時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

最近の新聞記事から

2009年10月30日 | 社会問題
★酒井法子被告、保釈後は千葉・大網に潜伏
芸能人の薬物疑惑事件に関する報道であるが、「潜伏」という言葉はいかがなものであろう。
警察に出頭せずに、逃走していた時ならば、これで良いかもしれないが、容疑者とはいえ、保釈され裁判も行われている被告に対して、この言葉は失礼であろう。
MSN産経ニュースに掲載の見出しであるが、産経新聞というのは、将来を見通す能力には完全に欠けているが、やはり基本的な国語力にも欠けているようである。

★奨学金の滞納者強制執行を申し立て
大阪府の出資法人「大阪府育英会」(会長・橋下徹知事)は、奨学金などの長期滞納者のうち、支払い能力がありながら返還に応じない9人に対し、給与差し押さえの強制執行を大阪地裁に申し立てた。
9人は府内や静岡県に住む22歳~54歳の男女で、高校、大学の在学時に奨学金を借りたり、子供が高校や大学に入学する際、入学資金を借りるなどしていたという。
奨学金の滞納者は年々増えているというが、支払能力がありながら、「知らぬ顔の半兵衛」を決め込んでいるというのは、許せないことである。奨学金の返済金が、別の奨学生への原資になるわけだから、きちんと返済すべきであろう。こういう一部の心ない連中のためにまじめに返済している人たちや社会への誤解に結びついてゆくのである。
一方、この不況である。返済したくてもできない人たちも少なからず存在するだろう。こういう人たちへの配慮も当然必要であろう。

★転覆漁船から3名救出
暗いニュースが多い中で、この漁船転覆事故も、また起きてしまったかと思っていたが、あの台風の中で、奇跡的に3名が助かったという。まずは、生還を喜びたい。まだ不明な人たちもいるが、1日も早く見つかってもらいたいと願うばかりである。
助かった3人は、転覆した漁船に溜まった空洞で4日間を過ごしたわけだが、意外と空気が多かったようだ。普通なら、二酸化炭素濃度が上昇し、寝入っている間に意識を失うなどして、命を落とすこともあるというが、ラッキーとしか言いようがない。
せっかく助かった命である。今回の事故を教訓に、漁船の安全に貢献するなど、有意義な人生を送っていただきたいと思っている。

祝! 2016年五輪招致落選!

2009年10月05日 | 社会問題
2016年のオリンピックの東京招致に失敗したことを率直に喜びたい。
編集長は、オリンピックの招致そのものに反対するわけではないが、なぜこの時期に招致するのか、明確な理由はない。また、招致にあたっては環境に配慮した五輪を掲げてはいるが、これにかこつけて、ゼネコンなどが泣いて喜ぶような大型開発計画が目白押しである。
そもそも、このオリンピック招致は、落ち目になった石原知事が、何か花火を上げて、都民の支持をつなぎとめようとしたことに端を発している。
メダリストや有名アスリート、タレントなど、オリンピックと言えばすぐに飛びついてきそうな連中をかき集めて、何とか雰囲気を盛り上げようとしたが、都民、国民は醒めた目で眺めていただけだった。
今までのオリンピックは、北米、ヨーロッパ、アジアの3大陸でしか開催されていない。これを考慮すれば、南米あるいはアフリカで開催するのが筋である。
リオデジャネイロが選ばれたのは、当然のことと言わざるを得ない。
そこに、東京が割り込んでもどうしようもない。
このどうしようもないことに、既に150億円もの大金(このうち都税は100億円と言われている)がつぎ込まれたわけである。
新銀行東京での無駄使いに加えて、今回のオリンピック騒ぎでの無駄使いに、まともな都民はあきれ果てている。
石原知事が、帰りの飛行機の中で泣いたとの報道もあるが、自らの老醜、都民無視の愚劣さこそ嘆くべきであろう。
ちなみに、このオリンピック騒ぎにかこつけて、調査や陳情と称して、自民、公明だけでなく、野党を自称する(詐称する?)民主党の都議会議員まで、あちこちに大名旅行としゃれ込んだことも指摘しておきたい。

100円マックの安さの正体

2009年08月28日 | 社会問題
日本マクドナルドの元店長4人が在職中に権限も裁量もない、いわゆる「名ばかり管理職」として扱われ、残業代を支払われなかったのは不当として、同社に未払い残業代など計約1700万円を求めた訴訟は、東京地裁で和解が成立した。
関係者によると、マクドナルド側が一定額の支払いに応じる意向を示したとみられるが、和解条項は非公表。日本マクドナルドは「詳細についてはコメントできない」としている。原告は東京都内のマクドナルド店舗で店長を務めていた4人。いずれも既に退職しており、退職前の約2年間の未払い残業代などを求めて昨年3月に提訴していた。
マクドナルドをめぐっては、埼玉県の男性店長が起こした別の訴訟でも今年3月、マクドナルド側が1千万円を支払うことを条件に東京高裁で和解が成立している。
要するに、この記事に登場する5人の名ばかり店長の残業代の未払いだけで、3,000万円近い金額である。マクドナルド全店を調査すれば、こういう事例は山のように出てくるはずである。ましてや、事項が成立していない時点まで遡って調査し、未払い残業代を支払えば大変な金額になるはずだ。
いま、100円マックが人気という。結局は、労働者に支払うべき給料を支払わず、そこで浮かせたお金で、目玉商品の値引き販売で客寄せをしているということである。
提訴した元店長の勇気に拍手を送るとともに、マクドナルドが、このような実態を反省し、業務にふさわしい給料の支払いを行うよう強く求めたい。

競売不動産、1年で2倍

2009年08月21日 | 社会問題
競売にかけられる不動産の数がこの1年余りでほぼ倍増したことが、不動産競売流通協会の調べでわかった。住宅ローン返済に行き詰まる人が増えているのが原因とみられる。競売までの手続きには1年弱かかるため、この夏のボーナス大幅カットの影響が出るのは来春ごろ。競売数はさらに増える可能性があるという。
競売は、借金の返済が行き詰まり、担保物件の買い手が見つからないときに裁判所を通じて売りに出す手続き。裁判所ごとに物件情報を公告するが、全国の集計値は公表されていなかった。20日に不動産業者らでつくる不動産競売流通協会が初めてまとめたそうだ。
協会によると、2008年3月の競売物件は3,773件だったが、昨年夏から急増し、今年3月には7,000件を突破。7月は前年同月比70%増の7,229件だった。毎月の競売の約半数は戸建て住宅、2割弱がマンション住戸、残りが土地や事業用不動産など。戸建ての競売は2008年3月の1,744件から2009年7月には3,512件まで膨らんでいる。
都道府県別では、1,000世帯あたり競売物件数(2008年7月~2009年6月)が最も多かったのは茨城と宮崎の34件。山梨32件、福井30件と続き、都市部より地方で競売物件が多い傾向がみられたという。
以前の記事でも何度か指摘しておいたが、頭金なし、税金までローンでまかなうような買い方、売り方がまともなわけがない。頭金や登録免許税、取得税、果ては、契約書に貼付する印紙代までローンを組むような契約もあるという。
そもそも、頭金も貯蓄できない世帯が、長期にわたってローンを払い続けることは難しいと判断すべきであろう。こういう世帯に住宅を売りつける住宅会社のモラルも問われなければならない。
また、ローンも5年後、10年後には返済額が増えるようなタイプが多く、以前からその危険性が指摘されていた。こういう危険なローンを組ませてでも、売れば良いとばかりに売りつけた業者や金を貸した銀行の責任も大である。
ローン返済額の増加時期とサブプライムに端を発した不況の重なりで、今回のような事態に至ったわけである。
しかも、この記事によると、地方では特にひどいようだが、不況の影響が特に、製造業の工場がある地方に存在するためであろう。
日本版サブプライムローン破たんである。これもまた、政治災害の結果の一つなのかもしれない。

