平成23年度 重要判例解説 憲法編その1

2012-04-09 18:36:10 | 司法試験関連
憲法6事件 思想良心の自由,制約の認定等

超大本命の一つ。ピアノ伴奏事件との異同の確認は激しく必須。補足意見等もフル活用する。直接的な制約と間接的な制約をどう峻別するのかという制約の有無レベルを検討させる素材としても最高である。この判例まんまでも十分な主張反論型の問題になりうる素材である。詳細は繰り返しになるので,以前の本ブログ該当箇所参照のこと。

憲法7事件 新しい人権,政教分離規定

これも大本命の一つ,政教分離違反事例(という側面がある,が正確だが)。ポイントは2つあり,一つは,「敬愛追慕の情を基軸とした人格権」なる権利の法的権利性如何である。人格的生存に不可欠とは言えないとされたが,有力説なら,とり合えず人権として肯定し,権利侵害性の判断部分で調整するという手法がとれるかどうか,検討すべきであろう。
もう一つは政教分離。本判決は政教分離につき正面から判断したわけではないが,妙なことを言っている。国の合祀強力行為について,宗教団体の自律性ある行為に対するものなので政教分離規定に違反しないとかなんとか言っている部分である。政教分離関連は最高裁判決も含め,多く出ていると言えるので注意したい。

憲法8事件 適用違憲,「公共の福祉」(=守ろうとする公益)の具体的内容,パブリックフォーラム

素材としてかなり魅力的。無罪主張型の適用違憲の事例に最適。構成要件と違法性阻却各段階でのそれぞれの解釈適用指針を自分なりに考えてみよう。構成要件レベルの指針としては,宮川裁判官の補足意見が参考になろう。また,表現の自由を制約する原理をどう考えるべきかも勉強になる。解説3が参考になろう。更に,日本流パブリックフォーラムをどう審査基準の「上げ要素」として取り込んでいくかも勉強になる。解説4第3,4段落が参考になる。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする