Basie Is Our Boss/Frank Foster
(Argo LPS717)
カウントベイシーのビッグバンドには、多くの優れたプレイヤーが在籍し、どの時代にも優れた演奏を聴かせてくれますよね。本日アップのフランク・フォスターもマルチリードプレイヤーとして、またアレンジャー、音楽監督として活躍し全盛期のベイシーを支えた重要なジャズメンですよね。シャイニー・ストッキングスなどは彼の実力を示したジャズスタンダードの一曲としてファンにも広く知られていますよね。フォスターのベイシーバンドでのアピアランスはとても多い気がするのですが、コンボ、それもリーダー作となると「これぞ決定盤」と言われるアルバムにはなかなか恵まれていないように思います。本日アップのこのアーゴ盤などは出来がいい方で、個人的に愛聴している一枚でもあります。
ベイシーアイツのプレイヤーを中心にしたセッションで、パーソネルはFrank Foster(ts), Eric Dixon(ts, fl), Al Aarons(tp)の3人がフロント、小気味いいスウィング感がすばらしいJohn Young(p), Al&Zootなどのアルバムで活躍したBuddy Catlett(b), Youngの盟友Phil Thomas(ds)のセクステットです。A面冒頭のフォスターのブルース"Vested Interest"はとてもファンキーで、逞しいフォスターのテナーは音色的にはコルトレーン的でもありますね。Dixonは主にフルートでの活躍が目立ち、B面の"Samba Blues"やケリーの名曲"Kelly Blue"での切れの良い演奏は圧巻です。特に"Kelly Blue"は作者自身の決定的名演がありますが、フォスターのアレンジによりオリジナルに迫るようなブルージーな仕上がりになっています。また、ピアノのヤングはStitt&Zootの"Interaction"でノリノリのピアノを聴かせてくれて以来のファンですが、ここでもケリー顔負けのグルービーなピアノを聴かせてくれて、彼の凄さを再認識した次第です。
所有盤はアーゴのステレオ、ブルーラベルです。センターにパンチホールがあるのですが、サウンドは厚いですよ。逞しいフォスターのテナー、ノリノリのヤングのピアノ、バッチリ録音されてます。地味ですが、いい盤ですね。