時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

総選挙の結果に思う

2009年08月31日 | 政治問題
自民・公明政権が歴史的な惨敗を喫し、民主党政権が誕生した。
今回の結果は、けっして民主党の政策が良かったからではない。自公政権が国民の審判を仰がずに、政権をたらい回しにし、国会での多数を頼んで、悪政を進めてきた結果、国民がこの政権に愛想をつかし、その受け皿として、たまたま政権の座に近い民主党に、雪崩のように票が集まった結果にすぎない。
自民・公明政権には不満があるが、民主党にも不安を持ちつつ投票したというのが、国民の正直な気持ちであろう。
公明党は、党首、閣僚経験者を含めて、惨敗を喫したが、同党の幹部からは、「自民党の協力が十分に得られなかった」といった不満も聞かれた。
自民党の議員は、とにかく小選挙区での当選をめざしているから、政党を選ぶ比例代表の投票結果がどうなろうが、まったく関心はない。小選挙区で、創価学会票を取り込むために、「比例代表は公明党へ」という訴えを街頭などで行うことになる。一方の公明党は、一部の小選挙区で当選をめざすものの、全体的には、小選挙区で自民党に票を回す代わりに、比例代表の票を自民党から回してもらう。
小選挙区で票が欲しい自民党と、比例区で票が欲しい公明党の利害が一致し、こういう関係を築いてきたわけだが、理念も支持母体もまったく異なる政党同士が、票を回しあうこの姿は、国民の意思をまったく無視したものだ。そしてこれは、政党の腐敗を助長する行為であったことは間違いない。
政党として、他党の票をあてにするのではなく、自らの主張を前面に押し出して、堂々と論戦する必要があるだろう。
しかし、今回の選挙でも改めて感じたことだが、小選挙区制という選挙制度は、少数野党を踏みつけにする制度であり、国民の多様な意見を、大政党に集約してしまう選挙制度であると痛感した。
国民の意思を正確に表わす得票率に応じて、議席を配分するというのが、民主主義の基本であろう。その点で、日本は、小選挙区制というゆがんだ制度を容認し、民意を無視した国会で、民意を無視したことが決められてゆく国になってゆくのかもしれない。
そしてそれは、国民の政治意識と民主主義の生育の低さの現われであろう。

三菱自動車、製造現場は直接雇用に

2009年08月29日 | 経済問題
三菱自動車は今後、製造現場で必要となる非正社員は、直接雇用の期間従業員で確保し、派遣従業員は使わない方針を固めた。昨秋以降の不況で「派遣切り」が社会問題になったことを受けて、派遣会社を通じず、直接非正社員と契約することで雇用責任を明確にするという。
まぁ、一歩前進ではあるが、直接雇用と言っても、雇用期間の上限がある期間雇用であり、期間が過ぎれば、住むところもなくなり、途端に生活に困るようになる。この点では、いわゆる「不安定雇用」であることに変わりはない。
三菱自動車は、今後採用する期間従業員は本人の希望に応じて正社員への登用制度に応募できるようにして、正社員への道を用意する方針というが、雇用は、正社員が当たり前という世論を広げて、企業に対して、その社会的責任を果たさせていくことが必要である。

100円マックの安さの正体

2009年08月28日 | 社会問題
日本マクドナルドの元店長4人が在職中に権限も裁量もない、いわゆる「名ばかり管理職」として扱われ、残業代を支払われなかったのは不当として、同社に未払い残業代など計約1700万円を求めた訴訟は、東京地裁で和解が成立した。
関係者によると、マクドナルド側が一定額の支払いに応じる意向を示したとみられるが、和解条項は非公表。日本マクドナルドは「詳細についてはコメントできない」としている。原告は東京都内のマクドナルド店舗で店長を務めていた4人。いずれも既に退職しており、退職前の約2年間の未払い残業代などを求めて昨年3月に提訴していた。
マクドナルドをめぐっては、埼玉県の男性店長が起こした別の訴訟でも今年3月、マクドナルド側が1千万円を支払うことを条件に東京高裁で和解が成立している。
要するに、この記事に登場する5人の名ばかり店長の残業代の未払いだけで、3,000万円近い金額である。マクドナルド全店を調査すれば、こういう事例は山のように出てくるはずである。ましてや、事項が成立していない時点まで遡って調査し、未払い残業代を支払えば大変な金額になるはずだ。
いま、100円マックが人気という。結局は、労働者に支払うべき給料を支払わず、そこで浮かせたお金で、目玉商品の値引き販売で客寄せをしているということである。
提訴した元店長の勇気に拍手を送るとともに、マクドナルドが、このような実態を反省し、業務にふさわしい給料の支払いを行うよう強く求めたい。

民主党政権で一党独裁に?

2009年08月27日 | 政治問題
与謝野馨財務・金融相は、会見で後半に突入した選挙戦の情勢について、「どこも厳しい状況だ。私の選挙区も例外なく厳しい。民主党の怒涛のような波が東京中を襲っている」と自身の選挙戦にも危機感を示し、「今の勢いでいくと、国会が一党独裁になりかねない。自民党であれ、他政党であれ、ブレーキ役の政党が存在することが必要だ」と語ったという。
また、民主党の鳩山由紀夫代表がテレビ番組で2010年度の新規国債発行額を2009年度よりも増やさないと発言したことについて「そう簡単に断言できるほど日本の財政事情はやさしくない」と述べた。
各種報道の世論調査では、民主党の圧倒的優位が伝えられる一方、自民党は苦しい状況に追い込まれている。与謝野財務相は「この4年間の政権運営のあり方がトータルで国民に見られている」と指摘した。
しかし、驚くべき発言ではなかろうか?
この4年間、衆議院で3分の2以上の議席を占め、何でもかんでも再議決をして法案をゴリ押ししてきたのは、自民、民主の与党である。
この期に及んで、民主党政権の独裁が始まるなどと、他党を非難する資格はない。
自らが言明しているように、「この4年間の政権運営のあり方」が国民から批判を受けているにすぎない。他党の将来のことを心配するよりも、自らが現実に行った乱行の数々をまず反省すべきであろう。

竹中平蔵の支離滅裂ぶり

2009年08月26日 | 政治問題
竹中平蔵が、なぜ郵政の「完全民営化」をせねばならないかと問いかけ、その必要性を論じた文章がVoiceに掲載されていた。
1つは行政改革の観点から、「民でできることは、民でやるほうがいい」からである。たとえば宅配事業なら、すでに民間の宅配業者がいくつもある。ならば、ゆうパックを国営事業としてやる必要はない。同じように民営化すればいい。また郵政という1つの経営主体を見たとき、いまのままでは莫大な赤字をもたらすことは確実である。たとえば郵政時代、2万4000局ある郵便局のうち、5000局が集配郵便局であった。集配郵便局とは、トラックなどを使って集配業務を行なう郵便局で、それ以外に窓口業務のみを行なう無集配郵便局がある。常識的に考えて、集配郵便局が5局のうち1局というのは多すぎる。20局に1局もあれば十分で、実際、民営化にともなって5000局を2000局に減らした。郵政時代には、このような無駄が多かったのだ。
しかもEメールの普及により、郵便の取扱量は毎年3パーセントから5パーセント減っている。このままでは、10年後には半分程度になってしまってもおかしくない。これは直接に、郵便事業の赤字を増大させる原因となる。このような状況下で非効率な経営を続けていたら、それはすべて国民への負担となって跳ね返ることとなる。
・・・・・・・・・。
つまり郵政には多面的にさまざまな問題があり、これらを解決するには完全民営化しかないのである。うんぬん。
しかし、これほどバカな話があるだろうか?
民間の金融機関に赤字が出たら、多額の「公的資金」という名の税金を投入し、国民に損害を与えたのは、竹中平蔵ではないか。
赤字が出ようが、倒産しようが、民間に任せておけばよいではないか。これが、市場原理主義ではないのか。
国民の財産のうち、おいしいところはすべて民間に譲り渡し、あるいは廉価で売り渡し、民間が困ると、すぐさま救いの「税金」を投入する。
一方では、民間でできることは民間にと主張しながら、他方では、民間にできることにも関わらず、政府が口を出すだけでなく、要求もされないのに、ご丁寧に「税金」まで投入する。この支離滅裂ぶりには、呆れるほかはない。
所詮は、財界、大企業のお先棒を担ぐだけの愚かな「御用学者」ぶりを曝露したものにほかならない。

