時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

米上院:ビッグ3救済法案を否決

2008年12月12日 | 経済問題
米上院において、米自動車大手3社(ビッグ3)に対して最大150億ドルの資金繰りを支援する法案の修正協議が行われたが、物別れに終わった。
法案は事実上、廃案となり、1月の新議会までは放置されることとなり、GMやクライスラーなどは、年末の資金繰りの見通しが立たず、経営破綻する恐れも出てきた。
まず面白いのは、共和党の対応である。
共和党は、今回の金融危機の大本を作ってきたのは、ブッシュ共和党政権である。そのことに頬かむりをして、あるいは、次の民主オバマ政権への嫌がらせの意味もあってか、この救済法案に強行に反対したことだ。無責任な態度といわざるを得ない。
もう1つは、アメリカを代表する巨大自動車会社の倒産が、現実のものになってきたことである。
以前にも書いたことだが、力のない会社は、どんどんと淘汰されていくのが、資本主義社会の宿命である。ビッグ3の経営陣もそうやって、会社を成長させてきたのである。こんどは、自分たちが食われる側になっただけのことだ。
経済、雇用に与える影響が「大きすぎて潰せない」という見方もあったが、編集長は、けっしてそうは思っていない。大きくなりすぎて、小回りが利かなくなり、時代の流れに乗れない企業は、市場から退場するというのが資本主義社会での根本的なルールである。
もし、資本主義を信奉し、この経済体制の下で生きていこうとするならば、このルールに従って、突き進む以外に方法はない。
もし、GMやクライスラーが倒産しても、その設備や技術や人材を欲しいと思う資本家がそれを買い取って、新しい体制で新しい会社を興すことになる。あるいは、他のもっと強い企業が、これらの市場を食い荒らすだけのことである。
経営陣は、たった1年で一生を遊んで暮らせるだけの、あるいは一生かかっても使い切れないくらいの報酬をもらっているため、会社が潰れようがどうなろうがどうでもよい。
ただ、ここでもっとも被害を受けるのは、労働者である。特に、黒人や移民などの社会的な弱者がその犠牲になるのは、耐え難いことである。