67camper's Blog

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ブラジルの国宝的存在、ジョビンの代表作

2009-01-22 00:07:19 | jazz & vocal
Wave/Antonio Carlos Jobim
(A&M SP3002)


 作曲者以外の他人が取り上げたバージョンを一般的にカバーといいますが、カバーされるということは曲がスタンダード化した事の証でありコンポーザーとしてはカバーはまさにご満悦の心境であろうと思います。昔何かの本で読んだ事がありますが、ビートルズの楽曲以外で最もカバーされた回数が多いのがイパネマの娘だという記載を思い出します。この情報の出所、真偽のほどははっきりしないのですが、ビートルズが英国でSirの称号を与えられている事を考えるとイパネマの作者アントニオ・カルロス・ジョビンはブラジルの国宝的存在と考えても差し支えない気がします。このイパネマと並んでジョビンの曲で最も知られているのが”波(Wave)”ではないでしょうか?おしゃれなカフェやブティックの定番的ソングであり、この美しいメロディラインは誰もが一回は耳にした事があるのではないでしょうか?本日はこのWaveのオリジナル演奏を収録したジョビンの代表作をアップいたします。

 ジョビンのギター、ピアノ、ボーカルはこれまでのゲッツやアストラッドとの共演盤で既におなじみですが、このアルバムではClaus Ogermanのストリングスを配して極めて心地よいイージーリスニングジャズに仕上がっているのが特徴です。コアなボッサファンやジャズファンには『ちょっとねぇ・・・』と言いたくなるほどのソフト路線です。そのためか、中古レコード屋さんではゴミ扱いを受けているので再発国内盤は1000円もしない超安値で出回っていると思います。A-1の"Wave"の美しさ、心地よさは微風の中をゆったりと走るヨットのイメージですよね。A-2の"The Red Blouse"もジョビンらしい佳曲でこの冒頭2曲ののために繰り返し聞いてしまう感じです。B面3曲目の"Lamento"のジョビンのボーカルもこれぞボッサボーカルという濁音の多いPortugueseでとてもセクシーですね。

 この盤はA&M傘下のCTIを代表するアルバムですし、このPete Turnerのキリンのカバーフォトも超有名ですよね。自分のはCTIの濃いベージュのラベルで赤キリンのgatefold coverですがオリジナルはどうなんでしょう?このアルバムにはグリーンのキリンのものも存在すると思うのですが、どっちがオリジナルなんですかねぇ???