藤田宙靖元最高裁判事の回想録が面白すぎてたまらない吉野です。個別の内容も非常に興味深い上に,何と言っても読みやすい。さり気に超辛口部分が入っていたり(団藤,浦部教授らへの言及部分とか),とにかく飽きさせない。
さて,同書には「一票の格差問題」に関して,最後にこんな記述がある。
「・・・・国会がこれを早急に是正する必要があるとのメッセージを発し続けている。それにも拘らず問題の根本を理解し,然るべき行動をとらない国会の不作為に対して,いわば我慢に我慢を重ねている。Xデーが来るのは,恐らくは,選挙を無効としたときにもたらされる理論的実際的混乱につき,もはや最高裁は一切の責任を負うことが出来ず,一重に立法府が責任を負うべきである,との判断に多数の裁判官が達した時であろう。そしてその日は国会の現状がこのまま続く限り,さほど先のことではないかもしれない。」 (「最高裁回想録 学者判事の七年半」115ページ)
この記述って真面目に相当重いと思う。つい最近まで最高裁内部にいた人の本音である。いずれ政府・国会は鋭利な刃で切りつけられる可能性があることを示唆している。そしてこの「鋭利な刃」の持つ意味は,もちろん最高裁の持つ,「伝家の宝刀」が抜かれると言うことである。
さて,同書には「一票の格差問題」に関して,最後にこんな記述がある。
「・・・・国会がこれを早急に是正する必要があるとのメッセージを発し続けている。それにも拘らず問題の根本を理解し,然るべき行動をとらない国会の不作為に対して,いわば我慢に我慢を重ねている。Xデーが来るのは,恐らくは,選挙を無効としたときにもたらされる理論的実際的混乱につき,もはや最高裁は一切の責任を負うことが出来ず,一重に立法府が責任を負うべきである,との判断に多数の裁判官が達した時であろう。そしてその日は国会の現状がこのまま続く限り,さほど先のことではないかもしれない。」 (「最高裁回想録 学者判事の七年半」115ページ)
この記述って真面目に相当重いと思う。つい最近まで最高裁内部にいた人の本音である。いずれ政府・国会は鋭利な刃で切りつけられる可能性があることを示唆している。そしてこの「鋭利な刃」の持つ意味は,もちろん最高裁の持つ,「伝家の宝刀」が抜かれると言うことである。