セブン-イレブンが値引き販売の店主に嫌がらせ

2009年08月19日 | 社会問題
コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンが、弁当などの値引き販売をしている東京都内の加盟店主に対し、フランチャイズ契約の解除を通知したそうだ。
セブン側は「値引きが理由ではない」としているが、契約を解除されたこの店主は、値引き販売をする店主らでつくる組織の中心人物の一人であり、嫌がらせであることは見え見えである。
この店主は、不服だとして、近く東京地裁に地位保全を求める仮処分を申請する方針という。
しかし、ひどい話である。
言うことを聞かない店主には商品を卸さないという今回の措置は、嫌がらせ以外の何物でもない。
セブン側にすれば、これが裁判沙汰になって、仮に敗訴しても大したことはない。
三審制の下で、徹底的にやれば、少なくとも4~5年はかかる。
その間に、セブンに都合の悪い店主らの勢いを止めてしまえばそれでいいのである。
今回のフランチャイズ契約の解除で、値引き販売を促進しようとしている他の店主たちの足も止まるだろう。セブンにとってはそれでいいのである。
5年も経てば、世間もこんなことには見向きもしなくなり、店としてのイメージダウンにもならない。その間に、儲けるだけ儲けてしまえば、裁判費用なども大した金額ではない。
今回、契約を解除された店主ばかりでなく、セブンの理不尽な対応に異議のある店主は、是非、この店主とともに、セブンの理不尽さを追及してほしいと思っている。
長いものには巻かれろ、では生きていけない世の中である。
声をあげ、行動してこそ、現状を打開できると思われる。

暴動にみる民族性

2009年07月12日 | 社会問題
中国のウイグル自治区で暴動が起き、多数の死傷者が出ているようだ。
何が原因で、どういうきっかけがあったのかは定かではないが、こういう暴動を見ていて、日本との民族性の違いを痛感させられた。
日本でも、学生運動が華やかなりし頃に、機動隊を相手に火炎瓶を投げつけ、これに機動隊が催涙弾で応酬したり、大学の構内に立てこもったり、・・・、いろいろと騒ぎはあったが、周辺の住民などに直接的に(間接的には、きわめて迷惑な行為であったことは間違いないが、)被害を与えるような「暴動」ではなかった。闘争の相手は、機動隊であり、国会という権威であり、省庁であった。
意味もなく、路上のバスに火をつけたり、車を破壊したり、商店街を襲撃したり、・・・というようなことはなかった。
ところが、中国に限らず、タイ、ミャンマーなどの東南アジア諸国、ヨーロッパ諸国、アメリカなどの外国の暴動では、必ず、自動車の破壊、放火、商店街への襲撃など、端から見ていても、まったく意味のない行動が多い。
要するに、何が不満で暴動を起こしているのかが、よくわからないのだ。
アメリカなどの場合は、暴動に乗じて、商品の略奪などが行われているので、これらに便乗して窃盗を働く連中も存在する。
今回の中国の例では、経済発展の恩恵を受けているのは漢民族ばかりで、この経済支配に対するウイグル民族の不満が爆発した、などと報じられているが、それが、どうして路上の車やバスに放火したり、商店を襲い、公共物を破壊することにつながるのだろうか。
この論理の飛躍が理解できない。
こういう破壊活動に対して、警察などが、暴動を鎮圧し、犯人を逮捕することは当然であろう。
翌日には、「逮捕者を釈放せよ」といった要求を掲げたデモが行われていたが、これなどはきわめて平和的で、我々の目から見ても、至極まともなものである。
なぜ、最初からこのような平和的な示威行動、平和的な交渉や話し合いができないのかが、不思議である。
将来、社会不安が増大した場合、日本でもこのような暴動が起きるだろうか?少なくとも、自動車に放火し、商店を焼き討ちするような、無関係の人間に直接的な被害を与えるような行為は、行われないのではないかと思っている。
日本人はよく、平和ボケしていると言われるが、戦後の社会生活の中で、争いをせずに、話し合いや譲り合い(妥協や馴れ合いと呼ばれるものも含めて)によって、問題を解決する方法を構築してきたのではないかと思っている。
これは、日本人が戦後社会の中で身につけてきた、誇るべき民族的、歴史的特質であろう。
いまも、世界のあちこちで紛争は起きており、立場の弱い者がいつもその犠牲になっている。平和的な解決を模索する動きが、世界に広がることを期待している。