小泉改革の成功を祝す?

2009年08月25日 | 政治問題
全国郵便局長会(全特)のアンケートによると、2007年10月の郵政民営化前より客数が減ったと感じる郵便局長が回答者の8割弱に達した。全特では、民営・分社化で郵便局員の業務が複雑になり、待ち時間が長くなったことなどが敬遠されたとみている。
アンケートは昨年に続いて2回目。全特の会員2万人弱を対象に、5~7月に郵送で調べた。回収率は89.4%。
客数についての回答では、「少し減った」「大幅に減った」の合計が78.3%。「少し増えた」「大幅に増えた」は3.5%だけだった。「減った」と答えた割合は前回より約18ポイント増えた。
客の苦情や不満を複数回答可で尋ねたところ、「求められる証明や書類が煩雑」が92.5%で最も多く、「郵便物の誤配・遅配」「手数料の値上げ」「待ち時間の長さ」の順で続いた。郵便局の将来(複数回答可)については「合理化が進み、サービスと営業力が低下するのではないか」との答えが78.8%。「完全民営化されると地方の郵便局が廃局されるのではないか」が74.8%に達したという。
小泉内閣による郵政民営化は、郵便局が保有していた莫大な保険、貯蓄を解体し、これらを国内外の銀行や保険会社などに放出することであった。
その意味では、この調査結果に表われているように、郵便局からの資金の流出に伴い、顧客は減少している。当然の結果であろう。小泉は、これを狙っていたのだから。
また、顧客の減少は、この調査結果に出ているように、利用者へのサービスの低下の結果であろう。
小泉改革の「本丸」と言われた郵政改革は、結局は国民へのサービス切捨て、郵便局からの資金の流出、資産の投売りなどを招いただけの結果に終わった。この改革に熱狂した多くの国民も、今ではその正体に気づいたことだろう。
しかし、小泉改革は大きな成果を残した。
「自民党をぶっ壊す」と気勢をあげたが、振り返ってみると、まさしくそのような状況になってきた。
小泉改革の唯一の成果は、「自民党をぶっ壊した」ことである。このことを一国民として、喜びたいと思っている。

