労働力」という商品は、生身の人間と切っても切れない関係にあるため、使用することによって疲労するため、翌日までに「労働力」を再生する必要がある。「労働力」の価値は、労働者が必要な教育を受け、普通に飲食し、十分な睡眠を取り、世間一般の必要な文化的生活を営んで、「労働力」を再生するために必要な価格でなければならない。加えて、労働者は、その子孫をつくり、労働者として労働市場に送り込むという歴史的な役割も担わされている。要約すれば、「労働力」の価値は、労働者本人の生存に必要な費用、一定の水準の労働ができるための教育の費用、そして子供の養育に必要な費用によって表わされる。
したがって、賃金もまたこれらの費用の合算として表わされるはずである。
ところが、昨今の労働事情の中で、住む所がなく、派遣先の企業や派遣会社の狭い寮に住み、貧しい食事に耐え、「労働力」の再生ができないような生活を強いられる労働者が増えている。
年金や健康保険にも加入できず、現在ばかりか将来の保証さえ定かではない。また、結婚し、子供を育てられるような暮らしではなく、とても文化的な生活とは言いがたい。
現在の日本では、企業は、「労働力」が生み出した剰余価値ばかりでなく、「労働力」を再生産するのに必要な費用までピンハネしているという現実である。
労働者に支払わなければならない賃金の一部までピンハネして溜め込むのが、昨今の資本家のやり方なのである。
この状態を変える方法は一つしかない。
「生活できる賃金を」、「働けるだけ食わせろ」、「結婚できる給料を」という当たり前の要求を掲げて、資本家と対決することである。
だいぶ前のことになるが、郵政で働く非正規雇用者が組合を結成したというニュースがあった。こういう動きが広がらなければ、労働者は生身の身体をアンコウのように切り刻まれ、労働力の再生産さえできなくなってしまうだろう。
金融危機の中で、労働者の暮らしはますます追い込まれている。失うものは何もない。資本家に媚びへつらうのではなく、当たり前の要求を掲げて立ち上がることを心から呼びかけたい。

私立大学でも資産運用で含み損拡大

2008年11月26日 | 経済問題
駒澤大学(東京世田谷区)が資産運用を目的としたデリバティブ(金融派生商品)取引に失敗し、約154億円の損失を出していたことがわかったという。穴埋めのため大学キャンパスの土地や建物を担保に、銀行から110億円の融資を受ける。
駒大と文科省によると、昨年度、外資系金融機関と「金利スワップ」「通貨スワップ」の取引を計約100億円で契約した。しかし、金融危機で円高が急速に進んだ今夏以降に含み損が膨らみ、証券会社が追加の担保を求めてきたため、10月末に取引を解約。損失額は約154億円に上ったという。
立正大学(東京品川区)でも、資産運用のための金融取引で、今年9月末時点に148億円の含み損を抱えていることを明らかにした。駒沢大学と同様に、世界的な金融危機が日本の大学経営の財務面に大きな影を落としている現状が浮き彫りになった。
立正大では、運用資産は、国債、地方債、社債や投資信託のほか、豪ドルを組み込んだ仕組み債。これらの含み損は、今年3月末時点で約96億円だったが、足元の金融市場混乱や円高が直撃して拡大したという。
万一、大学が経営危機になれば、在学する学生はどうしようもない。また、卒業生にとっては、母校がなくなるということも起こり得ることになる。
せっかく手元にある資金だから、何とか運用して増やしたいと思うのが人情だが、何度も言うように、元本の保証がない金融商品というのは、所詮はばくちと同じである。1日1日、上がるか下がるかしかない。それは、1回1回、半か丁かに賭けるサイコロ賭博とまったく同じ原理である。
もちろん、順調に上がる時もあるが、トータルに見れば、最終的には実体経済の伸びを上回る伸び、利益を期待することはできない。
今まで、順調に資産を築いた人もいるだろうが、バルブがはじけて見れば、差し引きゼロで終わってしまうゲームにすぎない。
それどころか、実体経済の伸びに匹敵するぐらいの手数料を取られるので、結局は銀行や証券会社などの金融機関を儲けさせているだけだ。
しかし、人間の欲には限りがないようで、周りの人間には雷が落ちても、自分の頭には絶対に雷が落ちないと思っているだけだ。
特に、教育機関の資産運用は、元本が保証されたものを中心に慎重に行うべきであろう。あるいは、大学が行っている研究活動に投資し、新たな発見や注目が集まるような研究を行い、大学らしい新たな価値創造によって、資産価値を高める方策を選ぶべきであろう。

