私がおばあさんの写真を撮っていたら、オートバイの一組がやって来た。後ろに乗っている若者が何か言っている。了解を取らないで写真を撮るのは違法だ、と。鋭い目で威嚇しているようにも見える。彼は粗い織りの布で顔をぐるぐる巻きにしている。ちょっと異様だが、これもよく見かける格好だ。
じゃあ、あなたたちのこと撮ってもいい? 勇気を出して聞いてみる。すると彼はすぐに、そのぐるぐる巻きの布をはずす。ふっくらとした可愛い顔をしている。(なーんだ、結局撮って欲しかったのね)
思わずカッコいいと言ってしまう。うれしそうな笑顔になった。他の二人の若者はもっと精悍ないい顔をしている。浅黒い肌に、杏型の鋭い目、しっかりした鼻、黒い長髪。羊皮襖というチベット族の服の片肌脱いでオートバイに乗っている様子はとても男らしい。
主人の後ろにも、何も言わずにぴったり寄り添ってカメラを覗き込んでいる若者がいる。私がカメラを向けると、うれしそうにポーズをとる。
みんな珍しい旅行者に興味深々だったのだが、恥ずかしくて話しかけられず、きっかけを掴もうとうろうろしていたのだ。恥ずかしがりの人懐っこい人たちなのだ。
オートバイの音は日暮れまで止むことがなかった。
じゃあ、あなたたちのこと撮ってもいい? 勇気を出して聞いてみる。すると彼はすぐに、そのぐるぐる巻きの布をはずす。ふっくらとした可愛い顔をしている。(なーんだ、結局撮って欲しかったのね)
思わずカッコいいと言ってしまう。うれしそうな笑顔になった。他の二人の若者はもっと精悍ないい顔をしている。浅黒い肌に、杏型の鋭い目、しっかりした鼻、黒い長髪。羊皮襖というチベット族の服の片肌脱いでオートバイに乗っている様子はとても男らしい。
主人の後ろにも、何も言わずにぴったり寄り添ってカメラを覗き込んでいる若者がいる。私がカメラを向けると、うれしそうにポーズをとる。
みんな珍しい旅行者に興味深々だったのだが、恥ずかしくて話しかけられず、きっかけを掴もうとうろうろしていたのだ。恥ずかしがりの人懐っこい人たちなのだ。
オートバイの音は日暮れまで止むことがなかった。