eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

電気の出来事を技術者向けに適宜up中。
質問等はコメント欄にて。

PASのGR動作で停電

2013年11月25日 | eつれづれ
3時半過ぎに絶監装置より停電メール着信。程なく担当者からも電話連絡があり現場へ急行する。PASの表示はGRで構内で地絡事故発生の様だ。電力指令にも確認したら地絡表示あったとの事...(Vo整定は5Vとの回答)。高圧分岐3回線で距離も最長で2km程度あり、一応、検電器で無電圧確認接地をし、全回路一括の高圧絶縁抵抗測定を実施。
特に問題無い数値だったので、電力指令と連絡をとり投入成功...10分後に再度停電となり、もう薄暗く明日の早朝点検に持ち越し。出入りの業者にも連絡し3名で対応する話。

次の日、明るくなるのを待ち業者が柱上配電機器等の枝接触、碍子割れ、高圧ケーブル端末他を確認する。最後に直流絶縁診断を全回路一括を実施し、印加電圧4kV絶縁抵抗値最終1GΩ他を確認。

特に問題無かったので再投入成功...ナント今度は約1時間経過後に再度GRトリップし全停電...。降雨でも無し、再現性も無し、高圧なので部位的ダメージあった方が原因を探れるのだが!!仕方なく、個別3回線毎に直流絶縁診断再度実施、これも特に異常無しで、また電力指令と連絡を取り合いPAS投入成功、48時間経過後も異常無し。電力変電所Vo表示3回出ているので、間違いなく構内の地絡事故なのだが、7月にも同じ様な停電があり全く特定出来ず教科書通りには逝かずトホホ状態。わかる事は高圧絶縁抵抗測定など気安め程度と言う事で、こんな管理していても希望通りにはならない現実か。

この地絡事故を机上でノーガキ語り計算させると0.035MΩ(35kΩ)の絶縁抵抗まで低下すると電力変電所Vo表示警報、自家用側PASのVo2%、整定で双方とも動作するが36kΩ以上では電力変電所Voは表示警報は出るが自家用側PASのVoは動作しないレベルである。
電力配電線側の静電容量μFは大凡の適当な数値を入れた。35kΩの絶縁抵抗値は0Ωの完全地絡事故と同じだが高圧ケーブルのスパイク状のトリー漏電なのか??...。

結論:
高圧ケーブル等も25年以上、経過しているので回線多くお金かかるが交換等の指示はしている、取りあえず今は波及事故は免れている現状。