名古屋で夢破れ・・・

2008年11月25日 | 経済問題
「元気な名古屋」に仕事を求めて全国から集まってきたものの、東海地方の景気の失速で職や住まいを失い、ホームレスになる派遣社員や期間労働者が急増しているという。ホームレスの就労を後押しするため名古屋市が開設している自立支援施設は、秋以降、ほぼ満員の状態が続いているという。
記事によると、熱田区にあるホームレスの一時保護施設では、男性数人がテレビに見入っていた。「彼らは、日中の空いた時間に面接を受けます。働く意欲と可能性が高いと判断されれば、自立支援センターに移ります」と、施設長。
3畳間と6畳間を備えた部屋に3人が同居。3食と日用品が支給されるほか、週3日シャワー室も利用でき、原則として2週間の滞在が可能という。
定員は50人。昨年10月末に27人だった入所者は現在、43人に増えた。施設長は「空きがあるのではなく、日々人が入れ替わっている状況。満杯ですよ」と話す。今年は10月までで前年同比約31%増の513人と、このままいくと年度末には800人を超え、過去最多だった昨年度を上回る見込みという
土木、建築関係者が多かった以前に比べ、昨年末からは職にあぶれた派遣社員や期間労働者が増えてきたのが特徴だそうだ。「自動車産業など輸出関連の製造業の人減らしが激しい。切りやすい所から切っているのだろう」と施設長。
入所者のうち名古屋出身は1割しかいない。名古屋をのぞく県内出身者も2割程度と、多くは他府県から流れ込んだ人たちだ。多くは「名古屋に来ると仕事があると思っていた」「名古屋で失業した」と話す人たちばかり。今年度は九州出身者が最多で、近畿、北海道、関東甲信越が続くという。
自動車産業の不況によって、これほど多くの失業者や生活困窮者が生まれるという日本の産業構造は、どう考えてもまともではない。一部の大企業や優良企業にばかり人員が集中し、そこで一旦不況が起きると、大量の失業者が生まれ、それを支えてきた中小企業などの倒産が多発するというのもいかがなものであろう。
大企業によるリストラへの規制、派遣社員などの不安定雇用の禁止など、政府としてすぐにでもできることは多い。
また、一方で、農林業のように後継者難で、廃業を余儀なくされ、耕地や山の荒廃が問題になっている。農林業などにもっと予算をつぎ込み、人材の育成などに取り組み、こういういびつな産業構造を変えることが必要だろう。
やりがいのある農業や林業を育てることで、雇用機会は飛躍的に改善するに違いない。

