時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

マクドナルド:労災や残業代不払いのオンパレード

2008年04月30日 | 社会問題
過当競争の中で原材料高が直撃し、青息吐息の外食業界にあって、ひとり利益の急回復を果たしているのが、日本マクドナルドホールディングスである。2007年度の営業利益は前年から倍増以上の167億円。2008年度は200億円の大台を狙う勢いである。
この会社で、会長兼社長兼CEOという「絶対権力者」として一手に束ねるのが、2004年に同社へと転じた原田泳幸氏である。作り置きしない「メイド・フォー・ユー」の全店導入や地域別価格の実施、24時間営業の本格化と、矢継ぎ早に改革策を講じたことが、この利益を支えていると言われている。
しかし、その一方で原田氏の経営手法に対して疑問の声も少なくない。その象徴が、「身内」からの猛反発だという。
いわゆる「名ばかり管理職」だとして、マクドナルドの元店長4人が、残業代が支払われなかったのは不当として、不払い残業代など約1700万円の支払いを求めて東京地裁に提訴した。1人は24時間営業のスタートに伴い、退職直前の3カ月の残業時間は148時間、116時間、174時間と、月80時間の過労死認定基準をはるかに超える激務を余儀なくされていた。
すでに別の裁判で東京地裁は1月28日、労働実態からマクドナルドの店長は残業代を支払う必要のない「管理監督者」とはいえないとして、過去2年分の不払い残業代など約755万円の支払いを同社に命じられている。3月6日には愛知県の豊田労働基準監督署が、50代の元店長が脳梗塞と大動脈瘤で倒れたのは、月80時間を超える残業など過重な労働が原因だったとして、労災を認定した。また、昨年10月、40代の女性店長が業務中にくも膜下出血で急死したのは過労死の疑いが濃厚だとして、近く遺族が声を上げる見通しだ。
この数カ月間を振り返っただけでも、店長という現場の要である社員の常軌を逸した長時間労働と悲痛な叫び声が、立て続けに表面化している。
要するに、現場労働者の健康や命まで削りに削って作り上げたのが現在の利益の内容である。現場の声に一切耳を貸そうとしない原田氏の姿勢に危機感を抱き、同社では、2006年に労働組合が結成されている。
黙っていては何も変わらない。
長時間労働、サービス残業のうえに作り上げられてきた利潤は、労働者のために吐き出すべきであろう。
全国の職場で、このような労働者の戦いが進むことを願っている。

夫殺害の妻に懲役15年の判決

2008年04月29日 | 社会問題
夫を殺害して、遺体を切断して遺棄した容疑者の妻に対して、東京地裁が懲役15年の判決を下した。
検察、弁護人の双方の鑑定医による「心神喪失」状態にあったとの鑑定結果に反する判決となり、その是非なども含めて議論になっているが、編集長は今回の判決を妥当なものと受け止めている。
裁判官も述べているように、警察での取調べに対して、犯行当時の状況をかなり覚えており、犯行後に夫が生きているように偽装工作を行ったり、遺体を切断して隠蔽しようとしており、「心神喪失」の状態にまでは至っていなかったのではないかと思っている。
夫による暴力や離婚協議の行き詰まりなどによる心身の疲れはあったと思われるため、求刑の20年を若干減刑した裁判官の判断は適切なものと思われる。
ところで、精神鑑定とはいったいどのように行われるのか、一般にはわかりにくい。
犯行後、何ヵ月あるいは何年も経ってから、犯行当時の精神状態を正確に把握することが果たして可能なのかという疑問が湧く。
そもそも、通常の精神状態で殺人などの犯罪を犯す人間が存在するのだろうか?どこか精神を病んでおり、人間としての理性や感情を抑制できなくなっているのが普通ではなかろうか。特に、犯行後に遺体を切り刻むという行為は、尋常な精神状態でできることではない。
とすれば、この種の犯罪の容疑者は、すべて「心神喪失」で無罪になってしまうことだろう。
ちょっと演技力のある容疑者なら、犯罪直後の警察の取調べや裁判などで、「覚えていない」、「気がついたら遺体があった」、「自分が殺したかもしれないが、朦朧としていて記憶がない」などと言い続ければ「心身喪失」で無罪を勝ち取ることも可能になってしまう。
また、「心神喪失」と判定され、凶悪事件を起こした容疑者が無罪となり釈放された場合、社会はどのような気持ちで彼らを迎えることができるだろうか。容疑者もまともな社会生活を営んでいくことができるだろうか。
今回の判決は、鑑定医の判断をほとんど採用しない内容になっており、新聞などでも、その点が議論になっているが、犯行後数年を経て行われる「犯行当時の精神状態」に対する鑑定の意味や信頼性についても大いに議論が行われることを期待している。

「小泉元首相に説明してもらいたい」?

2008年04月25日 | 政治問題
「小泉さんに説明してもらったらいい」。衆院山口2区補選の大きな争点に浮上した後期高齢者医療制度をめぐり、22日の自民党総務会ではそんな意見が飛び交ったという。
世論の強い批判に加え、与党内にも「説明不足だ」と指摘する声があることから、制度決定時の首相で国民的人気が根強い小泉元首相の発信力に頼ろうというもくろみらしい。
確かに、この制度を導入したのは、小泉首相の時代であり、その責任は重大である。しかし、その小泉首相が国民の人気が高いとわかるや、彼に擦り寄り、好き放題をやらせて、その結果、この制度の導入を支持したのは、他ならぬ自民党議員連中である。
そして、今になって「自分は関係ない」「小泉さんがやったことだ」と頬かむりをするつもりだろうか。
小泉首相と同様に、後期高齢者医療制度を推進した自民党、公明党の議員に責任があることは明瞭である。
総務会では、加藤紘一元幹事長が「医療費の改革は小泉改革の延長線にある問題。小泉さんに(補選で)説明してもらったらいい」と提起し、高市早苗・前少子化担当相らが賛同した。津島雄二党税調会長も「堂々と正面から腹を据えて説明すれば分かってもらえる」と指摘したそうだ。
それなら、自分たちで「堂々と正面から腹を据えて説明すれば」よいのではなかろうか。
この連中には、国民の生活への配慮や高齢者へのいたわりの気持ちなどはまったくなく、その時々に浮き草のように右往左往し、選挙で勝って、自らの議席を守ることのみに汲々とする姿がよく表われているではないか。唾棄すべき連中というほかはない。

フリーター11万人減?の政府目標

2008年04月24日 | 政治問題
政府が経済成長戦略の柱と位置づける新雇用戦略の原案が22日に明らかになった。
若者、高齢者、女性、障害者など各層にわたって、それぞれ雇用機会の拡大に向けた数値目標を設定したのが特徴という。今後3年間を「集中重点期間」に掲げ、70歳まで働ける企業を2割(2007年度は11.9%)に引き上げるほか、フリーターの数を11万人減らすなど「全員参加型社会」を目指す。後期高齢者(長寿)医療制度への批判が高まる中で、福田康夫首相は政権浮揚の足がかりとしたい考えという。
新戦略は少子高齢化で労働力人口が減少する中、雇用条件を改善することで国民1人当たりの国内総生産(GDP)を伸ばす狙い。舛添要一厚生労働相が23日の経済財政諮問会議に提出し、論議に入る。
原案は、高齢者に就業機会を提供するシルバー人材センターを活用し、2010年度までに会員を100万人(同76万人)に引き上げる。また、雇用に積極的な企業への奨励措置の拡大などにより、65歳以上を定年とする企業の割合を50%(同37%)に引き上げる。
フリーターや母子家庭の母親などの就業支援のため、職業訓練の受講履歴を証明する「ジョブ・カード制度」を推進。協力企業への助成制度を充実させるなど今後3年間でジョブ・カードの取得者を50万人にする。今後3年間のハローワークの障害者就職件数は14万4千件(2005~07年度は12万8千件)をめざすという。
しかし、どれもこれも数値目標だけで、絵に描いた餅にすぎない。
政府統計でも、フリーターは約200万人、この他にいわゆるニートが約60万人に上っている。このうち、11万人を減らすという目標そのものが極めて不十分な目標ではないか。
編集長が知りたいのは、社会的に問題になっている派遣社員、特に日雇い派遣をどうするのか、あるいは、業務請負、特に違法な偽装請負をどのように規制するのか、その点が知りたいのである。
政府は相変わらず、企業に「正社員として雇用しましょう」などと呼びかけるだけのつもりのようだ。そんなことを言われて、「はいそうですか」という企業があるはずがない。
また、定年延長といっても、60歳の誕生日を迎えると突然給料が半分になるような定年延長では意味がない。政府が定年延長を主張すると、できる限り年金の支払いを遅らせようとする策略ではないかと勘繰りたくもなる。
現在、雇用情勢が悪化しているのは、不景気という経済状況もさることながら、その中で人件費を極限まで削減して、ボロ儲けを続けている大企業の横暴にあることは明白である。
ここにメスを入れてこそ、雇用の改善が図られると思われる。
労働者を保護する法律の制定、最低賃金の引き上げ、サービス残業の禁止、長時間残業の規制、有給休暇の完全保証制度、偽装請負の禁止、違反企業への罰則の強化など、労働者を保護し、大企業の横暴を規制する法律や制度の導入こそ、フリーターの根絶につながると確信している。