桑名で、生活保護打ち切りで衰弱死

2009年06月24日 | 社会問題
古い記事だが、北九州市でも、生活保護を打ち切られ、おにぎりが食べたいとのメモを残して餓死した例が報道されたことがあるが、同様の事例が、三重県の桑名市でも起きた。
哀しい限りである。
生活困窮者にとっての最後の砦である生活保護さえ受給できないとはどういうことだろうか。
北九州の場合は、申請さえ受け付けないという方法で、生活保護を片っ端から切り捨てて、厚生労働省がそれを激賞するという中で起きた事件だったが、今回の桑名の場合はどうだったのだろうか。
報道によれば、男性は昨年6月に清掃のアルバイトの仕事がなくなったといい、8月から生活保護費を受け取った。しかし、男性が同12月に支給窓口を訪れなかったことから、担当職員が今年1月に自宅を訪問したところ、男性は「日雇い労働者の仕事が見つかったので、今後はそれで生計を立てていく」と話したため、市は以降の支給を打ち切ったという。しかし、今年の2月には、男性から「仕事が駄目になりそうだが、再受給は可能だろうか」と問い合わせの電話があり、市の担当者が「本当に駄目になったら相談に来てほしい」と伝えたが、その後、連絡がなく、4月26日に自宅で死亡しているのが見つかったという。
再受給を希望した時点で、親身に相談に乗っていれば、こういう事態は避けられたに違いない。
生活保護については、一方で厳しい意見もある。
暴力団員への支給も明らかになり、全国で支給停止の措置を講じるようになっている。
また、受給しながら、毎日パチンコをして遊んでいるとか、高級外車に乗っているとか、不正受給をうかがわせるケースがあることも否定できない。不正受給には厳しく対応すべきことは言うまでもない。
しかし、訪問などにより、生活実態なども調査し、適切な支給ができるようにすべきであろう。面会すれば、きちんと食事を取っているかどうか、健康状態はどうか、生活保護を支給しなければ、命に関わるかどうかくらいはわかるだろう。窓口に座っているばかりが仕事ではあるまい。申請者、受給者を訪問し、近隣からも事情を聞くなどして、実態を正しく把握すべきであろう。
それが、生活保護制度を適正に運用するカギである。