石原銀行、400億追加出資でも再建おぼつかず

2008年11月24日 | 経済問題
東京都などが出資し、経営再建中の石原銀行(新銀行東京)は、不良債権処理額が前年同期比45.5%増の103億円にのぼった結果、2008年9月中間決算の最終損益は70億円の赤字となったと発表した。融資審査を厳格化したことに加え、景気低迷に伴う融資先の経営悪化から、不良債権比率は3月末の12.70%から17.08%へ大幅に拡大した。
4月に400億円もの追加出資(資金援助)を受けながら、建て直しができない企業があるだろうか?
しかも、危惧したとおり、石原銀行の不正融資に関連して逮捕者まで出す始末である。また、融資には、自民、公明、民主3党の都議会議員が口利きをしていた事実も明らかになっている。
こんな銀行がまともな銀行と言えるだろうか。
前年までの融資拡大路線を転換し、経営再建のため新規融資を絞り込んだ結果、貸出金残高は3月末と比べ262億円少ない1632億円にとどまった。新規の融資案件は計100億円で、このうち同行設立の目的とされた中小企業向け融資は約40億円にとどまったという。
要するに、当初の銀行設立の趣旨に反して、中小銀行のためにはまったく役に立たず、最近は、貸しはがし、貸し渋りまでしている実態をこの数字は物語っている。にもかかわらず、不良債権の比率が増えているというのだからもう救いようがない。
新銀行東京は4月に都から400億円の追加出資を受けたが、6月末に発表した2008年3月期決算で累積損失が1016億円に拡大。このため都は8月末に1016億円の減資を行って累損を解消していた。
ほとんど企業の体をなしていない。潰れるのは時間の問題ではなかろうか。
ペイオフが発動される可能性もある。1000万円以上を石原銀行に預けている預金者は、早めに預金を引き出した方が得策である。1000万円未満の預金者も、いざペイオフになった場合は、引き出しに時間がかかることもあり得るので、早めの対応が必要だろう。

麻生発言:それでも医師会は自民支持

2008年11月23日 | 政治問題
医師は「社会的常識がかなり欠落している人が多い」と発言したことをめぐり、日本医師会の唐沢祥人会長が麻生首相を訪ね、「発言は日本の医療を根底から否定するものであり、国民を失望させた」などとする抗議文を手渡した。首相は「発言を撤回します」と述べ、陳謝したという。
唐沢会長は「医師の真摯な努力を踏みにじるものであり、奈落の底に突き落とされた思いだ」などと、強い不快感を表明。首相は「『価値観が違う』ことを強調して、『社会的常識が欠落する』という言葉が出てきたわけで、言葉の使い方が不適切だった」と釈明した。
また、茨城、栃木両県医師会も同日、それぞれ首相あてに「政治家として否、社会人として持つべき常識すら欠如している」「関係者の努力を無にし、日夜身を削っている医師の神経を逆なでする」などとする抗議文を送ったという。
麻生首相の発言は、医師不足を招いた政治の責任を棚上げにするもので、到底許されるものではない。医師会として、抗議を行ったのも当然であろう。
しかしながら、日本医師会は、組織としては依然として自民党を支持している。
こういう首相を頭に戴いている自民党を支持することを医師会のメンバーはおかしいと感じないのだろうか。
医師会の中には、都道府県単位で見ると、民主党を支持しているところもある。また、当然のことながら、所属する個々の医師の中には、さまざまな政党支持の医師がいるだろう。
にもかかわらず、組織、団体として特定の政党を支持することは、構成員の思想・信条の自由を侵すことになることがなぜわからないのだろうか。
それとも、医師会の設立趣旨あるいは規約には、「自民党支持」が明記されているのだろうか?
悪態をつかれながらも、権力に媚びへつらって診療報酬の引き上げをお願いする日本医師会の姿は惨め極まりないものである。
麻生首相はもちろんであるが、特定政党への支持を強要する日本医師会も間違いなく「社会的常識がかなり欠落」していると言わざるを得ない。