競売不動産、1年で2倍

2009年08月21日 | 社会問題
競売にかけられる不動産の数がこの1年余りでほぼ倍増したことが、不動産競売流通協会の調べでわかった。住宅ローン返済に行き詰まる人が増えているのが原因とみられる。競売までの手続きには1年弱かかるため、この夏のボーナス大幅カットの影響が出るのは来春ごろ。競売数はさらに増える可能性があるという。
競売は、借金の返済が行き詰まり、担保物件の買い手が見つからないときに裁判所を通じて売りに出す手続き。裁判所ごとに物件情報を公告するが、全国の集計値は公表されていなかった。20日に不動産業者らでつくる不動産競売流通協会が初めてまとめたそうだ。
協会によると、2008年3月の競売物件は3,773件だったが、昨年夏から急増し、今年3月には7,000件を突破。7月は前年同月比70%増の7,229件だった。毎月の競売の約半数は戸建て住宅、2割弱がマンション住戸、残りが土地や事業用不動産など。戸建ての競売は2008年3月の1,744件から2009年7月には3,512件まで膨らんでいる。
都道府県別では、1,000世帯あたり競売物件数(2008年7月~2009年6月)が最も多かったのは茨城と宮崎の34件。山梨32件、福井30件と続き、都市部より地方で競売物件が多い傾向がみられたという。
以前の記事でも何度か指摘しておいたが、頭金なし、税金までローンでまかなうような買い方、売り方がまともなわけがない。頭金や登録免許税、取得税、果ては、契約書に貼付する印紙代までローンを組むような契約もあるという。
そもそも、頭金も貯蓄できない世帯が、長期にわたってローンを払い続けることは難しいと判断すべきであろう。こういう世帯に住宅を売りつける住宅会社のモラルも問われなければならない。
また、ローンも5年後、10年後には返済額が増えるようなタイプが多く、以前からその危険性が指摘されていた。こういう危険なローンを組ませてでも、売れば良いとばかりに売りつけた業者や金を貸した銀行の責任も大である。
ローン返済額の増加時期とサブプライムに端を発した不況の重なりで、今回のような事態に至ったわけである。
しかも、この記事によると、地方では特にひどいようだが、不況の影響が特に、製造業の工場がある地方に存在するためであろう。
日本版サブプライムローン破たんである。これもまた、政治災害の結果の一つなのかもしれない。

セブン-イレブンが値引き販売の店主に嫌がらせ

2009年08月19日 | 社会問題
コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンが、弁当などの値引き販売をしている東京都内の加盟店主に対し、フランチャイズ契約の解除を通知したそうだ。
セブン側は「値引きが理由ではない」としているが、契約を解除されたこの店主は、値引き販売をする店主らでつくる組織の中心人物の一人であり、嫌がらせであることは見え見えである。
この店主は、不服だとして、近く東京地裁に地位保全を求める仮処分を申請する方針という。
しかし、ひどい話である。
言うことを聞かない店主には商品を卸さないという今回の措置は、嫌がらせ以外の何物でもない。
セブン側にすれば、これが裁判沙汰になって、仮に敗訴しても大したことはない。
三審制の下で、徹底的にやれば、少なくとも4~5年はかかる。
その間に、セブンに都合の悪い店主らの勢いを止めてしまえばそれでいいのである。
今回のフランチャイズ契約の解除で、値引き販売を促進しようとしている他の店主たちの足も止まるだろう。セブンにとってはそれでいいのである。
5年も経てば、世間もこんなことには見向きもしなくなり、店としてのイメージダウンにもならない。その間に、儲けるだけ儲けてしまえば、裁判費用なども大した金額ではない。
今回、契約を解除された店主ばかりでなく、セブンの理不尽な対応に異議のある店主は、是非、この店主とともに、セブンの理不尽さを追及してほしいと思っている。
長いものには巻かれろ、では生きていけない世の中である。
声をあげ、行動してこそ、現状を打開できると思われる。

