ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

虚空へ  谷川俊太郎の新詩集

2021-10-09 22:09:16 | Poem

(天から)

 

天から

降ってくる

言葉

 

地から

湧いてくる

言葉

 

心の

水面に

浮く

言の葉

 

人から人へと

行き交い

いつか

沈む

 

 

詩集の作品全体が14行で書かれている。

1931年生まれの御大は、ほとんどの人生を詩ともに生きてこられ、多分90歳になられたことと思う。

驚きと感動を覚える。

言葉を水面に浮かぶ落葉(言の葉)に例える。そしていつか沈む。

この表現は私が何度も書いては消して、今だ完成していない。

なるほど。このように書けばいいのね。深く納得しました。

しかし、もう私には書けない。どう書いても「真似」になるでしょう。

書き上げる前に出会えて幸運でした。いつまでも心に残る詩集となるでしょう。

谷川俊太郎という詩人は、いつでもどこでも私の道標になっております。

 

(2021年9月25日 新潮社刊)


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