あびこ雅浩の日記

仙台市議会議員あびこ雅浩の活動日記。

子供にツケをまわさない「自治体財政研究会」に参加しました

2012-01-22 | 国際・政治

自治体の財政に関する研究会に参加しました。2日間にわたり公会計・税と自治体財政について学びました。
受講者は自治体議員、首長、職員などで、北は北海道江別市から島根県まで、富山市、太田原市長、江津市、相模原市、常滑市、鈴鹿市、我孫子市、新潟県、栃木県、長野県、筑波みらい市長など40名の参加

講師は千葉商科大学教授吉田寛氏
中国の古語から始まり、主催者と納税の関係、地方税と国税の種類の数の確認
利害関係者の中で定まらない、納税科目と導入と政治力。
モンテスキュー法の精神、人民こそが最高権力者である。に対する専制制。偽名の民主主義国あり。人を鉾で叩く姿が支える。正しいを加えて,政まつりごとの字に、正しいは権力は力の意。
最高権力とは、、、契約の意思に関係なく強制的に権利に介入する力、それは徴税。
必要以上の税を集めるのは“合法的強盗”であるの定義。多数決による略奪が民主制との解釈あり。松下翁の“無税国家論”も現代世界では、ドバイにあり。アダムスミスの道徳感情論。そもそもは道徳から派生した経済学。倫理的な交換関係の構築。 
市場と政府 自発的交換による市場、強制的な政府の立場 ありがとう/反感の二極関係

フランスの人権宣言 14条と15条 市民革命の結果 市民またはその代表者によって納得されているか。
1776年米国独立宣言の一文は、英国仏国は、われわれの同意なくして課税したことに対する独立を宣言したもの。蒸気機関車と国富論は同年。
選任者への承諾があるか。公選者は、果たして行政を運営する能力が足りている者か。
会計責任とは、おこなった行動への正当性が説明できる責任。
伊藤博文の時代に、議院の口の制限をさせた、外交、兵制、経済の3件。現在は、憲法90条により会計検査院に一任している。均衡財政の維持管理。能力ある経営者としての権力者。

国家財政の貸借対照表(今いくらあるかお金の確認表)と1億2000万国民と兆円単位の借金財政
主権者と権力者の財布が分離している。だから外部に一任・会計検査院の存在
棚卸しできるか、首相の請求書と将来の税金額。首相の連結貸借対照表として診てみる。
公的年金負債を公的年金預り金に書き換えた。
国民1人当たりの借金はここ数年の歴代首相で増え続けている。民主に交代後さらに増えた。

『未だ、議論を続けますか?』
元日本開発銀行マン不動産の証券化に携わる会計大学院教授 武見浩充氏

知行合一の陽明学に対して、現在は、知行の不在。PDCAサイクルを現場で徹底しているか?
原発事故はガダルカナルの戦い誤りと同根である。アメリカとの異なり。
・金利の上昇が最大懸念材料。
・効率的な成長の追求と格差社会の出現、個人主義(自己意見/自己価値観の明確化)の必要
・選択の難しさが、効率と価値の相違。手段の選択は価値観の反映であること。
・リベラルアーツ教育の重要性が問われている。
将来負担者である子供を想像し、今の大人はプレミアムを払う義務あり。一括課税の妥当性あり。

2012年のトピックは人口70億人を突破した世界
朝鮮半島の有事統制権から米国が手を引き、韓国軍に委任するインパクト大
日本の経常収支がいつマイナスに転じるか、転じる予測が固まった時から、ギリシャ同様の国家的危機にさらさられる。ヘッジファンドは虎視眈々と日本を診ている今。
共同体主義とサンデル学。親和性の学問的展開。教養教育リベラルアーツの基礎があるか否か。
政治の役割は価値の優劣の判断と、その基準を明示する立場であり、それがマニュフェストであるはす゜。
一票の格差問題と人口減社会。移民受け入れなくして公民権と民主主義統治をどう生かすか。年齢層別一人一票加算方式の考え方

選挙民か市場かへの政治の見方。今後のインフラ整備と生産性の将来的可能性の考慮。
今後の企業のすみわけとは、モノつくるのは三流の担当、技術開発は二流が担い、そのルールは一流企業が決める。
そもそも自分の価値観、政治的立場とは何なのかの確認こそ、先ずありきで。今年予想の衆院選は史上最低投票率になる!!