庶民同士の対立を煽るのは止めにしよう

2009年06月13日 | 社会問題
江戸時代には、士農工商の身分制度があった。しかし、農家の次男坊、三男坊が商家に丁稚奉公に出たり、親方に付いて職人になることもあった。幕政が揺らいでくると、カネで御家人株を買い、武士になる者さえ出てきた。これ以外にも、養子縁組なども当たり前に行われていたから、少なくとも武士を除く階層は、固定的なものではなく、ずいぶん緩やかだったに違いない。我々が考えるほど窮屈な社会ではなかったのだろう。
しかし、支配階級から見れば、こういう身分制度は極めて重要で、お上(武士階級)への不満を持たないように、庶民同士を争わせるさまざまな支配の工夫を凝らしていたことは事実である。
庶民の下には、なる身分を設け、対立を煽り、庶民の不満を緩和しようと図った。
下級武士と町民との対立なども、支配階級の上層部は巧みに利用したに違いない。
さて、現代に眼を転じてみよう。
公務員と企業労働者、正規労働者と非正規労働者、若者と高齢者、男性と女性、年金生活者と生活保護受給者など、いろいろな対立の構図を持ち出して、庶民同士で対立をあおるというやり方は、今もまったく変わっていない。
争っている連中同士は、お互いに大した財産も持たず、毎日毎日、働かなければ暮らしていけない(自称中流の)庶民ばかりである。
個々に見れば、悪徳公務員も存在するだろう。怠けたために生活が破綻している若者や老人もいるだろう。意欲のない生活を送っている人間も確かに存在する。
しかし、全体として、こういう対立の構図を世間に広げて一番得をするのは誰だろうか?
それを考えたことがあるのだろうか?
庶民同士が競い合えば、給料はますます低い方に合わせられ、社会保障の給付水準も低い方に統一されるようになる。それで一番得をするのは、企業家や政府である。
そういう大きな流れを見ずに、対立の構図に乗りたがる連中が多いということは、政府や財界のこの作戦が成功していることを示している。さすがに資本主義社会だけのことはある。
庶民の多くは、身近に存在する暇そうな公務員や小金を持った老人などを見て、それに非難を集中する。一方、自分の生活からかけ離れている大金持ちの連中や別世界のような生活はまったく目に入らないので、非難の対象にすらならない。哀れというしかない。
格差の広がり、貧富の差が、日常生活のみならず、教育や医療、介護などさまざまな分野に、困難を広げている。
大きな視点で社会をみれば、前述のような庶民同士の対立を煽っても、問題は解決しないことは一目瞭然ではないか。足の引っ張り合いほど見苦しいものはない。
これからは、まじめな庶民と金権政治家、一般庶民と大金持ち、労働者と資本家、こういう対立にこそ、目を向けなければなるまい。

ストレスが原因の精神疾患で労災認定、3年連続で過去最悪更新

2009年06月09日 | 社会問題
仕事上のストレスが原因で精神疾患になり、2008年度に労災認定を受けた人が269人(2007年度比1人増)と3年連続で過去最悪を更新したことが、厚生労働省のまとめで分かった。20、30代を中心に高い水準が続いており、半数以上を占めた。また、過労自殺の労災認定は66人、過労による脳・心疾患は377人(うち死亡313人)で前年度からそれぞれ15人減ったが、高水準で推移しているという
厚労省によると、精神疾患の申請は927人(前年度比25人減)。2008年度に労災かどうか決定した862人(前年度以前の申請を含む)のうち労災支給決定(労災認定)は269人で、認定率は31.2%(前年度比1.8ポイント減)だった。
年代別では、30代(74人)、20代(70人)、40代(69人)の順で若年層の認定が目立った。特に20代は申請、認定とも前年度を上回り、若年層がストレスにさらされている実態が浮かんだ。業種別では製造業が50人、卸売・小売業(48人)、その他(43人)と続いている。また、過労自殺で労災認定されたのは50代が24人で最多、次いで40代(15人)、30代(11人)、20代(10人)だった。
一方、過労による脳出血や心筋梗塞(こうそく)などの労災申請数は889人(前年度比42人減)で2年連続で減少したが、認定された人の残業時間は、月80~100時間未満が最多の131人、次いで100~120時間未満が103人、120~140時間未満が49人だった。100時間以上が前年度より増加しており、長時間労働が是正されていない実態が分かった。
相変わらず、とんでもない長時間労働である。
一方で、非正規雇用者を切り捨てながら、他方では、正社員(かどうかはわからないが、)には長時間労働を強いるという構図である。
しかも、退職に追い込まれたまま、労災を申請していない例もあるだろうし、この記事を見ても、労災申請が認められているのは約30%である。
要するに、氷山の一角ということだ。
こういう働かせ方をしている企業の姿勢は問題である。また、それを放置している政治の責任も重大だ。労働基準法をきちんと守らせるだけで、労災を抑止する効果は相当あるだろう。厚生労働省も、こういう統計結果を報告し、問題を認識しているのであれば、直ちに、指導を強化し、このような悲劇が生まれないようにすべきであろう。