野村証券社員のインサイダー取引

2008年04月22日 | 経済問題
野村証券(東京都中央区)の社員らによるインサイダー取引事件で、証券取引等監視委員会は22日午前、同社などに対する調査に着手し、社員らの聴取を始めた。
容疑が固まれば、東京地検特捜部は金融商品取引法違反容疑で、社員らを逮捕する方針という。
以前にも少し触れたことがあるが、インサイダー取引を完全に封じることはできないだろう。
逮捕された社員は、野村証券に入社以来ずっとインサイダー取引に手を染めていたといわれており、会社もそれを把握できなかったということだから、お粗末としか言いようがない。
証券会社でなくとも、友人などから、特定の企業、業界に関する機密情報を入手することなど、さほど困難ではないだろう。
さまざまな業界の連中が秘密裡に集まって、お互いに情報交換を行えば、まあ、株式相場での勝率はグンと上がるに違いない。
こういう情報をうまく入手できる人間は、巨額の利益を上げることが可能になるが、そういう情報を得られない素人は、株式市場という舞台から敗退するしかない。
翌日に株が上がるか、それとも下がるかの確率は50%である。
この確率は、サイコロを振って、丁半どちらかの目が出る確率と同じである。
いかに法律に触れずに、あるいは今回のようにたとえ法律には触れていても人目に触れずにうまく立ち回り、特定企業の情報に精通できるかが、株式市場での勝率を高める唯一の方法である。
実際に罪には問われなくとも、インサイダーすれすれの取引というのは、半ば公然と行われているのではなかろうか。
株の世界というのは、所詮は博打市場ではあるが、明らかな違法行為については徹底的に取り締まって欲しいと思っている。

ネットでのいじめで提訴

2008年04月22日 | 社会問題
いじめの温床とされるインターネットの「学校裏サイト」で中傷され、高校の退学を余儀なくされたとして、水戸市の女性(18歳)が、掲示板に書き込みをした元同級生2人とそれぞれの両親を相手取り、慰謝料200万円を求める訴訟を水戸地裁に起こしていたことがわかったという。
訴状によると、女性は2005年4月に茨城県内の県立高校に入学したが、直後から約1週間にわたり、携帯電話の同校の裏サイトに名指しで「消えろよ、虫けら」「目ざわりだ。やめるの楽しみにしてるよ」などと書き込みをされた。内容から、女性が同級生の女子生徒2人をただしたところ認めた。
女性は同年6月に自主退学。学校側は2人を1週間の校内謹慎処分にしたという。
学校裏サイトでの誹謗、中傷などは増加しており、内容もどんどんエスカレートしているそうだ。
ネット社会では、そのほとんどが匿名であり、ちょっとしたいたずらのつもりがだんだんエスカレートし、本件のように同級生を退学にまで追い込み、その人生に大きなダメージを与えてしまうことさえ存在する。また、ネットでの書き込みが原因による不登校、自殺なども調査すれば続々と出てくるのではなかろうか。
今回、裁判に訴えるということであるが、被害者にすれば当然の行為であろう。匿名であることを幸いに、実名あるいは本人が特定できるような情報を明らかにし、誹謗、中傷を行うような行為をこれ以上野放しにするわけにはいかない。今回の提訴が、ネット暴走の歯止めになることを願っている。