時代錯誤の主張

2009年08月18日 | 政治問題
総選挙の公示日に合わせて、産経新聞が相変わらず、時代錯誤の主張を行っている。
「この国を誤りなく主導できる指導者と政党を、有権者は徹底的に吟味し、選び出さなければならない。」という主張はもっともである。
そして、各党の代表が日本をどうするかという国のありようをあまり語っていないことに苦言を呈している。これもよかろう。
問題は、国のあり方として、産経が描いている未来像である。
産経は、「北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射を踏まえて、日米同盟が弱体化されても、日本の平和と安全が確保されるのかどうか。」と懸念を表明している。
相変わらず、日米同盟を強化しようという方向性を示している。
ソ連の崩壊に伴い、ワルシャワ条約機構も崩壊し、NATOでも、加盟国の足並みは揃っておらず、アメリカによるイラク制裁に賛成したのは、イギリスなどわずかな国だけであり、フランス、ドイツなどの有力国は、軒並みこの制裁に反対した。
今では、アメリカ大統領さえ、核兵器の廃絶を口にせざるを得ないところに来ている。
相変わらず、日米同盟の強化を主張する産経には、こういう大きな世界の流れは目に入らないと見える。
インド洋での海上自衛隊の補給支援や在日米軍駐留経費の日本側負担に関する特別協定なども今まで通りに進めよという態度である。
要するに、あくまでも、日米軍事同盟を堅持し、民主党などが掲げる「対等の日米関係」を頭から否定している。
考えてもみよう。あらゆる国同士の付き合いで、対等でない、卑屈な関係を望む国がどこにあるだろうか?
アメリカに追随し、軍事だけでなく、政治的にも、経済的にも従属を強いているのが、日米安保条約に基づく日米同盟の実態である。
産経は、「こうした基本的な問題への疑問にきちんと答えることが政権選択の前提であるはずだ。政権を担おうという自民、民主両党のさらなる努力と決断を強く求めたい。」と書いているが、この主張は、今まで以上に、日本国民に屈従を強いる主張である。
そして、自民党が「これまでの憲法解釈を変え、集団的自衛権の行使に踏み込む意欲を示したもので評価できるが、日本の国を守るという以上、行使に踏み切ることを明確にすべきである」と、時代錯誤の海外派兵を求めているのは、狂っているとしか言いようがない。
世界の国々は、軍事力ではなく、外交を重視し、民族や文化、宗教の違いなどがあっても、平和的に共存し、話し合いによって対等平等の関係を樹立する努力を強めている時に、軍事一辺倒で世界をかき回すことしかできないようでは、日本の国際的な地位は、ますます低下するに違いない。
また、「自民党は日本の国益や国際的信用をどう維持し、国民の安全を高めていくかを、もっと具体的に示してほしい。」と言っているが、医療難民、介護難民、教育難民、ワーキングプア、格差の拡大など、長年続いた自民党政権によって、国民の生活の「安全」はかつてなく、もう十分に脅かされている。この「安全」を、ミサイルや核兵器で守ろうという考え方そのものが間違っている。
産経新聞は、もう少し日本と世界の現実と未来への大きな流れに目を向けるべきであろう。

日本郵政と日本通運の事業統合には反対?

2009年08月14日 | 経済問題
佐藤勉総務相は、日本郵政長と会談し、10月に予定している日本通運と郵便事業会社の宅配便事業統合について「統合時期を再検討してもらいたい」と述べ、延期を求めた。統合で利用者が混乱したり、サービスが低下したりする懸念があるため、としている。
延期要請は、郵政民営化の見直しを掲げる民主党を意識した選挙対策との見方が多い。郵政側はあくまで10月の統合を目指す考えだが、民主党政権が誕生した場合、統合そのものが修正される可能性も否定できないという。
ゆうパックを扱う郵便事業会社とペリカン便の日通は昨年6月に共同で「JPエクスプレス」を設立し、新ブランドに統合して一体運営する計画だった。
しかし、3月末に提出した事業計画に対し、当時の鳩山総務相が計画の見直しを要請し、郵便事業会社が7月末に修正計画を提出していた。
総務相は会談で、統合後の社員配置などの心配が解消されていないと指摘。計画は認可できないとの考えを示し、郵便事業に影響が及ばないようにする対応策の検討などを指示した。
しかし、おかしな話ではなかろうか?
民営化したのなら、経営は経営陣に任せればよいではないか?会社を潰そうが、合併しようが同でもよい。
民営化すれば、事業統合も当然あり得るだろう。
市場での競争に勝ち抜く手段として、合併を繰り返し、「独占」を形成することは市場の常識である。
もし、事業統合を阻止したければ、もう一度国営企業に戻せば良いだけの話である。
それを拒否しておきながら、事業統合には反対する姿勢は、国民にはわかりにくい。
結局は、自民党の連中も、民営化なんかしたくなかった。無能な小泉が郵政民営化をぶち上げ、マスコミが騒ぎ立てたので、お祭り騒ぎで、ついついやる気のなかった郵政民営化を進めてしまったというのが本音であろう。今頃になって、「統合で利用者が混乱したり、サービスが低下したりする懸念があるため」などということは理由にはならないだろう。
国民の立場で、何が一番望ましいのかを改めて考えるべきであろう。