非正規労働者数が減少

2009年05月22日 | 社会問題
先日、総務省が発表した今年1~3月期平均の労働力調査によると、パートや派遣社員ら非正規労働者の数は、前年同期より38万人減の1699万人と、比較可能な2003年以降で、初の減少となった。前期(昨年10~12月期)と比べると、97万人の大幅減だった。不況で生産が減った製造業を中心に、企業が派遣社員を大幅に削減した影響を受けた。
一方、役員を除く正社員は、前年同期より15万人増の3386万人で、6期ぶりに増えた。介護など医療・福祉と、教育・学習支援業が、それぞれ10万人の増加となった。総務省は「非正規で働いていた男性が職を失い、代わりに妻が介護などで職を得たことが考えられる」と話しているという。
さて、現在は非正規労働者が、全集業者数の3分の1以上を占めているが、これが、経済格差や貧困の温床になっていることは明らかである。
正規労働者が前期より15万人増えたことは大変喜ばしいことである。
しかし、この間のいわゆる「派遣切り」で職を失った労働者は20万人を超えたとの報道もある。
契約を打ち切られた非正規労働者が、新たな職に就けず、ハローワーク通いをする姿もテレビなどで紹介されている。
正規社員としての雇用がなお一層進むことを期待している。
ただ、そのためには、景気回復任せではなく、労働者として、企業と対決して雇用を保証させる努力がどうしても必要である。また、一部の企業に存在する「横暴」を規制する法整備も必須である。

世襲について

2009年05月16日 | 社会問題
世襲議員の是非が話題になっている。
また、議員だけでなく、世襲タレントも最近とみに増えている。
結論から言えば、議員であろうがタレントであろうが、社長であろうが、実力さえあれば、世襲であろうが何であろうが、一向に構わないと思っている。
しかし、世襲と言われている議員やタレントを見ると、大した実力もないのに、ただ「世襲」というだけで注目されている連中が圧倒的に多い。
話題にさえなればよいということで、マスコミなども担ぎ出すので、マスコミへの露出回数が増え、知名度も上がり、何となく人気があるような印象を世間に与え、結果的に、「人気」や「実力」があるような錯覚を世間に植えつけることになる。
江戸時代では、将軍だけでなく、大名や下級武士に至るまで、基本的には世襲であった。そのような時代がどのような結果を招いたのかは、既に歴史が証明しているところである。
「世襲の禁止」というような愚行は厳に慎むべきであるが、かと言って、実力も能力もない政治家やタレントが溢れるのも困りものである。
やはり、国民の側からの監視を強めて、淘汰していくしか方法はないと思われる。
世襲ではないが、タレント議員やタレント知事などにも注意が必要だ。
日本人はどうも、マスコミの露出度が高い人間を漠然と支持する傾向があるようだが、その人物の過去の実績、現在の言動、未来への約束をよく吟味して選択すべきであろう。
千葉県では、完全無所属の仮面が剥がれかかった知事が右往左往している。大阪では、相変わらず、言いたい放題の知事がマスコミを騒がせている。
2人とも、それぞれの自治体をこのようにしたい、というビジョンがあっての言動とはとても思えない。これで、千葉や大阪の発展に寄与できるのだろうか。甚だ疑問に思わざるを得ない。
東京もワンマンな運営で、長男の重用、豪華海外出張、破産寸前の石原銀行、築地市場の汚染された豊洲への移転など、全国に大恥を曝している。
世襲議員もタレントも、是々非々で対応したいものである。