この国の行く末

2008年04月21日 | 政治問題
時事通信社が4月11~14日に実施した4月の世論調査結果によると、首相にふさわしい政治家は、自民党の小泉純一郎元首相が21.2%でトップで、2位は16.0%の麻生太郎前幹事長だったという。民主党の小沢一郎代表は7.2%で3位、福田康夫首相は7.1%で4位と、ともに振るわなかったと報じられている。
最近は、新聞やどのテレビチャンネルでも後期高齢者医療制度のことが話題になっている。
高齢者や国民の怒りは相当なものだ。
何度も述べてきたが、この制度の導入を決めたのが、小泉元首相である。多くの国民が小泉「改革」に浮かれている間に、自民党と公明党が多数を力に押し切った制度である。
このような高齢者、国民の怒りが沸騰している時期に、首相にふさわしい政治家として、国民の5人に1人が小泉元首相を選ぶというのは、編集長には理解ができない。
要するに、後期高齢者医療制度への怒りが、「改革」と称してそれを導入した張本人である小泉元首相への怒り、自民党・公明党への怒りに結びついていないのである。
その怒りは、地方自治体の窓口の職員に向けられ、またある時は政治家一般に向けられ、また、自民党や公明党の悪政に国会で対抗してきた野党のふがいなさに向けられるのである。
多くの日本人は、長い間、こうして為政者に騙され続けてきたわけである。
また、朝日新聞社が19、20の両日実施した全国世論調査(電話)によると、福田内閣の支持率は25%で、3月29、30日の前回調査の31%を大きく下回り、内閣発足以来最低を記録したという。しかし、よく考えて見よう。福田内閣にまだ25%もの支持があるということ自体に、編集長は驚きを禁じ得ない。
事の真実が見抜けない、あるいは見抜こうとしない多くの国民の存在を思うと、この国の行く末が案じられてならない。

公明党市議の狂気

2008年04月20日 | 政治問題
ちょっと古い話になるが、3月21日の千葉県鎌ヶ谷市議会の本会議での出来事である。
予算案の反対討論に立った公明党議員が突然以下のような発言を行い、議場を驚かせた。
「人生の師と仰ぐ池田SGI(注:創価学会インタナショナル)会長は、心こそ大切なれと、一番大切なことを教えてくれました。したがって認めるわけにはいきません。」
公明党が創価学会丸抱えの政党であることは誰しも認めるところであり、別に驚きもしないが、市議会の本会議場で、公明党議員がこれほど露骨な発言をしたというのはあまり聞いたことがない。
政教一致が批判された当時、池田大作は「(公明)党も私が作ったんです。私の弟子です。賛成の人(ハイ!)そうでしょう。私の自由です。分離はしました。しかし心は分離していません。心まで分離すると反逆者です。地獄に落ちます」(1976年2月1日の発言)などと述べていたが、今回の議員の発言は、まさに池田発言を裏打ちするような発言である。心は創価学会とともに、これがこの議員の本音であろう。
最近の聖教新聞をみると、「議員になると偉くなったと錯覚する。」、「公明党よ、政治家改革を断行せよ。」などというキャンペーンを張っている。
かつて、公明党委員長だった竹入義勝氏などは、聖教新聞紙上において「畜生以下、ケムシの魂」などという悪罵を投げつけられている。
議員といえども、創価学会への忠誠心を絶えず表明しておかなければ、いつ首がとぶかわからない、いつ批判の矢面に立たされるかわからない状況なのだ。
こういう政党の議員を何人、何十人議会に送り込んでも、有権者に利益になるはずがない。
国政の舞台では、公明党は自民党政治に完全に飲み込まれ、悪政の推進役を果たしてきたが、地方政治ではもっと以前から自民党流の政治を推し進めてきた張本人である。
有権者ももっと澄んだ目でこの政党の本質を見極めるべきであろう。
それにしても、公明党議員の狂気には驚くほかはない。

