BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

コ ロ ナ

2010年12月01日 | 古本
 過去のオリンピック大会で記憶していることや、知っていることはあまりない。
1996年のこのアトランタオリンピックもほとんどなにも憶えていない。元々
スポーツにあまり関心がないせいか。それでその分この「冠」は新鮮で、いま読ん
でも面白い。
 しかし最近のスポーツ大会、寄ってたかってテレビがつまらないドラマに仕立て
てしまう。なんであのバレーボール大会にアイドルグループが出てきて歌い踊るの
か。応援アクションもコメントも台本作家が書いた進行通りの棒読みセリフだ。

 沢木さんは、古代オリンピックが歴史から消えたように、近代オリンピックはあ
まりの商業主義に侵され早晩同じ道を辿るだろう、という。つまり競技がTV放送
の都合上の日程や時間で進行され、視聴率のとれる、また自国のメダルばかりに目
が奪はれていると。それはあのタマランチ(サマランチ)会長になってからより
顕著だと。アトランタでは大スポンサーのコカコーラを飲まなかったとも。(笑)

 ところで沢木さんは一文字タイトルがお好きなようで、この「冠」はコロナと読
んでほしいらしい。「檀」や「凍」はそれなりに解るのだが、どうも冠はね。まぁ
作者がお気に入りならしょうがないか。

 「 冠 」 著者 沢木 耕太郎  朝日新聞社  定価1600円+税
  ( 2004年1月30日 第1刷発行 )
 ※「黒い輪ー権力・金・クスリ オリンピックの内幕」 光文社 1992刊
   を読むと、IOCのその汚い世界に身がすくむ。

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