11年連続で自殺者3万人超

2009年04月02日 | 社会問題
警察庁は2008年の自殺者が3万2249人で、11年連続で3万人を超えたと発表した。
統計の残る78年以降で2番目に多かった2007年より844人減ったが、初めて公表した月別の自殺者数では、金融危機が深刻化した2008年10月が唯一3000人を超え最多だった。急激な景気悪化が影響しているとみられると分析されている。
景気悪化に比例しているようだから、やはり、生活苦などによる自殺者が増えているのだろう。
一部には、働かないでも贅沢な生活ができる人間が存在する一方で、多くの国民は毎日を精一杯働き、それでも一部の人たちは、その日の暮らしさえ維持できないような社会のあり方というのは、いかがなものであろう。
また、介護や医療の問題も深刻である。
高齢化社会にふさわしく、高齢者のための施策や予算は大幅に増やさねばなるまい。
それにしても、年間3万人といえば、毎日100人近くの人が自ら命を絶っていることになる。異常な社会ではなかろうか。
自殺者を減らすためには、自殺の原因を取り除く以外に方法はないことは明らかである。そういう社会の実現を切に願うものである。

11府県の公務員給与は割高?

2009年03月18日 | 社会問題
徳島、大分、茨城など11府県で公務員の給与が地元の民間企業の従業員の給与に比べ割高なことが、内閣府の調査で分かった。各都道府県の公務員と民間の給与をそれぞれの全国平均と比べたところ、民間給与が全国平均を下回っているにもかかわらず、公務員は全国平均を上回っていた。地方公務員の給与は、地元の民間と国家公務員の給与を参考に決めることになっている。11府県は、民間が中央との地域間格差があるにもかかわらず、公務員は格差がないどころか、優遇されていることになる、と記事は指摘している。
また、財務省などの資料によると、2006年4月時点の全国の国家公務員・民間給与を「100」とした場合、都道府県と政令市の地方公務員は「111.5」と大きく上回っている。とも報道されている。
しかし、論点がずれていないだろうか?
このような視点は、公務員と民間労働者を対立させるために、政府が仕組んだ宣伝にすぎない。
公務員も民間労働者と同じように、低賃金を余儀なくされているのが実態であろう。
この間問題になっているような非正規雇用者を大量に使って、賃金水準を大幅に引き下げる手法は、民間だけでなく、公務員にも広がっている。
ここにメスを入れないで、低い給与水準の中で、どんぐりの背比べのような比較をすること自体にまったく意味がない。
このような議論は、最終的には給与を「低い方に合わせる」方向に議論が進むことになり、公務員、民間ともに、限りない給与の低下を招く要因になる。
「11府県の民間給与は割安!」という表現こそ、この問題を解決する正しい方向であろう。
しかし、どうしても「公務員の給与が割高なのは許せない」という諸兄は、今から公務員になることを強くお勧めする。そうすれば、そういう不満はたちどころに解消するだろうから。

旧住宅金融公庫:頭金不要に?

2009年03月16日 | 社会問題
自民党が、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の長期固定ローン「フラット35」について、住宅購入時の頭金を不要にする制度改正案をまとめたと報じられている。
マンションの売れ行きが悪化していることから、景気対策として住宅取得を促すのが目的という。
フラット35は同機構が民間金融機関と提携した最長35年の固定金利ローンで、利用者が最も多い「買い取り型」は、融資の上限が建設や購入に必要な金額の90%で、数百万円の頭金が必要となる。しかし、今回の制度改正で、住宅の購入意欲はありながら頭金を用意しにくい若年層などがローンを利用しやすくするという。
なるほど、頭金がなくてもローンが組めるということになると、若年者がローンを組みやすくなるかもしれない。
しかし、そもそも、数百万円の頭金さえ準備できない層が、長期のローンを組んで返済が可能なのだろうか?
住宅購入には、登録免許税、住宅取得税などの税金のほか、登記などにかかる手数料なども、けっしてバカにならない金額になる。
一般に、金融機関が個人に住宅ローンなどを貸し出す場合、その預金者が長年にわたって預金を積み立てた実績があるとか、ボーナス時などに定期預金などを組んでいるとか、年収に比して貯金額が比較的多いなどの実績から判断し、今後長期にわたって生活設計ができ、ローンの返済も可能と判断するのではなかろうか。
それを、頭金も準備できない、返済の可能性もわからないで、大丈夫なのだろうか?
頭金なしでこのローンを活用して、一時的には、マンションを購入する若年層が増えるかもしれないが、アメリカの住宅バブルではないが、最終的には、少なからぬローン契約者が破綻に陥るのではないかと考えるのは、編集長だけだろうか?
一時しのぎの政策で、マンションの売れ行きは伸び、(自民党に多額の献金を行っている)建設業界や不動産業界は助かるかもしれないが、結局は、ローン破産者を生むだけの結果に終わるのではないかと危惧するものである。