とんだ茶番劇:首長連合の民主党支持

2009年08月12日 | 政治問題
大阪府の橋下徹知事らは、大阪府庁で記者会見し、「首長連合」として総選挙で民主党の地方分権政策を支持すると表明した。橋下知事は「国が変わる可能性にかけたい」と述べ、政権交代を望む立場を鮮明にしたという。
橋下知事らは自民、民主両党のマニフェスト(政権公約)を「分権改革の徹底」「霞が関解体」などの4項目で比較し、全国知事会と自民、公明、民主3党の7日の公開討論会で、民主が首相直属の「国家戦略局」や「行政刷新会議」などの新組織に地方の代表を入れると明言したことが「非常に大きかった」と評価した。自民については「戦後、霞が関と一緒にやってきた自民が霞が関を解体するのは無理だろう」と述べたという。
しかし、これはまるで、茶番ではないだろうか。
全国知事会は、与野党3党の地方分権政策の採点結果を公表。自民が60.6点、民主は58.3点、公明は66.2点で、民主の評価が一番低かった。
これは何のための採点だったのだろう。
この採点結果は、どの政党も、似たり寄ったりで、甲乙つけ難いくらいに「低レベル」だということだ。
にもかかわらず、首長連合がこういう結果を公表したのは、ただ単に国民の声に迎合しただけである。
主権者である国民は、自民、公明の政治にウンザリしており、政権からの退場を求めているのは明白である。そして、総選挙後に民主党を中心とした政権ができる可能性が高い。
橋下のおっさんなんかに言われなくても、自民党や公明党がダメなのはわかってるよ、というのが、国民の声である。
しかも、首長連合などと大げさな名前が付いているが、橋下知事の他には、市長職を投げ出した元横浜市長で現在無職の中田氏、松山市の中村市長や杉並区の山田区長、神奈川県開成町の露木町長だけである。烏合の衆といってもよい。
わけのわからない行動はやめて、主権者である国民に判断を任せたらどうだろうか。

