あびこ雅浩の日記

仙台市議会議員あびこ雅浩の活動日記。

農業経営改善研修会に参加

2010-11-06 | 国際・政治

農業経営改善研修会」が  農業園芸センター内管理棟で行われました。

Cimg0947_2 渡辺龍彦農業委員会会長の挨拶

食料自給率の向上をはじめ安定的な農業経営が求められている今。魅力と遣り甲斐ある職業としての農業になるための研修会を企画。生産品の魅力的な加工販売についての講演会。

Cimg0948_2 「農産品の加工販売について」 株式会社FMS(フードマネージメントシステム)総合研究所 三輪宏子 社長 (伊藤忠商事出身 浅野県政下で県職員に招聘)
全国的に認知される農産物の加工販売を目指すためのコンサルタント(商品の選択、加工、販売)として多忙な中。

六次産業化・農商工連携・クラスター事業と昨今耳慣れているが、国の地域ブランド化支援事業は2年間で35件あるうち、大半は関西以西であり、東北は1割程度でしかない。熱意が地域的に大きく異なっている。東北は3件のみ。その内2件は宮城県の加美よつば(バッハオニオン)とJA栗っこ(米加工品)。

原料そのもの一次産品のブランド化か、加工品化によるブランド化では、加工品化に可能性あり。

農商工連携についての研修会ばやりだが、受講生の中で実際の農業従事者は1割にも満たない。受講者の大方は金融関係者、ネット事業者、大手商社社員の実態。
東北は販売促進途上圏。 売り方が分からない生産者。加工品の洗練度が低い。マーケティング・ビジネスマナーへの関心低い。ブランド化のデザイナーが少ない。農商工連携補助金申請が最も少ない。研修等にかけるコストも全国で低い東北。受講生の熱さも異なる。
けれども、首都圏の人々が宮城の食に感激する事実。大きなビジネスチャンスがあり市場潜在力は大なり。
販売促進の阻害要因は、横行する取引条件や結束できない地元業者。
大手流通業からは安定した量と価格が求めらつづけ、ほとんどの農産物は代賛産地がある。また安全安心は差別化にならず、ブランド化とは金と時間がかかるものである。自治体の取り組み姿勢も異なっている。
加工品のブランド化が地域の認知度と原料の認知度を高める
小売業は大手企業優先型になっている。大手流通は販売価格から35%を抜き、生産者の手元には販売価格の半額以下となっている業界の現状。商品寿命は短くなっている今、返品率も高くなり、商品の廃棄処理費用も負担させられている構造。生産者は価格の3割程度の金額を手にできるのみ。返品対応のコストも製造者/生産者に求められている流通環境の今。
大手流通側の、優越的地位の乱用が跋扈し、生産者・製造者が泣いている。

販売先では販促部門担当者と売り場担当者との対峙が明らか。差別化に地方食材がほしい、されど地方食材にはリスクが大きい。
行政の補助による販促イベント開催の是非。
仙台市内のメーカーが東京で一週間のイベント販売をするとすると、仮に価格500円を扱うとすれば、商品を1週間に2万個以上販売しなければ採算割れとなる構造。採算を取るのは不可能なイベント販売。

内部課題としては、地元同士の情報交流がなく、危機意識が薄く、マーケティングが不在であること。

ブランドとは、お客様への約束ごと。
実は食品業界は最も法的拘束要件が多いもの。違反時には、諸経費は甚大な被害(億単位)となるもの。
温泉旅館の人気商品は、今や自分のための地産品購入になっている傾向に変化。

今や時の風は激しく、引っ張りだこの三輪宏子氏。これまで“おいしいみやぎ”ブランドの立ち上げから始まり、宵の奥松島 みやぎごはん 販促ツールの統合化と括りのアピール力、みやぎの玉手箱(複数メーカー商品の混交商品)を展開。
物流業者との関係性とコスト打開策。複数企業による開発のメリットを実動中。

関連企業の有機的連携をはかり地域の活性化に貢献できる仕組みづくりへ。誰がプロデューサーとなりえるか。今、農業者自身の企画・運営能力が問われているが、
生産者からプロデューサーになる余力はない。では農協の職員がプロデュサーになれるかも現状では無理と思う。一方で、若い世代で意識ある農業者たち、農家と付き合いたい中小企業家は大きく増えている。このマッチングにこそ農業再生への可能性があるのだと思う。

閉会挨拶は 峰岸一男 会長職務代理者

戸別所得保障制度が導入されている一方で関税撤廃のTPPA問題は大きな不安要因。加工販売による農業経営を進めていくその取り組みには、若手後継者が必要であり、農業の多面的な展開によって農地の保全と若手後継者への継承も進むように農業委員会としても取り組んでいきたい。

今月下旬には「収穫まつり」の会場ともなる農業園芸センターでの研修会には内容とともに意味深いものがありました。同センターは都市型農業振興の拠点となる施設なのです。