投資信託の元本割れが続出

2008年04月19日 | 経済問題
リスクが限定的で安全性が高いことを売りにしている投資信託で、元本割れが続出し、購入者からは「話が違う」との怒りの声が出始めているそうだ。
「リスク限定型」と呼ばれるこの投信は、日経平均株価が一定の範囲内であれば元本が確保され、一定の分配金を受け取ることができるというものである。
商品によって多少の違いはあるものの、(1)スタート時に日経平均を基に設定した「スタート株価」が1年ないしは1年半後の判定日に日経平均を上回った場合、(2)もし上回らなくても1年半のあいだ、日経平均があらかじめ定められた価格(ノックイン価格)まで下がらなければ、元本は確保されるといった仕組みになっている。
このようにダブルでリスクテークしているため、リターンは大きくないもののリスクは小さく、安全性が高いとして銀行を中心に広く販売されてきたものだ。
ところが、サブプライムローン問題に端を発し、昨夏から日経平均は下落の一途を辿り、3月にはついに1万2000円台まで割り込んでしまい、ノックイン価格を下回る商品が続出している。
しかも、日経平均が「スタート株価」まで回復する望みも薄く、元本割れの可能性が非常に高まっている。
しかも、金融関係者によると、金融商品取引法施行前の段階で、「リスクに関する十分な説明をしていない営業マンが多かった」ケースもあるようだ。
もし、説明があったとしても、リスク限定型という商品の特性上、投資初心者を中心に販売していたため、購入者から不満が噴出しそうである。
サブプライム問題が表面化した昨年秋には、郵便局が販売した投信のほとんどが元本割れしたことはよく知られている。郵便局の商品だから大丈夫と信じて購入した高齢者が多いと思われるので、これから償還の際には大問題になるはずである。
サブプライム問題で、金融機関は多額の損失を被っているが、結局は、投信購入者などにそのツケが回されることになる。
しかし、購入者も当然そのリスクをよく理解しておくべきである。
確実に元本が保証されるのならば、高い運用益が得られるはずがない。ハイリスクハイリターンと言われるが、ハイリスクノーリターンということも十分にあり得ることを肝に銘じておくことである。
以前にも書いたが、「投資」というのは所詮ギャンブルである。金融機関やファンドなどが運用する数千億円、数兆円といったマネーによって商品価格は翻弄されるが、最終的にババをつかまされるのはたいてい庶民である。
情報提供の徹底などで、庶民がこのようなリスクを負うことがないようにすべきである。