公的資金の要請の場に、専用ジェットで

2008年11月22日 | 経済問題
経営危機に陥っている米3大自動車メーカー(ビッグ3)の3首脳が、米下院金融サービス委員会で証言し、250億ドルの公的資金による3社の資金繰り支援策を柱とする追加景気対策法案の早期成立を要請した。
しかし、共和党議員の反対が強く、法案を提出した民主党議員からは「成立する可能性は、率直に言ってわずかだ」との見通しが示され、民主党が当初目指した週内の採決は難しくなってきた。
この日は、ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長兼最高経営責任者(CEO)が「破産の回避に向けたあらゆる努力をする」と述べ、政府支援を強く要請した。一方、クライスラーのナルデリ会長兼CEOは、資金繰りに窮した場合に備えて外部のアドバイザーを雇ったことを明らかにし、経営危機に直面している実情を訴えた。
その一方で、共和党議員からは、経営者らが、3社の本社があるミシガン州から米議会のあるワシントンまで来るのに、経費のかかる専用ジェット機で駆けつけたことに対し、「政府の支援を要請する態度とは思えない」などと批判が噴出したという。
公的資金、要するに税金で助けてくれと要請をしに行くのに、専用ジェットを使うだろうか?経営危機に陥っている企業の経営者の態度として、国民は到底納得できないだろう。
しかも、要請の席で、これらの企業がもし破綻したら、アメリカの経済はメチャメチャになるぞという、脅しにも似た発言を行っている。
自らの経営努力、経営責任を棚に上げて、国民の税金に頼り、自分の財産だけは温存しようとするこれらの経営者の態度に、資本主義社会の縮図を見る思いがしたのは、編集長ばかりではあるまい。
日本の自動車業界でも、まだ経営危機にも陥っていないのに、期間社員、非正規雇用者を次々と解雇し、その一方では、増配をしている企業すらある。会社に万一のことがあっても、自分の資産だけは絶対に確保するという発想は、アメリカのビッグ3の経営者と大差はない。
まさに哀れむべき連中といわざるを得ない。

下請け業者いじめが急増

2008年11月21日 | 経済問題
厳しい経済状況の中、「下請けいじめ」が急増しているという。下請け業者への支払いを不当に減額しているとして、公正取引委員会から指導を受けた元請け業者は今年度の上半期だけで全国27社、減額分は約23億5千万円に上る。過去最多だった昨年度よりも倍増しており、公取委では「下請けいじめ」の根絶に向けて取り組みを強める。
「生産業者の下請けとして生コンを運ぶ日雇い運転手の賃金は1日1万円。これでは家庭は営めない。切られては困るから抗議もできず、絶望が広がっている」
近畿のミキサー車運転手ら約1700人が参加する労働組合「連帯ユニオン関西地区生コン支部」の幹部は話す。建設業の不振で「ゼネコンから注文を受ける生産業者も1立方メートルあたり1300円はあったマージンを100円に削られた例もある。暴動が起きかねない状況だ」。
公取委によると、原油高や円高などで、下請代金支払遅延等防止法(下請法)に違反する事例が増加している。特に運送会社やメーカーなど元請け業者が「歩引き」や「レス」といった名目で不当に支払いを減らす「減額事件」が目立つという。
昨年度、公取委が元請け業者の46社を指導したことで正当な代金を受け取った下請け業者は前年度に比べ、約3倍の3736業者、返還総額は倍の約11億円。さらに、今年度は上半期だけで、約23億5千万円となっている。
また、今年度上半期の支払い遅延は591件で、昨年度同時期の2.5倍に増え、買いたたきも44件で、5.5倍となった。全体の合計は2638件で、1.3倍になっている。
こうした事態を受けて、公取委は今月から、これまで東京都、大阪府、愛知県で開催していた下請け業者向けの講習会を全国約50カ所に拡充し、「中小企業向け草の根下請懇談会」として開催。また、他の行政機関からも情報が得られるように新たなネットワークを作るという。さらに元請け業者に対しても、書面調査に協力しない場合は、職員が事業所を訪れ、調査する方針だ。
中小業者は、小さくとも、一国一城の主というプライドがあるのかもしれないが、実態は、都市部のサラリーマンの方が、高い収入を得ている例がかなり多いのではなかろうか?
元請け業者から仕事が来なくなったら困るという理由で、言いなりにならざるを得ない業者が多いのだろうが、いつまでもそういうことを繰り返していると、本当にジリ貧になってしまう。
サラリーマン以上に搾取され、収奪される中小企業経営者も、経営者同士が団結し、元請け業者などと対等に交渉しなければ、事態は解決しないだろう。「俺は経営者であって、労働者ではない」などと、虚勢を張っている場合ではない。
「万国の中小企業経営者、団結せよ!」。今はそういう情勢だということを肝に銘じるべきである。
中小企業では、社員も含めて、この事態をどのように解決して、会社を守り、従業員の雇用を守るのかを真剣に考えるべき時だろう。

