Softly...But With That Feeling/Herb Ellis
(Verve V6-8448 kp.reissue)
(Verve V6-8448 kp.reissue)
40年代後期以降のピアノトリオと言うとナットキングコールトリオのようなピアノ/ベース/ギターというのが一般的な編成ですよね。この編成でインストで最も成功したのがオスカー・ピーターソントリオと思われ,OP, Ray Brown, Herb Ellisのトリオこそが最高の組み合わせだったかもしれませんね。OPにエリスを推薦したのがその前にこの席を埋めていたバーニー・ケッセルというのも興味深いですよね。この辺りの演奏はOPのクレフ~ヴァーヴ系のレコーディングで皆さん楽しまれていることと思います。エリス自身はテキサンで元々はカントリーミュージックをやっていたというのも面白い経歴ですよね。C.クリスチャンのギターを聴いて,ジャズギターの世界に飛び込んだと言います。そのせいか,どことなくユーモアのあるおおらかなプレイと白人らしいブルースフィーリングが売りだと思います。本日はエリスのスタイルをあらわしたかのようなタイトルで彼の快演が聴けるヴァーヴ盤をアップいたします。
61年の録音であり,Herb Ellis(g), Victor Feldman(vib, p), Leroy Vinnegar(b), Ronnie Zitto(ds)という極めて通好みのカルテットで演奏されます。いち早くボッサへの傾倒を示した"One Note Samba"をA-1に配するあたりはギタリストならではですし,A面ラストの"Jim's Blues"での乗りに乗ったブルースの快演こそエリスの真骨調だと思います。B面トップの"John Brown's Body"の低音弦を生かしたプレイも大好きです。そしてお得意のB-2"Detour Ahead"はノーグランの"Ellis in Wonderland"でも取り上げられた曲でありここでの演奏も忘れ難いプレイだと思います。リロイの重厚なピチカートはドラムをかき消すかのようなビッグトーンでありg/p/bのトリオに近い雰囲気も感じられます。
所有盤はポリドールが出した国内盤再発ですが、ボッサ,ブルース,バラードとエリスの良さを全ての引き出しをあけたかのような選曲も魅力的な一枚と言えますね。