石原知事の愚策

2008年04月18日 | 政治問題
東京都は今年度から、受験生を抱える低所得者世帯を対象に、学習塾の費用を無利子で融資する制度を始めるという。
全国初の試みで、「親の経済力の格差が、子供の学力差に結びつかないようにしたい」というのが制度発足の動機らしい。
しかし、自治体が塾通いの費用を無利息で貸し出す必要があるのだろうか?
そんなことをするお金があるのなら、都立高校の授業料の値下げや免除、小中学校での30人学級の実現、教員の増加、学校設備の改善など、教育の充実のためにいくらでも使えるではないか。
たとえば、30人学級に踏み出していないのは、全国で東京都だけである。
他の46道府県では、その実現に向けて部分的にあっても30人学級を目指して取り組んでいるのが現状だ。
これに対して、東京都では、公教育の充実を放棄しておいて、塾通いを支援するという。本末転倒も甚だしいではないか。
新銀行東京への追加融資、オリンピックの誘致、そして今回の塾通いへの支援、・・・、石原知事も相当ボケてきたようだ。これ以上、老醜をさらすことなく、サッサと引退することをお勧めする。
ところで、この費用負担の内容であるが、都福祉保健局によると、対象は中学3年生、高校3年生を抱える年間の課税所得が60万円以下の世帯。例えば、夫婦と子供1人の3人家族の場合、年収320万円以下、子供2人の4人家族の場合は、380万円以下が目安となるという。
しかし、借金は所詮は借金である。いずれは返済しなければならない。こういう借入れが更に家計に負担をかけることは明らかである。
そんなことよりも、塾に行かなくても学校で十分に勉強できるような環境を整備することが先決である。

自衛隊官舎へのビラ配布に有罪

2008年04月17日 | 憲法・平和問題
最高裁は、自衛隊のイラク派遣反対のビラを自衛隊官舎で配り、住居侵入罪に問われた市民団体のメンバー3人の上告を棄却し、罰金10万~20万円の有罪とした2審判決が確定した。
最高裁は、ビラの配布を憲法が保障する「表現の自由の行使」と認めた。その一方で、「たとえ思想を外部に発表するための手段であっても、他人の権利を不当に害するようなものは許されない」と指摘している。
しかし、各戸のドアポストにビラを配布することが、刑事罰を加えるほどの行為だろうか?
編集長に言わせれば、スーパーやコンビニでの万引きの方がずっと悪質ではないか?
また、他人と異なる考え、思想が書かれたチラシを配布されることが、権利を侵害することになるのだろうか?自衛隊員の家族の中には、夫や親がイラクに派兵されることを心配し、心の奥底では、派兵反対の運動を支持する人もいるに違いない。それが肉親としての当然の情愛である。自衛隊の官舎だから、住民は全員が自衛隊のイラク派兵に賛成しているのだから、他人の権利を侵害しているなどと考える方がどうかしている。
編集長の自宅にも、いろいろな主張のビラが配布されるが、自分の考えにそぐわないものを配布されるからといって、その人物を逮捕し、罰金刑を課すことが妥当だとはけっして思わない。
警察は、被告らを2ヶ月以上にわたって拘束の上取調べを続け、挙句の果てに起訴し、最終的には10~20万円の罰金刑を課したわけだが、たったそれだけの罰金を言い渡すために、どれだけ無駄な税金が使用されたのだろう。
通常、アパートやマンションなどのポストには、宅配ピザや不動産情報など、様々なチラシやビラが投函される。こうしたチラシやビラを重宝にしている住民も多い。
ピンクチラシなど違法なものならともかく、一般のチラシや政党や団体のビラ配布まで警察が摘発するのは、現実的ではあるまい。
今回の事件は、自衛隊官舎への反戦ビラの配布という内容を考えると、権力による異常な弾圧という印象をぬぐい切れない。
今日届いたニュースでは、自衛隊のイラク派遣は違憲として、愛知県の弁護士と全国の住民らが国を相手に、派遣差し止めと慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決が、名古屋高裁であり、原告の訴えを退けたものの、「米兵らを空輸した航空自衛隊の活動は憲法9条1項に違反するものを含んでいると認められる」と指摘、憲法違反に当たるとの判断を示した。
こういう判決から見ても、自衛隊官舎への反戦ビラの配布は、憲法に基づく当然の権利といわざるを得ない。最高裁判所は、その歴史に新たな汚点を残したことになる。

後期高齢者医療制度:自治体に苦情殺到!?