都道府県の政務調査費:領収書添付を義務付けたら返還が2.4倍に

2008年11月20日 | 政治問題
都道府県議会の議員に支給される政務調査費については、かねてより不正使用が指摘されてきたが、領収書添付を義務付けたら、使わなかった調査費の返還が前年度比で2.4倍になったという。
いったい今までどんなことに使っていたのかを物語る数字である。
都道府県議会で議員や各会派に支給された2007年度の政務調査費のうち、使われないまま返還された額が前年度比2.4倍の5億5516万円に上ったと報じられている。
返還額は交付総額の4.3%に当たる。車のローン返済や飲食代など不適切な流用が判明して批判が高まり、領収書添付を義務付ける議会が増えたことなどが背景にある。
各都道府県議会事務局への取材を集計したところ、2007年度は前年度の計2億3024万円から3億2492万円増えた。返還は茨城、沖縄を除く45都道府県であり、うち35都道府県が前年度より増えた。返還額は、前年度の5倍に膨らんだ大阪の5650万円が最多で、埼玉の5336万円、兵庫の5228万円と続く。2006年度まで全額を使い切っていた福岡でも、1690万円が返還された。
2007年度から収支報告に領収書添付を義務づけた8府県のうち、岐阜を除く7府県で返還額が増加。7府県の増加分が全体の増加分の4割を占めた。
2007年度末までに領収書添付を義務化したのは17道府県に上り、2007年度の返還率が10%を超えた6府県のうち5府県を占めた。さらに28都県議会が2008年度以降に導入する見通しで、残る2県も検討中だ。
不正流用分の返還を求める住民監査請求も相次いでいる。2006年度分の監査で7500万円が目的外支出と認定された京都は、2007年度分の返還額が全国4位の4494万円だった。
今までは、ローンの返済やゲーム機やソフトの購入などに当てられていた「第2の議員報酬」だったが、領収書を出せと言われて、使えなくなってしまったというのが実態である。
何とも情けない話ではないか。
「ムダをはぶく」などと声高に叫ぶ議員もいるが、これからも、議員によるムダ使いを監視する必要があるようだ。

麻生(あそう)の辞書(じしょ)に漢字(かんじ)はない!

2008年11月19日 | 政治問題
麻生首相(あそうしゅしょう)のオバカぶりが暴露(ばくろ)されている。
KY=漢字(かんじ)読(よ)めない、と揶揄(やゆ)されている。
有無(うむ)は「ゆうむ」、未曾有(みぞう)は「みぞゆう」、前場(ぜんば)は「まえば」、頻繁(ひんぱん)は「はんざつ」、詳細(しょうさい)は「ようさい」、踏襲(とうしゅう)は「ふしゅう」、・・・
あまりの酷(ひど)さに呆(あき)れるばかりである。「ふしゅう」って言(い)われたら、腐臭(ふしゅう)を連想(れんそう)してしまうでしょう。
これで、一国(いっこく)の総理大臣(そうりだいじん)が務(つと)まるのだろうか。
日本国民(にほんこくみん)の一人(ひとり)として、恥(は)ずかしく、情(なさ)けない限(かぎ)りである。
早々(そうそう)に解散(かいさん)、総選挙(そうせんきょ)を行(おこな)い、新(あたら)しい総理大臣(そうりだいじん)を選(えら)んで欲(ほ)しいと思(おも)っている。
ちなみに、安倍(あべ)くんの時(とき)には、やや難(むずか)しい漢字(かんじ)には、作文(さくぶん)をした官僚(かんりょう)がふりがなを付(つ)けていたそうです。
麻生(あそう)くんもふりがなを付(つ)けてもらえばいいのに。
麻生(あそう)くんにも読(よ)んで欲(ほ)しいと思(おも)って、今日(きょう)の記事(きじ)は、漢字(かんじ)にふりがなを付(つ)けてみました。
本当(ほんとう)に疲(つか)れました。

