時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

首相が財界に賃上げ要請

2008年12月02日 | 経済問題
世界的な金融危機の影響による雇用情勢の悪化を受け、政府・与党は、週内に緊急雇用対策を示す方針を固め、本格作業に着手した。
麻生首相は経済団体幹部に直接、協力を要請する。与党は12月5日までに、市町村を通じた失業者雇用対策の拡充や、新卒予定者の採用内定の取り消し対策をまとめる。
首相は1日に首相官邸で日本経団連の御手洗冨士夫会長や日本商工会議所の岡村正会頭のほか、非正規労働者の正社員化などを積極的に進める企業のトップらと会う。家計への緊急支援策としての賃上げなどで理解と協力を求める考えだ。
賃上げ要請は10月末に発表された景気対策に盛り込まれているが、春闘が本格化する前に首相が賃上げを要請することは極めて異例。非正規労働者の雇用安定への協力も求める。
一方、採用内定取り消しに関しては、与党の新雇用対策に関するプロジェクトチーム(座長=川崎二郎・元厚生労働相)が、大学やハローワークと連携した企業指導の強化や、悪質な企業名の公表などを柱とした対策を示す方向だ。
市町村が交付金を基にした新規事業で失業者を雇用する「ふるさと雇用再生特別交付金」の規模を「3年間で2500億円、最大10万人雇用」から拡充することでも調整に入っているという。
そういえば、福田前首相も財界、大企業に対して同じことを言ったことがあるが、まったく効果はなく、むしろ、その頃よりも悪化しているのが実情である。
しかし、厚生労働省が先日報告したように、現在わかっているだけでも、3万人に及ぶ新たな失業者が見込まれているのだから、将来の10万人雇用よりも、まずこの3万人を直ちに救済することが必要であろう。
しかも、財界に「お願い」してどうなるのだろう。
労働基準法に照らして、違法な偽装請負を徹底して取り締まり、突然の解雇をやめさせることが必要だろう。
また、労働法制の規制緩和を1999年以前の状態に戻せば、すぐにでも大量の非正規雇用者を正規雇用者として企業に採用させることが可能になる。
労働者の首切りについては、経営努力にもかかわらず、やむを得ない場合に限られているにもかかわらず、配当金の上積みや経営者への多額の報酬が支払われている現状をどう考えているのだろうか?
こういう点を指導するだけで、10万人を優に越える雇用創出が可能であろう。
財界に対して必要なのは、「お願い」ではなく、労働法制の規制緩和を本に戻し、現行の労働法制でも禁止されている不法な解雇をやめさせるよう徹底した「指導」を行うことであろう。