「自治体の財政分析」 地方自治総合研究所菅原敏夫氏

国の予算決定なくして地方自治体の財政計画なし。特別会計で自治体が独自に財政計画を立てられない構造。政府予算案の決定と次年度予算案内容の分析。
総務省発表の健全化判断比率の全国集計結果。国債発行法案成立までの繋ぎ。財政再生基準/早期健全化基準以上のレッド/イエローカードの提示自治体が今時減っている怪。
地方交付税措置の「法定率分」の見方。介護報酬と診療報酬の同一改定の次年度。国の制度の内容に伴う自治体予算編成。
政府予算の次年度への特徴とは、地方交付税に依存した多数の地方自治体。
地方自治法の改正は、地域自主自立一括法が用意された。一定規模の施設建設に住民投票を義務付ける条項の難航。「地域主権戦略会議」の設置。介護予防サービスに関して参酌すべき基準を省令で定める例。地方債許可制度の取り扱い。

自治体財政第三次の危機を迎えている。
第一次は1954年、戦後復興過程と朝鮮戦争特需の後退による資金不足。財政再建法の制定。第二次は、1975年石油シッョク時。そして2006年の夕張市の破綻、08年リーマンシッョクから今日デフレ基調の財政危機は未経験のゾーン。
自治体財政硬直3大費目は、一に人件費、二に公債費、三に扶助費負担。これら義務的経費の膨張圧力と財政運営。「決算カード」の見方。
国民所得に対する租税総額の割合を示す「租税負担率」 イギリス38%、ドイツ30%、フランス37%に対して日本は24%の水準と国内超高齢化の進行。
また、日本の国税と地方税の割合は、実質的な配分割合は、国に35%地方に65%だが、国税分は地方税分より多い。
棚卸からはじめる財政運営の視点と公会計の考え方。将来負担比率と地方公営企業への繰り出し金負担増。元利償還の半分は一般会計支出のルールの打破。

002 「市民自治と自治体経営」元我孫子市長 福嶋浩彦氏

27歳で我孫子市議会議員に当選、38歳で同市長に就任。(人口13万人一般会計予算300億円程度)三期12年勤め、現在消費者庁長官
公共とはすべて市民のモノであり、役所や政治のためのものでない。コミュニティ/市場/政府の三者の関係。このトライアングル関係全体を新しくすることが新しい公共の目指すもの。市場の消費者と行政/公の役割。

二元代表制と内閣制(一元代表制)異なりと地方自治体行政の立場。
国民は国会を解散できない/総理大臣を罷免できないが、地方自治体では市民は市議会を解散でき首長をリコールできる直接民主制。市民の条例制定権。
新しい公共における消費者行政は、主体者としての消費者をサポートすること。
予算案の編成過程を市民に公開する手法(基礎自治体で最初に)。パブリックコメントをもらいながら予算編成を実施する、その目的は市民が自分の要望から出発して自分のまちづくり全体を考えていく大切なツールであるといいうこと。
地方政治家にこそリーダーシップが発揮できる舞台がある。市民の合意形成に直接関わる立場としての地方議員と首長。
我孫子市「提案型公共サービス民営化制度」とは、行政が本来担っていた仕事(1300事業)を棚ざらしにして、民間の手で奪い取ってもらう制度。コスト第一でなく質の確保を第一に70事業に適用。

3年ごとに市が直接補助している事業(総額7億円程度)はすべて見直す制度あり。既得権の見直しと新しい交付事業の開発。
既得権の廃止と補助金の廃止を3年毎とした。新たな補助団体が生まれるが、再既得権化にならないように3年まで。

市長時代、市民参加のあらゆる可能性を研究してきた日々。不平不満を多く持つ市民の現場に直接出向き市長として直接意見交換をおこなった。喧嘩ごしの議論から生まれるものもあった。議会とは徹底した緊張関係をもってのぞみ、議会への根回しや調整は一切せず、基本はすべて市民への公開を前提とした。任期中常に議会と市民と喧嘩し続けてきた印象。
議会では議員同士の自由討論があるべき。討論はあれども、議員が自分の意見を一方的に表明するだけになっている。議会構成員同士の議論がない怪。本会議で議員の自由討論があるのは1割程度。

議会は決定機関であり、実は行政の監視機関の位置づけではない。
栗山町議会には「一般会議」があり、町民と議員が直接議場で議論し、行政当局は傍聴席にいる。
常設型の住民投票を実施。住民の8分の1以上の請求により、住民投票実施の義務化。全国に30自治体の例あり。
地方分権推進の本質とは、財源の移譲ではなく、自治体が自ら責任をとる覚悟が持てるかどうかである。責任を取れる覚悟なくして地方分権なし。

20代から自治体議員となり30代で首長を務め、常に市民にの視点で、どんな案件についても、直接市民の前に自分が出ることを厭わずに、議会とも一切与野党関係を持たずに相当に緊張した任期を全うした福嶋氏は、講演からも如何に精力的な政治家であったかよく汲み取れるものであり、大いに活力をいただく内容であった。消費者庁でもそのスタンスで国民のために宜しくお願いします。安孫子は我孫子市の取り組みと首長に刺激を受けました。拝

この後、講師と研究会参加者たちとの交流会に参加し、各自治体の事情や議員の考え方などの意見交換を行いました。


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