団塊世代の公務員の退職金は借金で支払い

2008年11月17日 | 政治問題
団塊の世代が定年退職期を迎え、退職金を支払いきれなくなった自治体が借金に頼り始めている。今年度は都道府県のうち、44道府県が借金を計画しており、総額は4200億円を超えることがわかったという。借金が事実上解禁された2年前と比べて2.5倍という急増ぶりだ。退職金減額など身を削る動きは鈍く、安易に将来へツケを回す自治体の対応に批判も出ている。
退職金のための借金は「退職手当債」という自治体が発行する地方債の一種で、もともとは定年前の早期退職を勧奨した公務員への退職金支払いに限って認められてきた。ところが、職員の大量退職時代を迎えたため、総務省は地方財政法を改正し、2006年度から定年退職者への支払いにも解禁した。
2005年度の退職手当債発行は、都道府県では岡山県の30億円だけだったが、2006年度に33道府県、1,709億円へ急拡大。2007年度はさらに43道府県、3,947億円に広がった。2008年度は44道府県が計4,284億円を予算に計上しているという。
こんな安易に借金を認めていいのだろうか?
そもそも、退職予定などは、もう何10年も前からわかっていることであり、そのための積み立てを行っておけば何の問題も生じないはずである。
ところが、いざ退職の時期になって、お金が足りないという理由で借金を重ねるという安易な方法はいかがなものだろうか。
いざとなったら、国が何とかしてくれるとでも思っているのだろうか?
いずれにせよ、その借金は、将来、住民が税金として負担することになる。
結局、自分さえ貰うものを貰ってしまえば、後は関係ないということだろうか。公僕としての公務員の意識レベルというのは、やはりその程度なのだろうか。

重症患者の救急搬送時間:ワースト50のうち12人が死亡

2008年11月16日 | 医療・社会保障
2007年に東京都で救急搬送された重症患者のうち、119番通報から医療機関に収容されるまでにかかった所要時間ワースト50のケースで、少なくとも12人が死亡していたことが、総務省消防庁などの調査でわかったと報じられている。
中には、医療機関への照会回数が33回、搬送先に到着するまでに2時間56分かかった後に死亡していたケースもあり、救急医療体制の深刻な実態が改めて浮かび上がった。
照会回数が33回に上ったのは、90歳代の女性患者で、「誤えん性肺炎」で亡くなり、搬送から死亡までの日数は2日だった。「呼吸不全」で亡くなった80歳代の男性患者は、照会回数が21回で、搬送時間は2時間32分で、死亡までの日数は1日だった。
また、死亡した12人のうち、搬送時間が長かった3人は火災や水の事故のケースという。照会回数が3回以下と少なく、発生時に通報があり、救急隊が現場で待機したため、収容までの時間が長くなったと見られる。
搬送後に回復して退院した事例でも、照会回数が50回、搬送に要した時間が4時間49分のケースや、照会回数が26回、搬送時間が4時間27分だったケースがあった。総務省消防庁によると、東京都では2007年に、転院搬送も含め約5万人の重症患者を救急搬送している。
医療機関が多い東京都でさえこのようなお粗末な実態であることが今回改めて明らかにされた。人口が多いことは理由にはならないだろう。
地方の救急体制はもっとひどいことは容易に想像がつく。
医師不足もあろうが、地域医療機関と救急医療機関との連携などを進めれば、もっと改善できることはあるはずだ。
救える命があるにもかかわらず、救えない実情はいかがなものであろう。
医療や福祉、教育、食の安全の確保など、本来は儲けを度外視して取り組まなければならないところに、思い切って税金を投入すべきであろう。民間任せでは、儲からないところは、どんどんと切り捨てられるのは明らかである。
東京都は、今回の結果をどのように受け止めているのだろうか。
オリンピック誘致などでバカ騒ぎをしている場合ではない。誘致に熱心な人間も、近親者や友人が救急医療の不備で亡くなることを想像して見ると良い。
いかにバカ騒ぎをしているか、いかに無駄な税金を費消しているか、容易に想像がつくはずである。
知事や議員の海外視察は言わずもがなである。
金融危機の影響で、税収が落ち込み、これからはますます苦しい財政運営を強いられるだろう。このような時にこそ、税金の使い道を真剣に考えるべきであろう。