全国知事会が、マニフェストを採点

2009年08月09日 | 政治問題
全国知事会が、衆院選に向けた自民、民主、公明3党のマニフェスト(政権公約)のうち、地方分権にかかわる政策の採点結果を公表した。29人の知事が採点し、平均点は自民が60.6点、民主は58.3点、公明は66.2点だった。分権改革の具体策への評価では、民主が自民を上回ったが、知事らが求める地方財源の確保に不安があるとして減点された。
知事会は、政府や各党に要望してきた項目に沿って採点したという。
点をつけたのは、知事会長の麻生渡・福岡県知事や大阪府の橋下徹知事ら、みずから採点を希望した知事だそうだ。3党のマニフェストの書きぶりと、3党との公開討論会での議論を踏まえた。
各党への評価を見ると、自民は国が自治体の仕事内容や方法を縛る「義務づけ」の見直しで数値目標を設けたことや、地方交付税の増額を明記した点で評価が高かったという。
民主は、国から自治体への補助金を原則廃止して使い道の自由な交付金に改めるとした点や、国の直轄公共事業の地方負担金の全廃を評価された。一方で、ガソリン税などの暫定税率廃止を掲げながら地方財源の穴埋め策を示していないなどとして、財源確保を不安視されて減点されている。
公明は、知事会側が重視する「国と地方の協議の場」の設置について、「地方が権限を有する分権会議の法制化」と記し、ただ意見を聞くだけの場ではなく地方側に権限を与えることを明確化した点が高い評価を受けたそうだ。
しかし、マニフェストというのは、所詮は、公約にすぎない。もちろん、公約は大切であることに間違いはないが、各党がこの公約通り行動するかどうかははなはだ疑問である。
たとえば、各党とも雇用の創出などを掲げているが、この間の非正規切りを生んだ根源である労働者派遣法の「改正」に双手をあげて賛成し、今日の非正規切り、偽装請負などを生み出してきた張本人であり、このような過去の「実績」から判断すれば、雇用創出というのも所詮は口からの出まかせと見られても仕方がない。
特に、与党である自民、公明の両党については、公約よりも、今までの実績を踏まえたうえで、評価を行うべきであろう。
また、民主党についても、参議院では多数派の中心となって議案を提案できる立場にあったわけであるので、その点からの「実績」を評価するべきであろう。
また、29人の知事も、各府県では自民、公明の推薦を受けて当選している知事が多い中で、客観的な評価が行われているかどうかも疑わしい。
口先だけの公約よりも、各党の実績、これには実現したものだけではなく、実現しなかったが積極的に提案したもの、不合理な提案に対して反対した実績も含めて、過去にその政党がどういう行動を取ったかも含めて評価すべきではあるまいか。
その点で、今回の知事会によるマニフェスト評価は極めて片手落ちではなかろうか。

給料は減少。で、株主配当は?

2009年08月06日 | 経済問題
厚生労働省が発表した6月の毎月勤労統計調査(速報値)によると、現金給与総額(平均賃金)は前年同月比7.1%減の43万620円で、マイナス幅は過去最悪になった。6月は多くの企業で賞与の支給月に当たり、不況で賞与の削減が進んでいることを裏付けた形だ。
賞与をめぐっては夏と冬の支給額を春に一括して決定する企業が多く、昨年9月の「リーマン・ショック」で本格化する業績悪化の影響は昨冬に反映されず、今夏から表面化することになる。
現金給与総額の減少は13カ月連続。内訳は賞与など「特別に支払われた給与」が14.5%減の16万7044円、残業代など所定外給与が17.7%減の1万5725円。これに対し、所定内給与は0.5%減の24万7851円だったという。
惨憺たる有様である。
価格が上昇している物もあるが、全体としては、デフレが進行し、物価は低下している。したがって、同じ貨幣額で、以前よりたくさんの買い物ができるようになっており、貨幣価値は増大している。だから、多少の賃金の低下は許せるとしても、これだけ低下すると、家計を支えようがない。現在の事態はそれほど深刻だ。
一方、大手企業も軒並み赤字決算だったが、多くの企業は内部留保を取り崩してまで、しっかりと株主に配当を行っている。
この発想はどこからくるのだろうか?
昔なら、従業員の生活を守るということが大切にされたものだが、最近は、株主の利益を優先する発想が広がってきたのだろうか。
しかし、株主といっても、実際に多数の株を握っているのは、銀行、証券、保険などの金融機関であり、個人株主で大きな比率を占めるのは、創業者とその一族などごく一部の株主である。結局、創業者などは、赤字であろうが何であろうが、濡れ手に粟で、数億、数10億という所得を手に入れるわけである。
一般庶民の給与収入が減ったという情報を発表するのなら、儲けている人間の存在についても、しっかり発表すべきであろう。

