BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

去 年 屋

2009年11月02日 | 古本
 茨木 のり子さんの詩集が出ていた。「倚りかからず」というタイトルだ。
石垣 りんさんに続いて、茨木さんも鬼籍(2006年2月17日)に入られた。
幅(厚さ)をとらず地味に、大勢の均一棚中に、しかし毅然と納まっていた。
 「倚りかかるとすれば
  それは
  椅子の背もたれだけ」
 権威に倚りかからず、心底学んだのはそれくらい、という。
 「店の名」という題名の詩に<はるばる屋>があり、そして<なつかし屋>、
<去年屋>(古着屋さん)という店があると書いてある。<去年屋>中々いい。
これが<来年屋>なら僭越だろうし、<今年屋>なら主張が強過ぎて生意気だ。
ともかくここは謙虚に<去年屋>くらいが丁度いい。したがってアタシの店の名
は「去年屋」としょう。茨木さんの詩集の中から、店名の名前をいただくのだ。
 次にやりたい本命念願の古本屋と、私設放送機材博物館に相応しい名だと思うが、さてどうか。何処かにタダで使わせてくれる建物はないものか。札幌市内、
近郊、稚内でも、もう積雪37cmの朱鞠内や増毛でも、清里でも広尾でも、
黒松内でも江差でも浜頓別でもいいのだが。ただなんしろその店、なんにも利益
など生まないのだ。だから家賃など払えそうにない。
 ウムッー、もう倚りかかっている?(笑)。


 「倚りかからず」 著者 茨木 のり子  筑摩書房  定価1800円+税
  ( 1999年12月20日 第7刷発行 )

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