あきれた、経済界のご都合主義

2008年11月14日 | 経済問題
日経平均株価が、バブル経済崩壊後の安値水準を更新するなど金融市場の混乱を受けて、産業界から悲鳴が上がっているという。
日本経団連の御手洗会長は会見で、株安の原因ともなっている急速な円高を是正するため、「為替介入すべき」と政府・日銀に市場介入を求め、「世界経済が危機的状況に直面しており、急激な為替変動は企業活動にまったく好ましくない」と危機感を訴えた。その上で、株価下落によって企業財務が悪化していることを踏まえ「主要国が共通して、緊急避難的に時価会計の停止も検討に値する」と一層の経済対策の必要性を強調した。
また、日本商工会議所の岡村会頭も「総合的な市場安定策を直ちに実行してもらいたい」と訴えるトともに、この日の談話で、株価下落により「金融機関の自己資本が大幅に目減りするのを放置すれば、貸し渋りを招き、中小企業をさらに苦境に陥れ、国民生活にも影響が及ぶ」と懸念を表明した。
経済同友会の桜井代表幹事も、「金融機関や企業の業績から見て最近の株価急落は明らかに行き過ぎ」とする談話を発表した。そのうえで、桜井氏は政府に対し「金融市場の安定化に向けた明確なメッセージと実効性のある政策総動員」を求めた。
政府は同日、緊急市場安定化策をまとめたが、実効性を疑問視する見方も多く、産業界のいらだちは募る一方だと報じられている。
今まで、小泉「構造改革」に諸手を挙げて賛成し、「民間でできることは民間に」、「市場に任せればすべてがうまくゆく」とばかりに、市場経済の導入を進めてきたのは、他ならぬ経済界であろう。
もし、投機の結果、大もうけをしていたら、その利益には頬かむりするつもりだったろう。
ところが、投機にうつつを抜かした挙句の果てに、金融機関を中心に莫大な損失をもたらした自らの責任には頬かむりしたまま、今度はてのひらを返したように政府に「市場介入」を要求し、さもなければ、中小企業や国民生活に影響が及ぶぞという恫喝にも似た発言である。
政府が市場に介入することには賛成であるが、経済界が言うような介入ではなく、金融機関など、投機に走った企業の経営責任を明らかにし、経営者の個人資産の提供などを求め、投機を規制し、投機によってもうけたカネには多額の税金をかけるなどの介入、規制が求められていると思われる。