見えない日本と世界の将来

2009年08月05日 | 政治問題
総選挙に向けて、各党がマニフェストを発表している。
現在与党である自民党、公明党、そして、おそらく9月には政権の座に付く民主党のマニフェストを見ると、日本と世界を将来どのようにしようとしているのかが、まったく見えてこない。
これは、多くの評論家が指摘していることである。
上記のどの党も公務員改革、官僚支配の打破、年金や医療改革、その他のバラマキなどを掲げ、個別政策は百花繚乱であるが、大きな視野に立って、日本や世界をどのようにリードしていこうとしているのかがまったくわからない。
日本に100以上もの米軍基地がある現状を、今後、100年、200年とずっと続けるのか、10年後、20年後には、出て行ってもらうのか?
オバマ大統領が核廃絶を訴えている時に、日本の政府としてどのように行動するのか?
憲法、特に、憲法9条を変えるのかどうか。もし、変えるとすれば、変えてどうするのか?自衛隊を海外の紛争地域に派遣して、いま、米軍がイラクやアフガニスタンで行っているような軍事行動を行うようにするのだろうか?
戦争のない世界を作るために、どのような国際的な枠組みを作っていくのだろうか?それとも、この世から戦争をなくすことはできないと考えているのだろうか?それなら、そのように記載すべきだ。
資本主義の終焉までが話題になる世の中である。資本主義を続けるのなら、資本主義の仕組みのどこを改善して、どういう社会を作るのか?資本主義に代わる社会をめざすのなら、それはどのような社会なのか?
与党と民主党は、次の総選挙までといった短い期間ではなく、20年、50年といった視野で日本や世界を捉えて、積極的な提案を行うべきであろう。
その点が欠けたマニフェストは、結局は、安売りのチラシ程度でしかない。どちらの党がトイレットペーパーを安くしてくれるのだろうかと。

いびつな発想

2009年08月04日 | 政治問題
国や地方自治体が、新たな住民サービスを開始する時に、所得に関係なく、一律にサービスを提供しようとすると、「お金のある人にも一律にサービスを提供するのか!」といった批判が出る。
なるほど、そういうご意見はごもっともである。
しかし、金持ちや大もうけをしている企業からもっと税金を取ろうとすると、「そんなことをすると、金持ちや企業が海外に出て行く」などと言って反対し、消費税の増税が平等でよい、という意見が出る。
こういう議論を聞いていて、読者諸兄はどのように感じられるだろうか?
どうも、一貫性がなく、発想がいびつであると感じないだろうか?
国や自治体の行うサービスに、所得や財産によって差を付けることは不可能だろう。たとえば、道路や公園や公共物等の使用に、所得に応じて制限を設けることなど不可能だからだ。
だから、国や自治体の行うサービスに、所得によって差を設ける必要はないのである。
使いたい人が使いたいように使えば良いのである。
そうしないと、公共物を使わないから税金を安くしてくれとか、たくさん使っているのだからもっと税金を払えとか、わけのわからない議論になってしまう。
公共サービスは、所得に関係なく、誰でも一律に受けられるようにすることが基本である。
しかし、税金はそうではあるまい。
所得の多い人が、多くの税金を負担するのが基本であろう。
しかし、サービスについては、一律に受けられるようにすべきであろう。
そうすれば、金持ちも税金をたくさん払っても、サービスが一律に受けられれば、それで納得ができるに違いない。
税金も多く取られて、いざ、サービスを受けようとすると、所得が多いからという理由で、追加の料金を払うようなことをすると、いくらお金を持っていても、ウンザリしてしまうだろう。
だから、サービスに必要な税金は、所得の多い人からは多く、少ない人からは少なく取り、サービスは平等で、しかも低料金、できれば無料で、という原則で行う必要がある。
先日、テレビの政治討論会で、高校の授業料の無料化が議論されていた。今では、ほとんどの子供が高校まで進学する。ならば、いっそのこと、高校までを義務教育とし、最低限度の負担で高校までの教育が受けられるようにするのが普通であろう。
さて、そこで、与党から出た意見が冒頭に紹介した「お金のある人にも一律にサービスを提供するのか!」という非難である。
政府与党は、低所得者ほど負担が重い消費税の増税を画策する一方で、医療費などは、一律、何割の負担という受益者負担を強いている。
まったく、いびつな発想と言わざるを得ない。