ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

日本語のゆくえ  吉本隆明 (続)

2013-10-22 00:31:39 | Book


吉本氏の「無」の意味を「なにもない。」と解釈するのは違うんじゃないかな?
過去と未来が含まれる「神話的な想像力」と、その詩が俚歌(りか)のごとく
未来にむけて歌い継がれるだけの要素があるか?
それがないなら「無」だと言うことじゃないかな?

「意味を拒否した言葉」を駆使して、組み合わせて誰も描けなかった世界を
描こうとしているのではないか?そこに何があるか?ということではないの?
「今現在」だけを存在価値とすると、想像力は痩せてしまうのではないか?
「断想」ではなく、過去と未来を繋ぐものでなければ「無」になってしまう。

名作が何故ここまで残ったのか?
今の時代の詩が今後数百年生き残るだろうか?
数百年生き残る詩を意識して書いている詩人は今はいないでしょう。
そこまで高い基準で考えて吉本氏は「無」と言ったのではないでしょうか?


我が独断にて失礼。