欲しいもの…「安定した暮らし」急増:博報堂生活総合研の調査

2008年11月13日 | 社会問題
博報堂生活総合研究所が今年、首都圏と阪神圏で実施した生活者意識調査で、欲しいものに「安定した暮らし」を選ぶ人が44.2%と過去10年で最高に上った。組織内での年功序列を求める人も過去最高。不況や雇用への不安から、堅実志向が高まっている傾向がうかがえたと報じられている。
調査は1998年から1年おきに実施。対象は20~69歳の男女で、1998年は2,000人、2008年は3,371人が回答した。調査員が家庭に用紙を配布・回収する方式で、毎回同じ約1,400項目を質問したそうだ。
欲しいものを3つ選ぶ質問では、最多は過去6回とも「お金」で2008年は54.3%、次いで「健康」47.5%。3位の「安定した暮らし」は1998年34.2%だったのが2008年は44.2%と10ポイント増えた。
働き方については「年功序列は守るべきだ」と考える人が1998年の16.2%から2008年は22.3%に増加。「能力主義は合理的な制度だと思う」は、50%から41.4%に減少した。年功序列に代表される、従来の日本型雇用を見直す機運が高まっているようだ。
一方、「自分の将来は明るいと思う」は1998年66.3%だったのが、2008年は59.4%。「日本が誇れるもの」として「高い教育水準」「安全な暮らし」を挙げた人は、10年でそれぞれ10ポイント以上減った。また、輸入食品への不安を反映してか「ものを買うとき、どこの国のものかは気にしない」は1998年には31.7%だったのが、2008年では14%と大幅に減少したという。
これらの結果は、現代の世相を反映した大変興味深い調査結果である。
現在では当たり前になったリストラや倒産などの影響で、突然に生活の糧を奪われ、さらに再就職の見通しも立たない人が増えていることの反映として、「安定した暮らし」を求める傾向が強まっていることは容易に想像できる。これは、「年功序列」制度の見直し機運ともつながっている。
「能力主義賃金」が所詮、企業側の都合によって、特定の労働者に「多少の割り増し賃金」を与えながら、結果として賃金の全体を低下させる効果を持つことに多くの労働者、国民が気づき始めていることの証左であろう。
また、産地偽装や食の安全に対する国民の警戒心の高さも伺える。
日本の将来に対して展望が失われていることも、今回の調査結果の特徴である。日本が誇れるものも少なくなっていることも確かであろう。
しかし、これからどのような日本を築いていくのかは、日本の国民自身が決めることである。
多くの国民が日本の社会に対して「安定した生活」がなく、食の安全に不安を持ち、誇れるものがないと感じているならば、愚痴を言うだけでなく、それを変革する立場で声を上げ、行動して欲しいと願っている。

法人税の引き下げを検討

2008年11月12日 | 政治問題
中川財務相は、産業界が要望している法人税率引き下げについて「法人税は諸外国に比べて(地方税も含めた)実効税率が高い。たぶんそういう方向になっていく」と述べ、年末にまとめる税制改革の中期プログラムでは引き下げの方向で検討する考えを明らかにしたと報じられている。
財務相は「個人(所得)税、法人税、資産税に踏み込んでいくか、まずは(自民)党の議論だ」と指摘、消費税だけでなく税制全体を見直す意向を重ねて示したという。
また、自民党の税調でも同様の議論が行われている。「国際競争力」を維持するために、法人税の減税が必要という、例の「国際競争力」論である。
要するに、政府、自民党として、消費税の増税と法人税の減税を表明したということである。
まったく逆立ちした議論ではなかろうか?
所得税、住民税の20%の定率減税については、早々に廃止されたが、法人税については、20%の定額減税が未だに続けられている。
また、大企業には、IT減税などのさまざまな減税が行われており、実効税率は低く抑えられている。
先日も報道されていたが、3メガバンクと6大銀行は、この10年間、法人税をなんと1円も納めていないことも明らかになっている。
このような実態に目をそむけて、名目的な法人税率の海外比較などを行っても意味はない。
世界的な金融危機の中で困難に陥っているのは、一般庶民の生活である。
大企業によるリストラ、企業の倒産によって吐き出される大量の失業者、仮りに、かろうじて職を確保できたとしても、賃金やボーナスの切り下げなどが予想されている。
しかし、大企業には、まだまだ十分な体力が残されている。その大企業になぜ税金を優遇する必要があるのだろうか。
政府が、こういう庶民増税、大企業減税を公然と表明できることには、背景がある。
国民の半数近くが、消費税増税は「止むを得ない」と考えており、自公両党はもちろん、野党第一党の民主党までが、消費税増税を政策として掲げていることだ。
そして、叩かれても踏みつけられてもじっと我慢し、(たとえ危険な商品であっても)1円でも安い物を得るために、店先に列を作り、これから襲ってくるであろう生活難にじっと耐えようとする国民の多さの反映でもある。
大変残念ではあるが、こういう政治的、社会的背景があるからこそ、財務大臣が公然と消費税増税、大企業減税を口にできるのである。
自民党政治、あるいは自民党型の政治には、もう展望がないことに気づき始めた国民は確実に増えてはいるが、そのスピードは遅々としており、財務大臣のこの発言への反応は鈍い。
「国民の意識レベル以上の政治は生まれない」と言われるが、少なくとも、意識レベル程度の政治を早く実現したいものである。