時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

定額給付金の迷走

2008年12月13日 | 政治問題
麻生首相は、長崎で自民党長崎県連が主催した首相の演説会で演説し、追加景気対策の柱である定額給付金について、「貧しい人には全世帯に渡すが、『私はそんな金をもらいたくない』という人はもらわなきゃいい。(年収が)1億円あっても、さもしく1万2000円が欲しいという人もいるかもしれない。それは哲学、矜持の問題で、それを調べて細かく(所得制限を)したら手間が大変だ」と語ったという。
政府は所得制限を設けるかどうかで混乱した末、「年間所得1800万円が下限」という目安を示したが、受給辞退を呼びかけるかどうかは市区町村の判断に委ね、実質的に制限がない状態が見込まれている。
1万2000円が欲しけりゃ取りに来い、といった感じだ。
編集長も、くれるものはもらってやるが、別に何に使うということもない。結局は、オークションにでも消えてしまうのだろうな。
公明党が提案した愚かな「ばらまき」政策に乗って、2兆円もの財源を当てたわけだが、何の景気対策にもならないことに国民も気づきはじめた。公明党の支持者でさえ、過半数が給付金を否定している有様である。給付方法もデタラメで、住居さえ定まらないようなホームレスや非正規雇用者など、肝心な所には行きわたらないことも明らかになり、いったい何のための給付金か、わけがわからなくなっている。そして、貧乏人でも「もらわない」人もいるし、金持ちでも「さもしい奴」はもらいに来るだろうという、「制度」や「政策」とはとても呼べない代物に成り果ててしまった。
提案した公明党幹部さえ、わけがわからないのが実態ではなかろうか。引っ込みが付かなくなって、言い訳に奔走しているというのが、現在の姿であろう。
自民党の山崎前副総裁も、追加経済対策の柱となる総額2兆円の定額給付金について「思い切って見直したらいい。2兆円があれば非常に多くのことができる。これは乱暴な使い方だ」と述べ、麻生首相に撤回を求める始末である。
まったくその通りだ。後期高齢者医療制度の廃止、失業者への生活支援、中小企業への緊急融資など、2兆円もあったら使い切れないくらいだ。
「給付金は史上最大のムダ使い」、「給付金はやめろ」という国民の声に政府、与党は真摯に耳を傾けるべきであろう。