子供“携帯漬け”:中学生の2割が1日メール50件以上

2009年03月01日 | 社会問題
中学生の約2割が携帯電話で1日に50件以上のメールをやり取りしていることが文部科学省の調査で明らかになったという。「1日に100件以上」という中学生も7%で、子供の“ケータイ漬け”が浮かび上がっている。一方、携帯電話について、親がよく理解していない現状も浮かんだという。
調査は、昨年11~12月、全国の小学6年、中学2年、高校2年の計約1万7000人を対象に実施、約1万500人が回答した。
携帯電話の所有率は小学生が24.7%、中学生が45.9%で、高校生は95.9%とほぼ全員だった。
携帯電話で1日に50件以上メールをやり取りすると答えた小学生はわずか2.4%だったが、中学生は19.5%、高校生は13.9%。1日のメールが30件以上という児童生徒のうち、午後11時以降に寝るという小学生は64.3%、中学生が74.8%、高校生では87.1%だった。
さらに、中高校生の約7割が、迷惑メールやインターネット掲示板に悪口を書かれるなどのトラブルを経験しており、逆に3割がネット掲示板に悪口を書いたり、チェーンメールを送っていたことも判明したという。高校生の約2割が授業中に携帯電話を使用したことがあった。
一方、高校生の約4割で利用経験のある自己紹介用携帯サイト「プロフ」について、「聞いたことさえない」という親が4割にのぼり、親が携帯電話やインターネットの機能やサービスを理解していない実態も分かった。文科省が呼びかけている「家庭でのルール作り」も、高校生のほぼ半数が「決めてない」としたのに対し、約4分の3の親が「決めている」との認識を示すなどギャップを示したという。
読者諸兄は、この実態をどのように思われるだろうか?
生活が大変便利になり、価値観の急激な変化が感じられる。
本来、人間にとって必要なもの、あるいは必須なものと言ったほうが正確かもしれないが、明らかに、「衣・食・住」に関連するものであろう。
世界的に見れば、環境問題、食料問題などが人類にとって共通の課題になっている。日本も、食料自給率はわずかに40%しかなく、環境変化に伴うと考えられる災害も増えている。今までは、食料でも、衣類でも、木材でも、好きなものを何でも世界から買い付けて何不自由なく暮らしてきたが、果たしてこのような暮らしが持続可能なのだろうか。
今、多くの人に、生活必需品は何かと尋ねると、携帯電話、パソコン、テレビ、自動車などが上位を占めるのだろう。
今回の中学生での調査は、それを裏付けるものである。同時に、国民の危機感のなさの結果でもある。
人間の生活にとって、衣食住が基本であるが、それだけで生きているわけではない。したがって、これに加えて、人間としての人生の目標や夢を持って、この実現のために生きていくことに人生の喜びがあると思われる。
携帯での大量のメールの送付、ネットへの悪口記入が人生の目標ではあるまい。
中学生だけでなく、親も含めて、生活に本当に必要なもの、人生にとって大切なものを家族で話し合って見るべきだろう。