2008年04月17日 | 医療・社会保障
後期高齢者医療制度については、保険証の未着、保険料額の誤りなどが次々と発覚し、もうどうしようもない状態になっている。
地方自治体の窓口には、連日のように苦情や問合せの電話、訪問が相次ぎ、日常業務に刺傷がでるような状態になっている。
しかし、国民、特に高齢者は勘違いをしてはいけない。
この制度を決めたのは、小泉政権時代の自民党、公明党の両党であって、自治体の窓口が悪いわけではない。
そういう意味では、自治体や職員も、後期高齢者と同じように、被害者である。
抗議や問合せは、自治体の窓口ではなく、全国の自民党、公明党に行うべきであろう。
率直にお伝えしておこう。
自民党や公明党は、年寄りに長生きして欲しいなどとは、これっぽっちも思ってはいない。それどころか、たいした税金や保険料も支払わず、医療費や介護費用ばかりかかるのだから、さっさと亡くなって欲しいというのが、政府、与党の本音であることは間違いない。
小泉「改革」などと大騒ぎして、こういう政党に投票し続けてきた多くの有権者にも大いに責任があるが、善良な国民をだまして票を掠め取ってきた責任の大半は、この両党にある。
多くの国民は、今回の件で、自民党、公明党の政治の本質がどのようなものかよくわかったはずである。
これからは、国政でも、地方政治でも、自民党、公明党の連中がどのような甘言を弄しても、絶対に騙されてはならないだろう。
たとえ、自民党支持者の町会長から頼まれても、時々晩ごはんのおかずを届けてくれる近所の創価学会員から頼まれても、絶対に、自民党や公明党には投票しないことだ。
このことを読者諸兄には改めてお願いをしておきたい。

米軍への思いやり予算可決:理念なき民主党の迷走

2008年04月15日 | 政治問題
安保条約などの条約や法律にも規定されていない在日米軍の駐留経費を日本側が負担する、いわゆる思いやり予算が衆議院で可決された。
アメリカべったりの自民党、公明党がこの法案に賛成したのは当然のことであるが、わけがわからないのが民主党の態度である。
同盟国アメリカとのきずなを強調し、今まではこの思いやり予算の支出にも大賛成してきた民主党であるが、今回は採決で反対した。
しかし、本会議の討論においては、反対討論を行わず、小沢代表に至っては、採決の際に退席してしまい、アメリカへの忠誠心を見せつけた。
民主党という政党は、本当に節操も何もない。日米同盟が大事だと主張し、今まではずっと賛成してきたのなら、今回も賛成すべきであっただろう。自分の党の理念さえ曲げて、反対するという態度は、それこそ「反対のための反対」に他ならない。要するに、政権に混乱さえ持ち込めばそれでよいという考え方だ。政権の混乱、国会の空転はけっして国民のためにならない。
もし、民主党が政権を取ったら、この思いやり予算はどうするつもりだろう?即刻やめるつもりなのだろうか?
編集長はもちろん、このような税金の無駄使いは即刻やめるべきであると思っているので、民主党が政権をとれば、引き続き、思いやり予算の否決に回ることを願っているが、いまの民主党にそれが期待できるだろうか。
民主党が政権を握れば、双手をあげて、思いやり予算を可決するに違いない。
政治というのは、「駆け引き」だと思っている議員や国民も多いかもしれないが、それは間違いだろう。政治の基本は、国民の安全や福祉に寄与するかどうか、その一点を見極めることにあると思われる。
今回の採決に見た民主党の態度は、皮肉にも、この政党が政権担当能力に欠け、国民の側に立っていないことの証左になっているように思われる。

橋下大阪知事を笑う

2008年04月14日 | 政治問題
大阪府の改革プロジェクトチーム(PT)案は、この日午前の部長等意見交換会で明らかにされた。橋下知事は「いよいよ賽(さい)は振られた。徹底して府民の議論を巻き起こして下さい」とあいさつしたが、各部長からは「削減ありきで理念がない」と批判が噴出。橋下知事が「理念を打ち出していなかったのは私の責任」と認める一幕もあったと報じられている。
PT案は「収入の範囲内で予算を組む」という橋下知事の方針のもと、9年連続の赤字から脱却する目標を掲げ、借金返済を先送りしてきた「赤字隠し」の手法も今年度からとらないとしている。
2007年度予算で総額576億円(国費75億円含む)の私学助成見直しでは、学校に配分する経常費助成のうち小中学校で30%、高校・幼稚園で10%をカットし38億円を削減。保護者負担を軽減する「授業料・保育料助成」は2009年度から減額する。
2004年度から段階的に取り組んできた小学校1、2年生の35人学級編成は今年度で廃止し、増員分の教員を減らす。政令を上回る警察官の定数も来年度以降、解消する。安威川ダムと槇尾川ダムの大型公共事業も本体着工を見送り、歳出抑制効果を狙った。
総額238億円の医療費助成事業の見直しでは、高齢者や障害者、ひとり親家庭、乳幼児を対象にした助成について原則、月1000円の自己負担額を1割負担とすることなどで、計13億6千万円を削減する案が示されている。
市町村に対しても、公共施設整備を支援する施設整備資金貸付金を廃止し、34億円を削減。行財政支援のための振興補助金も半減させ、6億円カット。市町村向け支出の削減は2008年度で79億円、2009年度で134億円を見込む。
27の府立施設の見直しでは8施設を廃止し、民営化や統合なども含めて6億5000万円を削減。46の出資法人では、16法人を統廃合するなどして補助金や委託料計36億8000万円を減らす。
歳入確保は具体案の積み上げはしなかったものの、府有財産の売却で50億~100億円、市町村への施設整備貸付金の繰り上げ償還で100億円程度を見込んでいる。
人件費削減については制度設計ができていないとして具体策は明示しなかった。
府の幹部からも批判が起きているようだが、「何でもかんでも削減すれば良い」といった感じで、文字通り理念がない。
提案の中で評価できるのは、安威川ダムと槇尾川ダムの大型公共事業の中止くらいで、その他は、医療や教育など府民の生活に直結した施策ばかりである。
「子供が笑」えるような府政をつくるのが公約ではなかったのか?だとすれば、学校関連予算や府立施設の廃止は、この公約に真っ向から背くものである。
また、治安の悪化が叫ばれている時に、警察官の削減もいただけない。市町村からも批判の声が起きている。
削りやすいところからただ削ったというだけの予算案で、子供からも笑われ、恨まれるような内容というほかはない。
橋下知事がめざしたように、いま大阪には「笑い」が溢れている。橋下知事を嘲笑する笑い声が。

みずほFGの損失がまた拡大

2008年04月13日 | 経済問題
パソコンがダウンしてしまい、ここ数日、記事をアップすることができなかったが、その間にも社会は絶え間なく動いている。
さて、みずほフィナンシャルグループ(FG)は、平成20年3月期の連結最終利益予想を3100億円(当初4800億円)に下方修正すると発表した。
同期の業績下方修正は3度目。米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題関連の損失も、1~3月で500億円と見込んだ追加損失が2200億円に膨らみ、通期で5650億円に達する見通しだ。
みずほFGは期初に、最終利益が7500億円と過去最高益を見込んでいたが、昨年9月中間決算時に6500億円に下方修正。さらに、今年1月末には4800億円に利益予想を見直し、期初予想の半分以下に減少した。
損失処理の結果、みずほ証券が保有する外貨建て証券化商品の残高は、昨年12月末の4700億円から1000億円に減少するとしている。
今までにも、金融機関の損失はますます膨らむだろうと何度も指摘してきたが、そのとおりの展開になってきた。しかも、損失を小出しにして経営責任を回避しようという意図が見え見えである。
みずほFGだけでなく、他の金融機関も似たり寄ったりの実態であろう。
こういう損失を一気に明らかにすれば、市場に混乱を招くことを予想し、金融庁も各金融機関に小出しで公表するように指導しているに違いない。
金融庁とともに、役員連中もその責任をいかに回避するか、いかに株主総会を乗り切るか、頭を痛めているに違いない。
経営責任を明らかにするとともに、このような損失の結果、預金者、利用者へのサービスがますます切り捨てられ、現場で働く労働者への賃金のカットや待遇の悪化がないことを切に望むものである。